
大学留学に興味があるけれど、何から調べればいいのかわからない。
そんな方のために、この記事では大学留学の基本をわかりやすく解説します。
交換留学や正規入学などの留学スタイルの違いから、国ごとの教育制度や文化の特徴、入学時に求められる条件まで、初めてでも安心して準備が進められるように、必要な情報を一つひとつ整理しています。あなたにぴったりの留学プランを見つけるヒントにしてください。
- 大学留学ってどんなもの?5種類をわかりやすく解説!
- 留学先を選ぶときの5つの基準
- どの国が自分に合ってる?おすすめ留学先5カ国の特徴を紹介!
- 大学留学の入学制度について
- 大学留学ができる人ってどんな人?5つの条件
- 大学留学にかかる費用はどれくらい?
- まとめ
大学留学ってどんなもの?5種類をわかりやすく解説!
大学留学といっても、さまざまなパターンがあります。期間や勉強できる内容、取得できる学位や単位が変わってくるので、しっかりと調べて自分に合った方法を選びましょう。
交換留学
交換留学はもっとも人気のある留学方法の1つです。派遣留学と呼ばれることもあります。海外の大学に直接入学するのではなく、まず日本の大学に入学し、その在籍期間に自身の大学が協定を結んでいる海外の大学に留学します。
メリットとしては、日本の在籍大学のサポートが受けられるため、手続きなどがスムーズに進むことです。
交換留学の留学期間は1学期から1年くらいが一般的です。
日本の在籍大学に必要な単位もしっかりともらえるので、就職時期がズレることがないのが嬉しいですね。
正規入学
正規入学は、日本の大学は受験せず、直接海外の大学に願書を提出して入学する留学方法です。手続きを自分で行う場合、英語で用意しなければならない書類などもあるため、ややハードルが高いです。
エージェントやサポート団体を探すのが無難でしょう。
メリットとしては、協定校などの縛りがないため、大学の選択肢が広がることです。
また、専攻も自由に選べるので、日本では学べないことを学べるのもメリットでしょう。
認定留学
認定留学と交換留学との違いは、行き先が自分の大学の協定大学ではない、ということです。学生が個別に申し込む私費留学に対し、大学が「その大学はうちとは関係ないけど、うちの承認が下りれば認めてはあげるよ」という意味で「認定」留学と呼ばれます。
手続きなどの大半を自分で行わなければいけないため手間は増えますが、行き先の選択肢が増えるため自由度が増します。
また、たいていの場合協定校でなくても大学の単位として認められるので、卒業が遅れることはありません。
休学留学
休学留学は、日本の大学を休学して、その期間に海外の大学に留学する方法です。日本の大学とは全く関係ないため、何を学ぶかは完全に自由です。
日本の大学で経営学部にいたけど、アメリカの音楽大学や音楽学部に行ってジャズを勉強する、などといったことも可能です。
ただ、留学先で得た単位を日本の大学に移行できない場合が多いため、卒業が遅れる可能性大です。
短期留学
短期留学とは、その名の通り短い期間の留学です。だいたい3ヶ月以内の留学のことを言いますね。
内容は様々で、大学の授業を履修する人も当然いますし、語学の勉強やボランティアなどの課外活動が中心になる人もいます。
費用が安く、夏休みや有給などを使って行けるので、お手軽さが一番です。
ただ期間が極端に短いため、語学力含め、何かいっぱしの能力を身につけたい人には向いていません。
「留学体験」くらいに思っておいた方がいいでしょう。
留学先を選ぶときの5つの基準
留学先を決める基準は
などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
治安の良さ
留学先では日常生活を安心して送れるかがとても重要です。
特に初めての海外生活では、治安の良し悪しが生活全体に大きく影響します。現地の犯罪率や、留学生へのサポート体制、医療の充実度などもチェックしておくと安心です。
留学にかかる費用
学費や生活費は国によって大きく異なります。
例えば、欧米諸国は授業料が高めな傾向がありますが、奨学金制度が充実している国もあります。物価や家賃、航空券代なども含めて、全体のコスト感を把握することが大切です。
日本で認められる学位が取得できるかどうか
留学先の大学で取得できる学位が、日本でも認められているかどうかは必ず確認しましょう。
帰国後の就職や編入、進学にも関わるためです。文部科学省や各大学の情報などで、国際的な認証制度の有無を確認しておくと安心です。
日本の大学の提携校、認定校が多いかどうか
日本の大学が提携・認定している海外大学が多い国は、留学の選択肢も広がります。
提携校であれば手続きのサポートが受けられたり、取得単位の移行もスムーズです。制度的な支援があるかどうかも大きな判断基準です。
日本人が生活しやすいかどうか
食事や気候、文化的な違いが少ない国は、ストレスも少なく生活しやすい傾向があります。
また、日本人が多く住んでいる地域では、情報も得やすく安心感があります。日本語対応の病院や日本食材店があるかもチェックポイントです。
どの国が自分に合ってる?おすすめ留学先5カ国の特徴を紹介!
「自由に専攻を選びたい」「専門分野を集中して学びたい」「安心できる環境で暮らしたい」など、人によって重視するポイントも違うはず。
ここでは、それぞれの特徴をもとに「こんな人におすすめ!」という視点で、人気の留学先5カ国をご紹介します。あなたにぴったりの国を見つけるヒントにしてください。
アメリカ|自由な学び方を重視したい人におすすめ!
アメリカの大学留学の大きな特徴は、国全体のスローガンでもある「自由」です。
学期ごとに専攻を自由に変えることができるし、2つの専攻を同時に進めることもできるし(Doible Major)、メインの専攻を進めつつ、サブの専攻も進める「副専攻(minor)」という制度もあります。(※)
正規入学すれば、現地の学生と同じ扱いになるので、「専攻がまだ決まってないけど、大学には行きたい」という人にアメリカはおすすめです。
※学部や学科によっては要件や手続きが必要です。
カナダ|高水準の教育を受けたい人におすすめ!
カナダの大学の特徴は、教育水準の高さです。
国土の広さや人口の割に大学の数が少ないため競争が激しく、少数精鋭の大学が多いのです。
高い水準の教育を受けたいのであれば、カナダがおすすめです。
イギリス|専門分野を集中的に学びたい人におすすめ!
イギリスにおいて大学は「専門的な知識を集中的に学ぶための機関」という位置付けです。
そのためアメリカのように、一般教養科目がなく、多くの学部では3年ほどで学位を取得することができます。
すでに学びたい分野がハッキリと決まっている人向けの国でしょう。
オーストラリア|安心して留学生活を送りたい人におすすめ!
オーストラリアは、留学生の権利を保護する「ESOS法」があったり、留学生を受け入れる機関は国の認定を受けていなければならない「CRICOS制度」あったりなど、国ごと留学生の受け入れに積極的です。
教育水準と生活水準も高いし、比較的容易に日本に帰ってこれるので、留学生としての生活に不安がある人はオーストラリアで大学を探すといいでしょう。
ニュージーランド|段階的に大学進学を目指したい人におすすめ!
ニュージーランドはイギリスやオーストラリアに似ていて、少数の質の高い大学があるイメージです。
ニュージーランド特有のものとしては「ファウンデーションコース」という大学準備コースがあり、そこで最終試験をパスしなければ大学に入学すらできないシステムです。
大学でついていけない人はそこでふるい落とされるので、ある意味では安心です。
大学留学の入学制度について
海外の大学への留学を考えるうえで、日本との大きな違いとしてまず挙げられるのが「入学制度」です。
実は多くの国では、日本のような統一試験や一斉入試は行われていません。国や大学ごとに入学の条件や選考基準が異なるため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。
このパートでは、海外大学の入学の仕組みや、審査で重視されるポイント、入学後の注意点などをまとめてご紹介します。
入学の仕組みは国によって大きく違う
日本のように、全国統一のテストや、大学まで出向いて試験を受けるシステムは、実は世界では少数派です。
例えばアメリカでは、高校生の時にそれぞれがACT、またはSATという学力テストを受け、そのスコアを使って任意の大学に入学します。
ドイツやフランスでは、定められた資格を取得すれば、死ぬまでいつでも大学入学の手続きを行うことができます。
審査で重視されるのは英語力と高校での成績
では、日本からの留学生は、どのような基準で審査されるのでしょうか。
それはズバリ「英語力(語学力)」と「高校の成績」です。
留学先の大学、もしくはそこと提携しているエージェンシーなどが定めた英語テスト(TOEFLなど)の正規のスコアと、高校でまともな生活を送っていたという証明があれば、たいていの欧米の大学ではとりあえず受け入れてもらえます。
あとは大学によっては、独自の試験をパスするという感じですね。
また、短期留学や交換留学では、大学側から認められればこれといった試験が無い場合もあります。
入学はしやすいが、卒業は難しい
入学自体は、日本の大学より楽です。1年間かけて受験勉強する、なんていうことはありません。
しかし多くの欧米の大学では「広く受け入れ、入学後にふるい落とす」というシステムが使われています。
そのため、入学後に授業についていけず、1年もたたないうちに自主退学してしまう、という人が、日本に比べて多いです。
大学留学ができる人ってどんな人?5つの条件
留学の際に、満たしておくべき条件がいくつかあります。
国や大学によって様々ですが、多くの場合以下の5点が重要視されます。
英語力の証明ができる
前述した通り、その地域で使われている言語が話せることは、最低条件です。
さらに、入学先の大学が定めている方法で、英語力が証明できなければなりません。
もっとも一般的なのがTOEFLです。
TOEFLを条件としている大学では、いくらTOEICのスコアを見せても入学はさせてもらえないので、気をつけましょう。
希望の学校で定められた物差しをしっかりと調べ、計画的に勉強、受験をすることが重要です。
高校での成績がいい
日本の大学では、推薦入学などでなければ、高校での成績は深く考慮されません。基本的には試験の点数ですよね。
しかし多くの国の大学では、厳密な試験が少ないため、高校時代の成績が必要になります。
大学留学を考えている高校生の方は、日頃の勉強もしっかりと行いましょう。
推薦状・エッセイなどの書類がある
日本には馴染みがあまり無いですが、欧米では「推薦状」が様々なシチュエーションで使われます。
例えば転職時に、前の職場の上司から推薦状を書いてもらったり、大学時代の先生に書いてもらった推薦状を使って就活したりもします。
大学も同じで、高校の先生に推薦状を書いてもらい、それを英訳して提出しなければならないことがあります。
あとはエッセイ、論文です。決められたテーマに沿った論文を書き、それが審査基準になることはよくあります。
課外活動やスポーツの実績がある
欧米、特にアメリカでは、学業以外に何を行ったかが審査に影響します。
ボランティア活動を行った、校内でのプロジェクトのリーダーをやった、部活でどれだけの成績を残したなど、といったことを書類にまとめて提出しなければならない場合が多いです。
大学留学にかかる費用はどれくらい?
一番気になるのが、留学にかかる費用ですよね。
費用に関しては「大体の相場はこれくらいです」ということが言えません。
というのも、大学留学にかかる費用は、地域、大学、専攻などによって大きく変わるのです。
その中でも、できる限り細かく相場を紹介しますので、参考にしてください。
国ごとの1年間の学費の相場
4年間通うのであれば、これの4倍ですね。
また最初に言ったとおり、条件によってかなりの幅があります。
例えばアメリカでは、オクラホマ州にある大学と、フロリダ州にある大学では、学費は雲泥の差です。
また専攻によっても差があり、文系よりも理系専攻の方が高くなる傾向があります。
留学期間の生活費の相場
これもピンキリなのですが、生活費や家賃なども含め年間200万円くらいは用意しましょう。
生活費もまた、地域の物価によって大きく異なります。
ホームステイなどは家賃や光熱費が無料になることが多いので、節約したい方におすすめです。
奨学金取得も視野に
欧米では、実質借金の奨学金ではなく、waverと呼ばれる完全免除の奨学金制度が充実しているところが多いです。
しかし、自分から聞かなければ誰もその存在を教えてくれない場合が多いので、留学生事務局や専攻学科の教授などに積極的に質問しましょう。
中には、申請すれば対象になる奨学金もあります。
まとめ
大学留学はハードルが高く感じられがちですが、制度を理解し、準備を進めれば現実的な選択肢です。
必要なのは、一定の英語力と少しの行動力。まずはできることから始めてみましょう。英語に不安がある方は、マンツーマンで学べる「ネイティブキャンプ」もおすすめです。
目的に合わせた学習ができ、無料体験も実施中なので、留学準備の第一歩として活用してみてください。
◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。