「くしゃみ」にまつわる英語表現。Bless youとは?

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「ハッ、ハックション!」···あれ?くしゃみって英語でなんて言うんだ?

学校教育や受験英語では習わない身近な単語ほど、英語がパッと思い浮かばないということはありませんか?

この記事では、タイトルのとおり、くしゃみやそれにまつわるものを英語では何と言うかをご紹介いたします。また、海外ドラマなどを見ることがある方などは聞いたことがあるかもしれない”Bless you.”という表現についても解説しています。

くしゃみ=sneeze

早速ですが、くしゃみは英語ではsneezeと言います。
この章では例文を交えて、実際の使い方などを見ていきます。

sneezeの使い方:名詞と動詞、両方で使える

まず、sneezeは名詞でも動詞としても使うことができます。つまり、名詞としての「くしゃみ」とも、動詞としての「くしゃみをする」としても使えます。

She gave a violent sneeze.
彼女は強烈なくしゃみをした。

この場合は、名詞として使われており、giveの過去形であるgaveとあわせてくしゃみをするということを表しています。giveの他には、haveやmakeを伴って使われます。次に動詞としての使い方を見てみましょう。

I can’t stop sneezing.
くしゃみが止まらない。

I’ve been sneezing all morning.
もう午前中ずっとくしゃみをしてるんだ。
※all morning=午前中ずっと

くしゃみが出そうで出ない、という良くありがちなシチュエーションを表したい場合は以下のようになります。

I felt a sneeze, but I lost it.
くしゃみが出そうだったけど、大丈夫みたい。
※私はくしゃみを感じた=くしゃみが出そうだった、私はそれ(くしゃみ)を失った=くしゃみをせずに済んだ

I was going to sneeze, but I didn’t.
くしゃみをしそうだったけど、しなかった。

誰かに向かってする場合はsneeze at

普通、他人に向かってくしゃみをするということは無いと思いますが、

Hey, don’t sneeze at me!
ちょっと!私に向かってくしゃみしないでよ!

というシチュエーションはありそうです。ただし、sneeze atは何かをバカにするという意味でも使われることがあります。

The president sneezed at the offer.
社長はそのオファーを鼻で笑った。

こちらの和訳で「鼻で笑った」としたとおり、バカにすると言っても、からかったり何かを言って人をバカにするわけではなく、大したものではないとあしらうイメージです。

また、このバカにするという意味でのsneeze at の表現は、実際にはnothing to sneeze atもしくは、not to be sneezed at「バカにはできない」という使われ方をすることが多いです。

A five per cent pay increase means an extra ¥70,000 a year, which is not to be sneezed at!
たった5パーセントの昇給だけど、年間にして7万円。バカにはできないよ!

特にお金などの具体的な数字が意味を持つ事柄に対して使われることが多いですが、次の例文のように必ずしもそうであるとは限りません。

The environmental impacts are nothing to sneeze at.
それが自然環境に与える影響は、バカにはできない。

Bless you. って何?

冒頭で述べたように英語圏では、誰かがくしゃみをした際にBless you. と言う文化があります。
この章ではBless you. の意味や由来について解説していきます。

Bless you. の意味と由来

まず、Bless you. の意味ですが、意訳としては「お大事に!」という挨拶程度のものだと思って差し支えないでしょう。くしゃみをして、Bless you. と言われたら、Thank you. と返すのが一般的です。

次に、Bless you. の実際の意味ですが、blessを辞書で引くと以下のようにあります。

to ask for God's help and protection for someone or something, or to call or make someone or something holy (Cambridge Dictionary(WEB版))



ここではorより前の、「神の助け、また、ご加護を求める」という部分が当てはまり、くしゃみをした人に対して神のご加護がありますように、というような意味合いになっています。

また、Bless you. の由来ですが、実ははっきりとは分からないというのが現状です。

しかし、いくつかある内の最も有力な説は、くしゃみをすると魂まで抜けてしまうので、悪魔の格好の餌食になるのを防ぐために、周りの人がその人を守る意味で神の助けを求めたというようなことが言われています。

「くしゃみ」に関する豆知識

さて、本題からは少し逸れてしまいますが、くしゃみの語源をご存知でしょうか?

実は日本でも、くしゃみをすると魂が抜けてしまい、更には死んでしまうという迷信から、くしゃみをした人に対して「くさめ」という呪文を唱えていたという背景があります。

「日本でも」と書きましたがこのような文化や迷信は世界中の至るところにあります。

恐らく、くしゃみが風邪や他の病気の症状として認められていて、加えて今ほど医療技術が発達していなかった昔の時代には、今では軽い病気と思われている風邪のような病気でも死に至ってしまうことが多かったことから、このような風習が世界各地にあると考えられています。

「くさめ」自体がどういった意味だったのかまでは明らかになっていませんが、世界中のいたるところで同じような文化があるのは興味深いですね。

「お大事に!」以外の使い方

Bless you. には、くしゃみをした人に対する「お大事に!」以外の使われ方もあり、その一部をご紹介いたします。

Bless you. は決まり文句のようなものなので、日本語に直訳するのは難しいですが、

·別れ際の挨拶として
·感謝を表す言葉として

使われることもあります。

Bless you. は神の助けによってあなたの人生が無事うまく行きますように、といった内容のことを言っているのでHave a nice day. やHave a safe trip. の最上級にフォーマルな表現と捉えると、そのニュアンスが分かりやすいかもしれません。

それでは、以下にBless you. の「お大事に!」以外の2つの用法をご紹介します。

別れ際の挨拶としてのBless you.

特に政治などの形式ばったスピーチなどにおいて、Thank you. God bless you.(スピーチを聞いていただき)ありがとうございます。神のご加護があらんことを。

また、海外留学や転勤が決まった友人に対して、I wish you a safe journey. God bless you.無事に現地に到着できることを願っています。良い旅を!

先ほど書いたとおり、ここでのBless you. を日本語に直訳するのは難しいですが、とにかく、「あなたの無事や安全、そして現地で目的が達成できることを祈っています」という全てのニュアンスが込められています。

ちなみに、ここでのGodは宗教上、唯一神と信じられている神であり、aやtheは付かず、最初のGは必ず大文字になります。

一方で、ギリシャ神話など、一般に多くの神がいるということが認知されている場合は、

The ancient Greek gods and goddesses.
いにしえのギリシャの神々
※goddess: a female god=女神

となり、Theが付いている他、複数形にもなっています。

感謝を表す言葉としてのBless you.

Thank you for helping me finish the report! God bless you!
レポート終わらすのを手伝ってくれてありがとう!〇〇〇〇〇!

口説いようですが、ここでもやはりGod bless you! を和訳するのは難しいです。

単に「神の祝福がありますように。」とも、あるいは訳さないという方法もありますが、筆者は「きっといいことあるよ!」ぐらいの言葉で良いと思うのですが、読者のみなさんならどう訳すでしょうか?

「ハッ、ハックション!」英語では!?

みなさんはオノマトペ (onomatopoeia) という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

日本語では擬声語と言われ、代表的なものだとニワトリの鳴き声が日本語ではコケコッコーなのに対して、英語ではcock-a-doodle-dooと表すものです。
このように人や動物、あるいは物が発する音を文字にすることを言いますが、くしゃみをする際のハクションに当たる英語のオノマトペがあります。

結論から言うと、ハクションは英語で”Achoo/Atchoo”(アチュー)となります。
しかし、日本語で

·ハクション
·ハックション
·ぶわぁーくしょい

など、いずれを使ってもくしゃみだと分かるように、英語でもその程度によっていくつか異なる表現があります。

Achoo/Atchoo=ハクション
Ah-choo=ハーックション

※ハイフンで間を表しています。
Kerchoo=ぶわぁーくしょい
※通常のくしゃみよりも少し乱暴な感じ

これらの表現を実際に自分で使う機会はあまり多くはないかもしれませんが、海外ドラマなどを見る方であれば、知っておくとより理解が深まるでしょう。


ここで少し余談!

下記記事では「ナメるなよ!」の英語表現をご紹介しています!あまりいい言葉ではないですが、いざという時に使えるように覚えておきましょう!

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咳やあくびなどのくしゃみに関連する英語

最後に、咳やあくびなどのくしゃみに関連する英語をいくつかご紹介します。

咳=cough

咳は英語でcough(カフ)と言います。また、咳止め薬はa cough medicineと言います。coughもsneezeと同様、名詞·動詞、いずれでも使用できます。

I coughed all night long.
一晩中、咳をしていた。

Emily has a very bad cough.
エミリーはひどい咳をしている。

ただし、病気が原因でない咳、例えば面接の際に何かを答える前の咳払いや自分の悪口を言っている同僚に自分の存在を知らせるための咳払い、つまり、咳払いは英語ではclear one’s throatと言います。one’s の部分にはmyやhisが入ります。

He cleared his throat and started speaking.
彼は咳払いをし、そして話し始めた。

ちなみに、のどに痛みがある際はa sore throatで「のどの痛み」となり、I’ve got a sore throat.(のどに痛みがある。)のように使います。

あくび=yawn

あくびはyawn(ヨーン)と言います。こちらも名詞、また動詞として使えます。


I can't stop yawning - I must be tired.
あくびが止まらない、疲れてるみたいだ。

He hides a yawn to pretends to listen.
彼はちゃんと聞いているように振る舞うために、あくびを我慢した。

ちなみに、よくあくびをしているスヌーピーですが、その時は吹き出しになどに”YAWN”と書いてあります。

その他のくしゃみに関する英語

くしゃみが出る時は、花粉症や風邪が原因の場合が多いかもしれません。
「◯◯のせいで、くしゃみが出る。」と言いたい時などに使えるよう、いくつかの関連語をご紹介します。

Hay fever
花粉症

Pollen
花粉

I have an allergy to pollen.
花粉にアレルギーを持っています。

Flu
インフルエンザ

A cold
風邪

I have a cold. / I caught a cold. のように使います。
※caught: catchの過去形

「鼻水が出る」はa runny noseという言葉を使って、I have a runny nose.(鼻水が出る。)と表します。また、Your nose is running.(あなたの鼻から)鼻水が出てるよ。と言うこともできます。

これらの「症状」は” symptom”と言います。


ここでまた少し余談!

下記記事では、みんなを苦しませる「しゃっくり」についてご紹介しています!ぜひ参考にしてください♪♪

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

少し寄り道も多かったので、重要なポイントをまとめると以下のとおりです。

・くしゃみ=sneeze、咳=cough、あくび=yawn
・くしゃみをした人に対して言うBless you. は「お大事に!」程度の意味
・「ハクション」は英語で”Achoo”.

コロナウイルス以降の社会では、なかなか人前でくしゃみをするのがためらわれますが、海外に行った際や日本にいる海外の友人に対して是非Bless you.と言ってみてください!