「フィリピン留学って、1年でどれくらいかかるの?」と気になる方も多いでしょう。フィリピンは欧米より費用を抑えられる留学先として人気ですが、期間や学校によって大きく異なります。
本記事では、1年留学の総費用目安や1ヶ月ごとの費用比較、半年と1年の違いを詳しく解説。また、後悔しない学校選びのヒントを紹介します。コストを抑えつつ、充実した留学生活を送るためのヒントをぜひチェックしてください!
1年留学の総費用目安
フィリピンへの1年間の語学留学にかかる費用の目安は、約215~310万円とされています。この費用には、学費、居住費、生活費、渡航費、海外留学保険費、ビザ申請費などが含まれています。本章では、それぞれの費用の内訳を詳しく説明します。
【渡航前に必要な費用】
・航空券(往復):約3~10万円
航空券の価格は、利用する航空会社や渡航時期によって変動します。GWや年末年始などの繁忙期は20万円を超える時期も。早めに予約したり、LCC(格安航空会社)を利用したりすることでコストを抑えられます。
・海外留学保険:20~25万円
フィリピン留学で保険加入は義務ではありませんが、万が一のトラブルに備えて加入が推奨されます。留学専用プランを提供している保険会社もあるので、渡航前に比較、検討しましょう。
・ビザ関連費用:合計3.6~6.2万円
フィリピンでの長期留学には、ビザや特別就学許可証(SSP)が必要です。ビザ関連費用の内訳は以下の通りです。
・SSP(特別就学許可証):約16,250~17,500円
・ACR-Iカード(Alien Certificate of Registration Identity Card)※60日以上の滞在に必要:約7,500~8,750円
・ECC(出国許可証):約3,250~6,500円
・パスポート取得費用(10年有効):16,000円
・健康診断料:2~3万円
語学学校によっては健康診断書の提出を求められることがあります。必要な検査項目や英文診断書があるかどうか、事前に確認しておきましょう。
【留学中にかかる費用】
・学費+宿泊費(寮滞在の場合):年間120~150万円
フィリピンの語学学校では、両滞在の場合は宿泊費に食費が含まれており、授業料とセットになったプランが一般的です。
宿泊タイプ別の費用は、4人部屋が最も安価で、1人部屋が割高です。コンドミニアムなどに自分で住む場合は、月3万円程度から賃貸可能ですが、家具家電付きの物件を選ぶと便利です。
・生活費(滞在中にかかる日常費用):年間36~60万円
フィリピンは日本と比べて物価が安く、ローカルレストランでは1食100~300円ほどで食事ができます。
・交通費
電車:30~70円
バス:初乗り25~30円(治安面を考慮し、タクシーがおすすめです)
タクシー:初乗り約100円
・交際費・娯楽費:月2~3万円(年間24~36万円)
週末の外食や旅行を楽しむ場合、ある程度の予算を確保しておくと安心です。
1年間のフィリピン留学にかかる総費用は、約215~310万円となります。
項目 |
費用目安 |
渡航費(往復) |
3~10万円 |
海外留学保険 |
20~25万円 |
ビザ関連費用 |
3.6~6.2万円 |
健康診断料 |
2~3万円 |
学費+宿泊費 |
120~150万円 |
生活費 |
36~60万円 |
交際費・娯楽費 |
24~36万円 |
合計 |
215~310万円 |
費用を抑えるポイントとしては、早めに航空券を予約し、オフシーズン(5~6月、9~11月)を狙ったり、食費込みの寮滞在プランを活用したりすること。さらに、長期滞在することで月あたりの学費・宿泊費を抑える方法もあります。具体的な費用については、最新情報を語学学校や留学エージェントに確認し、自分に合った計画を立てましょう。
1ヶ月の費用を徹底比較
フィリピン留学を計画する際、まずは1ヶ月の費用を試算することが重要です。セブ島留学センターの情報によると、1ヶ月のフィリピン留学にかかる費用の目安は約375,000円とされています。その内訳は以下の通りです。
・入学金: 約15,000円
・学費 + 寮費: 約225,000円
・SSP(特別就学許可証): 約18,000円
・SSP E-Card: 約10,000円
・光熱費・管理費: 約9,000円
・教材費: 約3,000円
・航空券: 約80,000円
・海外旅行保険: 約15,000円
2024年6月以降、SSP申請時にSSP E-Cardの取得が必要となり、従来のSSP費用(約18,000円)と合計28,000円前後が発生します。また、セブ島は物価が高めで、ダバオやバギオなど地方都市では生活費が10~20%安くなる傾向があります。
半年と1年の費用差
フィリピンは短期留学のイメージが強いですが、長期留学も注目されています。半年間の留学と1年間の留学費用で大きく異なるのは、ビザ関連の費用です。SSPは6ヶ月ごとに再申請が必要なので約36,000円(18,000円×2回)かかります。また、ACR-Iカード(約9,800円)も59日以上の滞在の場合に必須で、ECC(出国許可証)も約3,300~8,100円かかります。
さらに、1年間の留学では「捨てチケット」の費用も発生します。フィリピンに入国する際は往復航空券が必要ですが、1年先の帰国便の予約は事前にできないため、不要な航空券を用意しなければなりません。
生活費は、月4万円は最低ラインで、都市部(セブ・マニラ)では5~6万円が現実的です。半年間で24~36万円、1年間48~72万円なので24~36万円差が出ます。また、学費は多くの語学学校では6ヶ月以上の申込で月単価が5~10%割引されます。
総費用比較
項目 |
半年間 |
1年間 |
学費+寮費 |
132~150万円 |
240~300万円 |
ビザ関連 |
5.4~7万円 |
13~28万円 |
捨てチケット |
不要 |
3,000~6,000円 |
生活費 |
24~36万円 |
48~72万円 |
総額 |
161~193万円 |
301~400万円 |
滞在期間ごとの違い
フィリピンへの語学留学は、短期から長期まで幅広い期間で計画できますが、滞在期間によって費用や手続き、得られる効果に大きな違いがあります。ここでは、一般的な期間である短期(1ヶ月以下)、半年間、1年間の留学について詳しく解説します。
費用の違い
1ヶ月以下の短期留学なら、学費や滞在費が少なく済む上に、ビザの延長手続きも不要なので追加費用が発生しません。1年間の留学では、学費と寮費だけで約233万円が必要です。
加えて、滞在期間が31日を超えるとビザ延長費用、60日以上でACR-I CARD(外国人登録証)の取得しなければいけません。半年以上の滞在では、ECC(犯罪歴証明書)の申請や、さらには6ヶ月ごとにSSP(特別学習許可証)の更新も必要となるため、費用の負担は大きくなります。
また、1年間の留学では、帰国便の航空券を事前に購入できないため、入国時には「捨てチケット」と呼ばれる未使用の航空券を購入する必要もあります。
手続きの違い
短期留学の場合、必要な準備は航空券と海外旅行保険が主ですが、半年以上の留学となると手続きも多くなります。ACR-I CARDの申請や、複数回のビザ延長など多くの書類手続きがあります。手続きの違いは以下の通りです。
30日以下:観光ビザ(免除)+SSPのみ
31~59日:ビザ延長1回(2,900~8,000ペソ)
60日以上:
・ACR-Iカード申請(移民局で指紋登録必須)
・6ヶ月ごとにSSP更新
6ヶ月以上:ECC(出国時)の追加申請
得られる効果の違い
留学の目的や英語力によって、適した滞在期間は異なります。短期留学は、フィリピンの語学学校の雰囲気を体験したい方や、短期間で集中的に英語に触れたい方におすすめです。スパルタ式の学校で1日10時間勉強すれば、3ヶ月程度で日常会話ができるようになることも。
半年間の留学は、基礎的な英語力をしっかり身につけたい方や、TOEICなどの試験対策をしたい方に向いています。初心者でも6ヶ月の学習でTOEIC800点程度を取得できるケースがあり、中級者なら3ヶ月で現地の大学や大学院進学に必要な英語力を習得することも可能です。
一方で、1年間の留学は、本気で英語を極めたい人には魅力的な選択肢かもしれませんが、最適とは言えない場合も。なぜなら、フィリピンでは英語が第二言語なので日常的にネイティブスピーカーと接する機会が限られるためです。そのため、英語を学ぶ(インプット)には適していますが、使う(アウトプット)頻度を重視するなら英語圏への留学の方が良いかもしれません。
1年間の期間を有効活用するなら、前半6ヶ月をフィリピンで基礎固め、後半6ヶ月を英語圏での実践学習に充てる「2カ国留学」が効果的です。
後悔しない学校選び
フィリピン留学は、比較的低コストで英語を集中的に学べる点が魅力のひとつです。しかし、1年間という長期留学となると、費用だけでなく、学校の環境や教育方針が自分に合っているかを慎重に判断することが重要です。ここでは、後悔しない学校選びのためのポイントを詳しく解説します。
自分に合った学習スタイルを選ぶ
フィリピンの語学学校は、大きく分けて「スパルタタイプ」と「ノーマルタイプ」に分類されます。スパルタタイプの学校では、平日の外出が禁止され、毎日のテストや強制自習が課されるなど厳格な学習環境が特徴です。一方で、ノーマルタイプの学校では、授業後や週末の外出が自由で、自習の有無も個人の裁量に任されます。
短期間で集中的に学びたい人や、自分に厳しく学習を継続できる人にはスパルタタイプが向いており、自主的に学習しながら異文化交流や観光も楽しみたい人にはノーマルタイプの学校が適しています。自分の性格や学習スタイルに合った学校を選びましょう。
学校選びの4つのポイント
①地域の特色を理解する
フィリピンの主要な語学留学先には、それぞれ異なる特徴があります。
セブ:観光地として人気が高く、語学学校の数も多い。利便性が高い反面、中長期の留学では費用が少しかさむ傾向にあります。
バギオ:標高が高く涼しい気候。スパルタ式の学校が多く、学習環境として適している。費用も比較的割安。
クラーク:元米軍基地があり、ネイティブ講師を採用している学校が多い。英語をしっかりと習得したい人におすすめ。
バコロド:日本人学生が比較的少なく、英語漬けの環境を求める人向け。
ダバオ:治安が良く、落ち着いた環境で学習できる。
②コースやカリキュラムを確認する
学校ごとに提供されるコースは異なります。一般英会話のほか、試験対策(TOEIC、TOEFL、IELTS)やビジネス英会話コースなどがあり、自分の目的に合ったカリキュラムを選ぶ必要があります。また、マンツーマンレッスンの比率も重要なポイントです。マンツーマン授業の比率が高いほど手厚い指導が受けられますが、費用もその分増加します。
③施設や部屋タイプを考慮する
長期間の留学では、生活環境も重要です。快適な環境で学習することも大切ですが、費用とのバランスを考慮する必要があります。安い学校では設備がシンプルですが、高めの学校ではジムやプールなどが充また、部屋タイプも個室、2人部屋、3人部屋以上といった選択肢があり、シェアする人数が少ないほど費用が高くなります。
④費用と予算を明確にする
費用を抑えるためには、何を優先するかを明確にすることが重要です。一般的に、4週間の学費と滞在費の相場は28~46万円が目安になります。ただし、長期留学では割引が適用されるケースもあります。
授業料や滞在費だけでなく、生活費や交際費、ビザの延長費用なども考慮に入れて、無理のない予算を立てましょう。
まとめ
フィリピン語学留学は「費用を抑えて質の高い学びを得る」絶好の機会ですが、事前の計画が不可欠です。1年間の費用は215~310万円と幅があり、航空券の予約時期や滞在スタイルによって大きく変動します。短期と長期でコストや手続きの負担が異なるため、自分に合った期間を見極めることも大切です。賢く選択すれば、ただの語学留学ではなく、将来のキャリアや人生を変える経験にもなり得ます。費用だけでなく、学びの効果を最大限に引き出すという視点も大切にしましょう。