英語を勉強している人が、「あれ、これって何て言うんだろう?」と立ち止まり考えることはとっても素晴らしいことです。
ところが口語的な表現はとくに、辞書をひいてみても英会話に使えるような自然なものが見当たらない、ちょっとした一言なのにズバリなフレーズがでてこない、こんなことはありませんか?
辞書で調べた一番近い言葉を無理やり使うと、不自然な英語になってしまったり、ネイティブスピーカーに気持ちを伝えきれなかったりしてしまいます。
では、普段の生活で何気に使っている「さすが!」はどうでしょう?
”う~ん何だろ”と悩む人、必読です!
この記事では、とっても身近な表現「さすが」の英語での言い方、そして
「さすが」と言われたときの返事フレーズも合わせてご紹介します。
英会話に使える、自然なフレーズを増やす機会にしましょう!
「さすが!」の由来、目上の人に使わない理由は?
「さすが」は漢字で「流石」と書きます。由来を知ると、「へぇ~さすが!」と感心しますので簡単に紹介しましょう。
孫楚(そんそ)という政治家がいろいろなことに疲れて、世間の目が届かないところで生きたいと考え始めます。
友人の王済(おうさい)に、自分のそんな考えを伝えるのです。
孫楚:ぼく、疲れちゃってさ。石に漱ぎ(すすぎ)、流れに枕すような生活がしたいんだよ。
※石で口をすすぎ、川の流れを枕にするようなという意味。
王済:それなら、石に枕し、流れに漱ぐじゃないの?
孫楚:(むむ、、)
そこで孫楚は往生際悪く、こんなことを言いました。
孫楚:いやいや、石に漱ぎとは、石で歯を磨くってこと。それから、流れに枕すとは、嫌なことを川の流れで洗い清めるって意味に決まってるじゃないか。
王済:へぇ~さすが!(屁理屈だけど、よく言い返したもんだ)
王済が感心したことから、「流石=さすが」ということになったのです。
私としては、王済がとった余裕の対応に「流石!」と思わずにいられませんでした・笑
さて、この”さすが ”という言葉、間違いなく褒め言葉です。
話題のドラマ「半沢直樹」で例えてみましょう。
”こんな困難に相手をギャフンと言わせる。さすが半沢直樹だ”
”半沢直樹なら高視聴率とると思ってたよ。さすが!”
どんな人にも使えそうな「さすが」という褒め言葉ですが、ところがそうとも言えないのです。
一つだけ、 「さすが」を使うときに注意したいポイントがあります。
それが上司や目上の人には使わないほうがよいという点です。
上司など目上の人に対して「さすがです!」と使うと、上司が難しい案件を処理できた→やっぱり、このような対処ができる人→あなたが上司を評価している、という意味に捉えられてしまう可能性があるからです。
ちょっとした”上から目線”ということですね。
ということは、忖度して「○○総理のおっしゃる通りです。さすがです。」なんて言うどこかの人(笑)は「さすが」の使い方を間違ってしまっているとも言えるのです。
日本語はなかなか難しいところがありますが面白いですね。
”さすが”トリビアを読んでいただいたところで、ここからは本題、英語で「さすが」をどう言うかです。
英語のコミュニケーションは、褒めることから始まると言っても過言ではありません。
さっそくみていきましょう!
褒める言葉「さすが!」を英語で言いたい
「さすが○○さん、韓国ドラマのことめちゃ詳しい」
「さすが」を使うと、双方が笑顔になる、とっても良いコミュニケーションになります。
または、「100均の商品って便利グッズが多いよね。日本製品ってさすがだわ」のように、モノに関してもさすがという表現を使うことがあります。|
このように便利な言葉「さすが」の英語フレーズを知りたい!こう思っていらっしゃる人、残念ながらズバリを直訳できるものは無いんです。
日本語の”さすが”に当たる単語やフレーズはないため、そのシチュエーション・ニュアンスにぴったり合う表現をその都度使うということになります。
実際に見ていくほうが理解できると思います。
さっそく、例文とともに解説していきましょう。
1. I knew it!
さっそく、一つ目の「さすが!」「流石だね」「さすがだね」の英語をみていきます。予想や期待を裏切らないことを認めて、改めて感心したときに言う「さすが」をI knew it!で表現することができます。
短いフレーズであり、よく知っている英単語で成り立っています。
直訳は「知ってたよ!」ですが、相手が期待通りにしたことについて、もともとそれを知っていた→やっぱり君だからだ→さすが!となります。
- さすがよ!剣道大会で優勝したね!
I knew it!のフレーズにさらに相手が達成したというニュアンスを含めると、以下になります。
- さすがだよ!
2. As expected!
expect(期待する・予期する)を使った表現で「さすがですね」の英語になります。As expectedで期待通り・予想通り→やっぱりさすがだ!となります。
- さすが!アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が2020年の世界で最も裕福な人物です。
同じexpectを使った表現に以下があります。
直訳では”君からより下回ることは期待していなかった”になり、期待していた通りのことをした相手を褒めるフレーズ「さすがだよ、君ならやっぱりできると思っていたんだよ」といった意味になります。
上司が部下へ、または同僚、同士などのビジネスシーンでも使えるフレーズです。
重要なプレゼンがうまくいったときに、上司や同僚が担当者へ「さすが」な出来だった、だから君が選ばれたんだと英語でポジティブなコメントをするときにピッタリです。
上述した通り、部下から上司へは使わないほうが賢明です!
3. You’re the best!
「君、最高!」という意味のフレーズYou’re the best!が「さすがだよ、最高!」というニュアンスで使えます。言う側も言われた側もスッキリする感覚を持てるほどの最高の褒め方フレーズです。
You’re the best! I have been too busy to do that!
- 出張の航空運賃の情報を調べようか?
さすが!忙しすぎてできないでいたんだよ!
4. Impressive!
目を見張るほど印象的・感動的なことをした人に対して感心し、「素晴らしい、さすが!」と言いたいときに使えるのがImpressive!です。- チャリティで1,000万円集めたの?!さすが!!
5. Incredible!
信じられないほど凄い!さすがだわ~!といったニュアンスでIncredible!が使えます。- どうしてそれ分かったの?さすが!
Impressive!やIncredible!は「さすが!」のように一言で表現できるので使いやすいと言えます。
他にも以下の表現を使えば、英語「さすが/流石」を伝えることができます。
awesome/amazing/great/wonderful
このように見ると、「素晴らしい・凄い」の意味を持つ単語が「さすが」にも使えるということが分かります。
ひたすらポジティブになって英語で「さすが」を言えるようにしたいですね。
続けて、紹介を続けていきましょう!
6. That’s my ○○
That’s my ○○は、○○に人の名前を入れて使います。myが使われていることから、目上の人はもちろん、ごく親しい間柄の人にのみ使うようにしましょう。
その相手によくやった、さすがだね!と言いたいときの表現になります。
- よくやったね、さすがだよ!司法試験に受かったんだね!
7. Epic!
ここで一つ、英語「さすが」のスラングを紹介しましょう。epicはスラングで「最高」「素晴らしい」という意味になります。
人でもモノにでも使え、何かを褒めるときに便利な言葉です。
このepicも「さすが!」と言いたいときに使えるのです。
- ニンジャはゲーマーとしてだけでなくユーチューバーでもある、さすが!
さて「さすが」のように相手を褒めるということは、コミュニケーションをとる際にとても良い潤滑油になります。
ここからは、褒め言葉を一気にご紹介しましょう。
コミュニケーションをスムーズにする褒め言葉紹介!
イギリスやアメリカなどの英語圏では「褒める文化」があり、良いと思ったことをストレートに相手に伝えることが定着しています。教育の場で教師が生徒に「Well done!」ということが頻繁にあったり、日常生活でも子どもがちょっとしたことで褒められ、育てられています。
また、現代ではオンラインショッピングの需要が急増していますが、商品を買うときにレビューを参考にする人は多くいます。
商品がどれほどの高評価を得ているのか、褒められているのか、そうでないのかが買うかどうかの決め手になることは多々あることでは無いでしょうか。
では、褒め言葉を一気に紹介していきましょう!
基本的には、It’s ○○やYou’re ○○にそれぞれを入れる形で使用できます。
Splendid 素晴らしい・優れた・立派な
Superb 素晴らしい・最高の・贅沢な
Spectacular 目を見張らせる・注目に値する
Fantastic 素晴らしい・非常に良い・優れた
Magnificent 最高の・優秀な
Beautiful 美しい・素晴らしい・素敵な
Stunning 気絶するほど美しい・魅力的な・見事な
Glorious 美しい・輝かしい・卓越した
Gorgeous 極めて美しい・見事な・華麗な
Breathtaking 息をのむような・凄い・驚くほどの
Excellent 優秀な・優れた・絶品の
Smart 賢い・頭がきれる・おしゃれな・格好いい
これらに加えて「さすが」に使うimpressive/incredible/awesome/amazing/great/wonderfulなどももちろん褒め言葉です。
褒め言葉はここに挙げたものだけでなく他にも書き切れないほどあります。
褒めるときは笑顔で、ときにはThumbs up(サムズアップ:親指を立てるジェスチャー)をしながら、相手を見て言うことがポイントですね。
では、自分が褒められたら、どんなリアクションを取れば良いのでしょう。
ここからは、そんなときに使える返事フレーズをご紹介しましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、「まあまあ」を英語で伝える方法をご紹介しています!日常的にかなり使える表現方法なのでこの記事で覚えて使ってみて下さい♪♪
褒められたときに返す返事フレーズは?
褒められて照れながらも、相手へ返事できると会話のキャッチボールにつながります。Thank you/Thanksは王道中の王道です。
どんなシチュエーションにも使える便利な表現ですが、ワンパターンから脱出するためにも、こんな返事フレーズを覚えて使ってみませんか?
素直に受け入れるとき:
I’m flattered.- ありがとう。光栄です。
I appreciate it.
- 感謝するわ。
I’m pleased to hear it.
- 嬉しいです。
相手のことを褒め返すとき:
Thanks. I like your ○○, too!- ありがとう。あなたの○○も美しいわ。
You’re doing fine as well.
- 君だってよくやってるよね。
日本人らしく謙遜するとき:
Thank you, but it’s not true.- ありがとう。でもそんなことないって。
Thank you, but I don’t think so.
- ありがとう。そうでもないけどね。
あくまでも相手はそう思うから褒めるという行為をします。
外国人と会話をするときには、必要以上に謙る(へりくだる)ことは避けましょう。
ここでまた少し余談!
下記記事では「わがまま」の英語表現をご紹介しています!ぜひこの記事を参考にして使ってみてください♪♪
「さすが!」英語まとめ
「さすが」の表現をまとめましょう。2. As expected!
3. You’re the best!
4. Impressive!
5. Incredible!
6. That’s my ○○
7. Epic!
これらを基本に、その時々のシチュエーションによって様々な褒める単語も使えることが分かりました。
「さすがに、あなたはこんな事できないんじゃない?」など、さすがには嫌味を含んだ表現もあります。
しかし、お互いに気持ち良くポジティブになれるような「さすが」を言えるようになったほうが人生お得!です。
イギリス人夫からは、剣道道場関連で私が前もって準備していた事について”You’re the best!”とよく言われます。
私からはDIYのことで夫に”Fantastic!”と言うことがよくあります。
「さすが」や褒め言葉は相手の長所を見る、とっても良い行動です。この機会に色々言葉にしてみましょう!
イギリスであっという間に18年目、英語を使って生活中。 外資系製薬会社勤務や各国への旅行で英語を使ってきたものの、南ロンドンでの生活は人生にもコミュニケーション力アップにも貴重な経験に。暮らしの英語はもちろん、イギリス人夫と運営する剣道道場のメンバー達とのやりとりをメインに、日本文化を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど幅広く活動しています。 息子がUK大学に入学、イングランド西部の世界遺産の街にある大学寮生活が始まったものの、英国代表として剣道をする彼のサポートはエンドレス。ヨーロッパ各国に飛ぶこともある口だけ八段の道場おかみの夢は日本・イギリス完全2拠点生活。いずれにしても、英語はコミュニケーションで大いに役に立つ言語であることは間違い無し!です。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.