除夜の鐘の英語の言い方とは?除夜の鐘について英語で説明してみよう

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日本の年末の風物詩はいくつかありますが、多くの人の記憶に強く印象に残っているのが「除夜の鐘」ではないでしょうか。お寺から聞こえる108回の鐘の音は、その音色はもちろん、その鐘の音が持つ意味まで考えると、様々な思いを巡らせてしまうという人も多いでしょう。

また、「鐘の音がうるさい」という騒音問題に発展したこともあり、一時期話題になりました。さて、ここで本題ですが、「除夜の鐘」について、英語で説明できるでしょうか?

「日本の文化は知り尽くしているから、英語さえできれば説明なんて簡単」と思っている人も多いです。しかし、「日本の文化を外国人に分かるように英語で説明する」ということは、思っている以上に難しいことです。

今回の記事では、「除夜の鐘」を英語で説明する方法を解説していきます。「除夜の鐘」以外の日本の文化を説明するときに使える表現なども出てくるので、ぜひ最後まで読んでいってください。

「除夜の鐘」の英語表現

除夜の鐘を英語で表現すると

Joya no Kane

もしくは

New Year’s Eve bell

となります。

除夜の鐘は欧米にはない文化なので、そのままローマ字表記でJoya no Kaneと言うことができます。しかし当然ながら、それで意味が通じないので、New Year’s Eve bellと、むりやり英訳するのも1つの手です。

いずれにせよ、一言で通じる単語ではないので、文章で説明する必要があります。その方法を、これから一緒に学んでいきましょう。

除夜の鐘の意味って?

英語で説明する前に、そもそも除夜の鐘の意味を日本語で説明できるでしょうか?当然ですが、日本語で説明できないことは、英語では説明できません。また、英語での説明に詰まったときに頼りになるのは、日本語の情報です。

まず、除夜の鐘の意味を、日本語で把握しておきましょう。除夜の鐘についてもう知っているよ、という方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。

除夜の鐘とは?

お寺に行くと、境内に大きな鐘があるのを目にすると思います。あの鐘は正式名称を「梵鐘(ぼんしょう)」といい、時刻を知らせたり、法要の合図になったりという役目があります。

その鐘を、12月31日の大晦日に108回鳴らすこと、またその鐘の音を「除夜の鐘」と呼びます。「除夜」は大晦日の夜、という意味ですね。

108回鳴らす意味とは?

除夜の鐘といえば、108回鳴らすことが知られています。なぜ108回なのでしょうか?実はこれにはいくつかの説があります。もっとも有名な説が、「煩悩の数」です。

煩悩とは、詳しく説明すると長くなってしまうので短くまとめると、「人間を苦しめる欲望の総称」です。その欲望の数が合計で108つあります。

1年の終わりに、聖なる力を持ったお寺の鐘の音で、その108つの煩悩を取り払ってから、新しい1年を迎えましょう、というのが「除夜の鐘」というわけです。これ以外にも、108つは「1年を表す数字」という説があります。

「1年が108って、どういう数え方?」と思われるかもしれません。これには、日本の季節の分け方が関係しています。日本の季節は4つというのが普通ですが、さらにそれらを6つに分けることができ、4×6で合計24になります。

「立春」とか「夏至」など聞いたことがあると思います。これらはその24の季節の1つなのです。

そして、その24の季節をさらに初候、二候、三候と3等分して、24×3で、72の季節に分ける数え方もあります。

この24と72に、1年の12の月を足すと、ちょうど108になります。除夜の鐘は、この数字を表しているのでは、と考える人もいます。

最後の説は、四苦八苦です。

大変な思いをするという意味で「四苦八苦する」という言葉を使いますが、これはもともと仏教用語で、「避けられない苦しみ」という意味です。

この四苦八苦を、49、89と数字にして、4×9、8×9とします。それぞれの答え(36と72)を足すと108になります。

この、避けられない苦しみを表す数字を取り払うために、除夜の鐘では108回鐘を鳴らすのでは、という説を唱える先生もいます。

108回突くタイミングは?

通常の慣例では、12月31日の夜から突き始めて、107回まで突き、1月1日になったタイミングで108回目を突きます。

しかし慣例はお寺によって変わり、参拝者に鐘を突かせるために108回以上鳴らすお寺もあれば、騒音問題を避けるために12月31日の夜に108回突き終わってしまうお寺もあります。

厳しい決まりは無いようです。

除夜の鐘を英語で説明しよう

それではメインイベントです。いよいよ除夜の鐘を英語で説明する方法を見ていきましょう。

まず、説明をまとめた英文を見ていきます。その後に、その英文の和訳を書きます。そして部分ごとに解説をしていく、という流れです。

除夜の鐘の説明―英文

Joya no Kane means “New Year’s Eve bell”. “Joya” is one of the ways to say “New Year’s Eve”, “no” is “of”, and “Kane” means “bell”.

In Japan, most temples have big bells, which are usually used to announce the time.

However, on Omisoka day, December 31st, those bells get the special duty of being rung 108 times.

Traditionally, the bells are rung 107 times on Omisoka day, and at midnight on New Year’s Day, the bells are rung once more.

This is a process of washing out 108 earthly desires, which are 108 different sins and worries that humans experience in their lives. This is a Buddhist concept.

除夜の鐘の説明―和訳

Joya no KaneNew Year’s Eve bellという意味です。” Joya”はNew Year’s Eveの1つの呼び名で、”no”はofで、”Kane”はbellです。

日本のほとんどのお寺には大きな鐘があり、それは普段は時間を知らせるために使われます。

しかし12月31日、大晦日の日には、その鐘は108回鳴るという特別な任務を任されます。

慣例では、その鐘は大晦日の日に107回鳴らされ、正月の深夜にもう1度鳴らされます。

これは108の煩悩を洗い流すプロセスです。108の煩悩とは、人間が人生で経験する108の異なった罪や悩みのことです。仏教の考え方です。

除夜の鐘の説明―解説

1.Joya no Kane means “New Year’s Eve bell”. “Joya” is one of the ways to say “New Year’s Eve”, “no” is “of”, and “Kane” means “bell”.

まず、前述したとおり、除夜の鐘は日本独自の文化なので、同義の英単語は存在しません。Joya no Kaneとそのままの音を使うのが良いでしょう。

その上で、New Year’s Eve bellという英訳を提示し、何となくのイメージを理解してもらいます。何かを説明するときは、大まかなことから説明するのがコツです。

2.In Japan, most temples have big bells, which are usually used to announce the time.

次の文章です。「お寺には大きな鐘がある」ということを説明から始まっています。ここでMost temples have big bells?という文章に注目します。直訳すると「ほとんどのお寺は、大きなベルを持っている」となりますね。

「お寺が?を持っている」というのは、日本語だと少し不自然な感じがしますが、これは「無生物主語」といって、英語ではよく使われる用法です。人間や動物ではないものを、あたかも生き物かのようにあつかうことで、文章を簡潔にします。

There are big bells in most templesよりも、単語数が少なく、すっきりしていますよね。

ただ、そのまま日本語訳するとおかしくなるので、「日本のほとんどのお寺には大きな鐘があり、」とここでは訳しています。そのあとの、whichはbig bellsを指す関係代名詞です。

2つ目の文章全体を、2つに分けると、「Most temples have big bells in Japan. Those big bells are usually used to announce the time.」となります。これらを1つの文章にするために、whichでつなげているということです。

3.However, on Omisoka day, December 31st, those bells get the special duty of being rung 108 times.

Howeverは逆説です。意味はbutと全く同じですが、ややかしこまった雰囲気が出ます。「on Omisoka day, December 31st,」は時間を表す副詞句です。

「Those bells」が主語、「get」が動詞、「special duty of being rung 108 times.」が目的語になります。Being rung が分からなくなるポイントでしょう。

このbeingは、「受動態の動名詞」です。鐘は自分で鳴るのではなく、「鳴らされる」わけですから、受動態の形にしなければいけません。そのため、ringではなく、be rungとしなければなりません。

さらに、それを動名詞にするには、動詞にingを付けなければなりません。受動態の場合はbeがメインの動詞になるので、beにingがついて、being rungとなります。

そうして、この文章の目的語の「special duty of being rung 108 times.(108回鳴らされるという特別な仕事)」ができ上がります。

4.Traditionally, the bells are rung 107 times on Omisoka day, and at midnight on New Year’s Day, the bells are rung once more.

Traditionallyは「伝統的には、慣例では」という意味の副詞です。「例外もある」ということを暗に示唆するときにも使います。The bells are rungと、受動態にするのも忘れないようにしましょう。

5.This is a process of washing out 108 earthly desires, which are 108 different sins and worries that humans experience in their lives. This is a Buddhist concept.

主語のthisは、「108回鐘を突く行為」のことですね。Wash outは「洗い流す、破壊する」という意味で使われます。煩悩を洗い流して無くす、というものなので、wash outが適切でしょう。

後でも少し解説しますが、煩悩は英語だとearthly desireです。

その直後のwhichは、108 earthly desiresを指す関係代名詞で、さらにその後のthatも、108 different sins and worriesを表す関係代名詞です。

全体を通して、文法自体はシンプルなものが多いですね。難しいトピックでも、適切な単語さえ覚えておけば、説明は意外と簡単だったりします。

除夜の鐘の関連表現

最後に、除夜の鐘に関連する用語を学んでいきましょう。

もうすでに出て来ているものもありますが、改めて確認していきます。

煩悩

煩悩は色々な定義がありますが、基本的には「人間が生きていくうえで経験する苦しみの原因になる欲望」という意味です。

英語だとearthly desireです。

earthly 地上の、俗世の、この世の
desire 欲望

直訳すると「この世の欲望」となります。

大晦日

大晦日は、12月31日のことですね。「晦日」は「月の最後の日」という意味です。英語では1年の最後の日をNew Year’s Eveと言います。

「1年の最後の日」ではなく、「新年の前夜」という言い方をするんですね。

年越し

年越しは、新年を迎えることです。英語では先ほどと同様に、New Year’s Eveでもいいでしょう。

その他には、Welcoming New Yearや、see the old year outなどという言い方もできます。

まとめ

日本の文化を英語で説明するときに大事なのは、まず日本語でしっかりと理解することです。なにかを教えるには、それを120%理解していなければなりません。わかっているつもりでも、いざ説明するとなると上手くいかないものです。

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