- そもそもIELTSとは?
- ネイティブでも難しい?満点を取るのはどのくらい難しいか
- IELTSで満点が取れないと言われている理由
- IELTSを受験するメリット
- IELTSで満点を目指すために必要なこと
- まとめ
「IELTSで満点は取れる?」
「満点を取るために必要なことを知りたい」
IELTSを受験している人の中には、満点の難しさやレベル感が気になる人も多いのではないでしょうか。
IELTSで満点を取るのは非常に難しく、ネイティブスピーカーでも困難だとされています。
今回は、IELTSで満点を取る難しさや満点をとるために必要なこと、IELTSを受験するメリットなどを説明します。
今後IELTSを受験予定の方は、ぜひこの記事を参考に勉強を進めてみてください。
そもそもIELTSとは?
ここでは、IELTSの試験概要を説明します。
IELTSとは「 International English Language Testing System」の略であり、イギリスで開発された英語運用能力評価試験です。
以下の3機関により運営され、世界最大級の受験者数を誇ります。
・ブリティッシュ・カウンシル
・IDP Education: IELTS オーストラリア
・ケンブリッジ大学ESOL
留学や海外就職、移住の際に英語力を証明するための試験として使われ、世界120か国で受験可能となっています。年間約300万人がIELTSを受験しており、特に欧州や英連邦の国々で知名度の高い試験です。
英語4技能をはかる試験である
IELTSは「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の英語4技能をはかる試験となっており、4つのセクションに分かれて試験が行われます。
TOEICやTOEFL ITPなど、リーディングとリスニングのみの知識量をはかる試験とは異なり、実際の場面に沿った実践的な英語力やコミュニケーション能力が問われる試験です。
試験はペーパー形式とコンピューター形式から選択できる
IELTSの試験はペーパー形式とコンピューター形式の2種類から選択できます。
それぞれのメリットは以下のようになっているので、自分に合った形式を選ぶのがおすすめです。
(コンピューター形式のメリット)
・試験結果が試験後5営業日後には分かる
・リスニングテストはヘッドフォンを使用するため、雑音が入らず集中できる
・ライティングでの入力・修正が簡単で文字数カウントも必要ない
・画面上に残り時間が表示されるため、時間配分がしやすい
(ペーパー形形式のメリット)
・紙と鉛筆で受けるため、日本人にとってはなじみ深い
・問題用紙に好きなようにメモを取れる
アカデミックとジェネラルの2種類がある
IELTSには「アカデミック・モジュール(以下アカデミック)」と「ジェネラル・モジュール(以下ジェネラル)」の2種類があります。
リスニングとスピーキングのテストは、アカデミックとジェネラルで同じ内容となります。一方、ライティングとリーディングのテストでは、異なる内容が出題されますよ。
それぞれの特徴や目的は以下の通りです。
(アカデミック)
目的:大学進学や留学のため
特徴:大学の講義や学術論文といった学術的な話題が含まれる
(ジェネラル)
目的:移住申請のため
特徴:一般的な興味に基づくトピックが多い
留学や移住にてIELTSスコアの提出を求められる場合、アカデミックかジェネラルを指定される場合がほとんどです。そのため、間違った試験を受けた場合は申請が通らなくなってしまうため、種類の選択は間違えないようにしましょう。
バンドスコアで点数がはかられる
IELTSの場合「バンドスコア」と呼ばれるオリジナルの点数で採点されるため、合格や不合格という枠組みはありません。
バンドスコアとは、1.0~9.0まで0.5刻みで採点されるスコアのことです。4技能それぞれで採点されたバンドスコアの平均値がオーバーオールスコア(総合得点)になります。
たとえば、オーバーオールスコアが6.0の場合、多少の不正確さ、不適切さ、誤解はあるものの、一般的に効果的な言語運用能力を持つ有能なユーザーとして認められます。
また、オーバーオールスコアは0.25刻みとなるため、切り上げと切り下げが行われますよ。
たとえば、リーディング : 6.0 リスニング : 6.5 ライティング : 6.5 スピーキング : 6.0の場合、オーバーオールスコアは、全セクションを足して4で割った数値となります。
(6.0+6.5+6.5+6.0)÷ 4 = 6.25
上記の式となり、6.25は6.0に近いことから切り下げられ、オーバーオールスコアは6.0となります。それぞれのバンドスコアを4で割った数値が6.5以上の場合は切り上げられます。
このように、1.0〜9.0の数字のスコアでスキルがはかられます。以下は、TOEICとのおおよその換算です。IELTS8.0以上はTOEIC満点よりもレベルが高いことがわかります。
IELTS7.5 → TOEIC970〜990
IELTS7.0 → TOEIC870〜970
IELTS6.5 → TOEIC820〜870
IELTS6.0 → TOEIC740〜820
IELTS5.5 → TOEIC600〜740
IELTS5.0 → TOEIC550〜600
ネイティブでも難しい?満点を取るのはどのくらい難しいか
ここでは、IELTSで満点を取る難しさを説明します。
そもそも、IELTSの満点とは、オーバーオールスコア「9.0」のことです。IELTS公式サイトによると、9.0のレベルはエキスパートユーザーとされ「英語を自在に使いこなせる。適切、正確、流暢に話し、完全に理解できる」とされています。
そこで気になるのが、IELTSで満点をとるのはどれくらい難しいのかということではないでしょうか。
IELTSで満点を取得することは、ネイティブスピーカーでも難しいといわれています。世界のトップレベルの大学の入学基準は、オーバーオールスコア7.5が一般的です。7.5はネイティブスピーカーであっても、念入りな対策をして取得するスコアであるため、9.0の取得には多くの時間と努力が必要となります。
また、満点を取るにあたっては、ネイティブスピーカー同様の英語力だけでは足りません。試験の採点基準を理解し、意識的にライティングやスピーキングを行える能力も求められるのです。
IELTSで満点が取れないと言われている理由
IELTで満点が取れないとされる理由には、IELTS独自の評価基準があることだといわれています。
どのような試験であっても、評価基準を把握していなければ高得点は取得できません。そのため、満点を取るには評価基準を理解しながら問題に取り組む必要があるのです。
IELTSには「TA(Task Achievement)」と呼ばれる項目があります。これは「設問の意図を正しく理解して、適切な回答を展開すること」を評価するもので、英語力ではなく、質問の本質を理解し、背景知識を含めた答えが求められています。
そのため、高度な英文を書けるネイティブスピーカーであっても、対策なしでは満点の取得は難しいのです。
IELTSを受験するメリット
ここでは、IELTSを受験するメリットを紹介します。
国際通用性が高い
IELTSは、世界120か国以上、10000以上の機関により実施されている国際通用性の高い試験です。欧州や英連邦の国々で知名度が高く、年間300万人以上が受験しています。
IELTSで一定のスコアを取得することで、アメリカやイギリスなどの留学に必要な英語力を証明できたり、カナダやニュージーランドへの移住申請にも使えたりします。また、海外だけではなく国内でも認知度が高まっており、大学入試や企業採用試験の際にIELTSのスコアを参照するケースも増加しています。
国際通用性が高いことから、信頼性のあるスコアとして広く活用可能です。
4技能すべてのスキルをはかれる
IELTSは、英語の4技能(ライティング、リーディング、リスニング、スピーキング)を測るテストであるため、総合的な英語力を証明できます。
英語資格試験ではスピーキング力を測定できないものも多くあります。その一例がTOEICやTOEFL ITPです。TOEICで高得点をとったとしても、スピーキングスキルは高くない人も多いのです。
IELTSでは、4技能全てを測れるため、スピーキングができることも確実に証明できますよ。さらに、日常的なトピックからアカデミックなトピックまで幅広い問題に取り組むため、より実践的なスキルを身に付けられます。
留学や移住時に使える
先ほど述べたように、IELTSは世界的に認められている試験であるため、留学や移住時の英語スキルを証明する書類として使えます。ほとんどの英語圏の大学では正式に認められており、各教育機関ごとに定められたスコアを満たすことで、留学や進学手続きが可能です。
求められるIELTSのスコアは、国や教育機関によって異なります。たとえば、アイルランドの大学・大学院では、IELTS6.0〜6.5以上で申請可能ですが、アメリカではIELTS7.0〜7.5がないといけません。また、国によってはIELTSのスコアに加えて準備コースを受講してからでないと進学ができないケースもあります。
留学や移住時に必須となるIELTSですが、機関によって必要なスコアは異なるため、チェックしておくようにしましょう。
IELTSで満点を目指すために必要なこと
最後に、IELTSで満点を目指すために必要なことを説明します。IELTSでは、英語力を身に付ける以外にも必要とされる知識やスキルがあります。
幅広いトピックに対応できる知識量
IELTSでは、自然科学・文化・世界経済など幅広いトピックが出題されるため、それに対応できる教養や知識をつけておくことが大切です。
特に、ライティングでは知識がなければまったく書けない場合もあります。そのため、日ごろから新聞や書籍、ニュースなどでさまざまな情報に触れておきましょう。幅広い知識を持っていることで、ライティングの構成にかける時間が減り、結果的に質の高いエッセイを完成させることにつながります。
論理的に文章を組み立てる能力
IELTSのスピーキング試験では、テーマに関する自分の意見を論理的に説明する問題があります。約1分間頭の中で考え、約2分間で説明する必要があるため、時間を意識しつつ分かりやすい構成をつくらなければなりません。
論理的に文章を組み立てる能力は、一長一短で身に付くものではないため、試験対策を行いながら身に付けていくようにしましょう。
出題されるテーマの背景を理解する
専門的なテーマが出題されるIELTSでは、テーマに関する情報をどれだけ持っているかが大切です。特にリーディングでは、背景を理解しておくことで、読解スピードが上がります。
日ごろからさまざまな分野の英文記事を読む習慣をつけることで、多くのテーマに関する知識を得られるでしょう。
正確で流暢な発音
スピーキングの試験の評価基準には「流暢さ・語彙力・文法力・発音」などがあるため、正確で流暢な発音が求められます。
つまり、文法や語彙力があったとしても、カタカナ発音の英語を話すと、満点は取れない可能性があります。
IELTSの試験における発音を学習するためには、Youtubeがおすすめです。IELTSの公式Youtubeチャンネルにて、スピーキングで9.0を取れる公式動画が掲載されているので、その動画にてイメージをしてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、IELTSで満点を取る難しさや満点をとるために必要なこと、IELTSを受験するメリットなどを詳しく説明しました。
IELTSで満点を取るのは非常に難しく、ネイティブスピーカーでも困難だとされています。しかし、ネイティブレベルまで英語力を上げ、評価基準を理解した対策をすれば満点への道は見えてきます。
IELTSで満点を取りたいと考えている方は、この記事を参考にぜひ学習を進めてみてください。

◇経歴(英語を使用した経歴)
2018年 英語科高校卒
2022年 国際系学部卒
◇資格
TOEIC885点
◇留学経験
・2019年~2020年
→アメリカ 7か月 カリフォルニア大学リバーサイド校
・2016年
→オーストラリア 3週間
◇海外渡航経験
イギリス 2年半 在住
海外13カ国に渡航経験
◇自己紹介
英語学習記事を執筆するWebライターです。
オーストラリアとアメリカへの留学経験があります。
ここでは、経験を活かして留学にも興味を持っていただけるような記事づくりをします!
青年時代のイギリス在住をきっかけに英語に目覚め、高校・大学とともに国際系学科へ進学しました。
個人的にイギリス英語が好きで、ネイティブのように話せるよう日々学習中です。
皆さまに分かりやすい!興味深い!と思っていただけるような表現をしていきます。どうぞよろしくお願いします。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.