日本語では、「重複」や「ダブり」という言葉をよく使いますよね。では、これらを英語で表現する際にはどのような言葉を使えばよいでしょうか。また、「繰り返し」という似た概念はどのように英語で表現するのでしょうか。
この記事では、これらの概念を英語で表現する方法について詳しく解説します。
重複 英語表現
「重複」は、「同じものが2つ以上存在する状態」や、「不必要に繰り返されている状態」を指します。英語で表現する方法はいくつかあるので、例文で使い方を見ていきましょう!
1. Duplication (名詞) / Duplicate (動詞/形容詞)
「Duplication」は最も一般的な「重複」の英語表現です。「Duplicate」は動詞としても形容詞としても使えます。形が似ているのでセットで覚えてしまいましょう。
Please do not duplicate this document.
「このドキュメントを重複させないでください」
2. Redundancy (名詞) / Redundant (形容詞)
「Redundancy」は、特に不必要な重複を指す際によく使われます。
The report contained a lot of redundancy.
「そのレポートには多くの重複があったんですよ」
This information is redundant and can be removed.
「この情報は重複しているので削除できますね」
3. Overlap (名詞/動詞)
「Overlap」は、部分的な重複や重なりを表現するときに使います。日本語にもなっていますが、あまりビジネスシーンでは使いませんね。
There's some overlap between the two projects.
「2つのプロジェクトには一部重複があるね」
Our work schedules overlap by two hours.
「私たちの勤務時間は2時間重複してるね」
4. Double (動詞/形容詞)
「Double」は、何かが2倍になる、または2つある状態を表現します。「ダブル」とカタカナにもなっているのでわかりやすいですね。
The company doubled its workforce last year.
「その会社は昨年従業員数を倍増させました」
Be careful not to double-book your appointments.
「予約の重複に注意してください」
これらの表現は文脈や状況に応じて使い分けましょう。「Duplication」や「Redundancy」は一般的な重複を指しますが、「Overlap」は部分的な重なりを、「Double」は二倍になる状態を強調する際に使うと覚えておきましょう。
専門分野での「繰り返し」
「重複」や「繰り返し」は、日常生活だけでなく、専門分野でもよく使われています。例えば、科学の世界では実験の再現性について言うことがありますが、これは英語で「Replication」と表現されます。研究結果の信頼性を確保するために、同じ実験を何度も繰り返し行わなければならないのです。「Replication」は単なる重複ではなく、科学的な厳密さを示すときに使います。
音楽の分野では、繰り返しが作品の中で何度も出てきます。例えば、「Refrain」(リフレイン)は歌の中で繰り返される部分を指します。また、「Ostinato」(オスティナート)は、同じ音型やリズムパターンを繰り返す手法で、曲に独特の雰囲気や緊張感を生み出しています。
プログラミングの世界では、重複を避けることが良いコードを書く上での鉄則になっています。「DRY principle」(Don't Repeat Yourself)という原則があり、これはコード内での不必要な重複を避けるべきだという考え方です。一方で、意図的な繰り返しが行われることもあり、「Loop」(ループ)は、同じ処理を繰り返し実行するための基本構造で、プログラミングには欠かせません。
心理学の分野では、繰り返しが学習や記憶に与える影響が研究されています。「Spaced repetition」(間隔を空けた繰り返し学習)は、効果的な記憶定着方法として知られており、語学学習などでよく活用されます。まさに、英語学習に使える方法ですよね。また、「Habituation」(慣れ)は、同じ刺激を繰り返すことで反応が弱まる現象を指します。語彙力アップのために覚えてみてくださいね。
言語学的な観点からも重複や繰り返しはあります。例えば、英語には「Emphatic reduplication」(強調のための重複)という現象があり、「Teeny-tiny」や「Itsy-bitsy」のように単語を繰り返すことで意味を強調する表現方法があります。語感が良く、小さい子と話すときに使う言葉に多い傾向があります。言語によって重複の使われ方や効果が異なる点は興味深いですよね。
このように、「重複」や「繰り返し」はさまざまな分野で使われています。どの単語を使えばいいかわからない場合は、一つひとつの単語をニュアンスもひっくるめて暗記し、その後に自分で例文を作って練習してみてください。あとは「慣れ」です。単語のイメージが掴めるまで暗記を繰り返し、長期記憶に定着するまで「繰り返す」のです。
ダブり 語源
「ダブり」という日本語の言葉は、英語の「double」(2倍、二重の)から来ています。日本語に取り入れられた外来語の一つで、口語で使われています。
「ダブる」という動詞形は、日本語で「重複する」「重なる」「二重になる」という意味で使われています。この言葉が日本語に定着した背景には、日本の近代化と西洋文化の影響があります。
英語の「double」の語源を辿ると、ラテン語の「duplus」(2倍の)にたどり着きます。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ語族の「dwo-」(二)という語根に行き着きます。この語根は、英語の「two」や日本語でも使用される「デュオ」(duo、二重奏)などの言葉の起源でもあります。
「ダブり」という言葉が日本で使われるようになったのは比較的最近のことで、20世紀後半から一般的に使用されるようになったそうです。特に若者言葉として広まり、その後一般的な口語表現として定着しました。
興味深いのは、「ダブり」という言葉が日本語に取り入れられる過程で、元の英語の「double」よりも意味が限定されたことです。英語の「double」は「2倍にする」という積極的な意味合いも持ちますが、日本語の「ダブり」は主にネガティブな文脈で使われています。例えば、「予定がダブる」(スケジュールが重複する)や「服がダブる」(同じ服を持っている)といった使い方が一般的ですよね。
繰り返し 英語表現
「繰り返し」は、同じ行動や出来事が複数回発生することを指します。英語で表現する方法はいくつかあり、状況や文脈によって表現を選ぶ必要があります。
1. Repetition (名詞) / Repeat (動詞)
最も一般的な「繰り返し」の表現です。学生時代、「Repeat after me」と言われ、先生の後に続けて英文を繰り返した覚えはありませんか?その時にはすでに理解していた単語です。
The repetition of this exercise will improve your skills.
「この練習の繰り返しがあなたのスキルを向上させるのよ」
Please repeat after me.
「私の後に繰り返してください」
2. Reiteration (名詞) / Reiterate (動詞)
こちらは、言葉や考えを繰り返し述べる際に使われることが多いです。
The speaker reiterated his main points at the end of the speech.
「演説者は演説の最後に要点を繰り返しました」
3. Recurrence (名詞) / Recur (動詞)
定期的に、または予期せずに繰り返し起こる出来事を表現するときに使う表現です。
The recurrence of the symptoms worried the patient.
「症状が再発して、患者が心配しているわ」
This problem seems to recur every month.
「この問題は毎月繰り返し発生するようです」
4. Iteration (名詞) / Iterate (動詞)
特にプロセスや手順の繰り返しを表現するときに使います。コンピュータサイエンスでよく使われる用語です。
The software development process involves multiple iterations.
「ソフトウェア開発プロセスには複数の反復が含まれるんです」
We need to iterate this design until we get it right.
「デザインが正しくなるまで繰り返さないとね」
上記の表現のニュアンスの違いはわかりましたか?「Repetition」は一般的な繰り返しを、「Reiteration」は特に言葉や考えの繰り返しを、「Recurrence」は予期せぬ再発を、「Iteration」はプロセスの繰り返しを強調するときに使うと覚えておきましょう。
重複 英語 まとめ
重複や繰り返しの表現は、日常会話でもよく使うフレーズです。それぞれの言葉の意味を辞書などで詳しく確認し、そのニュアンスまで含めて理解することがポイントになります。
似た言葉を覚えるときには、その意味の違いに注目して暗記を進めましょう。語彙力を延ばすには時間がかかりますが、地道な作業に勝る近道はありません。忘れたころで「繰り返し」て覚えて、絶対に忘れないぞ!という気持ちで取り組んでみてくださいね!

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.