「英語で日記を書くと英語力がアップする」
ということを語学学習の勉強法のひとつとしてインターネットで見かけたり、直接アドバイスを受けたことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし実際に書き始めたものの、
「書くのが難しい」
「何を書けばいいか思いつかない」
「毎日代わり映えの無い内容になってしまう」
などの理由から、挫折してしまったという方も少なくないようです。
日記を書くという作業は、自分の表現力や書き方の文章力などに直面せざるを得ないからです。
何かを始める時にまず大事なのは、 「それをやることによって、どんなメリットがあるかをしっかり理解する」 ことです。
また、継続するには日常の中で習慣化させることが大事ですが、習慣化させるには「無理のない、挫折しにくい方法で始めること」が鍵になります。
今回は、英語で日記を書き始めたい人に向けて、英語日記のメリットや、英語日記を継続する上での重要ポイントをお伝えしたいと思います。
英語で日記を書くメリット
英語で日記を書くメリットとして挙げられるのは、以下の3点です。
語彙力が増える
日記を書いていると、どんな単語を使っていいのか、似たような意味をもつ単語の中でどれが適切か、わからない時が必ず出てきます。
そのような時は、みなさん辞書を使って英単語を調べますよね。
そして調べたものを実際に使っていくことで、だんだんと色々な知識が定着していきます。
知識の定着に、インプットとアウトプットは欠かせません。
単語帳で覚えるような単純なインプットだけでは、なかなかその単語を使えるようにはなりません。
そのため、実際に使うアウトプットが大事になってきます。
英語で日記を書くことは、それらを同時に行うことができるので、とても効率の良い方法といえます。
また、実体験に結びついた方が記憶には定着しやすいです。
これこそ、日常生活に関連した内容を書く日記ならではのおすすめのポイントなのです。
日記の内容は日常の中での体験に基づいているため、そこで書いた単語や表現のほうが市販の単語帳に書いてあるような例文よりも覚えやすい、という訳です。
なお、書いたら書きっぱなしではなく、 「自分だけの単語帳」 として手帳に記録したりして後々復習する、という活用もできます。
(日記の文章の中で、どの単語や表現がわからなくて調べたのかを、線などを引いてわかりやすくしておくと、後に復習しやすくなるでしょう。)
これらを継続していくことで、だんだんとボキャブラリーを増やすことができます。
ボキャブラリーを増やすことは、英会話力を向上させる効果にも直結していきます。
文法が身に付く
英語で日記を書いていると、一度ある程度文法を勉強した人でも、
「この文法で本当にあってるのかな?」
と、疑問や不安が湧いてくることが多々あると思います。
例えば、「この場合、前置詞はforなのか、toなのか、それともwith?」など、文法を学習をした人だからこその疑問点があります。
そういう時に持っている参考書やインターネットを参照して疑問を解決していくことで、さらに文法理解が深まります。
また、そのように疑問点を調べて解決していくプロセスの中で、偶然にも今まで知らなかった単語やフレーズを学べる機会が多くあります。
また、英語を学んでいる日本人が苦手としている「時制の一致」「仮定法」「現在完了形の完了用法・継続用法・経験用法」などの用法も、日記を書く際に使うことはよくあるでしょう。
頭では理解しているけどなかなか使えない、という人にとっては絶好のアウトプットの場となります。
文法の疑問点を自分で調べて問題解決
→理解したら、日記の中で色々なパターンでアウトプット
→実際に使えるようになる
上記のプロセスの中で、文法が身についていき学習効果を期待できます。
文章を作る力がつく
英語で日記を書くことで、英語の文章を自分で作る力=ライティング力がつきます。
テキストブックを使って勉強しながら文法を理解したり単語を暗記したりする、いわゆるインプット作業はとても大事です。
これをすることで、英文を読めるようになったり、リスニング力がアップします。
ですが、 「覚えた気になっていたけど実際に使おうと思っても使えない」
「英文は読めるけど書けない」
「ある程度聞き取れるけど話せない」 という経験をしたことがある人は、少なくないでしょう。
スポーツや楽器などにも共通して言えることですが、例えば新しいテクニックを習得しようと思った時に、まずはやり方を学びます(インプット)。
しかし、やり方を学んだだけではその通りに体は動きません。
学んだ内容を基に、体が思ったように動くようになるまで練習します(アウトプット)。
これらを繰り返すことで上達していきます。
学習した内容を実際に使ってみるのが、アウトプット作業になります。
英語で日記を書くことで、今までインプットしてきた理解・知識を、文章を作るという形でアウトプットすることができます。
テキストブックでの学習とは違い、ノートブック上に何かが用意されているわけではありません。
真っ白な紙の上に、1から自分で文章を作っていくので、受け身ではなく主体性を持って取り組むメンタリティも鍛えられます。
そのようなメンタリティの強さは、実際の英会話の中でも活きてきます。
話し相手のリード任せではなく、自ら文章を作って口から出していくような主体性を持って英語を話せるようにもなるでしょう。
そういった点で、英語日記のメリットはライティングスキルアップだけでなく、英会話にも繋がってくると言えます。
英語日記を継続する上での重要ポイント
「英語日記を書き始めたけど挫折してしまった」
「これから英語日記に挑戦してみようと思うけど、続くかどうか不安」
という方のために、英語日記を継続するための重要なポイントをお伝えしたいと思います。
中学英語をしっかり理解
前述した通り、英語日記は1から自分で文章を作っていく必要があるため、難易度はそこまで低いものではありません。
単語をランダムに羅列していくのではなく、文法ルールに則って文章にする必要があります。
文法ルールに則って文章を書くには、やはり基本英文法をしっかり理解している必要があります。
また、書きたいことを最低限表現するのには、ある程度の語彙力が必要になります。
ここで言う基本英文法やある程度の語彙力とは、
「高校受験も含めた中学校で学ぶ英語」です。
中学英語をしっかり理解していて、高校を受験する中学生が入試で読むような英語長文を正確に読解できる力があれば、英語で日記を書く準備はできていると言えます。
もちろんわからない単語や表現は逐一調べるべきですが、調べる量があまりにも頻繁すぎると、調べることに時間が割かれてしまい、英語で日記を書くことの本質から遠ざかってしまいます。
すると、調べるという作業が面倒だと感じてしまい、最終的にはそれが挫折にも繋がりかねません。
挫折感を味わってしまうと、 「自分には向いていないんだ」 と思ってしまう人も多いですが、単純に知識不足なだけの場合もあります。
まずは英語日記を書くだけの理解・知識があるかどうかを、自身で認識する必要があります。
慣れるまでは日本語で
英語で日記を書く時は、慣れるまではまず日本語で書いて、それを英作文していくスタイルが良いでしょう。
最初から英語だけで書き始めるのは、至難の業です。
なぜなら、それは英語を話すのとほぼ同じだからです。
英語のスピーキングは文字情報なしに頭の中で考えて、それを口に出して相手に伝えるという難易度の高いものであり、真っ白なノートにいきなり英語を書き始めるのも、ほぼそれと同じだからです。
何か話そうと思っても口から英語が出てこないのと同じように、何か英語で書こうと思ってもなかなかペンが進まない状態になる人が多いようです。
これでは、継続するのは難しいように思えます。初級者レベルの方ならなおさらですね。
簡単な日本語の日記を書いて、それを英語に直していくということを続ければ、だんだんと英語作文力がついてきて、そのうち英語から書き始めてもスラスラとペンが進むようになっていくでしょう。
小さな出来事を詳細に
日記を英語で書く時は、1日の出来事を全体的に書くより、小さな出来事を詳細に書くと良いです。
なぜなら、ほとんどの人は決まった生活ルーティンがあり、そのルーティンを書いてるだけではあまり内容が代わり映えしないからです。
いつも同じようなことを書いていてもあまり学習にならないですし、何より本人が書いてて飽きてしまうでしょう。
また、実際に会話をする時は生活ルーティンを話す機会よりも、日々生活している中で、ちょっとしたハプニングや、嬉しかったこと、イラっとしたことなどを話すことのほうが多いのではないでしょうか。
そのような小さな出来事を書くことで、毎日違う内容の日記になります。誰かに説明する気持ちで書くことを心がければ、実際の英会話にも活きてきます。
中学英語にも不安が!という方には、やり直し英語のポイントを紹介したブログがおすすめです!
英語日記ですぐ使える表現
英語の日記を始めたての方であれば、以下の表現を組み合わせれば、一応簡単な日記は書けるでしょう。
日記に“日付”は必須です。
Month Date, Year
August 1st, 2019 2019年8月1日
It was 天気を表す形容詞 today
[天気を表す形容詞]
sunny 晴れ
cloudy くもり
rainy 雨
windy 風が強い
cold 寒い
chilly 涼しい
hot 暑い
warm 暖かい
humid 湿気のある
など
I’m / I feel 気分・状態・感情を表す形容詞
(過去形なら I was / I felt)
tired 疲れている
hungry お腹が空いている
sleepy 眠い
happy 幸せ
angry 怒っている
sad 悲しい
worried 心配している
excited ワクワクしている
など
I went to 場所 〜に行った
I 過去形動詞 at 場所 (場所)で〜をした
with 人 〜と一緒に
by myself 1人で
It / That was 感想を表す形容詞
great, nice, awesome, beautiful など
I thought that 主語 動詞
SはVだと思った
I felt that 主語 動詞
SはVだと感じた
(例)
August 1st, 2019
2019年8月1日
It was rainy and humid today.
今日は雨で湿度がありました。
I’m tired because I went to many places with my boss.
上司とたくさんの場所に行ったので疲れています。
We had dinner at an Italian restaurant after work. It was great.
私たちは仕事後にイタリアンレストランで夕食を食べました。素晴らしかったです。
I felt that I should work harder.
もっと一生懸命働こうと思いました。
さらに、皆さんの日記に使えそうな英語表現やフレーズをご紹介しましょう。
I have a cold, so I didn’t go to the office today.
風邪を引いているので、今日は会社に行かなかった。
I had to do overtime and I couldn’t go to see the film.
残業をしなければならなく、映画を観に行けなかった。
日記の最後に、使える表現としては「can’t wait」(待ちきれない)があります。
I can’t wait for the weekend!
週末が楽しみだなぁ!
あくまで英語日記初心者向けの例文のため、決してレベルの高い英文ではありませんが、上で紹介している表現をほぼ全て組み合わせるだけで、これだけのことが書けますし、これらは色々な内容に応用できます。
これらの頻出表現は、中学英語を理解していれば知っている表現方法ですが、これらだけで英語日記を書き続けていくことは難しいです。
まずは中学英語を理解し、それからどんどん英語で日記を書くことに挑戦してみましょう。
英語で日記を書くコツとは?
最後に、英語で日記を書くコツをご紹介します。
日本語でも同様ですが、日記を継続させるのは自分次第です。
同じことを毎日書くようでは自分も飽きてしまいます。
ひとつ英単語を使い慣れてきたら、
辞書を使って類語表現を調べましょう。このことであなたの語彙数が増えるのと同時に、自己表現のバリエーションも増えることになります。
もうひとつは、書いた日記を添削してもらうことです。
英語を習っているのであれば講師に見てもらったり、または添削をしてくれる便利アプリを利用します。
自分が言いたいことを正しく伝えるようになるためにも、異なる表現でも伝えられるようになるためにも、他人によるチェックを入れることは効果的です。
まとめ
今回の記事のまとめです。
・英語で日記を書くことで、語彙力、文法力、英作力の向上が期待できる
・中学英語をしっかり理解していれば、英語で日記を書く準備はできている
・代わり映えある内容の英語日記を書くには、日々の小さな出来事を詳細に書く
最初は難しいかもしれませんが、継続していればどんどん上達するでしょう。
英語で日記を書く上で、特に守らなければいけない理由はないので、自分のスタイルで書きたいことを書いてみましょう!
◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!