和製英語といえば皆さんどんな言葉が思い浮かびますか? カラオケ、アニメ、ゴスロリなどいろんな言葉がありますね。
今回の記事でご紹介するのはその内の一つ「コスプレ」についてです。
コミックや映画のキャラの仮装をすること全般を「コスプレ」と呼ぶことは、日本ではかなり一般的になりましたが、海外ではこの言葉は通じるのでしょうか?
コスプレを英語で伝えたいときはどのように言えばよいのかということや、コスプレの由来・海外での実態などについてお伝えしていきます。
ぜひ最後までお読みください。
コスプレは英語でいうと??
コスプレ=cosplayという言葉は元々日本語で使われていた用語がそのまま逆輸入の形で英語化したものです。
元々はアニメや映画のキャラクターの仮装をすることを、「コスチュームプレイ」と言っていたのですが、次第に短く略されて「コスプレ」と言うことが一般化していきました。
では、英語の世界に新しい単語を生んだ日本のコスプレ文化は、どのような歴史があるのでしょうか。
日本でのコスプレの歴史は?
日本でコスプレという言葉が出始めたのは、80年代初めにコミックマーケット文化として紹介されたのがきっかけのようです。
しかしこのころはまだ一部のアニメや漫画ファンの間で使われるのみで、広く一般的に知られている言葉ではありませんでした。
コスチュームプレイを短く略してコスプレという単語を使うようになったのはこのころからです。
その後、90年代からアニメや漫画のキャラクターのファンが増加すると共に、コスプレという言葉がより広く用いられるようになり、次第に一般的に認知されていきます。
2000年代からは一部のアニメや漫画ファンだけでなく、ハロウィンでの仮装など多くの人がそれまでよりも広い意味でコスプレを楽しむようになり、現在に至ります。
英語でのcosplayの用法とは?
英語でも、コスプレはcosplayという単語を使います。
この言葉には動詞と名詞の二つの形があります。まずは名詞から見ていきましょう。
Oxford Learner’s dictionaryでcosplayの名詞の定義を調べると、以下の様に書かれています。
the activity of dressing up as a character from a film, book or video game
「映画や本、ビデオゲームのキャラクターのように仮装をする行為のこと」
用法は 「I am looking forward to seeing his cosplay.」 のように使われます。
日本語のコスプレと同じように用いられるのでわかりやすいですね。
動詞の場合はどうでしょうか。こちらもOxford Learner’s dictionaryで引いてみると
to take part in cosplay (= dressing up as a character from a film, book or video game)
「コスプレに参加する、コスプレをする」
用法は 「Two girls cosplayed as famous Japanese anime characters.」 というように動詞の後にas を用いて「〇〇のコスプレをする」と表します。
フレーズごと覚えるようにしましょう。
ちなみに
三人称単数の場合はcosplays
過去形はcosplayed
現在進行形はcosplaying
と表します。
「cosplay」という単語の発音にはイギリス英語とアメリカ英語で若干の違いがありますが、どちらも最初にアクセントがきます。
日本語で「コスプレ」というときは最後の「レ」が一番強くなるように発音しますが、英語では逆に最初を強く言わないと伝わりませんので、注意しましょう。
レイヤーは伝わる??
日本語でコスプレをする人を指す際、「レイヤー」と言いますが、この言葉も英語でコスプレ同様に伝わるのでしょうか。
答えはNOです。
英語でコスプレをする人を指す言葉は「cosplayer」です。日本語の様に「layer」といっても通じませんので注意しましょう。
コスプレってそもそも一般的に伝わるの?
では、このコスプレという言葉、英語として存在していることはわかりましたが海外でも伝わるのでしょうか?
使われるとしても、それは一般的な単語でしょうか?
結論から言いますと、コスプレという言葉は、基本的に若い人や中年の人にはよく伝わります。
日本のアニメが海外でも浸透しているというのは今に始まった話ではありませんが、コスプレという言葉自体もアニメファンだけではなくかなり身近に浸透してきているという印象をうけます。
ただし、あまりそういう文化に縁がない年配の方には通じないことがあります。
年配の方に説明する時は 「dress up as a cartoon or movie character」 というように、別の言葉で伝えるようにするとよいでしょう。
海外でのコスプレ~身近な例では~
NZ在住の私の経験では、知り合いのNZ人に「今度、子どものラグビーチームの親たちで集まってコスプレナイトをするよ。テーマはJapanなのよ」と言われたことがありました。
ちょうど、ラグビーワールドカップ2019年大会の直前だったのでテーマが日本だったのだと思います。
その後写真も見せてもらいましたが、日本のアニメキャラに扮している人やラーメンの写真が大きくプリントされた服を着ている人など、多種多様なコスプレをみんな心から楽しんでいるようでした。
また、コスプレ=特定のアニメやゲームキャラの格好をするものではなく、「テーマに合った服装を楽しむ仮装大会」というニュアンスで使われているような印象を受けました。
また、NZではarmageddonというとても大きなアニメやゲーム・映画のキャラの大きな祭典があります。
このお祭りのためにコスプレ文化やアニメ・ゲームに興味をもつ多くのファンが NZ全土から集まります。
以前会場のそばを通る機会がたまたまあったのですが、行きかう人々の多くが何かのキャラクターのコスプレをしていました。
このお祭りでは参加者からコスプレ大賞を選ぶという企画もあり、毎年人気なようです。
試しにNZのFBグループでコスプレに関して調べたところ、「Cosplay NZ public group」という名前のグループもありました。
このグループ内では、作品や自分のコスプレの紹介、みんなで日時を決めて特定のアニメキャラの服装をして撮影会などをしており、かなり活発な活動をしているようです。
コスプレといえばハロウィン!だけどちょっと注意も必要??
最近は日本でもハロウィンでコスプレをして集まることがかなり一般化してきましたね。
お祭り好きな日本人ですので、ハロウィンといっても特に秋の収穫を祝うわけではなく、「1年に一回ちょっと怖いコスプレをしてみんなで集まる日」という印象を多くの人が持っていることと思います。
NZでは最近までハロウィンはあまり一般的なイベントではありませんでした。
地元の人に聞くと、せいぜいこの10年ほどでみんなが楽しむようになったそうです。
そもそも、ハロウィン自体は元々全ての英語圏で行われていたわけではなく、アメリカで広く行われており、NZにはその文化が最近流入してきたという流れがあります。
多くのNZ人はこのイベントを「怖い仮装をして、街を練り歩く」という楽しいイベントとして捉える一方、そうではない人も少なからずいます。なぜでしょうか。
ハロウィンの起源とは?
ハロウィンは元々古代ケルト人が起源と考えられるお祭りの一つで、もともとは悪魔を崇拝し生け贄を捧げる宗教的な意味合いのある行事でした。
それがカトリックやキリスト教と接するようになり、秋の収穫をお祝いし悪霊を追い払うお祭りのように姿を変えていきました。
このような経緯があるため、クリスチャンの人々の中にはこのお祭りを異端のお祭りとしてとらえている人は少なくありません。
敬虔なクリスチャンですとハロウィンの文化自体に拒否反応を示す人もいます。
NZではクリスチャンが多いので、発祥や由来を考えると日本の様に「ただのイベント」とはとらえられない複雑な背景があるのです。
従ってこの日には多くの教会では、代わりとなるイベントとして「light party」を開きます。
このパーティでは子どもが楽しめる遊具やお菓子などを用意し、ハロウィンに参加しなくても子ども達が楽しめるように工夫をしています。
ですので、海外でハロウィンを楽しむ際は場所や集まる人々の背景に配慮して楽しむように気を付けるとよいですね。
ここで少し余談!
下記記事で国ごとの変わった文化をご紹介しています!下記記事を参考に英会話をする際にお互いの文化について話してみましょう♪♪
コスプレの語源や由来って?
コスプレは広く海外でも認知されるようになったとお伝えしましたが、そもそも英語のcostume-playという言葉はどんな意味があるのでしょうか。
英語の語源
元々Costume-playという英語の言葉は存在していました。
ただし、今使われているような「キャラクターになりきって仮装する」という意味合いではなく、ある特定の時代の衣装を着て演技をする時代劇を指すものでした。
Cosplay自体は日本から逆輸入の形で英語に入ってきましたが、その元となるcostumeという言葉の語源は何でしょう??
Costumeという言葉自体はラテン語に由来していて、その後フランス語やイタリア語に転用していき、現在のcostumeという言葉ができました。
同じ語源をもつ言葉として
Customs ‥関税
Customer‥顧客
Customary‥習慣的
accustom‥慣らす・慣れさせる
などがあります。どの言葉も、「繰り返し行う・習慣」に関係しています。
Costumeも、元々の形は「customary dress/clothes」という、絵画や彫刻など、特定の時代や風習に登場する美術用語を意味する言葉だったそうです。
それが、時を経て歴史的な演劇などで用いられる衣装に転用されていき、現在の「衣服・衣装」を指すようになりました。
masqueradeとの違いは?
masqueradeという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。この単語もコスプレと似たように仮装をするという意味があります。しかし定義をみると、
a type of party where people wear special costumes and masks over their faces, to hide their identities
「人々がアイデンティティを隠すために顔にマスクや仮面をつけ、特別なコスチュームをきて参加するパーティ」
という意味です。
つまり、コスプレはアニメや映画、ゲームのキャラになって仮装するという意味合いですがこちらは「顔をしっかり隠す」ということが重要なポイントです。
昔の貴族のパーティなどのイメ―ジが近いでしょう。
また、この単語はその由来に基づき、
a way of behaving that hides the truth or a person’s true feelings
本当の感情や真実を隠して行動すること
という意味もあります。Cosplayよりも少しミステリアスな雰囲気をもつ単語ですね。
ここでまた少し余談!
海外には日本にはない祝日が沢山あります!外国人と話すときにお互いの祝日事情について話してみましょう♪♪下記記事でご紹介しています!
まとめ
ここまでcosplayの用法や海外でのコスプレ文化、言葉の由来などについてお伝えしてきました。
コスプレが日本から逆輸入する形で英語に定着したことや、ハロウィンのちょっと変わったコスプレ事情についてお分かりいただけたかと思います。
今後海外でコスプレをするときはぜひこのような背景を頭に入れて楽しんでみてください。

中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。