【英文法】動名詞について今一度解説していきます!

英語, 動名詞, ネイティブキャンプ

動名詞は基本的な英文法のひとつですが、「動名詞って何?」と改めて問われると「中学生の時に習ったけれど…実はよくわからないんだよね」と答えに困ってしまう方も多いのではないでしょうか。

動名詞と不定詞の違いや現在分詞との使い分けルールなど、ややこしい文法的概念も多いため、動名詞は英語学習者がつまづきやすい英文法項目であるといえます。

この記事では、動名詞の用法やルールについて例文を交えながら解説していきます。いまいち動名詞の理解ができていないという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

動名詞とは

動名詞とは、動詞をing形にすることで、名詞としての意味を持たせた文法のことを指します。例えば、次の例文(1)(2)を見てください。

(1)I like to play the piano.
私はピアノを弾くのが好きです。
(動詞を使った文)
(2)My hobby is playing the piano.
私の趣味はピアノを弾くことです。
(動詞をing形にした動名詞(~すること)を使った文)

(1)の例文では、“play” という単語が「(ピアノを)弾く」という動きを表す動詞として使われています。それに対し (2) の例文では、(1)と同じ “play” という動詞を使っているものの、 “playing” というing形になることによって「(ピアノを)弾くこと」という名詞の意味に変わっています。

このように、もともと動詞であった表現を「~すること」という名詞の形に変化させたものが、動名詞となります。

動名詞には、次の4つの働きがあります。

・主語
・補語
・動詞の目的語
・前置詞の目的語

ここからは、それぞれの使い方について例文とともに確認していきましょう。

動名詞の働き① 主語

動名詞の働きの1つ目は、「主語」の役割です。「〜することは・・・だ」の「~することは」の部分にあたります。

Reading books is the key to becoming smarter.
本を読むことは、賢くなるための鍵だ。
Running before breakfast is my routine.
朝食前のランニングが私の日課だ。

“read” や “run” といった動詞を使っていますが、それらがing形になることによって、「読むこと」「走ること」といった名詞としての意味をもっています。こういった動名詞は、一般的な名詞と同じように、文章の主語として使うことができます。

動名詞の働き② 補語

動名詞の働きの2つ目は「補語」の役割です。「〜は・・・だ」の「・・・だ」の部分にあたります。動名詞は「~すること」という意味を持つため、実際には「~は・・・することだ」という訳し方になります。

The key to becoming smarter is reading books.
賢くなるための鍵は、本を読むことだ。
My routine is running before breakfast.
私の日課は朝食前に走ることだ。

補語というのは主語についての情報を述べる部分であり、英文中では「主語=補語」という関係にあります。

たとえば上の例文では、「動名詞の働き① 主語」の例文と同じ内容を表しながらも、主語と補語を入れ替えたものを用意しました。動名詞が主語として使われているのか、それとも補語として使われているのかという違いはありますが、そもそも「主語=補語」の関係であるため、動名詞を主語と補語のどちらに使っても、同じような意味を表すことができています。

動名詞の働き③ 動詞の目的語

動名詞の働きの3つ目は、「動詞の目的語」です。この場合、動名詞は動詞の内容を説明する役割を果たし、動詞の後ろに置かれます。

I like eating out with my friends on weekends.
私は週末に友達と外食するのが好きです。

例文では、“like” (好き)がこの文章のメインとなる動詞となっています。「好き」という動詞に対して「何が好きなのか?」という説明をしているのが、動名詞 “eating” の部分になります。

動名詞の働き④ 前置詞の目的語

動名詞の働きの4つ目は、「前置詞の目的語」です。“at” や “to” といった前置詞の後ろには名詞が置かれますが、名詞の内容を「~すること」という動きを伴ったものにしたい場合、動名詞を使います。

My father is good at singing.
私の父は歌を歌うのが上手です。

「be good at」は「(~すること)が上手だ」という表現です。“at” という前置詞の後に「歌うことが」などという動きを伴った説明を持ってきたい場合、「~すること」という意味を表すことができる動名詞を使います。

I’m interested in studying abroad.
私は留学(海外で勉強すること)に興味があります。
My brother is fond of watching French movies.
私の兄はフランス映画を観るのが好きです。

どちらの例文も、前置詞の後に「studying(勉強すること)」や「watching(観ること)」といった動名詞を配置することで、動きを伴った説明ができています。

To不定詞との違い

「To不定詞」は、動名詞と同じように動詞を「~すること」という意味の名詞に変換できる表現です。

「To不定詞」は動詞の原形を前置詞 “to” とセットで使うことによって、「~すること」という意味を表します。例文で、動名詞を使った場合とto不定詞を使った場合の例を見てみましょう。

I like watching birds.
私は鳥を観察することが好きです。
(動名詞)
I like to watch birds.
私は鳥を観察することが好きです。
(to不定詞)

同じものだと勘違いされることもある動名詞とto不定詞ですが、実はニュアンス的にも、そして文法的にも違いがあります。ここで、今一度しっかり確認しておきましょう。

動名詞とto不定詞のニュアンスの違い

動名詞は、過去の出来事や経験といった「過去」のニュアンスを持っています。

I regret telling her such a thing.
彼女にそんなことを言ってしまったことを後悔している。

この例文は、「後悔している」という動詞に対して、“telling” という動名詞を使うことで「言ってしまったこと」という過去の出来事を後悔しているのだ、という説明を加えています。

このように、動名詞は多くの場合、過去に既に起きた事や、経験に基づいた内容を表したいときに使われます。

過去の出来事以外に「反復・繰り返し」や「消極的」といったニュアンスを表すこともありますが、どの場合も積極的に未来へ進んでいくというよりは、現状あるいは過去に留まっているニュアンスがあると覚えておきましょう。

She may give up climbing the mountain.
彼女は山を登ることをあきらめてしまうかもしれない。
He keeps knocking on the door.
彼はドアをノックし続けている。

一方で、to不定詞はまだ経験していない未来や、実現していないことへの意志・希望といった「未来」のニュアンスを持っています。

I wanted to see your sister.
あなたの妹さんに会いたかったな。
She came to the U.S. to learn English.
彼女は英語を学ぶためにアメリカへ渡った。

未来について述べることが多いため、to不定詞の方が若干前向きで将来的な広がりのあるニュアンスを持っていると言えます。

目的語としての動名詞とto不定詞の違い

動名詞とto不定詞のニュアンスの違いについて解説しましたが、実はそれらのニュアンスとは関係なく、文法的なルールから動名詞かto不定詞のどちらかしか使うことができない場合があります。

例えば、次のような動詞では常に動名詞が使われます。

enjoy ~ing~することを楽しむ
practice ~ing~することを練習する
finish ~ing~するのを終える
give up ~ing~するのを諦める

一方、次のような動詞では、動名詞ではなくto不定詞が常に使われます。

want to ~〜したい
hope to ~~したいと望む
decide to ~~することを決心する
wish to ~〜したいと望む
expect to ~~することを期待する、~するつもりである

動詞によっては、目的語として動名詞とto不定詞のどちらを使ってもよい場合もありますが、上記のように、文法的なルールに基づいてどちらかしか使えないと決まっている動詞もあります。

これは既に決まってしまっていることなので覚えていくしかありません。よく使うものから順番に覚えていくようにしましょう。

現在分詞との違い

動名詞と現在分詞はどちらも同じ「動詞のing形」であるため、英文法の中でも混同してしまいがちです。ですが、動名詞と現在分詞の最も大きな違いはその働きにあります。動名詞は「名詞」の役割を果たすのに対して、現在分詞は「形容詞」や「副詞」の役割を果たします。

例文①
I like eating ramen.
私はラーメンを食べるのが好きです。
例文②
I saw a man eating ramen.
私はラーメンを食べている男性を見ました。

動名詞を使った例文①では、“like” の目的語となる名詞として “eating” が使われており、「食べること」という意味を表しています。

一方、現在分詞を使った例文②では、“a man(男性)”を修飾説明する形容詞として “eating” が使われており、「食べている」という意味を表しています。

現在分詞は以下のように、動詞を修飾する副詞的な使い方をされることもあります。

I cooked a pasta dish talking to my daughter.
私は娘と話しながらパスタ料理を作りました。

この例文では、“cook”(料理をする)という動詞に対して、“talking” という現在分詞 「話しながら」という修飾的な説明をする副詞としての役割を果たしています。

まとめ

動名詞とは何か、また動名詞に似ているto不定詞や現在分詞との違いなどについて解説をしてきました。「こんな違いがあったのか」という発見をしたり、改めて理解が深まったという方もいるかもしれませんね。似ている文法の表現も多く混同してしまいがちな動名詞ですが、とても大切でよく使う英語表現ですので、ぜひこの機会に習得していってくださいね!

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