昔話や童話を通して韓国語の勉強をしよう!おすすめ教材もご紹介

昔話や童話で韓国語学習、おすすめ韓国語学習法、ネイティブキャンプ

昔話童話をひとつも知らない方はいないはずです。

小学生くらいの頃に、お母さんや先生から、昔話や童話を聞かせてもらった経験はありませんか?

実は、それらのストーリーを大まかにでも知っていることは、韓国語を学ぶ過程においてとても役立ちます。

筆者も、独学していた中級の入り口くらいで昔話を使った素材で能力を伸ばしたことがあります。

初級はNHKのラジオ講座(まいにちハングル講座)で勉強し始めた私ですが、途中からは昔話を使って勉強するようになりました。

今日は、それらの経験談を含めて、昔話や童話で韓国語を学ぶ意義について、お話したいと思います。

なぜ昔話や童話なの?

さて、昔、学校の国語のテストなどの読解は、物語から一部抜粋された文章から出題されていたかと思います。

内容を知っている物語であればそんなに問題なかったと思うのですが、読んだこともない文章の一部から出題されると、それなりの読解力が必要だったはずです。それがたとえ母語でも…。

ですから、ハングルがズラーっと並んでいる文章で、内容も全く知らないということは、ハングルを読めるようになったばかりの初級学習者にとっては、かなりの負担であることが予想できます。

実は、筆者がそうでした…。

そこで、オススメしたいのが昔話や童話です。もともと知っている物語であれば、もし分からない単語が出てきても、話の流れから意味の予想がつきます。

また、短く完結した物語が多いため、物語の最初から最後まで読み切れます

流れも単純明快であることが多く、理解もしやすいです。

そして、1話読み切れると、小さくても達成感があるので、心理的にもプラスの作用が働きます。

ですから、まだハングルだらけの文章にアレルギーを感じる初級の方にとって、昔話や童話は、リーディング教材としてはうってつけなのです。

誰もが知っている「シンデレラ、韓国では…?

誰もが知っている「シンデレラ」というお話がありますね。

「シンデレラ」は世界でも有名な物語です。

グリム童話から始まったと思っている方も多いようですが、実は、もともとは古代エジプトのお話だという説があります。

それが中近東やアジア、朝鮮半島や日本へ伝わったルートと、ヨーロッパを経由し、アメリカへ伝わったルートがあるらしいです。

朝鮮半島に伝わっている韓国版シンデレラには
「コンジとパッチ」というタイトルがついています。

おなじみのガラスの靴ではなく、東洋の文化に沿ってなのか、絹の靴が出てくるのですが、だいたいの流れは私たちの知っている「シンデレラ」と似ていて、以下のような内容です。

コンジという少女はいつも継母にいじめられています。

祝宴に行きたくでも、家事を押し付けられて、行くことは許されません。

そこへスズメや仙女が出てきて助けてくれて、祝宴に行けることになります。

ところが、コンジは途中で絹の靴を落としてしまいます。

絹の靴を拾った若様が持ち主を探し、コンジと若様が結婚するという物語です。

シンデレラのストーリーを汲みながら、文化的な背景だけが韓国版になっている「コンジとパッチ」、面白そうですよね。

日本で知られている「シンデレラ」をハングルで書いてある文章と、「コンジとパッチ」を比べてみるのも、文化の比較・理解という観点で、楽しみのひとつとなってくると思います。

他には、日本で誰もが知っている昔話の「浦島太郎」や、正直者の木こりのお話「金の斧 銀の斧」、悲劇的な「人魚姫」なども、分かりやすく誰でも知っている物語なので、とっつきやすいでしょう。


ここで少し余談!

韓国語で自己紹介!そんな記事を載せておきますので気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!

nativecamp.net


意外に知らない生き物の名前がどんどん頭に入ってくる

童話や昔話は、人間だけで会話するだけはなく、
生き物も人間と会話するのが特徴です。

初級のテキストで、基本的な生き物…例えば「イヌ」や「ネコ」、「ウシ」、「ブタ」などの動物は習うのですが、「アリ」や「キリギリス」といった生き物になってくると、初級の教科書に敢えて出てくるのは稀かもしれません。

ところが、初級の段階で昔話をたくさん読んでいると、「アリとキリギリス」という世界の名作に出会う確率は高まります。

つまり、生き物の単語をまったく知らないということはあり得ません。

登場キャラクターに特に名前がついていないことが多いので、生き物の単語がキャラクター名の代わりになって頻繁に出てきます。

例えば、 「アリが、〇〇と言った」
「キリギリスが、怠けている」
「スズメが、おばあさんにいじめられた」
などなど。

こうしてみると、生き物の名前が自然に頭に入ってくるということにも納得いくかと思います。

「生き物をたくさん知っていても、身近でなければ特に役に立たないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでもありません。

実は、「韓国語能力試験(TOPIK2)」の問題文中に、時々、マニアックな動物や昆虫が出てくることがあるのです。分かっていることで、問題が解きやすくなります。ですから、知っておいて損はないと思います。

韓国語独特の言葉遣いを学べる

韓国語は、話者の立場によって、語尾が様々に変化するのが特徴です。

儒教の影響が色濃く、年長者や目上の人には丁寧な言葉遣いをします。

目下の人に話しかける時や、仲間内では、パンマルというぞんざいな語尾で話したりもします。

昔話は、仙人のような偉いキャラクターが出てくることもありますし、童話には親子関係が描かれていることもあります。

ストーリーの中に会話やセリフが出てきたとき、語尾に注目するのも、とても勉強になります。

親に向かって言っているから敬語が使われているな
召使いに対してだからぞんざいな言葉使いなんだな
などというように。

普通の初級の教科書にはあまり出てこない上下関係も童話や昔話には出てきます。

ぜひ、セリフや会話に注目してください。使い分けに気が付くはずです。

ただし、注意事項があります。1回さらっと読んだくらいでは、言葉遣いの違いについてマスターするのは正直、難しいです。

ですから、大事になってくるのは、物語を声に出して「音読する」ということです。

昔話や童話に限りませんが、声に出して会話やセリフを音読することで、体を動かして覚えることになります。

これは、リーディングの勉強だけではなく、ひいてはスピーキングの練習にもなります。

ひらたくいえば、何度も音読を繰り返すことで、敬語やパンマルまで、まるっとセリフごと覚えてしまえばいいのです。

コツは、セリフを、キャラクターになり切って読むことです。意地悪なおばあさんのセリフは意地悪に、かわいい子ブタのセリフはかわいらしく。

記憶に残りやすくなりますよ。

注意点としては、長い文章素材になるとちょっと大変ということでしょうか。

昔話にも詳しくて長いのもないわけではないので、できるだけ短くてストーリーが完結した素材であることが、メリットになるわけです。

擬声語・擬態語も今のうちから少しずつ

上級者になっても、なかなか覚えにくいのが、オノマトペ…。

擬声語・擬態語のことです。韓国には、擬声語・擬態語が本当にたくさんあります。

筆者は、擬声語・擬態語を単体で覚えようとしていますが、何度も挫折しています。

ただし、中級の入り口の時に、物語で何度も音読した「アリとキリギリス」に出てきた「빈둥빈둥(のらりくらり)」という擬態語は、覚えているんです。

キリギリスが“のらりくらり”遊んでいた場面を音読して自然に覚えました。

それから、昔話や童話ではないのですが、絵本の特徴もそれらに非常に似ています。

絵本も、基本的には簡単で完結した文章ですよね。

韓国の幼児用とはいえ、あなどれません!私自身、「ガタンゴトン」という電車の音、「덜컹덜컹」は、絵本を読んでいる時に覚えたという経緯があります。

上の件は筆者の一例です。

昔話は、読み聞かせする場合も多いので、擬声語・擬態語も比較的豊富です。

中には動物の鳴き声まで載せてくれているテキストもありますので、覚えにくい擬声語・擬態語に、初級のうちから慣れておくと、あとで苦労しなくてすむかもしれませんよ。


またまた少し余談!

より韓国語の文法構成を学びたい方必見!文法に特化した記事を載せておきますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!

nativecamp.net


オススメ教材

「韓国語で童話を読もう!」と思い立ってネット上で捜しますと、色んなサイトがヒットしますね。

無料で見られる韓国のサイトですが、童話を紹介している動画もあります。

例えば、子供向けですが、 「ジュニアNAVER童話」 はよくできています。

このサイトには、先ほど紹介した韓国版シンデレラ「コンジとパッチ」もあります。

ただし、ボタンや説明まで、すべてがハングルなので、初級者が、お目当ての物語を見つけるには、少々ハードルが高いと思います。

先生がいる方は先生から操作方法を教えてもらえばよいですが、「独学者でかつ初級で、スクリプトや日本語訳も必要」という方は、日本で市販されている教材を使った方が早道かもしれませんね。

これらのテキストでは、ハングル能力検定試験3、4~5級のあたりのレベルに語彙・表現が編集し直されています。

編集されていない生の文章ですと、長めの文章や、難しい単語もなきにしもあらずなので、平易な形に編集されている文章を使って、ストレスなく読めるのがポイントです。

また、モデル音声が付属しています。

先に音読の大切さも述べたように、音読するのにも役立つことでしょう。

紹介した一方の教材は、韓国の昔話なので、日本人には少しなじみが薄い可能性もありますが、隣の国の昔話はどうなっているのかなという視点で読んでみると、異文化理解の役に立つでしょう。

韓国の友達と話す機会があったら、会話のネタになるかもしれません。

まとめ

以上、昔話や童話で韓国語を学ぶ意義についてみてきました。

昔話や童話は、「完結した物語」かつ「みなが知っている物語」であるというのが大きなメリットですが、他にも、筆者自信が昔話で勉強してきて個人的に役に立った点をお伝えさせていただきました。

初級の方で教科書以外の副教材を探している方に、特に読んでいただければと思っています。

もちろん、そうでない方も、伝統的な昔話や童話で楽しく韓国語を学習してみてくださいね。

上級になったら、教材用ではない本物の韓国の童話や昔話を読んで、初級の頃の理解度と比べてみるのも面白いでしょう。