みなさんは、ニュージーランド英語と聞いて、どのようなことをイメージするでしょうか?
アメリカ英語やイギリス英語はそれぞれの特徴がはっきりしていて、比較されることも多いですが、ニュージーランド英語にはなかなか馴染みがない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、そんなニュージーランド英語にフォーカスして、その特徴やスラング、ユニークな表現、スペルの特徴、発音、アクセントなどについて全般的にご紹介していきたいと思います。
ニュージーランドに旅行に行こうと考えている方、語学留学やワーキングホリデーの候補としてニュージーランドを検討している方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
なお、スラングなどについては、例文とともにご紹介していますので、ぜひその例文を何度も口に出して練習してみてください。
ニュージーランド英語の特徴とは?
ニュージーランド英語は、同じ英語圏のアメリカ人やイギリス人からも「わかりにくい」と言われることがあります。
これは、ニュージーランド英語が独特の発音やスラング表現を持っているからです。
ただし、完全にどの英語とも違うというわけではなく、ニュージーランド英語は、基本的にイギリス式となります。
これは、19世紀前後にヨーロッパから多くの人が移住したという歴史的背景に由来します。
ニュージーランド英語の歴史はとても浅いため
ここ150年で発達した最も新しい英語
と言われています。
また、ニュージーランドは英語に加え、マオリ語ももうひとつの公用語です。そのため、 マオリ語から影響を受けている発音や借用語などもあります。
ニュージーランド国内では、南島南部の都市・ダニーデンはスコットランドからの移民が 多かったため、スコットランドなまりが見られます。
また、最大都市・オークランドではあらゆる国から来た人が住んでいるため、なまりも常に変化していると言われています。
なお、オーストラリア英語は「オージー・イングリッシュ(Aussie English)」と呼ばれますが、ニュージーランド英語は「キーウィ・イングリッシュ(Kiwi English)」と呼ばれています。キーウィとは、ニュージーランドの国鳥であり、またニュージーランド人の愛称でもあります。
オーストラリアとニュージーランドは地理的に近く、同じくイギリス英語の影響を受けていますが、それぞれの英語には微妙な違いがあります。たとえば、オージー・イングリッシュは語彙を短縮・省略することがしばしばあります。
一方、キーウィ・イングリッシュは母音の変化が多いという特徴があります。
なお、この母音の変化についてはのちほど詳しく解説します。
ニュージーランド英語のスラングと表現
続いてここからは、ニュージーランド英語のスラングと表現をご紹介していきます。
sweet/sweet as
ニュージーランドの人々が、日常会話でカジュアルに「いいね」「大丈夫だよ」と言うとき によく使うのが「sweet」「sweet as」です。
「good」や「okay」と同じ意味になります。幅広い場面で使えます。
togs
スペルからは想像が難しいですが「tog」は「水着」という意味。
「swimwear」や「swimming costume」の代わりに使うことができます。ちなみに、ニュージーランドに<は温泉が多くあります。
ニュージーランドの温泉では水着着用が一般的ですので、温泉に行く際などに使えるスラングですね。
I bought new togs.
(新しい水着を買ったよ。)
tramping
こちらもなかなかなじみがないと思いますが、「ハイキング」という意味です。
アメリカ英語「hiking」、
イギリス英語では「trekking」
とそれぞれ表現します。
far out
感情・気持ちが高ぶったときや驚いたときに使えるスラングが「far out」です。
「wow」と似ており、「すごいね」「ヤバい」といった意味で使われます。
(例文)
A:Let’s go to the cafe.
B:Sweet as!
(A:カフェに行こう。)
(B:いいね!)
A:I got an associate position at an investment bank!
B:Far out!
(A:投資銀行でアソシエイトの職をゲットしたよ!)
(B:やばいね!)
ニュージーランド英語における綴りとスペルの特徴
続いて、ニュージーランド英語におけるスペリングの特徴をご紹介していきます。
ニュージーランド英語のスペリングは、基本的にイギリス英語と同じです。
そのため、アメリカ英語と比較した場合、
- 「-or」が「-our」
- 「-ter」が「-tre」
- 「-ize」が「-ise」
- 「-yze」が「-yse」
- 「-ense」が「-ence」
となります。
具体的な例としては、
- labour(労働)
- neighbour(隣人)
- centre(センター、中央)
- litre(リットル)
- metre(メートル)
- organise(組織する)
- realise(気づく)
- analyse(分析する)
- defence(防衛、ディフェンス)
などが挙げられます。
ニュージーランド独自のスペリングというよりは、イギリス英語と同じと捉えるとわかりやすいでしょう。イギリス英語を学んできた・学んでいる人にはなじみやすいですね。
ニュージーランド英語の発音とアクセント
ニュージーランド英語はイギリス英語をベースとしていますが、独自に発展している発音もあります。
ニュージーランド英語の発音の特徴は、以下のように母音の変化が多いことです。
イギリス英語に慣れている人であればそこまで難しいと感じないかもしれませんが、アメリカ英語の発音に慣れている人は少し聞き取りづらく感じるかもしれません。
「e」がiになる
たとえば、eggは「エッグ」ではなく「イッグ」、penは「ペン」ではなく「ピン」、sevenは「セヴン」ではなく「スィヴン」のように発音します。
「i」がəになる
たとえば、fishは「フィッシュ」ではなく「フッシュ」、chipsは「チップス」ではなく「チュップス」、hitは「ヒット」ではなく「フット」のように発音します。
「æ」がeになる
たとえば、accidentは「アクシデント」ではなく「エクスィドゥント」、catは「キャット」ではなく「ケット」、thatは「ザット」ではなく「ゼット」のように発音します。
「ei」がaiになる
たとえば、todayは「トゥデイ」ではなく「トゥダイ」、reservationは「リザヴェイション」ではなく「リザヴァイション」、mateは「メイト」ではなく「マイト」のように発音します。
「ai」がɔɪになる
たとえば、Iは「アイ」ではなく「オイ」、nineは「ナイン」ではなく「ノイン」、fiveは「ファイヴ」ではなく「フォイヴ」のように発音します。
アクセント
ニュージーランド英語独自のアクセントというよりは、イギリス英語とアメリカ英語の違いとしてとらえ、ニュージーランド英語はイギリス式のアクセントと覚えておくと良いでしょう。
たとえば、address(住所)はアメリカ英語ではadd-ress(太字にアクセントが置かれる)ですが、イギリス英語・ニュージーランド英語ではad-dressとなります。
perfume(香水)もアメリカ英語ではper-fumeですが、イギリス英語・ニュージーランド英語ではper-fume となります。
また、garage(車庫、ガレージ)はアメリカ英語ではga-rage、イギリス英語・ニュージーランド英語ではga-rageとなります。
日本語の「パフューム」や「ガレージ」という言葉は、どちらかというとアメリカ英語よりのアクセントだと思いますので、はじめはイギリス英語・ニュージーランド英語のアクセントはやや違和感を覚えるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?今記事でもご紹介したように、ニュージーランド英語は、イギリス英語の影響を強く受けています。しかし、ニュージーランド英語ならではのスラングや表現があったり、地理的に近いオーストラリアとも、似ているようで異なる英語の特徴があったりと、知れば知るほど興味深い英語と言えるのではないでしょうか。
ニュージーランドに旅行に行こうと考えている方も、ニュージーランド英語の特徴を知っておけば、より旅がスムーズになるでしょう。また、語学留学やワーキングホリデーなど長期間の滞在を考えている方は、特にニュージーランド英語の特徴を覚えておくことが大切です。
もし、ご紹介したニュージーランド英語について「もっと詳しく知りたい」「ネイティブ講師の意見を聞いてみたい」と思った方は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話レッスンを試してみてください!レッスンでは、ネイティブ講師とマンツーマンで話すことができます。
ぜひ、みなさんの英語学習にレッスンをフル活用してくださいね。
◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇留学経験
学生時代、イギリスのハル大学に1か月半語学留学をしました。
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。
英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。大学で経験したイギリス留学では、語学クラスでさまざまな国の留学生と交流しました。また、英語で大学の歴史の講義を受けたり、現地の小学校でのボランティア活動も行いました。
よろしくお願いします!