わがままって英語でどう表現するの?わがままに関する日米比較

わがままの英語表現とは、わがままの表現、ネイティブキャンプ

自分勝手、自己中などとも表現される、わがままという言葉。
あなたの周りにもわがままな人はいませんか?

協調性がなくチームプレーができない、周囲に迷惑をかけるわがままな人には、できるだけ関わりをもちたくないもの。
わがままな人の意見や行動に振り回されたり、トラブルに巻き込まれた経験がある人もいるでしょう。

わがままって、英語でなんて言うんだろう

わがままな人って、海外ではどういう印象なんだろう

そんな疑問にお答えするため、今回の記事ではわがままに関する単語やフレーズ、日本とアメリカでのわがままな人への印象の違いなどをまとめました。

日本では嫌われることが多いわがままな人。それがアメリカをはじめ海外では見方が変わり、意外な印象を受けることもよくあります。
そして日本語では一言にまとめられてしまう性格や行動が、英単語ではいくつもの種類があり、それぞれに個性があります。

わがままに関する英語学習を通じて、多角的な視野をもつことについても詳しくお伝えします。

わがままを英語でなんていう?

まずはじめに、日本語の「わがまま」に類似する英単語をまとめてご紹介します。知ってる単語はありますか?

英語における「わがまま」という単語は、種類豊富でそれぞれ異なる使い方があります。ひとつずつ解説しながら見ていきましょう。

Selfish【形容詞】自分勝手な、身勝手な

I was so surprised by her selfish behavior.
彼女の自分勝手なふるまいにとても驚いた

周りに迷惑がかかるような自分勝手なふるまいのことを「selfish behavior」と言います。

この表現が日本語の「わがまま」に最も近いものです。
自分のことだけを大切にする、周りはどうなってもかまわない、という典型的なわがままな人をイメージさせます。

友達同士では使うこともありますが、強い意味があるので使うシーンには注意が必要です。

Self-centered【形容詞】自己中心的な

He is a self-centered person.
彼は自己中心的な人だ

自分の都合をいつも最優先する「自己チュー」といわれるような人を表すときに使います。

他人の意見に共感を示さずに、自分ひとりで突き進んでいくタイプの「わがまま」ですね。

本的に自分の判断がいちばん正しいと思っていて、自分の好みや意見がはっきりしているという我が道を行く人という点で、 selfish とはちょっと違います。

Egoistic【形容詞】利己主義

People call him egoistic.
人々は彼を利己主義だという

和製英語の「エゴ」の語源になっているこの表現。

自分勝手、自己中心的だという上記の2つの意味に追加して、自分勝手な考えを周りに押し付けるというニュアンスもあるため、「わがまま」の中でも最も強い意味合いがあると言えます。

この単語は読み方に注意が必要です。

和製英語につられて「エゴイスティック」という音声では通じません。発音記号はアメリカ式で「ìːgoʊístɪk」となり、カタカナで表記するなら「イーゴウイスティック」という感じです。

Picky 【形容詞】選り好みする

My son is very picky about food.
うちの息子は食べ物の好き嫌いがはげしい

選り好みをする、好き嫌いがあるという態度の「わがまま」がこちら。

主に食べ物の好き嫌いについて使うことが多いです。「pick(選ぶ、選び取る)をしょっちゅうする人」みたいに考えると、単語のイメージがつかみやすいですね。

Childish【形容詞】子どもっぽい、幼稚な

How childish you are.
あなたはなんて幼稚なんだ

How + 形容詞 + 主語 + be動詞 という語順で強調するスタイルの文章。
「You are childish.」が元の文章です。考えやふるまいが未熟でわがままな様子を連想させます。

Spoiled【形容詞】甘やかされた、ダメにする

She is spoiled by her parents.
彼女は両親に甘やかされている

直訳すると「甘やかされている、溺愛されている」という意味のこちらの単語。

甘やかされている=わがまま、という関連フレーズとして日常会話でよく使われます。大人の利己的な考えのわがままとは異なり、子どもっぽい未熟さからくるわがままさのことです。

わがままに関する英語フレーズ

わがままに類似する単語をいくつかご紹介しましたが、これらの単語は大きくわけて3つのパターンに分類されます。

1わがままな性格を言及する

いつも自分のことしか考えていない、自分が一番じゃないといやだ、といったような普段のふるまいや言動が自分勝手な人は、わがままな性格の持ち主だと周囲に思われます。

自分以外のためには時間もお金も労力もかけたくない、自分さえよければ良いという考え方が表れているような人のことです。

He is a selfish person.
彼はわがままな人だ

The student is so self-centered.
その学生はとても自己中心的だ

2わがままなふるまいや言動を言及する

英語での会話では実はこのパターンがいちばん多いです。

前述の1では、その人そのものや性格がわがままだというフレーズですが、それに対してこちらはその時の発言や行動を限定的に指してわがままだとしています。

Stop being so childish.
そんなに子どもっぽいことはやめなさい

Don’t be so picky, please.
選り好みしないでください

このような表現を用いると、その場での一時的なわがままな動作をやめるように言及しています。

さらに前述した例と比較すると、「He is a selfish person.」と言えば彼の性格や人柄そのものを強く言及することになり、これを「He is being selfish.(彼はわがままにふるまっている)」とすると、普段はそうじゃないけど一時的なその動作はわがままだとしているので、婉曲的な表現になります。

友達と会話をするときは、性格や人柄をはっきり指摘するよりも、こちらの表現のほうがよく使われます。

3周囲から甘やかされてわがままになっている

本人のわがままな性格や、言動やふるまいがわがままであることとはまた違う、周囲からの影響でわがままになったというのがこのパターンです。

She is spoiled. 彼女は甘やかされている(=彼女は自由奔放でわがままだ)

直訳だと「甘やかされている」という意味ですが、甘やかされた結果として自由奔放でわがままになっている、と解釈されるのが一般的です。

わがままな人ってどうなの?わがままに関する日米比較

わがままな人に対して、あなたはどのようなイメージを持ちますか?

日本人の間では、わがままな人は嫌われることが多いように感じます。
それはいつも自分中心で自己主張が強い、協調性がない、グループにいるとひっかきまわされるトラブルメーカーのようなイメージがあるからではないでしょうか。

それが、アメリカをはじめとする英語圏では、わがままに対する捉え方がちょっと違います。

個人での単独行動が多く、会話では同調することより主張することがよくある英語での会話に特徴があります。

アメリカのような移民で構成されている多文化多民族国家では、それぞれの文化や育ってきた環境が全く違うため、少しくらい他の人と違うことをしたり、意見が合わないことも当たり前とされています。

そのため、日本人のように周りに意見を合わせようとしないことや、グループで行動しないことはわがままだとはみなされないし、自分の意見を主張して議論することも日常でよくあることです。

ただし、自分の意見を一方的に相手におしつけたり誰かひとりの行動や発言で周囲を巻き込むことはわがままな人だと言われることでしょう。

前述したフレーズで具体例を挙げると 「He is a selfish person.(彼はわがままな人だ)」 と言うときは、彼のわがままを非難しているニュアンスがありますが、それに比べて 「Don’t be so picky, please.(選り好みしないでください)」 と言うときは、その場面でのふるまいを指摘しているだけで、わがままさを非難されているわけではありません。

ほんのわずかな違いですが、後者のふるまいを指摘しているときは、「選り好みすることもあるけど、それも含めてそういう人なんだよね」と寛容に受け入れているイメージです。

日本では協調性が重んじられて、「みんないっしょに」「みんなやってるから自分もやるもの」というように、チームワークが加速しすぎて同調圧力ともいえる息苦しさを感じることがあります。

そのチームワークの輪から離れようとすると「チームプレーができない」「わがままだ」と強く批判される可能性も。

英語では「わがまま」にはいくつか種類があることを説明しましたが、日本語ではひとつのネガティブな意味しか持たないように見えます。

selfish と self-centered の意味が違うように、周囲にかまわず自分勝手にふるまって迷惑をかけることと、自分の意見を持って単独行動を好むことは、似てるようで全く違うことです。

英語ではこれらの単語を使い分けることによって、違いを表現することができます。

このように言語学習が面白いのは、日本語ではひとつの意味や見方しかないものが、他の単語や違いを比べることによって、新たな視野を獲得できることです。

日本ではわがままだと言われる性格や行動が、アメリカや諸外国では主体的に物事を進められる魅力的な人だと言われることもあります。

それぞれの個性や文化を認める姿勢を感じられるのが、世界中で多くの方に使われている英語という言語を習得する魅力ではないでしょうか。

集団行動から離れてひとりでの時間を楽しむことや、お互いの意見をぶつけ合うことは、わがままではなく自然なこと。
日本だと自分勝手でわがままだと非難されるようなことが、英語圏に出ると寛容に受け入れられることを知って、筆者は息苦しさから開放されたような感覚を覚えました。