英語を学んでいる皆さんなら、「シャドーイング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
シャドーイングという言葉を聞いたことがある人でも、その内容をはっきりとは分かっていない場合もあるでしょう。
または、「そもそもシャドーイングって何?」という人もいるかもしれません。
しかし、ご心配なく!
今回は、スピーキング力とリスニング力を伸ばす「シャドーイング」について徹底解説して参りましょう!
- シャドーイングとは?
- シャドーイングで得る大きなものは2つ
- なぜ、シャドーイングが必要なのか?
- シャドーイングのやり方を解説!
- シャドーイングをするときの注意点2つ
- シャドーイングのメリット・デメリット
- シャドーイングおすすめの教材
- シャドーイングの効果的なやり方を徹底検証!まとめ
シャドーイングとは?
シャドーイングとは、ズバリ「英語習得方法」の一つです。
この勉強法のポイントは、名前についている通り“シャドー/shadow=影”になります。
もともとはプロの通訳のためのトレーニング法でした。
しかし、その効果から一般の英語学習にも取り入れられ、今では大変人気になっています。
ここで一つ、シャドーイングを理解するためにシャドーボクシングを例に挙げてみましょう。
ボクシングでは仮想の敵をイメージし、相手がいるものと想定して攻撃や防御の練習を一人でします。
相手をシャドー(影)として捉えることから、シャドーボクシングと呼びます。
英語学習においてのシャドーイングも、これに共通したものがあります。
シャドーイングとは、ネイティブスピーカーの発音をリスニングし、後を追いかけるよう口に出して同じように発音していきます。
音声を聞いた後、即座に聞いたものをそっくり復唱する実践的な学習です。
声を出して読むということであり、「音読」ということになりますね。
ボクシングにおいての仮想の敵と同様、英語学習においてはネイティブスピーカーの発音を、あたかも影のようになって追いかけていきます。
ちょうど、“森のくまさん”や“かえるの歌”の輪唱のような感じでやっていきます。
実際のイメージをみてみましょう。
音声:Do you like apples?
自分:・・・・・・Do you like apples?
音声が先に出て、自分がそれを影のように追いかけていくというイメージをお分かりいただけたのではないでしょうか。
これが、「シャドーイング」なのです。
シャドーイングで得る大きなものは2つ
シャドーイングをすることでトレーニングできるものには、主に3つありますが、その中でも特に大きく上達させることができるのは、2つの能力と言われています。
まずは、シャドーイングをすることで鍛えられる3つの力を紹介します。
ーネイティブスピーカーのような発音
ーネイティブスピーカーのようなイントネーション
ーネイティブスピーカーのようなリズムやスピード
シャドーイングで練習することによって、ネイティブスピーカーのように話せるようになる効果が期待されます。
“ネイティブスピーカーのように”というのは個人的な差が大きいと思いますが、少なくとも現状を変えるには効果があると言って良いでしょう。
さて、シャドーイングをすることによる、ご自身の英語の大きな変化について見ていきましょう。
先ほども少し触れたように、シャドーイングでは大きく2つの能力を伸ばすことが出来ます。
①スピーキング力
自分の英語レベルより低いものからシャドーイングします。
何度も繰り返しシャドーイングしていくことによって、ネイティブスピーカーの音声がコピーができるようになっていきます。
自分の脳に叩き込まれた英語文や単語、そして表現が身についていくのです。
②リスニング力
ネイティブスピーカーが話す英文の音のつながりや、リズムをそのまま体験すること、そしてそれをコピーすることでリスニング力のアップが見込まれます。
繰り返しすることで完全にコピーできるようになれば、音のつながりやリズムが聞き取れている証拠です。
なぜ、シャドーイングが必要なのか?
徐々に変わっていこうとしていますが、日本人が受ける英語教育はこれまで「話す・聞く」よりも、「書く・読む」に重点が置かれたものでした。
その結果、英語を何年も学習しているのに、聞くこと・話すことに苦手意識を持つ日本人が多くなりました。
インプットは得意なものの、アウトプットが苦手ということですね。
そうなると試験の結果は良いのに、外国人を目の前にするとコミュニケーションを取ることが難しいという問題が起こるのです。
これは、相手が何を言っているか意味が理解できない=聞き取れないということ、そして自分の話す英語が通じないという恐怖。
発音や文法の失敗を恐れて、英語を話すことのハードルが高いと感じる人も多いはずです。
そんな人には、ネイティブスピーカーの発音やリズムをそっくり真似するシャドーイングが有効です。
シャドーイングで鍛えるリスニング力、発音、リズムやスピードを真似することによって英語力が上がります。
それこそ、日本人に必要な”アウトプット”なのです。
さて、ここからはシャドーイングの正しいやり方をご紹介していきましょう!
シャドーイングのやり方を解説!
ここまでお読みになって、シャドーイングに興味がでてきたのではないでしょうか?
では、実際にシャドーイングをどうやるのかご説明していきます。
①音声の準備をする
とにかくシャドーイングに必要なのは「音声」です。
のちほどオススメの教材を紹介しますが、実生活に沿った非現実的でない内容を選びましょう。
②音声をリスニングする
まずは、音声を聞いてみましょう。
流した感じで大丈夫です。
80~90%聞き取れればその音声を利用することにしますが、それ以下の場合はレベルを下げたものに変更しましょう。
知らない単語や表現をチェックしながら聞いてください。
③スクリプトを確認する
次に、音声のスクリプトを確認し、どんな内容なのか把握しましょう。
ここでのポイントは、時間をかけてでも分からない単語や表現を調べ、音声が何を言っているかしっかり理解できるようにすることです。
音声と内容が合致することでリスニングを可能にします。
④スクリプトを目で確認しながらリスニングする
いきなりシャドーイングをする前に、スクリプトを使います。
目でスクリプトを追いながら音声を聞きます。
⑤スクリプトを目で確認しながら、音声に自分の声を重ねてコピーする
次に、スクリプトを見ながら実際に自分の声を出してみましょう。
③で内容を確認しましたが、実際に口に出すと理解の足りない部分が見つかるかもしれません。
じっくりとコピーを繰り返してみましょう。
⑥スクリプトを目で確認しながら、音声に少し遅れてコピーする
まだスクリプトを見ている状態ですが、徐々にシャドーイングを始めてみます。
文と文の区切れているところ、または音のつながりなどを確認します。
次に、言うことまで自然に出てくるくらいにスクリプトを覚えてしまいましょう。
ここまでで、かなりの準備ができています。
そして、最後はスクリプトを見ずにシャドーイングを行います。
⑦スクリプトを見ず、音声に自分の声を重ねてコピーする
もうスクリプトは要らない状態にし、音声を聞きます。
自分の声を重ねてみましょう。
⑧スクリプトを見ず、音声に少し遅れてコピーする
最後に、スクリプトを見ずシャドーイングをしてみます。
音声と自分の英語が完全に一致しているでしょうか?
少し遅れて話すことにより、発音があっているかどうかをチェックすることができます。
シャドーイングをするときの注意点2つ
シャドーイングのやり方をご紹介しました。
ここで、注意すべき2点について確認しましょう。
⑴準備を怠らない!
みなさんお気づきだと思いますが、実際のシャドーイング前の準備(②~⑦)がとても大切です。
いきなりシャドーイングをしても失敗に終わるだけですので、ぜひ準備を抜かさないようにしましょう。
ここが最大のポイントと言っても良いほどです!
⑵とにかく量を稼ぐ!
しっかりと準備をしたら、あとは「練習をすればするほど良い」ということを覚えておいてください。
できれば毎日それも1回でなく数回、できるだけ多くできれば効果を期待できます。
シャドーイングをすることをルーティン(習慣)にできたら強いですね!
音声が長いものを使用する必要はありません。
2分~3分程度のもので十分です。
その音声を上述したやり方で繰り返し練習していきましょう。
それでは、ここからはシャドーイングのメリット・デメリットを紹介致します。
シャドーイングのメリット・デメリット
シャドーイングのメリット6つ
・ネイティブスピーカーに近いスピーキング力の向上
・ネイティブスピーカーの発音が聞き取れるリスニング力の向上
・正しい発音やリズムの練習ができる
・語彙力・表現力が増える
・TOEICや英検などの対策ができる
・英会話などアウトプットの自信がつく
シャドーイングのデメリット2つ
・英語初心者には、ネイティブスピーカーのスピードについていくことが難しい
・反復が必要なので、シャドーイングに費やす時間の確保をする必要がある
シャドーイングおすすめの教材
シャドーイングの教材はとても多くあり、初めての人には迷うところもあるかもしれません。
まず、教材を選ぶ際のポイントをご紹介しましょう。
・難しすぎない内容の教材
内容が硬すぎで理解しづらいもの、自分の実生活とかけ離れているもの、これらは避けるべきでしょう。
逆に自分の興味のあるものなどを利用することで、練習のしやすさ、そして実生活で活かせるというメリットがあります。
・速すぎないスピードの教材
あまりにも速すぎる内容であれば理解も困難になり、シャドーイングで大切な継続という点によくありません。
上述しましたが、最初に音声を聞き、80~90%聞き取れれるようなスピードがおすすめです。
おすすめの教材
TOEICや英検などを受験する人であれば、ぜひそれらの教材を使用して試験対策につなげましょう。
教材を実際に見ていきましょう。
<初心者用>
ゼロからスタートシャドーイング(宮野智靖著)

ゼロからスタートシャドーイング (ゼロからスタートシリーズ)
- 作者: 宮野智靖
- 出版社/メーカー: ジェイ・リサーチ出版
- 発売日: 2008/04/24
- メディア: 単行本
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出てくる単語が簡単であったり、一度は聞いたことのあるものばかりなので初心者にとって始めやすい教材です。
慣れれば10分~30分でできる内容であり、シンプルでかつ実用的で忙しい社会人にもおすすめです。
<中~上級者用>
CD+テキスト イギリス英語のリスニング(クリストファー・ベルトン著)
![CD イギリス英語のリスニング ゆっくりだから聞きとれる! ([CD+テキスト]) CD イギリス英語のリスニング ゆっくりだから聞きとれる! ([CD+テキスト])](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51I0zWTFLML._SL160_.jpg)
CD イギリス英語のリスニング ゆっくりだから聞きとれる! ([CD+テキスト])
- 作者: クリストファー・ベルトン
- 出版社/メーカー: ディーエイチシー
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
“ゆっくりだから聞き取れる!”と副題がついているこの教材は、相当のボリュームがありますが、イギリスの文化が紹介される内容なので面白さがあります。
英文の質が高く、使いこなすにはおすすめの教材です。
TEDアプリ
世界の著名人が様々なスピーチをするTED。
動画をYoutubeでご覧になった人もいるでしょう。
このTEDにはアプリがあります。
上級者にとって、このアプリは様々なアクセントや内容が盛りだくさんなので、教材とともに利用することもおすすめです。
シャドーイングの効果的なやり方を徹底検証!まとめ
・シャドーイングとは音声を聞いた後、聞いたものを即座にそっくり復唱する実践的な英語学習法
・シャドーイングは、日本人が必要とするアウトプットに効果的
・シャドーイングでは、スピーキング力とリスニング力を強化できる
・シャドーイングで大切なのは、スクリプトを利用しての事前準備と反復練習
・難しすぎず、速すぎずの教材選び
通訳のプロが練習に使っていたシャドーイングが、現在では一般人に人気の英語学習法として定着しました。
自分に合った教材選びをしたら内容をしっかり把握し、その後はとにかく反復練習です。
やればやっただけ自分にかえってくるシャドーイングで、英語の楽しさを感じとってください!

イギリスであっという間に17年目、毎日英語を使って生活中。 外資系製薬会社勤務や各国への旅行で英語を使ってきたものの、南ロンドンでの生活は人生にもコミュニケーション力アップにも貴重な経験に。暮らしの英語はもちろん、イギリス人夫と運営する剣道道場のメンバー達とのやりとりをメインに、息子のUK大学受験サポート、日本文化を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど幅広く活動しています。言いたいことは表現すべきとする文化は性に合っているようでイギリス生活をハッピーにアクティブに送っています。英国代表ジュニアとして剣道をする息子の応援にヨーロッパ各国に飛ぶこともある、口だけ八段の道場おかみの夢は日本・イギリス完全2拠点生活。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.