英単語の暗記、みなさんはどんな方法で行っていますか?
英単語を覚えることは、英語学習における最重要項目と言っても過言ではないものの、どうしても単調な作業でモチベーションも上がりにくいですし、なかなか記憶に定着していかないですよね。
そこで今回は、少し視点を変えて、英語の語源を利用した英単語の学習法について見てみたいと思います。
メリット・デメリット両方ご紹介していきますので、ご自身に合う方法かどうか、吟味してみてくださいね!
- 英単語を語源で覚えるってどういうこと?
- 英単語を語源で覚えるのに効果はあるのか?
- 語源から英単語を覚えるメリット・デメリット
- 語源から英単語を覚えるべき人・そうでない人
- 語源を知る事で英語学習全体に効果はあるのか?
- 語源を上手に取り入れて、英単語暗記に取り組もう!
英単語を語源で覚えるってどういうこと?
まずはじめに、英単語を語源で覚える、というのがどういう意味なのかご説明してみたいと思います。
皆さんは、incredible(信じられない)という単語をご存知でしょうか?
映画「ミスター・インクレディブル」をご存知の方であれば、ちょっと意味が想像しやすいかもしれませんね。
さて、こちらの単語の語源を知るために、まずは単語を分解してみましょう。
incredible
=in-「~ではない(否定)」+-credit-「信用、信じる」+-able「~できる(可能)」
単語の頭にある部品のことを接頭辞と言い、今回は否定を意味するinとなっています。
その後ろには、クレジットカードのcredit(信用)と、可能を意味するableが続いていますね。
「信用+できる」を頭のinで否定するので、「信じられない、信じがたい」という意味になるわけです。
さて、このように単語を分解して、その語源に着目できるようになると、似ている単語を頭で整理していくのに大変役立ちます。
in-から始まる単語、みなさんはいくつご存知でしょうか?
たくさんありすぎて、頭が混乱している方も多いのではないかと思います。
試しにいくつか例を挙げてみたいと思います。
incapable
=in-「~ではない(否定)」+capable「有能な、可能な」
=「能力の低い、できない」
incorrect
=in-「~ではない(否定)」+correct「正しい」
=「間違いの」
ineffective
=in-「~ではない(否定)」+effective「効果的な」
=「効果的でない、無効な」
このように、単語を分解して語源に着目してみると、
「なんとなく見た目が似ている単語を取り違えてしまった!」
というようなミスを未然に防ぐ事が出来ますし、同じ語源をもつ単語をまとめてチェックすると、少ない労力で記憶にとどめていく事が出来ます。
これが、語源を活用した英単語の覚え方です。
英単語を語源で覚えるのに効果はあるのか?
それでは次に、単語暗記のポイントとは何なのか、語源で単語を覚える事に実際のところ効果はあるのか、という点について見ていきたいと思います。
まず、英単語暗記において最も重要だと言われているのが、回転数です。
例えば、今日は5語覚えるぞ!と張り切って、5語だけをじっくり見ながら意味を覚えたとしても、そこから1週間まったくその単語を見なければかなりの確率で忘れてしまいます。
一方で、短い期間で何回も目に入れた単語は記憶に残すことが出来ると言われていますので、
「少ない語数を完璧に理解してから次!」
というよりは、
「回転数重視で、毎日何回も同じ単語が目の前を通り過ぎるようにする」
方が暗記には効果的なのです。
その視点からいくと、語源をいちいちチェックして1語1語に時間をかけすぎるのはちょっと・・・と感じるかもしれませんね。
しかし、英単語を覚えるためのもう一つのポイントとして、単語の意味のイメージを持ちながら覚える、というのがあります。
例えば、”bloom(咲く)”という単語であれば、手で花が開く動作をしながら声に出して覚えてみると、記憶に定着しやすいと言われているのです。
膨大な量の単語を上手に記憶に残すためのイメージづくりの一環として、語源を利用するのは大変効果的です。
先程のin-から始まる単語も、「なるほど、そういうことか!」と思うだけで少し記憶に残りやすくなったはずです。
ちなみに日本語でも、言葉の成り立ちを知った事で、強烈に記憶に残るケースは結構ありますよね。
したがって、英単語を語源で覚える事には十分効果があると言えますし、それと同時に回転数も上げていく事ができれば、尚、ベターということになります。
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語源から英単語を覚えるメリット・デメリット
それでは続いて、語源から英単語を覚えるメリット・デメリットについて見てまいりましょう。
メリット
・似たような単語をまとめて押さえる事が出来る(芋づる式で覚えられる)
→先ほどのincredibleの例のように、同じ語源(部品)を持つ単語を、整理しながらまとめて覚えることが出来ます。
・単語を忘れても語源から記憶をたどる事が出来るので、長期的に記憶に残る
→ただ単語を丸暗記するやり方だと、一度忘れてしまったらどんなに考えても頭に浮かんでくる事はないですよね。
ところが、語源学習を取り入れる事で、スペルをじっと眺めながら考えると、思いがけず意味を思い出す事があります。
・言葉の裏に込められた意味を知る事で英単語暗記が単調でなくなる。
→市販の単語帳や暗記カード、スマホのアプリなど、単語暗記のツールはたくさんありますが、やはりどれも次々単語が目の前を通り過ぎていくばかりなので、単調で退屈になってしまいますよね。
語源学習を使えば、「へえ~!そうなのか!」と好奇心を持ちながら、楽しく学習する事が出来ます。
デメリット
・単語を語源に分解するのにかえって手間がかかる(単語のまま覚えた方が楽な時もある)
→例えば、congratulation(おめでとう)という単語は、以下のように分解されます。
congratulation
=con-「共に」+grate「喜び」+-ate「する」+-ion「こと」
こんな風に細かく分解しても、かえってややこしくなるだけですよね。
このような単語は丸覚えの方が速い事もあります。
そういった事を見極めるスキルも大切になってきますね。
・100%意味が推測できるわけではない(複数の意味を持つ語源があったり、そもそも語源に分解する事が出来ない例外があったりする)
どんな学習法でもメリット・デメリットはありますが、語源を使った暗記法は特に、合う人と合わない人が出てきそうな印象ですね。
次の項目では、語源を使った単語暗記をお勧めしたいのはどんな方なのかについて述べたいと思います。
語源から英単語を覚えるべき人・そうでない人
さて、語源から英単語を覚える事について、興味は湧いてきたでしょうか?
「おもしろそう!」「かえって面倒だな」など、さまざまなご感想があるかと思いますが、ここでは語源から英単語を覚えるべき人とそうでない人についてご紹介してみたいと思います。
語源から英単語を覚えるべき人
・「覚えたつもりだったのに忘れている」という事がよくある人
→あとで正解を確認して、「そうそう、これだった!知ってたのに~!」となるような方は、より記憶にしっかりと長く定着させるために暗記方法の工夫が必要です。
・ただの暗記作業に飽き飽きしている人
→一生懸命に単語学習を頑張っている方ほど、単調な暗記作業に飽き飽きしていることと思います。
新たな視点から学習をしてみるのはとてもおすすめです。
・ゲルマン語、ラテン語の知識がある人
→これは少数派かもしれませんが、もしゲルマン語もしくはラテン語の知識を少しでもお持ちであれば、ぜひこの語源学習はおすすめしたいところです。
というのも、単語を分解した部品(語源)は、その2つの言語から来ている事が多い為、少ない労力で英単語の方も覚えていく事が出来るのです。
語源から英単語を覚える方法をおすすめできない人
・単語を語源に分解する方法がピンとこない人
→そもそも、単語を語源に分解する事ができなければ、語源学習は始まりません。
ある程度の英語レベルがあれば大丈夫だと思いますが、そもそも単語を切り分ける段階で疑問を感じる方は、そこに時間をかけすぎてしまうと大変もったいないので、まずは通常の単語暗記から始めましょう。
・完璧主義の人
→語源学習は100%ではありません。
例外もたくさんありますし、こだわりすぎるとドツボにはまるケースも多々あります。
したがって、あくまでも単語のイメージを掴むために補助的に使う感覚でいていただきたいのですが、完璧主義の強い方だと「また例外!?」と感じてストレスになってしまう可能性もあります。
少しやってみて合わないようであれば、他の方法で暗記作業を進めましょう。
語源を知る事で英語学習全体に効果はあるのか?
さて、語源を知る事のメリット・デメリット双方をご紹介してまいりましたが、単語暗記にとどまらず、長文読解やリスニングなど実際の英語学習において役に立つポイントはあるのでしょうか?
実は、語源を知る事で得られる最大のメリットとは、見た事も聞いた事もない英単語の意味を推測することが出来る!という点にあります。
よく、長文読解の問題を解いていると、「分からない単語があったら、前後の文脈から類推しなさい」と言われますよね。
これに加えて語源まで知っていたとしたら、さらに正確な意味推測が可能となります。
中級レベル以上の方になってきますと、英検やTOEICでも、ある程度専門用語が出てくるような長文を読まなければならない場面があると思います。
そういった方々にはぜひおすすめしたい学習法です。
語源を上手に取り入れて、英単語暗記に取り組もう!
英単語を語源で覚えるメリット・デメリットについてご紹介してまいりました。
参考になるものはあったでしょうか?
語源学習は、合う人・合わない人がいる事に加え、「適度に取り入れる」というのがポイントになってきます。
したがって、「語源さえ知っていれば、どんな単語が出てきても怖くない!」というわけではありません。
先ほども述べたように、似ている英単語を関連付けたり、暗記作業を楽しんだりするのに、補助的に使う方法なのだという事を忘れないようにしましょう。
とはいえ、語源学習を上手に取り入れると、英単語の暗記は格段に楽しく、楽になります。
ぜひみなさんも試してみてくださいね!

高校時代イギリスに短期留学し、大学時代には留学生チューターとして海外留学生の支援に関わる。金融機関勤務を経て、2017年結婚を機にフリーランスとしての活動を開始。現在はオンライン英会話スクールNativeCampで講師を務めるほか、TOEICコーチとしても活動(直近スコア915点)。趣味は海外旅行。