海外からの観光客と英語でコミュニケーションをとろう!

最近は、テレビやインターネットでも海外から日本に訪れる外国人観光客の話題を見かけることが多くなってきました。2016年は過去最高の2403万人の外国人が日本に訪れたそうです。(日本政府観光局調べ)

みなさんが生活している中でも、外国人旅行者を見る機会が以前よりも増えたのではないでしょうか?

公共施設や交通機関での言語対応は全国共通の課題で、各自治体でも急いで整備を進めていますが、まだまだ外国人が自由に日本での旅行を楽しむには至っていないのが現状です。

困っている人に手を差し伸べたいのが人情!

そこで今回は日本に来た外国人旅行者が困っている時などに、英語でコミュニケーションをとって手助けできるような内容をお伝えしたいと思います。

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日本に来た外国人旅行者がよく困るのはどんなシチュエーション?

では、実際に外国人が困るシチュエーションはどんな時でしょうか?私が今までに対応した外国人のやりとりも含め、紹介したいと思います。

飲食店の券売機や駅の改札など

飲食店の券売機や電車に乗る時に切符を買う券売機などは扱い方がわからず困っている外国人を見かけることがとても多いです。電車の自動券売機は英語対応しているものも多いですが、飲食店の券売機はまだまだ日本語表記しかないものも多く外国人も困惑気味。

食べたいものや目的地が決まっているのに券が買えない、もし自分がそういう状況になったらと考えるととても歯がゆい思いをすると思います。

公衆浴場などのお風呂の入り方

まず前提条件として、海外でお風呂に入浴する、という文化がない国はたくさんあります。入浴する文化は「日本独特の」とまでは言いませんが、海外の温泉は水着を着用して入浴するスタイルが多いです。どちらかというと入浴の仕方が日本独特なのかもしれません。人前で裸になる習慣がない人も多いですし、なかなか日本独特の入浴ルールがわからない人は多いです。日本在住の外国人でもいつもシャワーだけ、という人もいるくらい。

お風呂の栓を抜いてしまったり、泡だらけのまま浴槽につかってしまうトラブルも。“Onsen”という単語が海外でも広まっているくらいなので、ちゃんとした入浴方法を伝えたいですよね。

地図の読み方

私もあまり地図を読むのは得意ではないですが(汗)、自分が今どの位置にいて、目的地がどこなのかくらいは地図上で探すことはできます。英語が併記されている地図でも、観光地になればなるほど、見所が多くなりローマ字表記の固有名詞が多くなってきます。もともと日本語の固有名詞は1単語で長いワードが多いので、外国人は発音するのも読むのも大変な人が多いようです。

今どこにいて、目的地まではどうやっていけばいいのか、親切に外国人に教えて日本を楽しんでもらいたいですよね。

バスの乗り方

いくつもの路線が入り組んでいることが多く、バスの最終目的地と自分の目的地が違う場合、(同じ路線で途中下車など)本当にこのバスで合っているかどうか不安になりますよね。日本人の私でも初めて訪れた場所でバスに乗る時は不安を感じます。

またバスの運行、到着時間は道路の状況によって変わり、電車ほど時間に正確でないのも不安要素の1つです。

シチュエーション別使えるフレーズまとめ!

外国人がよく困るシチュエーションを紹介しましたが、実際に外国人とコミュニケーションをとる時に使える便利なフレーズを紹介したいと思います。

シーン別に行く前に、どんな状況でも幅広く使えるフレーズを最初に少しだけ触れます。

よく“Do you want me to~?”を使った表現は直接的すぎて高圧的に聞こえる、といいます。その代わりに“Would you like~?”の表現を使って柔らかく相手の意向を尋ねましょう、という内容は英語学習者であればよく耳にすることではないでしょうか。

相手の意向を柔らかく尋ねる、こんな便利なフレーズがあるなら幅広く使いたいですよね。

外国人が何か困っている、という状況に当てはめると“Would you like~?”の文頭に疑問詞を状況ごとに付けくわえてあげることで使い分けることができます。

例えば“Where would you like to go?”と言えば「どこに行きたいんですか?」となりますし、“What would you like to do?”と言えば「何をしたいんですか?」になります。疑問詞を場面ごとに合わせて当てはめていけば、相手の意向を柔らかく幅広く聞けるのでぜひ使ってみて下さい。これ以外にも“please”を文頭やカンマ付の文末に置くのもポピュラーな丁寧表現ですね。

反対に動詞を文頭に持ってきて動詞を強く発音したり、“must”を使った表現は命令、強制の意味合いが強くなります。“Don’t go there!”「そこには行くな!」“You mustn’t do that!”「そんなことしちゃダメだよ!」あまりオススメできない表現なので緊急性がない時以外は使わないように気をつけましょう。

例外として“must”には強くオススメを伝える効果があります。“You must go see Mt.FUJI.” 「富士山にはいかなくっちゃ!」日本に来たらぜひここは見てほしい!という場所があれば使ってみて下さい。好意的に勧めることができます。

ではシチュエーション別に使えるフレーズを見てみましょう。

自動券売機で切符の買い方がわからない外国人に対して

まずは、どこに行きたいのか聞いてみましょう。前述した“Where would you like to go?”を使ってもいいですし、もっとフレンドリーに生きたいなら“Where are you going?”と簡単に聞いてもいいでしょう。

次に自動券売機の使い方ですが、電車の利用でも飲食店の券売機でも使い方はだいたい一緒です。まずお金を入れないと券は買えないですよね。

“Please put the money into the ticket/vending machine.”
「自動券売機にお金を入れて下さい」
電車などの切符を買う機械は“ticket machine”,飲食店の券売機は“vending machine”がニュアンス的に合っています。それぞれの状況に応じて使い分けましょう。

外国人観光客の目的地で停車駅がわかっていれば、そこまでかかる金額を教えてボタンを押しましょう。

“You want to get to Hachiouji station, don’t you?”
「八王子駅に行きたいんですよね?」

駅の場所を確認したらどのボタンを押したらいいのか教えてあげましょう。

“It costs 200 yen. So push this button, please.”
「200円かかるからこのボタンを押して下さい。」

飲食店の券売機の使い方を説明するときも一緒です。

“Do you want to eat this Ramen(Chinese noodles)?”
「このラーメンが食べたいんですか?”

“It costs 840 yen. So Push this button, please.”
「840円かかるからこのボタンを押して下さい。」

使う動詞が変わるだけで基本的な文構造は同じです。場面に応じて使いわけましょう。

お風呂の入り方がわからない外国人に対して

日本人でも温泉でルールを守らない人がたまにいますが、ただルールを知らなかっただけ、というケースもあります。外国人ならなおさらでどうやったらいいかわからない外国人がほとんどです。

温泉のルールはいくつかありますが、基本的なことを抑えておきましょう。

“Please don’t put your towel in the bath.”
「タオルを浴槽に入れないで下さい。」どこの温泉でも注意されることですね。

“Please wash your body before you get into the bath.”
「浴槽に入る前に体を洗って下さい。」体が汚れたまま浴槽につからないように、ということですね。キチンと洗わなくてもかけ湯をしてほしい時は、“Please pour some hot water over yourself before you get into the bath.”と伝えましょう。

地図の読み方がわからない外国人に対して

観光案内所や駅周辺でも観光MAPは多数おいてあります。中には外国語表記がしっかりされているものもありますが、まず現在地はどこから~のレベルで困っている外国人も多いです。

そんな時に使えるフレーズを紹介します。

地図を見ながら現在地を指差し

“We are here.”
「私たちはここにいます。」

まずは現在地を伝えてあげましょう。

“Where would you like to go?”
「どこに行きたいのですか?」

目的地を尋ねる時はこのフレーズを覚えちゃえばOKです。

目的地に向かう交通手段

“You can go by ○○”

どの交通手段を使っていくのか教えてあげましょう。電車で行けるのであれば“You can go by train.” バスで行けるのであれば“You can go by bus.” 徒歩で行ける場合は“You can go on foot.”です。 (徒歩の場合はon footになる点に注意)

目的地への到着方法

文頭の動詞はあくまでも指示する気持ちでソフトに発音しましょう。

“Go straight/up/down this street and turn right/left at the intersection then you can see ○○ on your right/left. ”「この道をまっすぐ行って、この交差点で右/左に曲がると右/左側に○○(目的地)が見えますよ。」

○○の部分は外国人観光客の目的地を入れて下さい。“Tokyo sky tree”でも“Ashikaga flower park”でも。

地図を見ながらなら外国人もイメージがつきやすいので、多少たどたどしい英語でも伝わります。どんどん英語で案内していきましょう。

バスの乗り方がわからない外国人に対して

地図の読み方がわからない外国人とのコミュニケーションのとりかたと似ている部分があるので併せて使えるとなおよしです。

バスに乗る時はバス停の前でバスを待つのが普通です。バス停には路線図や時刻表などの情報がたくさん書かれているので地図を見ながらと同様、それらを指差しながら説明してあげると外国人も理解しやすいです。

どこへ行くの?“Where would you like to go?”は一緒ですね。

“Here is the timetable and the route map. Please check it.”
「ここに時刻表と路線図があるから確認して下さい。」

“This bus is bound for Shinjuku bus terminal.”
「このバスは新宿バスターミナル行きです。」
最近では、車内で同じ英語が流れるバスや電車もありますね。普段バス等に乗る時に耳を傾けてみて下さい。そのまま外国人に伝えられる英語がたくさん流れてきます。

料金の支払い方

“Just pay the driver.”
「運転手に支払って下さい。」
バスとタクシーは電車や飛行機と違って後払いなので、運転手に直接払うことを伝えてあげましょう。

いくつか例を挙げてきましたが、「なまりがひどくて全然英語が聞き取れない」、「早口で英語が聞き取れない」という場合もあるかと思います。

その時の選択肢は2つです。逃げるか戦うか(笑)

戦う場合は、“Could you speak more slowly for me?”「もう少しゆっくり話してくれませんか?」と尋ねてみましょう。一度目よりもゆっくり正確に英語を発してくれるはずです。

逃げる場合は、“There are visitor centers with various sightseeing information for tourists from overseas over there.”「向こうに外国人観光客のための観光案内所があります。」と伝えて下さい。余裕があればそこまで案内して、案内所の人と外国人のやりとりを聞いていましょう。「こういう風に英語で言うんだ」というのがわかります。次回のリベンジに役立てて下さい。

外国人も不安でいっぱい

私たちが外国人に話しかける時、「私の英語、全然伝わらなかったらどうしよう」と不安に感じる人もいるでしょう。

日本に訪れた外国人も同じように不安を感じていて「いくつか日本語覚えてきたけど伝わらなかったらどうしよう」、「道に迷ったらどうしよう」、「ちゃんと帰ってこれるかな」などなど私たち以上に不安を感じています。きっと1人で外国に旅行したことがある人ならこの気持ちがわかるはず。

なので、私たちが感じる「英語伝わらなかったどうしよう」という不安は外国人旅行者と比べたら小さなもので、「英語で話しかける」というハードルはだいぶ下がると思います。

これを機会に積極的に英語でコミュニケーションをとっていきましょう。

また、英語で話しかける最初の会話として、“May I help you?”,“Hello, how’s it going?”と挨拶すると会話に入りやすいです。日常会話ができれば外国人も心を開いている証拠。ネイティブのフレーズを直接耳にするチャンスです。自分の実力を試すのにももってこいですね。なかなか本題に移れない時は“By the way~”,“So~”と話を切り出してみて下さい。外国人も「何か別の話をするんだな」と準備することができます。

さらに、話が終わり別れ際に気の利いた挨拶もできればあなたの印象も日本の印象もグッとアップ。“Take care.”「気を付けてね」“Have a nice trip.”「よい旅を!」など相手を気づかう一言は、どの場面でも役立つのでぜひ覚えて下さい。