アメリカの大学に留学を考えている方は多いのではないでしょうか。
アメリカには約4000校もの大学があり、どこに入学するのがいいのか迷ってしまいますよね。
中にはなるべくレベルの高い大学に入学したいという方もいると思いますし、自分のレベルに合ったところを探したいという方もいると思います。ただ、大学のレベルの見極め方が分からず困ることもあるのではないでしょうか。
また、行きたい大学が決まったとしても日本の大学とは出願の時期や必要な書類が違うこともあるので、どのように準備を進めていけばいいのか調べるのもまた大変ですよね。
今回は、そんなアメリカの大学に留学したい方に向けてアメリカの大学の難易度と、出願時期や必要な書類をご紹介していきます!
アメリカには「偏差値」という考えはない
まず、アメリカの大学の難易度についてです。
日本では、受験をする際にその大学の偏差値を見て自分が合格できるところかどうかを考え、難しそうであればその偏差値に近づけるようにより努力をしたり今の自分の偏差値に近い大学を調べ直したりします。
アメリカの大学の難易度も偏差値で考えることができるのでしょうか。
結論、アメリカの大学に偏差値はなく、アメリカには偏差値という考えはありません。
日本の大学のような学力を測る入学試験がないので、このレベルの学力なら合格ができるというような合格できるスコアの数値化が難しいのです。
では、アメリカの大学の難易度を知るためには何を見ればいいのでしょうか?
3つ基準があるのでお伝えします。
まずはGPAです。日本でいう評定平均のようなものです。
アメリカでは基本的に4.0が最高点で、たとえばハーバード大学に入学している高校生のGPAは3.9~4.0と言われています。
これはほとんどの教科で最高点の成績を求められるということです。
このように各大学に入学している学生の高校生のGPAと自分のGPAを照らし合わせることで難易度を確かめることができます。
また、大学の難易度の目安として合格率を見ることもできます。
たとえばハーバードやスタンフォードのような名門大学の合格率は5%~7%と、かなりの狭き門となっています。
そして、アメリカの大学に入学するための学力試験はありませんが、全米の高校生が受ける標準テストと言われるものはあります。
その代表的なものがSAT(R)とACT(R)と呼ばれるものです。
このテストにおける各大学に入学する学生の平均点で、その大学の難易度をある程度測ることもできるでしょう。
このように、アメリカの大学に偏差値はありませんが、GPA、合格率、標準テストの平均点の3つの観点で大学の難易度の予想をすることが可能です。
アメリカの大学に出願するときに必要なもの
次に、アメリカの大学に出願するときに必要なものをご紹介します。
中には準備に時間がかかるものもあるので、しっかり確認して余裕を持って準備を進めていってください。
大学願書
まず出願するときに必要になるのは大学願書です。
こちらはほとんどがオンラインでの申請になります。
大学によりますが、出願料がかかる際はこのタイミングで払います。
無料のところもありますが、$200ほどかかるところもあるようです。
英語資格試験の結果
SATやACT、TOEFLテストなどのスコアの提出が必要になります。
SATやACTはアメリカの高校生が大学での授業にどのくらいついていけるのかを測るテストです。
出願要件として必須になっていますが、これだけで合否が決まるわけではありません。
英語を母語としない日本からの留学生などにおいては、英語力テストであるTOEFLテストやIELTSのスコアの提出が求められます。
これらのテストは思い立ったタイミングでいつでも受験ができるわけでもないですし、結果がすぐには届かないため余裕を持った申し込みと受験をしましょう。
このスコアはテスト主催機関・運営機関から直接大学に送ってもらうように手配することができます。
高校の成績証明書
高校の成績証明書の提出が求められます。
これは3年間に学んだすべての科目の成績が英文で記されたものを提出します。
アメリカの大学の入学審査で、高校の成績証明書は最も重視される書類です。
また、日本の大学からアメリカの大学へ留学する場合は、高校の成績表に加え、大学の成績証明書の提出が必要になります。
推薦状
推薦状とは、高校の先生などお世話になった方に、書いてもらう推薦文です。
2通の推薦状の提出が求められることがほとんどです。具体的に推薦状を使うのは、学力だけでは甲乙つけがたい場合です。複数の志願者がいた際に、比較するために使われます。
重要な場面で使用されるため、日ごろから先生といい信頼関係を築いておくことが大切です。
残高証明書
出願大学の1年間以上の学費以上の額があることを証明する英文の残高証明書です。
留学中に学費が払えなくなってしまうと、受け入れた学校側にも負担が生じるリスクがあるため、残高の金額が合否を左右する可能性もあります。
エッセイ
エッセイは、その大学に入学したい熱意や動機を伝えるためのもので、具体的には自己アピール文です。
合否を左右するとても重要な書類で、特に私立大学ではエッセイを重視します。
奨学金の額にも影響するので、先生に添削をお願いするなどしてしっかり準備に時間をかけましょう。
その他
その他、パスポートのコピーや健康診断書の提出が必要です。
パスポートは申請から手元にくるまでに時間がかかるので早めに申請しましょう。
また、健康診断書は麻疹や風疹、おたふくなどの予防接種が済んでいるかどうかの記載があります。
未接種だった場合入学することができない可能性もあるので、早めに確認し終えていないものがあれば接種を済ませましょう。
出願において必要なものがたくさんありますね。
また、大学によっては不要なものもあれば、さらに準備が必要なものもあります。
出願先の大学が決まったらすぐに必要書類を調べて準備をすすめましょう。
アメリカの大学の出願時期
日本の大学には4月に入学しますが、アメリカの多くの大学は9月入学になっています。
そして出願は多くの大学が1月から3月を期限としています。
この期限までに、それぞれの大学が求める出願書類を提出することになるのです。
まずはオンラインでコモン・アプリケーションという共通願書に必要事項を入力するのが一般的です。
ここでの必要事項はたくさんあるため、一度で仕上げようとせずスペルミスや記入内容に不備がないかよくチェックしてください。
コモン・アプリケーションで願書の提出が済んだら、次に個々の大学に必要書類を送付する流れです。
アメリカの大学のタイプ別難易度と合格対策
アメリカの大学に入学するためには学力試験がない分、合格対策は大学により全く違います。
そうなるとどのように対策をすればいいのかわからず、日本の入試対策に慣れている方は困惑してしまいますよね。
ここからは大学のタイプ別に難易度と対策を解説していきます。
私立トップ名門総合大学
アメリカでもっとも難易度の高い大学です。
ハーバードをはじめとするアイビーリーグ校や、それに匹敵する大学でとても狭き門となっています。
ここでは学業成績や英語資格試験のスコア、エッセイ、推薦状、課外活動などのすべてがトップレベルを要求され、重視される項目となっています。
合格率は5%~30%です。
学業成績はオール5に限りなく近いものが求められますし、エッセイはクリエイティビティとオリジナリティ、それに加えて洞察力の鋭さが求められます。
推薦状においても学力・資質・人格などすべてにおける優秀さが具体的に記されていることが必要です。
SATやTOEFLのスコアも満点に近いものが求められるでしょう。
私立名門総合大学
ニューヨーク大学、南カリフォルニア大学、ボストン大学などのアイビーリーグ校ほどではありませんがとても人気が高い名門大学です。
こちらでも学業成績と英語資格試験のスコア、エッセイ推薦状、課外活動すべてが重視されます。
合格率は15%~45%です。
それぞれがバランスよく高いレベルであることを要求されます。
部活動や生徒会活動、ボランティア活動、習い事などの課外活動での活躍も示す必要があります。
私立オーソドックス総合大学
マイアミ大学、サンフランシスコ大学、ドレクセル大学などの名門大学と比べると入学しやすい大学です。
それでも全米的な知名度もあり、人気の大学です。
学業成績やTOEFLスコア、エッセイ、推薦状が重視されます。
合格率は20%~60%です。
名門総合大学に比べると基準が少し寛容になり、エッセイで課外活動における活躍をアピールできれば他の入学基準の要素をカバーしてくれるということもあります。
留学生に対してはSATを免除していることもあります。
州立名門総合大学
UCLA、UCバークレー、ミシガン大学などの州立名門大学群です。
私立トップ名門総合大学に匹敵する人気で、州民を優先するので留学生にとっては狭き門です。
学業成績、SATスコア、TOEFLスコアが重視され合格率は10%~30%です。
エッセーや推薦状の比重が私立名門大学より低くなります。
UCLA、UCバークレーでは推薦状を必要としません。
志願者が多く個別かつ多角的に審査することがむずかしく、学業成績やテストスコアを重点的に審査されることになります。
州立総合大学
テキサス大学オースティン校、ワシントン大学、ペンシルベニア州立大学などのパブリックアイビーと呼ばれる大学群です。
基本的には州民を優先しますが、留学生でも合格のチャンスは高まります。
学業成績、SATスコア、TOEFLスコアが重視され合格率は40%~70%です。
州立名門総合大学と比べ、入学基準にやや柔軟性があり、エッセイや推薦状の比重は私立大学よりやや低いです。
リベラルアーツ・カレッジ
小規模で、寮生活を基本とした大学です。
留学生にとってはとても勉強しやすい環境で、全米に600校ほどあります。
合格率は10%~30%と、私立トップ名門総合大学とほぼ同じような難易度ですが、各大学が持っている教育理念に特徴があります。そのため、大学が学生に対して、要求するものが比較的はっきりしている特徴があります。
高い学業成績やSATスコア・TOEFLスコアも求められますが、それでも際立つような才能がある場合はスコアについて、柔軟な対応で考慮してくれることもあります。
アメリカの大学といってもさまざまなタイプや難易度があるので、自分が学びたいことやレベル、準備のために使える時間などを考えて決めてみてください。
アメリカの大学で留学先はどう選ぶべき?
ここまで、アメリカの大学に留学するために必要な提出書類や大学のタイプによる難易度についてご説明してきました。
たくさんの大学があることはわかっても、そこからどのように選べばいいのかはまだイメージがついていないという方もいると思います。
アメリカの大学で留学先はどう選べばいいのでしょうか。
まずは、学びたいことややりたいことで選ぶことです。
世界有数の大学数があるアメリカには、学部や専攻の数も多くあります。
途中で専攻を変えることも可能ですし、現時点で勉強したいことが絞れていない方には幅広い教養を持つ人を育成し、総合的にスキルの高い人材を生み出すことが目的の「リベラルアーツ」という学部がおすすめです。
学業以外にも、スポーツや起業など学生の間にやってみたいことがある人もいるでしょう。
アメリカにはいろんな特色を持つ大学があるため、やりたいことが叶えられるような大学を選んでみるといいと思います。
また、せっかくアメリカに留学するのであれば学業以外の生活も満喫するべきです。
アメリカは広いので、地域によって気温も文化も大きく違います。
大学がある環境をしっかり調べて、自分が一番満喫できそうな場所にある大学を選ぶといいでしょう。
まとめ
今回はアメリカの大学に留学するときに必要な書類や出願の流れ、留学先の選び方などについてご紹介してきました。
必要な書類も数多くありますし、留学先の選択肢となる大学も数多くあります。
行きたい大学が明確に決まったときに焦らないように、まずはどのような流れになるのかを今のうちに知っておくこと、できることから早め早めに準備を進めておくことが大切です。

◇経歴(英語を使用した経歴)
小中学生時代をアメリカ・ニューヨーク州で過ごした後、高校では英語を専門的に学び大学では主に英語教育を学びました。その中で、実際に中学生に対して学校で英語の授業を行ったり塾講師として受験英語の指導を行ったりしていました。
◇資格
・英検準1級
・TOEIC865点
・中学校教諭一種免許状(英語)
・高等学校教諭一種免許状(英語)
◇海外渡航経験
小学校3年生から中学生までの間、アメリカ・ニューヨーク州で生活し、現地の学校に通っていました。
この経験を通じて、異文化の中で生活する楽しさや戸惑いを肌で感じながら、英語や多様な価値観に触れることができました。
まだ幼いうちに新鮮な経験ができたこともあり、クラスメートとの交流や現地の行事への参加を通じて、自然とアメリカの文化に溶け込んでいく貴重な時間を過ごしました。
◇自己紹介
WEBライターのりんと申します。義務教育時代を海外で過ごした経験を活かして主に英語や教育に関する記事を執筆しております。