みなさんが英語を勉強していて、「よく見かけるけれど意味が何となくよくわかっていない……」という単語に出会うことはないでしょうか?
今回の記事では、「beyond」という単語に焦点をあててみたいと思います。「Beyond」は同じスペルでさまざまな品詞としての意味があるため、細かな使い分けを理解しにくい単語でもあります。
「Beyond」の品詞ごとの意味、そして「beyond」を使ったスラングやイディオムについて丁寧に解説していきます。それぞれ、例文とともに詳しく解説していきますので、ぜひその例文を何度も口に出して練習してみてくださいね。
beyondの意味
まずは、「beyond」の意味を品詞ごと(前置詞、副詞、名詞)に詳しく解説していきます。文の中で「beyond」がどのような品詞で使われているのか判断できれば、意味を掴みやすくなりますよ。
前置詞
おそらくみなさんがよく出会う「beyond」は前置詞として使われている場合ではないでしょうか。
場所を表して「~の向こう側に、~を越えて」、時間を表して(通常否定文で)「~を過ぎて」、程度を表して「~の範囲を超えて、超越して」などの意味があります。また、主に否定文や疑問文で用いられる用法として、「~を除いて、~の他に」という意味にもなります。
例文
彼らは大きな木の向こうの場所を指差しました。
門限を超えて外にいることはできません。
両親からは自分の収入を越えた生活をするなと言われました。
彼女は川の向こう側にある小さな家を見ました。
彼はこのほかに何も知らないと言っていました。
副詞
副詞として「beyond」が使われる場合は、「向こうに、彼方に」、「ほかに、それ以上」という意味になります。また、カジュアルな口語表現ですが、形容詞を修飾する形で「とても、超」という意味で使われることもあります。
例文
彼方に干し草畑のある池を見ました。
はるか向こうは農地でした。
ホテルの部屋からは向こうの丘が見えます。
彼らは私たちに必要なものは与えてくれましたが、それ以上のものはありませんでした。
(彼女は非常に疲れていると言っていました。)
名詞
意外かもしれませんが、「beyond」には名詞としての意味もあります。その場合「死後の世界、来世、あの世、人知の及ばないはるか彼方」といった意味になります。
例文
あなたは死後の世界を信じますか?
beyond スラングやイディオム
「Beyond」が持つ基本的なイメージ・意味がわかったところで、ここからは「beyond」を使ったスラングやイディオムをご紹介していきます。
beyond one's control
「Beyond one's control」は「(人)にはコントロールできない、制御不能で、(人)の力が及ばない、手に負えない」などの意味があります。
「Control(制御)」を「beyond(越える)」ですので、イメージしやすいのではないでしょうか?
例文
その状況は彼らの手に負えないものでした。
それは誰にもコントロールできません。何をすればいいですか?
私の力ではどうにもならない状況です。
彼らは、息子は自分たちの手に負えないと言いました。
私たちの手に負えない状況になる前に、対策を講じるべきです。
beyond description
「Description」は「説明・記述すること」という意味があり、「beyond description」で「言い尽くせないほどの」という意味になります。
「Beyond expression」や後ほどご紹介する「beyond words」も同じような意味になります。
例文
彼らが経験したことは本当に恐ろしいです。言葉では言い尽くせないほどです。
私は彼女がしてくれたこと全てに本当に感謝しています。彼女の優しさは言葉では言い尽くせないほどです。
彼の新しい小説は言い尽くせないほどひどかったです。
beyond all reason
「Beyond all reason」は「不合理で、途方もなく、まったく理屈にあわない、理性で抑制できないほど、はなはだしく」といった意味があります。
例文
彼はとにかくその高い車が欲しかったのです。
私は我慢できないくらいそのコンサートに行きたかったです。
私は彼の意見がまったく理屈に合わないと思いました。
beyond the grave
「Beyond the grave」は「あの世で(に)」「死後」という意味があります。Graveの前にtheがつくことに注意してくださいね。
例文
これはあの世からの何かしらのメッセージだと思いますか?
beyond number
「Beyond number」は「数え切れないほどの」という意味があります。
例文
数え切れないほどの問題があります。
beyond me
直訳すると「自分を越える」となる「beyond me」ですが、実際の意味は「自分には理解できない・さっぱり分からない」、「自分には手に負えない・無理」といった意味になります。
例文
数学はさっぱり分かりません。
私に聞かないでください。さっぱり分かりませんから。
彼がその会社を辞めた理由は、私にはさっぱり分かりません。
beyond words
「Beyond words」の直訳は「言葉を超える」ですが、ここからもイメージできるとおり、実際の意味は「言葉にできない・言葉では言い表せない」です。強い驚きや喜び、感謝などを感じた際の表現として使われます。また、ポジティブな感情だけでなく、怒りなどのネガティブな感情を感じた際の表現としても使うことができます。
例文
ホテルから見えた景色は、言葉では言い表せないほどでした。
ボーイフレンドがプロポーズしてくれたとき、私は言葉にできませんでした。
私の姉は言葉にできないほど美しいです。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、「beyond」の品詞ごとの意味や使い方、また「beyond」を使ったスラングやイディオムなどをご紹介しました。それぞれの意味や使い方を理解するきっかけになればうれしいです。今回ご紹介したように、「beyond」は同じスペルでさまざまな品詞として使われるため、意味も多様です。それぞれ文のなかでどのように使われているのか正しく判断することで、意味を把握しやすくなります。
今回ご紹介した「beyond」を適切に使えるようになれば、より英語でのコミュニケーションがスムーズに進むはずです。ぜひ、この記事でご紹介した例文を何度も口に出して練習し、覚えて使ってみてくださいね。
今回ご紹介した「beyond」をそれぞれ適切なシーンで使うことができれば、より自分の英語での表現の幅が広がりますし、ネイティブスピーカーからも「お!この人はいろんな単語やフレーズを知っているんだな」と思ってもらえるのではないでしょうか。
また、今回学んだ「beyond」について、「もっと詳しく学習したい」「ネイティブスピーカーはどのようにbeyondを使っているのか知りたい」という方は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話レッスンを試してみてください!
レッスンでは、ネイティブスピーカー講師とマンツーマンで話すことができます。今回ご紹介した「beyond」に関する英語表現をさらに練習しても良いですし、似たような単語について講師とディスカッションするのも良いのではないでしょうか。ぜひ、みなさんの英語学習にレッスンをフル活用してくださいね。

◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇留学経験
学生時代、イギリスのハル大学に1か月半語学留学をしました。
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。
英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。大学で経験したイギリス留学では、語学クラスでさまざまな国の留学生と交流しました。また、英語で大学の歴史の講義を受けたり、現地の小学校でのボランティア活動も行いました。
よろしくお願いします!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.