お隣の国、韓国で話されている韓国語は、日本では多くの人が学んでいる人気の外国語です。
その人気の背景には、今から25年以上前に大流行した韓国ドラマ「冬のソナタ」を始めとした韓国ドラマや韓国映画ブームがあります。
そして、それをきっかけに韓国に興味を持つ人が増えたことで、韓国旅行に行く人の増加や韓国ドラマやK-POPの人気が今でも続いています。
これらの影響で、韓国ドラマや映画、K-POPを字幕なしで韓国語のまま理解できるようになりたいと韓国語を学び始める人が最近はとても多いです。
また、韓国旅行に行った時や韓国人の友達と韓国語で話せるようになりたいという希望も同じく多いです。
日本人にとって韓国語は恐らく習得難易度が最も低い言語です。
また今では韓国語学習者が増えたことで、韓国語教室やオンラインレッスン、参考書も数多くあります。
ですが、学習環境や必要な物が十分に揃っているにもかかわらず、何年学んでも会話ができるようにならない、ドラマを全然理解できるようにならない、ずっと初級レベルのままの万年初級者も数多くいるのが実態です。
これらの韓国語習得で伸び悩みを感じる学習者は、韓国語習得に成功するために必要な大事なポイントを見落としていることが原因です。
今回の記事では、「韓国語が伸びない人が見落としている意外な原因」を取り上げ説明します。
- 韓国語が伸びない意外な原因
- 1.たくさんすることが大事だと思っているから
- 2.韓国語をうまくなろうとしているから
- 3.間違えないようにしているから
- 4.楽しんで学べる方法を探しているから
- 5.韓国語を習っているから
- 6.話せないのは韓国語能力の問題だと思っているから
- まとめ
韓国語が伸びない意外な原因
韓国語が伸びない原因はひとつではなく複数当てはまることもあります。
また、自分がどれに当てはまるかは個々の状況やレベル、目標や目的により変わります。
そのため一概には言えませんが、多くの学習者は勉強法や教材にその原因があると考えるはずです。
ですが、それらが原因ではなく、恐らく多くの学習者からすると意外なところにその原因があります。
ここからは、その意外な原因をひとつずつ取り上げ説明していきます。
1.たくさんすることが大事だと思っているから
これは、韓国語学習を量的にたくさんすることが大事だと思っているということです。
例えば以下のようなものです。
・勉強量
・勉強の跡(ノート、単語帳など)や教材
確かに、勉強時間と勉強量に関してはある程度は必要で、現状のレベルと目標レベルによって変わり一概に言えません。
極端な例を挙げると、一日5分でペラペラと韓国語を話せるようになることはまず不可能です。
ですが、だからと言って受験勉強のように一日の大半の時間を取って、より多くの知識を得れば習得ができるかと言えばそうではありません。
また、韓国語学習でノートに要点をまとめたり、単語帳を作る学習者もいると思います。
他には、参考書や学習コンテンツをひとつや数種類ではなく数多く使っている人もいるはずです。
要点まとめのノートや単語帳はできあがった物を見て満足しがちです。
また、参考書や学習コンテンツもあれこれと数多く使うと勉強をした気になります。
ですが、大事なことはこれらの量ではなく、どれだけ学習したことを理解し身に付けられているかどうかです。
2.韓国語をうまくなろうとしているから
韓国語を学んでいる学習者からすれば、韓国語をうまくなりたいと思うのは当然のことです。
ですが、うまくなろうとすることがうまくならない原因になり得ます。
その理由は以下の通りです。
・うまくなろうとすると学習のハードルが上がる
・高すぎる目標は挫折する
・自分が韓国語を習得したい目的を見失う
まず、韓国語は狙ってうまくなれるものではなく、学習を継続した結果うまくなるものです。
例えば、うまく発音できる方法を学んでもすぐにできるようになるわけではなく、繰り返し練習した結果うまくなるということです。
次に、うまくなろうとすると学習のハードルが上がり、高すぎる目標は挫折します。
例えば、3カ月で韓国人のようにペラペラ会話ができるようになる、のような目標がその例で目標達成はまず無理です。
そして、韓国語をうまくなろうとすると、自分が韓国語を習得したい目的を見失うことになります。
例えば、韓国語会話ができるようになって韓国旅行で話すことが本来の学習目的なのに、いつのまにか韓国語をうまく話せるようになることが目的にすり替わってしまう、ということです。
3.間違えないようにしているから
これは、学習者のかなり多くに当てはまる大きな勘違いのひとつです。
そもそも、間違えることは悪いことだ、という固定観念が日本人にはあります。
ですが、根本的にまずこの考え方を変えないと韓国語習得はできません。
その理由は以下の通りです。
・間違えなければ改善点が分からない
・間違えるから段々伸びる
まず、私たちは母語である日本語を話す時でも間違えることがあります。
話慣れている日本語であっても間違えることがあるのであれば、話慣れていない韓国語で間違えることは当たり前です。
そして、私たちは間違えなければ改善点が分からないし、その改善点を把握し改善していくことで段々と上達していきます。
そのため、間違えることは自分の韓国語が上達していく上でむしろ必要なものであり、過剰に気にする必要はありません。
4.楽しんで学べる方法を探しているから
世間では「楽しく学ぶことが大事!」といった情報が出ています。
ですが、私自身のこれまでの外国語習得経験から言うと、楽しいといった感情頼りの学習はむしろうまくいかないと感じます。
その理由は以下の通りです。
・楽しく学べる方法は個々に違うから探すことが難しい
まず、楽しいという感情頼りで勉強すると、楽しくなければ学べなくなるからです。
確かにつまらない、面白くない、という気持ちでやるよりも楽しいと思ってやる方が良いことは言うまでもありません。
ですが、楽しく学べる教材や方法であっても、それを続けていれば少しずつ飽きてきて楽しいと思えなくなることもあります。
そうなると、楽しいという気持ちもなくなってしまうため、学習が続かなくなる、挫折するということもあり得ます。
また、楽しく学ぶ方法といった情報も出ていますが、何を楽しいと思うかは個々に違います。
それは、それぞれに嗜好や興味関心が違うのと同じで、ある人がオススメだと言っても自分にとってはイマイチだったということがあるのと同じです。
これらのことと私自身の習得経験から言えることは、楽しむ方法よりも淡々と継続し習慣化できるようになる自分なりのやり方を見つけることが重要です。
5.韓国語を習っているから
韓国語レッスンを受けて学んでいる学習者も少なからずいると思います。
ですが、韓国語をレッスンで学んでもなかなかできるようにならずレッスンをやめる人が一定数います。
その原因は、韓国語を習っているからです。
韓国語レッスンであれば韓国語を習うのが当然だと思うかもしれません。
ですが、私がこれまでご相談を受けてきた学習者の多くに共通して見られる習得できない原因は、韓国語自体にはありません。
韓国語を習っても伸びないのは学習法に問題があるからです。
実際に学習者の口から出るのは「教材で説明されている文法などの学習内容が理解できないわけではない。単語を覚えられない、学んだことができるようにならないことが悩み。」といったことです。
このような悩みは、韓国語をいくら習っても解消されません。
根本的な問題である学習法の問題が解決されないからです。
この問題を解決するためには、韓国語講師から韓国語を習うのではなく、習得に成功している人から成功マインドセットとそれをもとにした学び方を学ぶことです。
6.話せないのは韓国語能力の問題だと思っているから
韓国語を勉強してもなかなか話せるようにならないという悩みを多くの学習者が持っています。
話せるようにならないと、更に単語を覚えてみたり難しい文法を学ぶなど知識を増やすことをしがちです。
ですが、話せるようにならない根本原因は、実は日本語能力の問題であることがあります。
具体的な原因は以下の通りです。
・簡単でシンプルな日本語表現ができない
・言い換えができない
・日本語で表現できないものは韓国語でも表現できない
私たち日本人は自分が話している日本語を正しいと思っていますが、実は間違っていることもあります。
韓国語など外国語を学ぶ場合、日本語という媒介語を通し学ぶ以上、日本語の影響を必ず受けます。
そのため、ベースとなる日本語が明らかに間違っていれば、その影響を受けた韓国語も間違えます。
次に、会話ができるようにならないと悩む人は、子供でも理解ができるような簡単でシンプルな日本語表現ができないことが多いです。
ネイティブスピーカーの大人が自然に思いつく日本語を、そのまま外国語として学んでいる韓国語で表現することは当然難しくてできません。
また、これに関連して、難しい言葉や言い回しを他の簡単な表現に言い換えられない傾向もあります。
例えば、「禁煙」をもっと簡単な別の言い回しですぐに思いつくかどうかです。
韓国語で話す文を考える時、日本人であれば当然まず日本語で文を考えます。
そのため、日本語で表現できないものは韓国語でも表現できないということです。
韓国語をある程度学んで知識はそれなりにあるのに話せない場合、まず考えられる原因は会話練習の不足です。
ですが、それと同時に自分が話そうとしていることが、韓国語以前に日本語で表現できるかどうかを確認してみてください。
まとめ
今回の記事では、「韓国語が伸びない人が見落としている意外な原因」を取り上げ説明してきました。
どの項目も多くの学習者が信じていることとは反対だったり、固定観念を覆す意外な内容だったのではないかと思います。
韓国語習得がうまくいっていない場合、今回の記事を参考に自身の韓国語学習を見直してみてください。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。