【ステップ毎】英文法の勉強法についてご紹介します!

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「英語習得」と「英文法」の関係性については、多くの英語学習者の間で議論がなされてきました。「英文法は絶対に必要!最初に学ぶべきだ!」という意見と、「英文法なんかゴチャゴチャ教えるからわからなくなるんだ!」という言い分の対立は、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

この記事では、「英文法に勉強は絶対に必要」という主張とその根拠、そして「効率的な英文法の勉強法」をステップバイステップで書いていきます。

最後まで読めば英語力がワンランク上がること間違いなしです。また、情報量が若干多いので、ブックマークをしておくことをおすすめします。

英文法の勉強の必要性

前半では、英文法の勉強の必要性の裏付けを説明します。英文法は大きなテーマなので、学習していく内に勉強の本来の目的がわからなくなる学習者が多いです。

その結果「文法オタク」になってしまい、知識はたくさんあるけど実践では使えない、という人も少なくありません。なぜ英文法を勉強するのかは、常に頭に置いておきましょう。

「英語習得に文法は必要ない」という意見について

まずは「英語を話せるようになるためには、文法は必要ない」という意見について詳しく見ていきましょう。英文法否定派の人がこのような主張をするのには、もちろん理由があります。

日本語を習得するのに文法なんて勉強しなかった

まずよくあるのが、「日本語を話せるようになるのに、文法なんて勉強しなかった。それと同じようにすれば、英語も文法なしで習得できるはずだ」という理由です。実際に、この考えを元に作られた英語学習のメソッドも確立されています。

しかし、この考えにはいくつか穴があります。確かに、子どもは文法書を読まなくても、言語を話せるようになります。そう考えると、子どもになりきれば、英語も文法を考えること無しに身に付けることができそうですね。問題は「大人は子どもにはなれない」ということです。当たり前ですね。

わざわざデータを挙げるまでもないですが、子どもの脳は大人の脳に比べて、新しいネットワークを作りやすく、未知の情報でも柔軟に吸収できます。子どもの言語習得の速さは、これが理由です。大人になるとこの能力は低くなるので、子どもと同じように学ぶのは不可能なのです。

文法など知らなくてもコミュニケーションはとれる

次に「文法など知らなくても、単語とジェスチャーでコミュニケーションはとれる」という考え方です。これも間違いではありません。言葉が全く通じなくても、何となく言いたいことを理解し合い、仲良くなることは十分可能です。

しかし、これにも限度があります。出会ってすぐのころは、何となく楽しい時間を過ごせるかもしれません。しかし、何カ月、何年という長い時間一緒に居るとなるとどうでしょう?

真剣な相談事や、まじめな議論、ビジネスの商談などは、単語の羅列とジェスチャーでは限界があります。深いコミュニケーションを取るには、自分の考えを正確に表現するための言語力が不可欠です。そしてその言語力の土台になるのが、文法力というわけです。

このような理由から、2024年現在では言語習得に文法の学習は不可欠、という考えが主流になっています。

英文法を完璧にマスターすることは可能なのか?必要なのか?

ここで疑問を持った人もいるかもしれません。「英文法を習得って、どれくらい勉強すればいいの?」「習得」の定義ですね。結論から言うと、完璧な習得は目指す必要はありません。生涯をかけた一大プロジェクトになってしまうでしょう。

日本人の中でも、日本語を完璧に知り尽くした人などいません。それと同じで、全てを完璧に知り尽くすには、英文法はあまりにも大きなテーマなのです。

それではどれくらいの範囲を習得すればいいのかというと、ずばり「高校生レベルの英文法」です。もちろん例外もありますが、基準としては高校の授業で出てくる範囲を理解していれば、「習得」として良いでしょう。

ステップ別 英文法の勉強の流れ

ここからは、具体的な英文法の勉強の流れを解説していきます。「何から手を着けていいか分からない!」という方は必読です。

レベル1:文型

まず理解しておくべき項目が「文型」です。5文型は、聞いたことがある方も多いでしょう。

文型という概念は、日本語にはあまりありませんが、英語ではこれがとても重要です。なぜかというと、英語が語順によって意味の代わる「位置言語」だからです。

位置言語とは?

位置言語とは、文のなかで単語がどの位置にあるかによって、文章の意味が変わる言語のことです。位置言語ではない日本語と比べて、見てみましょう。

日本語:私は あなたを 愛している → あなたを 私は 愛している

上の日本語の文では、語順が変わっていますが意味は変わりません。しかし、位置言語である英語で同じことをするとどうなるでしょうか?

英語:I love you → you love me

ご覧のとおり、語順が変わる前と後で、文章の意味が全く異なってしまいます。英語は、意味の伝達の大きな割合を、語順にゆだねています。この語順の法則を整理してまとめたものが5文型であり、文法の基盤になっているというわけです。

5文型を理解しよう

S=主語
V=動詞
O=目的語
C=補語
第1文型 SV
第2文型 SVC
第3文型 SVO
第4文型 SVOO
第5文型 SVOC

第1文型 SV

主語と動詞のみからなる文型です。

He cried.
彼は泣いた
I work out every day.
毎日トレーニングをします。

第2文型 SVC

主語、動詞、補語からなる文型です。補語とは、文章の中で欠けている情報を補う言葉です。名詞か形容詞が当てはまります。

I am a student.
私は学生です。

I amのみだと「私は、です」という情報の欠けた文章ですが、studentという名詞が補語として加わることで「私は学生です」という文章が完成します。

This cake tastes bad.
このケーキはマズい。

同様に「このケーキは、の味がする」という不完全な文に、badという形容詞が加わることで、「このケーキはマズい」という文章が完成します。

第3文型 SVO

主語、動詞、目的語からなる文型です。目的語とは、動詞が作用する対象になるもののことです。名詞のみ目的語になることができます。

I love you.
私はあなたを愛している。

youという名詞が、loveという動作の対象になっています。

I had dinner.
晩御飯を食べた。

名詞dinnerが、動詞hadの動作の対象(目的語)になっています。

第4文型 SVOO

主語、動詞、目的語1、目的語2、からなる文型です。「~に~を」という意味になります。

I gave him a present.
彼にプレゼントをあげた。

him(目的語1)に、present(目的語2)をgive(動詞)した、という構成になっています。

He showed me the picture.
彼は私にその写真を見せた。

me(目的語1)に、picture(目的語2)をshow(動詞)した、という構成です。

第5文型 SVOC

主語、動詞、目的語、補語からなる文型です。CがOの情報を補っています。つまり、O=Cという関係になります。

I made him mad.
私は彼を怒らせた。

him(O)がどのような状態であるかを補うために、mad(C)が加えられています。

He named his dog Seth.
彼は、自分の犬をセスと名付けた。

「彼は自分の犬を名付けた」という文章に、「セス」という情報が補完されています。

5文型は文法理解の土台になるものです。確実に理解しておきましょう。

レベル2:時制、助動詞、受動態

枠組みである5文型の次のステップは時制、助動詞、受動態です。それぞれの項目で1記事書けてしまうので、ここでは要点のみまとめていきます。

時制

時制とは、「文章の時間軸」のことです。主に現在形、過去形、未来形の3つがあり、そこからさらに、以下のように分かれています。

現在:現在形、現在進行形、現在完了形
過去:過去形、過去進行形、過去完了形
未来:未来形、未来進行形、未来完了形

細かく分けると、全部で6つの時制があります。それぞれの役割とルールを理解しましょう。

助動詞

助動詞とは、文字通り「動詞を補助する単語」です。

will, can, should, would, could, might, may, shallなどが主な助動詞です。

助動詞は5文型のS,V,O,Cのどれにも分類されません。V(動詞)のニュアンスを変える役割をする単語、という認識を持っておきましょう。文章中の助動詞の存在に気付き、それが文章にどのような変化を及ぼすのかを理解できるようになることが重要です。

受動態

受動態は、位置言語である英語にとって重要な文法事項です。というのも受動態では、語順がいじくられ文型が変わるからです。

Joshua broke the door.
ジョシュアがドアを壊した。
The door was broken by Joshua.
ドアがジョシュアに壊された。

1つ目の文章が能動態(いわゆる普通の文章)で、2つ目が受動態です。受動態になる過程で何が起こっているかと言うと、「もとの文の目的語が、受動態では主語になっている」ということです。

1つ目の文ではJoshuaが主語で、the doorが目的語ですが、受動態になった2つ目の文では、The doorが主語になっています。

そしてその過程で、文型が第3文型のSVOから、第1文型のSVに変化しています。文型を読み間違えてしまうと、意味の理解も間違ってしまいます。そのため、文法事項の中でも、受動態は早々に理解しておくべきなのです。

レベル3:分詞、関係詞

続いては分詞と関係詞です。これら2つはどちらも、文章の細部を細かく説明する役割があります。

分詞

分詞には「過去分詞」と「現在分詞」があります。ざっくりまとめると、過去分詞は動詞を過去完了形にしたもので、現在分詞は動詞を進行形にしたものです。そしてそれらが、形容詞の役割をします。

He got a broken leg.
彼は足を壊している。(骨折している)

brokenが分詞です。Breakの過去分詞形ですが、動詞としては使われておらず、legを説明する形容詞として使われています。

I saw a crying baby.
泣いている赤ちゃんを見た

cryingが分詞です。Cryの現在進行形ですが、動詞ではなくbabyを修飾する形容詞としての役割を果たしています。

関係詞

関係詞には、「関係代名詞」と「関係副詞」があります。分詞と同じように、名詞を細かく説明するために使われます。

This is the dog that I adopted.
これが、私が引き取った犬です。

thatが関係代名詞で、それ以下の文章は名詞dogを説明しています。

This is the street where I was living as a child.
ここが、私が子供のころに住んでいた通りです。

whereが関係副詞で、それ以下が名詞streetを修飾しています。

関係詞、分詞、ともに文章のデティールを把握するために欠かせない項目なので、この段階でしっかりと理解しておきましょう。

レベル4:比較、仮定法、構文、話法

最後は、比較、仮定法、構文、話法です。やはり、それぞれの項目で大型の記事が1つずつ書けてしまうので、ここでは要点だけまとめていきます。

比較

比較は、2つ以上のものを比べるときに使われる文法です。

・~er, ~est
・more, most
・as

などの用法を用いて、2つ以上の事柄を比較し、性質を見極めていきます。

比較は暗記によるところが大きく、ひたすら根気強く構文や例文を覚えていくことがカギになります。

仮定法

仮定法は「もし~なら」という、空想の出来事について話すときに使う文法です。英語では、空想の出来事は、時制をずらして表現します。

例えば、「もしもっとお金があれば」という空想の文章を作るのなら、If I had more money、という風に過去形にします。

時制をずらして、非現実を表す、という英語独特の表現です。

その他にも、「もし~だったら」過去に関する空想や、wishを使った仮定法など、様々なバリエーションがあります。日常会話でも頻出なので、必ずマスターしておきましょう。

構文

構文とは、これまでに学んだ基本的な法則を外れる構造を持った文章たちを言います。

例えば、倒置法。

Never had I thought I would get married her.
彼女と結婚するなんて、夢にも思わなかった。

語順が少し乱れているのが分かるでしょうか?これは語順を変えることで、ドラマチックな印象を与えるためなのです。

このほかにも、強調、省略、同格、形式主語、形式目的語など、基本的な文法とは少しはずれた形の構文がたくさんあります。

話法

最後は、話法です。

She said she is going to do it.
彼女は、彼女がそれをやると言った。
She said, “I’m going to do it”.
「私がやる」と彼女は言った。

実は細かいルールがたくさんある項目なのですが、そこまで神経を使う必要はないでしょう。というのも、話法が試験の問題に出ることはほぼ無く、さらに日常会話でもなんとなく感覚で理解できるからです。

直接話法と間接話法というものがあり、それらを正確に文章にするには細かいルールがある、ということを、とりあえず理解しておけば大丈夫でしょう。

まとめ

最後に、要点をまとめておきます。

・英語習得には英文法の理解は必須
・文法の全てを理解する必要はない
・文法の勉強順は、文型、時制、助動詞、受動態、分詞、関係詞、比較、仮定法、構文、話法

順を追って、自分のペースで学習を進めましょう。また、文法の勉強で培った英語力を実践で使いたいという方は、ネイティブキャンプをおすすめします。

ネイティブキャンプでは、24時間365日、どこからでもネイティブスピーカーとのマンツーマンレッスンを受けることができます。その日に学習した文法項目を実際に使ってみる、というのもいいですし、日本人講師と一緒に復習するのもいいでしょう。

また、ネイティブキャンプでは「こういうレッスンがしたい」という要望を受け入れてくれるので、今回の記事で紹介したことを参考にレッスンプランを組み立てることも可能です。無料体験レッスンも行っているので、この機会にぜひチェックしてみてください。

nativecamp.net

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