旧暦の正月を旧正月といいます。
日本は新暦を採用しており、お正月は毎年1月1日と決まっています。対して旧正月を採用している中国のお正月は、毎年日付が異なります。
お正月の日付が毎年異なるというのは、日本人にとっては少し違和感ですよね。しかし、中国の人にとってはそれが普通です。
今回の記事では中国の旧正月をメイントピックに挙げて紹介していきます。
また、旧正月といえば“爆買い”を連想する方が多いはず。なぜ爆買いが起こるのか、その理由についても記事内で紹介していきます。
記事後半では日本と中国のお正月の違いについて、外国の方に説明する際に使える英語を解説していますので、そちらの合わせて読んでみてください。
中国の旧正月について知りたい!という方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
中国の旧正月の期間は1週間
日本では元旦は毎年1月1日とされ、毎年同じように年明けを祝うイベントが開催されます。
一方で中国をはじめとしたアジアの国のいくつかは旧暦を採用しています。
旧暦の年明け、すなわち旧正月は毎年日付が異なります。
2020年の旧正月は1月25日に決められています。ちなみに2019年は2月5日でした。
旧正月の日付は1月下旬から2月下旬の間で毎年変わります。たとえ中国に住んでいても、カレンダーを確認しないと旧正月の日付はわからないという人もいるのだとか。
日本人にとっては少し違和感がありますが、中国やほかのアジア圏の人たちにとっては正月の日付は毎年異なるのが普通なようです。
また、中国では旧正月の前日から1週間がお休みになります。2020年でいえば1月24日から1月30日がお休みになります。
この期間は日本でもなじみのある期間ですよね。年末の仕事納めから翌年の仕事開始まで、日本でも1週間ほどがお休みになります。
中国をはじめアジア圏の国のいくつかでは、この時期が旧正月の連休期間になります。
ちなみに余談ですが、中国も1月1日は新暦の元旦として祝日になっています。ただし、こちらはあくまで祝日です。一般的にはお祝いもしないようですよ。
◼旧正月の正式名称は春節
日本では旧暦の正月のことを旧正月といいますが、中国では旧正月のことを春節といいます。
春節は中国でもっとも重要な祝日といわれ、日本の大晦日にあたる徐夕(じょゆう)から大掃除をして、春節の到来を家族と一緒に待ちます。
中国中央電視台春節聯歓晩会(しゅんせつれんかんばんかい)は、日本でいう紅白歌合戦のような番組で、中国全土で放送され徐夕から春節にかけての夜を彩っていますよ。
また、春節=旧暦で正月を祝う国は中国だけではありません。中国のほかにもアジア圏で旧暦の正月を祝う国や地域はたくさんあります。
・台湾
・韓国
・香港
・ベトナム
・シンガポール
上記の国や地域は旧暦で正月をお祝いしています。
主要なアジア圏の国や地域が旧正月でお祝いしているなか、なぜ日本だけ旧正月をお祝いしないのか、謎が深まってきますね。
実は日本も明治維新以前は旧暦で正月をお祝いしていたそうです。そこから明確な理由は不明ですが新暦が採用され、毎年1月1日に正月を迎えることになったのだとか。
イベントが大好きな日本人が旧正月をお祝いしないのは少し不思議ですが、そういうものとして受け入れておくほかないようですね。
中国の旧正月の過ごし方
中国の旧正月は日本と同じように大晦日にあたる徐夕に近くなる時期から始まります。
徐夕の前、およそ1週間は仕事納めや忘年会、大掃除をしながら一年の締めくくりをします。このあたりの過ごし方は日本とほぼ同じです。
徐夕を迎えると年明けにそなえて家の飾り付けをします。
中国では主に赤色の装飾を使っており、提灯や新年のお祝いが書かれた札などを家や玄関に飾ります。こちらは日本でいう注連縄(しめなわ)や門松のようなものでしょうか?
また、日本でいうお年玉・紅包(アンパオ)の準備も忘れてはいけません。こちらも徐夕までには準備しておき、年明けに子供や年配の人にわたします。
これらの準備が終われば、あとは春節の到来を待つだけです。家族とともにゆっくりとテレビを見たり、年明けのお祝いメールを準備したりします。
そしていよいよ年明けの瞬間、中国では日本と異なり花火や爆竹などを使って新年の到来を派手にお祝いします。
花火や爆竹を鳴らすのには、魔除けの意味が込められているそうです。昔、かしこい和尚さまが妖怪を追い払うために爆竹を鳴らしたことから、習慣として根付いているのだそうです。
また、中国にも年賀状のような風習があるようですが、今ではどちらかというと日本のLINEにあたるアプリ「We Chat」を使った挨拶が浸透しています。これは地域差もあるでしょう。
新年に食べる食事はおせち料理のように華やかなものです。一般的には鳥や魚をメインにした料理が多く、特に魚は春節には欠かせないとされ、収穫を祈る意味があるのだとか。
春節以降は友人知人と挨拶をしたりと、日本と同様に過ごしていきます。三が日が終わればすぐに仕事になる人も多いようですよ。
日付こそ違えど、正月の基本的な過ごし方は日本とほとんど同じなんですね。
お正月と言えば、美味しいおせち料理!ついつい食べ過ぎちゃいますよね、、「お正月太り」を恐れている方はかなり多いです。「お正月太り」は英語でどう表現するんでしょうか?下記記事にてご紹介しています♪♪
インバウンドの爆買いはまだ起こる?
インバウンドとは旅行関連の言葉でいえば 「外国人が日本を訪れること」 を指します。
特に近年の日本は海外の観光客から多くの人気を集めています。
2020年に開催される東京五輪に向けて、今後もますますインバウンド事業が活性化していくことが予想されます。
ちなみに、インバウンドの反対語は「アウトバウンド」です。アウトバウンドは 「日本人が外国を訪れること」 を指します。
旧正月に中国人が日本を訪れる理由は、ここまでに述べてきた通りです。春節を挟んだ1週間は中国が連休になります。そのため、日本を訪れる人数が爆発的に増加します。
中国人による爆買いがお茶の間を賑わせたのは特に2014年、2015年にかけてでした。
この時期は日本がアベノミクスの効果を受けて円安が進んでいた時期でした。そのため相対的に中国元の価値が上がり、中国人の爆買いにつながったようです。
爆買いは品物を購入する人が多く、購入する数も多く、また支払う金額もとても大きいものです。
特に家電や化粧品など、世界に誇る メイド・イン・ジャパン を大勢の中国人が購入していきました。なかには中国国内で転売するバイヤーも大勢含まれていたといいます。
しかし2015年以降、中国人による爆買いの勢いは減速しました。2016年には円高や中国の関税が高くなった影響によって、前年に比べて爆買いの勢いは大きく衰えています。
2019年1月には中国電子商取引法、いわゆる新EC法が施行され、転売にかかる負担が大きく増加し、爆買いの勢いはますます弱くなっています。
ですが、中国の旧正月に日本を訪れる中国人はまだまだ多いはずです。
爆買いとまではいかないまでも、大勢の中国人が日本でショッピングを楽しむ姿がみられるはずですよ。
インバウンド需要を狙うビジネスは、準備しておいても損はないはずです。
中国の旧正月を外国人に紹介するには
日本人ですら中国の旧正月について明確に知っている人は少ないでしょう。
それが文化も風習も言葉も違う外国人ならなおさらです。
ここでは、外国人に日本の正月と中国の正月を説明するときの英語をいくつか紹介していきます。
まずは基本ですが、旧正月は英語で
・Chinese New Year
・Lunar New Year
といいます。
上のChinese New Yearはとてもわかりやすい表現です。直訳すると中国の新年となるので、一目見たら覚えることができるでしょう。
ちなみに韓国の旧正月をいう場合はKorean New Yearで通じます。先頭の国名を変えるだけなので、応用するにも簡単ですね。
下のLunarという言葉は旧暦を指し、また中国伝統の太陰太陽暦を指す言葉でもあります。こちらも同じく旧正月を祝うメッセージには多用されている言葉です。
ちなみにLunar New Yearという言葉は、僕自身オーストラリア滞在中に知った言葉でもあります。
アジア圏生まれの自分が知らず、オーストラリアで暮らす友達に教えてもらうというのは、なんとも不思議な感覚でした。
続いて、「なんで日本と中国は正月の祝い方が違うんだ?」そんな疑問を持った外国人に遭遇したときは、下記のように説明してあげてください。
・Japan celebrates the new year on new style dates.
(日本は正月を新暦でお祝いします)
・China celebrates the new year on old-style dates.
(中国は正月を旧暦でお祝いします)
難しく伝えるよりもこれくらい簡潔に伝えたほうが、相手の理解も早いでしょう。
外国人に旧正月のことを伝えるために、ぜひこれらの表現を覚えておいてください。
日本ではお正月に「年賀状」を書きますよね?海外の方はどのような内容を書いているのでしょうか?
まとめ
中国の旧正月の期間を中心にここまで紹介してきました。
あらためて今回の記事の内容をまとめます。
・中国の旧正月の連休期間は1週間
・旧正月の日付は1月下旬から2月下旬の間で毎年変わる
・旧正月の中国での正式な名称は春節(しゅんせつ)
・テレビを見たりお年玉をあげたり、旧正月の過ごし方は日本と似ている
・爆買いは少しずつ減ってきているが、まだまだ買い物をする中国人は多い
・英語で説明するときは新暦と旧暦で基準が異なることを伝える
毎年話題になりつつも、旧正月について詳しく知っている人は少ないと思います。
旧正月は中国から大勢の観光客が日本を訪れるほか、中国観光の繁忙期でもあります。
お祝いムードの中国を訪れてみるのもよいかもしれません。そのときはぜひ春節の赤い飾りに注目してみてください。
また、爆買いといえばインバウンド、インバウンドといえば外国人です。今後は日本を訪れる外国人も増加してくるでしょう。そのときに英語が話せれば、スムーズに対応できます。
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生まれも育ちも愛知県。フィジーで英語留学、オーストラリアでワーホリを経験、滞在中に自身のブログを立ち上げ、情報発信を始めました。趣味はコーヒーで、シドニーのカフェでバリスタとしての勤務経験もあります。文章の得意分野は旅や芸術、コーヒー、夢は世界一周で、今一番いきたい国は芸術と職人の国“ドイツ”です。人生の目標として松崎しげるさんを目指しています...!