“Take it easy” は、「気楽にね」「落ち着いて」といった意味をもつ英語表現です。
日本の英語学習者には意外と知られていないフレーズですが、“Take it easy” はネイティブスピーカー同士の日常会話においてとてもよく使われる頻出表現なんです。日常的にいろいろな場面で使われているだけでなく、“Just take it easy” や “Take it slow and easy” といった派生表現を生んでいたり、勝負をするときの「お手柔らかに」という微妙なニュアンスを伝える表現としても使えたりと、奥が深い英語表現でもあります。
この記事では、意外と色々な意味を持っている “Take it easy” について、シチュエーションやニュアンス別の様々な使い方を解説していきます。
Take it easyの意味
“easy” という単語には、「簡単な、易しい、気楽な」といった意味があります。“easy” を含む “Take it easy” という表現は、直訳すると「それを気楽に捉えてね」という意味になります。
これを自然に訳すと、“Take it easy” は「気楽にね」「リラックスして」「落ち着いて」といった意味で使われることが最も一般的です。
ちょっと、落ち着いて。これで世界が終わるわけじゃないんだから。
あなたはこの状況から離れて、しばらく自宅でのんびりしている方がいいよ。
“Take it easy” には、「気楽にね」「リラックスしてね」といった代表的な意味以外にも、以下のような色々な意味があります。
・落ち着いて/焦らないで(急いでいる人、焦っている人に対して)
・無理しないでね/のんびりやってね(頑張りすぎている人に対して)
・肩の力を抜いて/リラックスして(緊張している人に対して)
・まぁ、そんなに怒らないで/まぁまぁ、落ち着いて(怒っている相手に対して)
・お手柔らかにお願いします(勝負の対戦相手に対して)
別れ際の挨拶から勝負前の牽制までいろいろな意味を持つ “Take it easy” ですが、こんなに色々な意味があると、いつ、どのように、どの意味でフレーズを使えばいいのか迷ってしまいますよね。
ここからは、例文を交えながらシチュエーションや伝えたいニュアンス別に “Take it easy” の具体的な使い方を解説していきます。
楽に行こうよ
これから何かに挑戦しようとしている人に声をかけるときに、「気負いすぎずにね」「楽な気持ちでやろう」「力まずいこう」といったニュアンスで励ましの気持ちを伝えたい場合がありますよね。
そんな時には 「気楽にいこう」という意味合いの “Take it easy” がぴったりです。
B: Take it easy. I believe you can do it.
A: なんだかすごく緊張してきた。
B: 肩の力を抜いて。あなたならきっとできるよ。
ちなみに、“Take it easy” だけで使うよりも「今日はあなたのコンディションもいいし、大丈夫だと思うよ」「応援してるよ」「きっとうまくいくよ」といった具体的なコメントを一緒に添えてあげると、より気持ちが伝わります。
気を楽にして。あなたは準備万端なのだから、いつも通りやればいいんだよ。
安心して
“Take it easy” には、「気楽にね」という意味以外にも、「安心して」「大丈夫だよ」といった相手の気持ちをほっとさせる意味合いで使われることもあります。
B: Take it easy. You did your best.
A: テストで大きなミスをしてしまったんだ。
B: 大丈夫だよ。ベストを尽くしたんだから。
相手が何かに不安を感じたり、落ち込んでいるときに「安心して」というニュアンスの声掛けで相手の気持ちを軽くしてあげたいときがありますよね。そんな時に使うのがぴったりです。
無茶言わないで
「気楽にいこう」という意味とは全く違うニュアンスの表現として、「無茶言わないで」という意味の “Take it easy” があります。
B: Take it easy! I have no idea what to say!
A: ねぇ、あれボブじゃない?話しかけてきたら?
B: 無茶いわないでよ!何を話したらいいのかわかんないよ!
急な提案や無理な提案をしてくる相手に対して、「落ち着いて」「そんなに急かさないで」「無理なことを言わないで」という風に相手の勢いを抑えたい場面があったら、“take it easy” を使うのがぴったりです。
B: Take it easy! We can catch the next bus.
A: 急いで!間に合わないよ!
B: 落ち着いて!次のバスには間に合うよ。
さようなら
“Take it easy” は別れ際のフレーズとして使われることもあります。
“Take it easy” 自体には「さようなら」という意味がある訳ではありませんが、“Bye” や “See you” といった別れの挨拶などと一緒に使うことで、「さようなら、またね」「さようなら、元気でね」といった意味を表すフレーズになります。
人によっては、“Take care!”(気をつけてね!)と同じように、“Take it easy” を別れ際の挨拶として使う人もいます。
もう行かないと。それじゃあまたね。元気でね!
別れ際に使われる “Take it easy” は、別れたあとの相手に対して「無理しないでね」「気楽にすごしてね」といったニュアンスから、「元気でね」といった意味合いになります。
頑張って
“Take it easy” は「リラックスして」「気楽にね」という意味で使われることが多いのですが、まったく真逆の「頑張って!」という意味で使われることもあります。とはいえ、日本語の「頑張る」に含まれる「自分の能力以上の成果を出そうと無理をする」「辛くても我慢して努力する」といったニュアンスが強いわけではありません。
どちらかというと、こちらの場合は「リラックスすることによってあなたの100%の能力を発揮してね」と応援しているようなイメージです。
頑張ってね、きっと試合に勝てるよ。
「頑張って」という意味で使われる “Take it easy” は、“Good luck”(幸運を祈ります)や “Do your best”(全力を尽くしてね、がんばってね)といった英語での励ましのメッセージと同じように、前向きな応援の気持ちを表します。
お手柔らかに
“Take it easy” は「お手柔らかにお願いします」という意味でも使うことができます。例えば、初めてテニスの試合をする場合、「あんまり強いボールを打たないで、優しく相手をしてね」といった依頼を試合前の相手に伝えたい場合、次のようにいうことができます。
私はテニスは初心者なんだ。お手柔らかに頼むよ。
“Take it easy” に “on me” を加えることで、「私に対して」という意味が加わるので、「私に対して優しくお願いします」といったニュアンスになります。
この “Take it easy” は、初めての事柄や経験の浅いチャレンジに対して「あまり厳しく評価しないでほしい」「手加減してほしい」といったプレッシャー回避のためのフレーズとして便利に使うことができます。
“Take it easy” への返事の仕方
会話の相手から “Take it easy” と言われたときには、次のように返事をすると自然です。
・I will. そうするよ
・Thanks. ありがとう
B: Thanks, I will.
A: 時間はまだ充分残ってるよ。あんまり頑張りすぎないで、気楽にやってね!
B: ありがとう、そうするよ。
別れ際に “Take it easy” と言われた場合には、「気楽にね」というよりは別れの挨拶の一部としての意味合いが強いため、“See you” などの普通の別れの挨拶を返しても自然です。
B: See you!
A: 元気で、またね!
B: またね!
また、「ゆっくり過ごしてね」といった意味を含んでいる場合には、“You too”(あなたもね)で相手のことを気遣う返事をしてもよいでしょう。
B: You too!
A: 良い週末を過ごしてね。のんびりしてね。
B: あなたもね!
まとめ
“Take it easy” という英語フレーズのもつ色々な意味について解説しました。「気楽にね」「リラックスして」という意味以外にも、色々な場面で使える便利な表現であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
学校での英語の授業ではあまり目にすることはないかもしれませんが、映画のワンシーンや、留学先でのふとした会話など、ネイティブとの日常会話でもよく出てくる表現です。
英語の表現パターンのバリエーションのひとつとして、毎日の英会話レッスンや英語学習の中で積極的に使いながら、 “Take it easy” をマスターしていってくださいね。

◇経歴(英語を使用した経歴)
高校時代にイギリスへ短期留学。
大学院進学の傍ら、TOEICスコアアップや海外留学、海外旅行を経験。
社会人生活を経て、現在は英語に関するWEBコラム記事を執筆中。
◇資格
TOEIC900
◇留学経験
・ロンドン:2週間 Harrow School
・ハワイ島:2週間 Universal English Academy
・バレンシア:3週間 don Quijote Valencia
◇海外渡航経験
留学:イギリス、ハワイ、スペイン
旅行:イタリア、チェコ、アメリカ、メキシコ、韓国、モロッコ、フランス、デンマーク、フィンランド、スイス、ハンガリー、ベルギー、オーストリア
◇自己紹介
ラジオ基礎英語をきっかけに英語の世界へ。理系専攻ながら英語を磨き、留学や旅行で色々な国を訪れた。結婚を機にWEBライティングを始め、現在は二児と共に英語ライフを楽しんでいる。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.