忙しい会社員(サラリーマン)にとってオススメの勉強方法

最近では社内で英語を公用語とする企業なども増えてきていると聞きます。私も以前、英会話学校で講師をしていた時、ある研究所にネイティブ講師と共に出前英会話レッスンをしていたことがありました。会社が社員教育のためにしていることで、ただでさえ忙しい社員のことを考え、社員の時間節約のためにしていることでした。社員の方も英語が社内の公用語にまでになると、英語に向き合わねばなりません。

とは言うものの、会社員なら社内では忙しい仕事をまずこなさなければなりません。仕事のためには残業もあるでしょう。休日出勤もあるかもしれません。出張などが加われば、もう仕事のために生活しているようなものです。最近も日本の一流企業においての会社員の過労死の報道がありました。早朝に出社して深夜に短い睡眠をとるために帰宅する。その繰り返しです。

そのような忙しい生活の中でどのようにして英語のための時間を割くのか、効率の良い方法を考えてみるべきだと思います。特に重要なのはゴールの設定でしょう。今回は、TOEICで800点以上をとるなどの資格試験対策ではなく、ネイティブとビジネスについての英会話が話せる、聴き取れる、この二つを目標とするための突破口を作る方法についてお話をしたいと思います。 

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会社員は忙しい!

先ほどの出前英会話レッスンですが、研究所内で研究開発を担当する若手の方々を対象とするクラスでした。クラスに参加される会社員は全員、工場から徒歩3分の寮に住まわれていました。週に2回のレッスンは40分1コマのレッスンが2コマ、間に10分の休息がありましたので、90分でした。会社で終業時に受けられるレッスンなので時間的な制約はあまりなく、参加者の方々は、非常に熱心で有意義な時間を過ごされていたと思います。

残念ながら、ご自分の研究開発に関する仕事が多忙で、週に2回のレッスンの復習などにも手が回らないことがあったそうです。通勤時間が3分の方々でもそうなのです。やはり、日本のビジネスマンは忙しいのです。この出前英会話レッスンの受講者のうちからもアメリカの研究所へ派遣される方々もおられました。渡米されるとさらに多忙になることが予想されましたが、新しい生活への期待を膨らまされていました。

ここで、特にお勧めしたいのは、まず少し英会話ができるようになることです。中学校で学ぶ基本単語を活用して話す英会話です。その為には英語の発音のルールを学ぶことが重要です。例えば、I’m a research worker from Japan. 「私は、日本からの研究員です」。発音は、「アマ リサーチワーカー フロムジャパン」です。

I’m aは、「ア(ィ)マ」ですがィの音は殆ど聞こえません。ご自分でも「アマ リサーチワーカー フロムジャパン」と何度とも音読すると、リスニングでも「アマ リサーチワーカー フロムジャパン」と聴きとれるようになります。発音のルールで特に注目したいのは、英単語が連続すると音が変化したり、消音になったりなど、いろいろな現象が起こることです。そして、それらを理解して、自分でも発音ができることが非常に重要です。

忙しさの中で「発音のルール」を学び、それを自分のスピーキングに応用して自分のスピーキングをネイティブのそれに近づけると、英語が通じるようになり英語を話すことに喜びを感じるようになります。もちろんスピーキングの充実がリスニング能力の向上にもつながりますから、ご自分の英会話の能力がどんどん向上してきます。つまり「発音のルール」を学ぶことは、流暢に英会話ができる突破口になるということです。

スキマ時間を利用する!

トイレでは英単語を覚える!

結局、英会話ができるということは、日本語の翻訳なしに英語を英語として理解して英語を話すということです。その為には英和辞典ではなく、英英辞典を使うようにしましょう。ノンネイティブでかなり流暢に英語が話せる人なら必ず英英辞典を使っているはずです。英英辞典を使えばネイティブが説明する単語の定義を読みながらでも参考になる英語表現が勉強できます。

英単語を調べる時には定義の部分の英文を音読しながらその定義と英単語をイメージします。定義の英文の言い回しや表現が気に入れば、自分でもそれらを日常会話で使えるようにメモして覚えます。それから、語源や同意語と反意語も必ずチェックして、まとめて一度にそれらも覚えるようにします。そうすることで調べた英単語が記憶に残りやすくなります。

移動時間は、リスニングの練習をする!

通勤や仕事上での移動時間は、リスニングの練習をしましょう。教材自体も自分で用意します。お勧めのサイトはFRONTLINEやTEDです。どちらも多数の題材の中から長さや難易度などを考慮してあなたが興味を持てる題材を選びます。英文原稿(トランスクリプト)も利用できますので、聴き取れない部分はそれを参考にします。先ほどお勧めしましたように「発音のルール」に注意しながらリスニングの練習をすることは非常に重要です。

FRONTLINE
http://www.pbs.org/wgbh/frontline/

TED
https://www.ted.com/talks?sort=newest

移動時間は、英語で考える癖をつける!

リスニングの練習の他に移動時間にやりたいことは、英語で考える癖をつけることです。例えば、駅で電車を待つ間に目に入ることを英語で思い浮かべます。最初は簡単な英語で構いません。She’s very pretty. He’s tall and handsome. I like his jacket.等々です。そして慣れてきたら、もう少し詳細な情報を思い浮かべます。例えば、He really looks like my uncle. My uncle is a little bit taller than him though.みたいな感じです。

英英辞典を利用するのも英語で考える癖をつけるためです。流暢に英語を話すということは、日本語の翻訳などなしに英語で考えて英語を話している状態ですから、こんなシャドウィングのようなことも必要です。英語で考える癖をつけるために、とにかくご自身の英語でする生活の部分をどんどん増やしていきます。アメリカで働いていた時は、英語100%の生活でした。日本に帰国してもまだ80%以上は英語でする生活です。

新聞は、ニューヨークタイムスの電子版を購読しています。LATIMESは、非常に読みやすいので、そして、東のニューヨークと西のLAの考え方の違いなどが興味深いので、購読はしていませんがよく読みます。それから無料で読めるBBC NEWSもよく読みます。音楽も洋楽専門ですし、映画やドラマも日本のものはあまり観ることはありません。

生活を細かく見直して毎日1時間以上を英語にあてる!

できれば、ネイティブの会話が聴き取れて会話ができるようになるために、毎日最低1時間は英語に使う必要があります。まず、「発音のルール」をしっかり理解して、ご自分も日本語訛りの強い棒読み的な英語を話すことを改めます。カタカナ表記で英語の発音を表すのには限界がありますが、非常に分かりやすいのでお勧めします。今回は、連続する英単語のリエゾンと消音について、簡単に「発音のルール」をご紹介します。

Stand up.

棒読みなら「スタンド アップ」ですが、ネイティブの発音は、「スタンダッ(プ)」です。最初の単語の語尾dと次の語の語頭のuがリエゾン(連結)してダの音に変わります。最後のpの音は、発音されない場合があるか、聴こえない場合もあります。ただ、発音しない場合でも口の形がpになっていないといけません。ネイティブは、このように「アップ」のpの口をしながらpの音は出さない場合があります。

Take it.

棒読みなら「テイク イット」ですが、ネイティブの発音は、「テェィキッ(ㇳ)」で、同じようにリエゾンと消音が起こり itのtが消音になる場合があります。ただし、発音しない場合でも口の形がtになっていないといけません。ネイティブは、このように「イッㇳ」のtの口をしながらtの音は出さない場合があります。

Take it easy.

棒読みなら「テイク イット イーズィー」ですが、ネイティブの発音は、「テェィキッティーズィー」で、この「リラックスする」を意味する3つの単語で作られる句動詞も同じようにリエゾンが起こり3つの単語が1つの単語のように素早く発音されます。日常会話でよく使われますので何度も音読して慣れ親しみましょう。

Put up with.

棒読みなら「プッㇳ アップ ウィズ」ですが、ネイティブの発音は、「プタッ(プ)ウィ(ズ)」となります。Upのp の音とwithの thの音が発音されない場合があるか、聴こえない場合もあります。この「我慢する」を意味する3つの単語で作られる句動詞も同じようにリエゾンが起こり3つの単語が1つの単語のように「プタッ(プ)ウィ(ズ)」と素早く発音されます。日常会話でよく使われますので何度も音読して慣れ親しみましょう。

少し細かく説明しましたが「発音のルール」に慣れ親しんでくると、応用ができるようになります。さらに「発音のルール」を頭に入れながら音読の習慣を続けていくとあなたの英語の発音が日本語訛りの強い棒読み発音からネイティブの発音に近づいていきます。そうなれば、自信とやる気も出てきて英語を話すことが楽しくなるのです。

毎日の多忙な生活のどの部分から1時間をひねりだすのか、非常に難しいことでしょう。しかし、生活の細部を見直せば、どこかで無駄をしている場面があるかもしれません。そこで何とか1時間をひねり出す工夫をしてみるのです。この1時間と「スキマ時間」を上手く利用すれば、1年以内にあなたの英会話が飛躍的に伸ばせるはずです。貴重な1時間は、まず「発音のルール」を意識しながら音読とリスニングの反復練習に充ててください。

忙しい会社員(サラリーマン)にとってオススメの勉強方法のまとめ!

今回は、忙しい会社員のための英語の勉強法を考えてみました。短い時間ではあまり多くのことは期待できませんが、最低限の努力で最高の結果を引き出すことが大切だと思います。やはり英語を勉強するなら、流暢な英語が話せることでしょう。その為には、何度も繰り返し強調しましたが、「発音のルール」を理解して自分でもそれを基礎にして発音できるようにすることです。

英単語が連続すると音と音がリエゾン(連結)して違う音に変化することや、消音になる場合などいろいろな変化が起こります。これを理解していないとスピーキングだけではなくリスニングもできないことになります。日本語では耳から音を通して言葉を学んだので発音に関する問題はありませんが、英語は文字を通して目から学び始めたので、英単語が連続すると音が変化することに対応できないのです。

日頃から「発音のルール」を意識して音読の反復練習やリスニングの練習を重ね、少しずつ英語で考える癖をつけていけば、あなたの英会話は飛躍的に伸びることでしょう。是非とも多忙な会社員生活の毎日から貴重な時間を割いて実行されることをお勧めします。