韓国語の勉強を一生懸命にしているのに、リスニングが難しい、ドラマや映画を観ていても聞き取れないということはないでしょうか?
リスニングは、ドラマや映画を観て理解できるだけで良いわけではなく、会話をしたいのであれば当然必要です。
会話となれば、相手の言っていることを聞き取り、それを理解し、返さなければならないからです。
ところで、あなたはリスニング力をつけるために、ひたすら韓国語の音声を聞き流しのように聞いていないでしょうか?
実のところ、韓国語のリスニングは単に韓国語を大量に聞いているだけでは上達しません。
今回は、韓国語のリスニング上達のための勉強法について説明していきます。
韓国語のリスニングが難しい、できない理由は?
まず、韓国語のリスニングが難しい、できない理由から見ていきましょう。
単語を知らない
韓国語に限らず日本語であっても、私たちは自分が知らない言葉はいくら聞いても認識ができません。
例えば私たち現代人が、古典で出て来るような言葉を聞いて理解できるでしょうか?
恐らくたとえ日本語であっても、耳慣れない言葉は何度聞いたとしても理解はできないはずです。
韓国語も同じことが言えます。
自分が全く知らない言葉を何度聞いたところで理解はできないはずです。
文法を知らない
文法力がないこともリスニングが難しい、できない理由です。
例えば、「가다(行く)」であれば、「갔어요(行きました)」や「갈까요?(行きましょうか)」のように、伝えたいことによって形を変えて使います。
これを「活用する」と言います。
つまり、辞書に載っている原形「가다(行く)」を使うわけではありません。
そのため、「가다(行く)」など原形をひたすら覚えても、実際にはその原形の発音では聞こえてくるわけではないため、聞き取ることはできません。
発音を自分でできない、音読練習をしていない
リスニングは聞くことだから発音は関係ないと思うかも知れませんが、自分が発音できない音は聞き取りもできません。
とは言え、韓国人と全く同じ発音になることは困難ですし、その必要もありません。
しかしながら、自分がする発音と聞き取る音があまりにも違いすると、自分が認識している音と聞こえる音に開きがあるため、聞き取りが難しくなります。
聞き流しをしている
自分が理解できないことをどれだけ聞いても脳は認識してくれず、それはただの音でしかありません。
そのため、自分が理解できない韓国語の聞き流しをいくらしても効果は薄いです。
リスニング教材のレベルが学習レベルに合っていない
リスニング教材は、自分の学習レベルに合わないもので勉強しても効果が薄いです。
例えば、初級者が好きなドラマや映画をひたすら見てリスニング力をつけるといった方法は効率が悪いです。
上で触れた通り、自分が知らないものはいくら聞いても理解はできません。
聞いても理解できないということは聞き流しと同じなので、当然効果は薄いということです。
ここで少し余談!
下記記事では、韓国語の「5W1H」について詳しく解説しています!文法を攻略して効率よく韓国語学習を進めていきましょう♪♪
リスニングが上達するおすすめの勉強法とポイント
次に、私が韓国語のみならず英語習得でもやってきたリスニングが上達するおすすめの勉強法とポイントについて書きます。
単語と文法学習をする
既に触れた通りですが、単語や文法を知らないと、どれだけ韓国語をたくさん聞いても理解はできません。
そのため、まずは、ある程度の単語と文法を勉強して知識を得ることが必要です。
単語は、原形と意味だけ覚えるのではなく、文法知識を基に、活用する語がどのように活用し、どういう意味や発音になるのかを理解することが大事です。
その理由は、既に触れた通り、動詞や形容詞などの用言は、人や物の名前、数字などの体言とは違って原形(辞書に載っている形)で使わないからです。
自分の学習レベルにあったリスニング教材を使う
聞き取りは自分のレベルに合わないものをいくら聞いても理解はできません。
文法や単語を学べる一般的な教材は、学習者のレベルに合わせて無理なく学習できるように内容が構成されています。
それと同じく、リスニングも自分の学習レベルに合ったものを使うことが、最も学習効果が高いです。
まずは、手持ちの教材についている音声教材を使ってリスニングの勉強をしましょう。
自分が勉強している内容なので理解ができるし、学習レベルも自分に合ったものなので難しすぎるということはないはずです。
リスニングの勉強に、自分が好きなドラマや映画、K-POPを取り入れる方法ですが、ある程度のリスニング力がついてからの方が良いです。
確かに、自分の好きなもので勉強すると楽しんでできるとかモチベーションが上がるということはあるかも知れません。
ですが、これらはそもそも既に韓国語が分かる人向けのものであり、リスニング教材として作られたものではありません。
そのため、レベル、使われる単語や文法も韓国語の学習を目的に作られたものでは当然ありません。
ただ、ある程度韓国語を学んでリスニング力がついた段階であれば、効果はあります。
しかしながら、初級者などリスニング力がまだない段階で教材として取り入れるのには適切ではありません。
何事もそうですが、まずは基本をしっかりとできるようになることです。
リスニング教材は必ずスクリプトのあるものを選ぶ
ある程度のリスニング力がついて、テキストの音声以外のものをリスニング練習に取り入れる場合、必ずスクリプトがあるものにしましょう。
例えば、映画やドラマであれば、字幕がついているものを選んで下さい。
字幕は常に表示されているものを選ぶということではなく、表示ができるものであれば大丈夫です。
字幕がないと、自分で聞き取りをしてみて、聞き取れない部分があった時に確認ができません。
確認ができないと、聞き取りが間違っていた場合に気づかなかったり、分からない部分があっても分からないままになってしまいます。
発音練習と音読練習をしっかりとする
上で挙げた通り、聞き取りが難しい、できない理由は発音ができない、音読がスムーズにできないことが理由のひとつです。
そのため、聞き取りをできるようになるには発音練習と音読練習をする必要があります。
発音と音読練習は手持ちのテキストを使って練習をしてください。
発音練習をする時に気を付けるポイントがあります。
それは、使う形で練習するということです。
使う形とは、助詞であればそれを単独で発音練習せず、前に名詞や代名詞、数詞を付けて発音練習するということです。
日本語で考えてみると「~は」「~を」「~に」などはそれ単独で使うことはありませんよね。
実際に使う時は、「私は」「これを」「弟に」のように前に名詞や代名詞、数詞などを置いて使います。
韓国語もそれと同様に、「~은/는(~は)」「~을/를(~を)」「~에(に)」だけを発音練習してもあまり意味がありません。
また、韓国語ではパッチムで終わる語は後ろに母音が来ると連音化します。
これにより音変化が生じますが、この連音化による音変化は単語のみで発音練習していても身につきません。
例えば「옷(服)」はパッチムで終わっている単語です。
この単語だけだと発音は「オッ」のような発音になります。
ところが、後ろに「~은(~は)」がついて「옷은(服は)」となると発音は「오슨」のように、「옷(服)」だけの時とはかなり違った音になります。
文字を見れば分かるのに、聞くと分からないというのはこれが原因です。
いくら連音化の規則が分かっていても、自分で発音練習して実体験として音変化を認識しなければ、聞いても分からないということです。
韓国語ではパッチムのある語が多く存在し、それらは後ろに来る母音によって音が変化します。
そのため、多くの文を音読していろいろなパターンの音変化に慣れることが、リスニングができるようになるために必要です。
また、綴りと発音が一致しない単語もしっかりと発音練習をしてください。
一例を挙げると、「설날」は実際の発音は「설랄」になります。
こういった単語も、綴りと意味だけ覚える、規則だけ覚えるのではなく実際に自分で発音し、その発音変化を認識する必要があります。
また、自分で韓国語をある程度きちんと読めないと、韓国人が話す速い韓国語の聞き取りができません。
そのため、音読練習もしっかりとする必要があります。
音読練習ですが、完璧になる必要はないですが、ある程度スラスラと読めるようになるまで練習してください。
練習が足りず、読めてもゆっくりだったり、つかえながら何とか読める状態では、聞き取りもうまくできません。
その理由は、自分でもある程度のスピードでスラスラと音読ができないと、自分の読むスピードとドラマや映画、また実際の会話で耳にする韓国語のスピードに開きがあり理解が難しいからです。
まずは、テキストに載っている例文や会話文、また読解用の少しまとまった文章などを何度も繰り返し音読練習してみましょう。
発音練習で、できるだけ正しい発音ができるようになることと、音読練習でスピードに慣れることがリスニング上達のカギになります。
ここでまた少し余談!
下記記事では韓国語の「時間」にまつわる表現をご紹介しています!以外にもこんがらがりやすい表現なので、しっかりと正しい使い方を覚えていきましょう♪♪
まとめ
ここまで、韓国語のリスニングが難しい、できない理由とリスニングが上達する方法についてご紹介してきました。
リスニングを上達させるためには、まずは単語と文法のインプットから始めます。
そして、インプットで得た知識を基に自分で発音練習と音読練習を繰り返しすることで、韓国語の音に慣れてきます。
そうすることで、自分で発音や音読ができるようになると、韓国語の音を認識しているので、リスニングで聞く韓国語も理解ができるようになります。
リスニングは、自分が好きなもの、自分の学習レベルに合わないものを使って勉強するのではなく、自分の現状のレベルに合った教材を使うようにしてください。
初めからまとまった文ではなく、まずは簡単なひとつの文からきちんとリスニングをできることになることが大事です。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。