「入る」という日本語は、日常生活で本当によく使われる言葉ですよね。まず、「家に入る」「大学に入る」「公園に入る」というようにどこかの場所の中に移動する時に使います。大学に入学することは「大学に入る」ですし、卒業して「旅行業界に入る」などとも言います。
また、あるグループに加わることを「仲間に入る」などとも言いますよね。より具体的に「サッカークラブに入る」「老人会に入る」などという風にも使われます。
では、こうした「入る」という日本語を英語ではどのように表現すればいいのでしょうか。今回は、さまざまな「入る」の英語表現を、まずは「get in」と「enter」を中心に解説し、その後、関連する言い回しを複数見ていきたいと思います。
get inの意味と使い方
幅広いニュアンスの「入る」を表現できる句動詞が「get in」です。「in」の代わりに「into」を使った「get into」も同様の意味でよく使われます。
ただし、「get in」がそれだけで「入る」という意味で自動詞的に使えたり、「get in 〜」で「〜に入る」というように他動詞的にも使えるのに対し、「get into」の場合は「get into 〜」と、他動詞的に使うのが一般的です。
ニュアンスとしては、「into」の方が何かの中に入りこんでいくことが強調されます。
建物や部屋、容器など入る get in、get into
まず基本的な使い方として、「get in」「get into」には「建物や部屋などに入る」という意味があります。
我々は、長年誰も住んでいない家に入った。
泥棒はその窓を通って入った。
どうやってここに入ったの。
光と風がたくさん入ってくるのを感じます。
太陽がまぶしい。(太陽が目に入ってくる。)
誰かが窓を割って私の家に入った。
「get A in」または「get in A」で、「Aを中に入れる」という意味になります。また、「get A in(場所)」または「get A into(場所)」で、「Aを(場所)に入れる」という意味になります。
雨が降ってきました。洗濯物を(家の中に)入れましょう。
警察は人々を現場近くのビルの中に入れた。
クローゼットに服を入れなきゃ。
私の部屋に猫を入れないで。
大学に入る、チームに入る get in、get into
入試試験に合格して大学に入学する場合や、何かしらのグループに参加するような場合の「入る」です。
その大学に行きたかったが入れませんでした。
「大学に入る」などというように後ろに所属するところが来る場合は、一般的に「get into」の方をよく使います。
娘さんがトップランクの大学に入ることになったらどうしますか。
私の息子は本当にそのチームに入りたがっています。
「get A in」または「get in A」または「get A into(学校など)」で、「(学校などに)Aを入れる、合格させる」という意味になります。
彼らはその学校に高額の寄付をしたが、学校は彼らの子どもたちを入れなかった。
かろうじてロースクールに入りました。
仕事に就く、業界に入る get into
就職してある業界に入る時などの「入る」にも「get into」が使えます。
内気な彼女が芸能界に入ったと聞いて驚きました。
サイズが入る get into
「get into」には「サイズが合う」という意味の「入る」を表す使い方もあります。カジュアルな表現です。
この夏太ってしまったのでどの服も入りません。
enterの意味と使い方
やはり「入る」に相当する英語としてよく挙げられるのが「enter」です。「enter」は、意味としては「get in」「get into」と重なる部分が多いです。
しかし、どちらかというと、「get in」や「get into」と比べて「enter」はやや硬めの言葉です。
「get in」や「get into」がカジュアルな会話でよく使われるのに対し、「enter」は比較的オフィシャルな文章などに登場します。
なお、「enter」を使う時に最も注意しなければならないのは、「enter」は「〜に入る」という他動詞として使われることが多いという点。他動詞として使われる場合、「enter」の後には「in」「into」といった前置詞は必要ありません。
建物や部屋、国などに入る enter
「enter」は、建物や部屋などに入る場合によく使われます。また、「入国する」というように、国に入る場合にも用いられます。
彼女は2時間前に警察署に入ってまだ出てこない。
彼は勉強というよりも休憩するために図書館に入った。
この国に不法入国する人の数が増えています。
次の例文は、「enter」を自動詞として使った例です。
彼は横の入り口から入ってきた。
大学に入る、チームに入る enter
「get in」「get into」と同様に、大学に入学したり、チームなどに入るという意味で「enter」が使えます。
彼女の孫は東大に入った。
その将棋クラブに入るつもりですか。
「enter A in B」の形で、「AをBに入学させる、入会させる」といった意味になります。
やっとのことで息子を大学に入れた。
仕事に就く、業界に入る enter
「get into」と同様に、「enter」には、就職して仕事についたり、特定の業界に入るといった意味もあります。
私の両親は50年前、同じ時期にショービジネスの世界に入りました。
ただし、「会社に入社する」という場合には、「enter the company」などとは言わないのが普通です。代わりに、「start to work for the company」などとします。
また、大学を卒業して銀行に入社したような場合、「I entered the bank.」と書くと、就職したというよりも、預金などのために「銀行を訪れた」という意味に解釈されてしまいます。「I started to work for a bank.」などとするのが普通です。これは「get in」「get into」についても同様です。
その他の「入る」という意味の enter
「enter」にはその他にも、以下のような場合の「入る」という意味もあります。
これらは「get in」「get into」で表せる場合もありますが、意味が曖昧になりそうな場合は「enter」を使った方がいいでしょう。
・何かを始める、新しい段階を迎えるという意味の「入る」我々は交渉に入ったところだ。
来月の競技会に参加する予定だ。
たくさんの情報をコンピューターに入れなければならない。
突然、その考えが私の頭に浮かびました。
ナンシーがジョージの人生に現れて以来、たくさんの良いことが起こりました。
関連表現
ここまで、「入る」という意味でよく使われる「get in」「get into」と「enter」について解説してきました。
次に、関連表現として、やはり「入る」という意味を持つその他の英語について見ていきたいと思います。「go into」「come into」「enroll」の3つです。
go into
「go into」は「get in」「get into」と同じように、さまざまな状況の「入る」を表現できます。
ただし、「get」が、自分と話す相手との視点の違いを気にせず使えるのに対し、「go」と次に説明する「come」は、文脈に応じて使い分けなければなりません。
話す相手が自分と同じ地点や立場にいると考えられる場合は「go」を、話す相手が別の地点や立場にいると想定される場合は「come」を使います。
母はそこで夕食を作ることに集中しているので、私はキッチンに入ってはいけません。
午後3時までに会議室に入らなければなりません。
上の例文は2つとも、目の前にいる友だちや同僚に話しているようなシチュエーションです。
come into
上で述べたように、同じ「入る」という意味でも、話す相手との視点の違いで「go」を使うか「come」を使うかが変わります。上の「go into」のところの例文の主語を変えてみましょう。
私はここで夕食を作ることに集中したいので、あなたはキッチンに入ってはいけません。
これは、母親が子どもに、「こっちに入ってくるな」と言っているような状況です。
午後3時までに会議室に入るように。
これは、例えば会議の主催者である上司が部下たちに「来る」ように命令している状況です。上司が会議室で待っているようなイメージですね。
enroll
大学などに「入る」、つまり「入学する」という意味や、あるグループなどに「入会する」「登録する」という意味で使われるのが「enroll」です。正式かつ硬いイメージの言葉です。
「enroll」はアメリカ英語のつづりで、イギリス英語だと「enrol」となります。
また、「〜に入る」の「〜に」を表す前置詞は、「in」「at」に加え、イギリス英語だと「for」や「on」も使われます。
昨日、料理教室に入りました。
他動詞として使う場合、「〜を(大学などに)入れる」となります。
父は私をその大学に入れたかった。
まとめ
いかがでしたか?今回は、「入る」のさまざまな英語表現について解説しました。
特に、簡単な単語だけで成り立っている「get in」や「get into」といった句動詞は、いろいろな場面で使える便利な言葉です。今回は「入る」という意味に絞りましたがその他にもたくさんの意味を持っています。
こうした句動詞を自在に使いこなせるようになれば、ネイティブスピーカーっぽい会話ができるようになって、コミュニケーションの幅が大きく広がること間違いなしですよ。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.