「すべき」を表すshouldとhad betterの違いをご存知ですか。中学生の頃、shouldは「すべき」had betterは「した方が良い」と習いましたよね。
betterはgood「良い」の比較級のため、had betterのほうがカジュアルなアドバイスに使えそうに思えます。
しかし、実際はその逆。shouldは「〜したほうがいいよ」という軽いアドバイス、had betterは「〜すべき」という強い忠告を表します。
それではshouldとhad betterの違いや使い方のポイントを詳しく解説していきます。
- shouldとhad betterの違い
- shouldの意味と使い方
- shouldの否定文の意味と使い方
- had betterの意味と使い方
- had betterの否定文の意味と使い方
- 似た英語表現
- まとめ
shouldとhad betterの違い
shouldとhad betterはどちらも「〜したほうが良い」「すべき」といったアドバイス表現です。ただし、以下のようなニュアンスの違いがあります。
had betterは悪い結果を避けるための切迫した忠告
つまり、日常会話でよく使われるアドバイス表現はshouldであり、軽いアドバイスをするときはこちらを使うほうが問題はないでしょう。
had betterは強い表現で「それをしないと悪い結果になる」というような特定の条件で使われることが多いため、注意が必要です。
shouldとhad betterの意味と使い方を、それぞれ詳しく説明します。
shouldの意味と使い方
shouldはカジュアルなアドバイス・提案として使われる助動詞です。「した方がいいよ」という日本語が近い表現でしょう。
Cambridge Dictionaryではshouldを以下のように定義付けています。
(“Should - English Grammar Today”)
また、shouldは肯定文、疑問文、否定文、過去形で意味やニュアンスが変わります。それぞれ見ていきましょう。
軽くアドバイスをするとき
shouldの肯定文(否定文でも疑問文でもない普通の文)で、カジュアルなアドバイスができます。
ぜひ2, 3日休暇をとるといいですよ。
この料理、美味しいよ。食べてみてよ。
主語を自分にして「〜しなきゃ」「〜しないと」のように表すこともあります。
もう行かなきゃ!
このように、何かをおすすめしたり軽くアドバイスをしたりするときに、shouldは日常的なコミュニケーションで使える便利な表現です。
提案・申し出をするとき
Should I〜?のように、自分を主語にした疑問文で「〜しましょうか」のような提案や申し出が可能です。
「should=すべき」と直訳で解釈してしまうと、「私は〜すべきですか=したくはないけれど、しなければならないのか」と違った意味合いになってしまいます。
Should I〜? はまとまりで、「〜しましょうか」という提案・申し出の表現と覚えておきましょう。
そのことについて何かしましょうか。
窓を閉めましょうか。
あとで電話をかけ直しましょうか。
以下の例文は、人から相談を受けたりトラブルがあったりして、対応に困っているときによく使う表現です。
それで、どうしたらいいの。
Should I〜?は、英会話でもよく使われる表現です。フレーズ表現としてそのまま使えると便利です。
後悔・非難をするとき
後悔や非難をするときに「should have+過去分詞」で表現することができます。日本語に訳すときは以下のような意味になります。
非難:~をしなければならなかったのに
誰もがこのレストランは混んでいるとわかっている。彼らは予約すべきだったのに。
若いときにもっと一生懸命勉強すればよかった。
「〜しているはず」推量するとき
既知の事実によって、「〜しているはず」というときにshouldを使います。
ジョンは数学が得意だから、満点をとるはずだよ。
その周辺には美しい建物があるはずですよ。
shouldの否定文の意味と使い方
should notやshouldn’tの形で否定文を表します。shouldの否定文の意味は大きく分けて3つあります。
①アドバイス:「〜しないほうが良い」
そこに行かないほうがいいよ。
②後悔・非難:「すべきでなかったのに」
トムは今月、あまりお金を使うべきではなかったのに。(使ってしまった)
③可能性・推量「〜しているはずはない」
今日はビーチに、たくさんの人がいるはずはないよ。
shouldn’tと省略するのが普通ですが、否定を強調したいときにはshould notの形で使われることもあります。
自由を守るために、命を捧げた人々を我々が忘れるはずもない。
had betterの意味と使い方
had betterはshouldよりも強いニュアンスで「〜すべき」という意味を表します。
主に口語表現で、「それをしないと、悪い結果が待っている」ような深刻な状況で使うことが多いです。<言われた相手は、強制されているようなイメージを持ってしまうかもしれないため、注意が必要です。
具体的には以下の3つの状況で使われます。
・警告・脅迫をするとき
・結果について確認するとき
’d betterの形に省略される場合が多いのも特徴です。それでは詳しく解説します。
切迫した忠告をするとき
had betterは良くない結果を避けるための、切迫した忠告のニュアンスです。日本語では「するほうがが身のため」と訳すのが適当でしょう。
had betterを使った文のすぐ後に、otherwise,やor(さもないと⋯)と文が続くことが多いです。とても強い表現のため、社会的に上の立場の人には用いないように注意が必要です。
急いでそのドレスの代金を支払った方がいいと思うよ、 昼食の予約があるんだ。
すぐにここに着かないと、彼女は開会式に遅れてしまうよ。
警告・脅迫するとき
had betterは警告・脅迫的な意味をもって「〜したほうが良い」と伝える場合に使います。命令文とほぼ同じ印象を受けます。
面倒なことにはしたくないんだ,。君のパスポートを今こっちに渡した方がいいぞ。
(警官が容疑者に)あの, 一緒に来てもらえますか
このように安易にhad betterを使うと、警告や脅迫と取られかねないため注意しましょう。
結果について確認するとき
(未知の結果について確認して)「さぞかし…なのでしょうね」という場合にもhad betterが使われます。
こうなるからにはさぞかし大切なんだろうな。(しばしばhadは省略される)
この食事はすごく高いな!さぞかし美味しいんだろうね。
また、’d better have+過去分詞で「(すでに)…しているでしょうね」と過去について確認することも可能です。
ぼくが君にあげた本は、もう読んだだろうね。
had betterの否定文の意味と使い方
助動詞had betterの否定形は、had better not や ’d better notで表します。notの位置を間違えやすいので気を付けましょう。
こちらもshouldよりも切迫した状況で、使われる表現です。had betterの否定文の意味は、以下の2つです。
①切迫した忠告:「すべきではない」
ここにバッグを置いていかないほうが良いな。誰かが盗むかもしれないから。
②警告・脅迫:「〜しないほうが良い(さもないと⋯)」
割れたグラスのこと、エリザベスに言わないほうが良いよ。(さもないと)怒り狂うと思うから!
似た英語表現
ここからは、shouldやhad betterのように「〜したほうがいい」「〜すべき」のような提案・忠告などを表す英語フレーズを紹介します。
may as well
may (might) as well は口語表現でよく用いられます。
他に選択肢がないときに「こっちのほうが良いんじゃない?」と言ったニュアンスで使用されます。「〜したらどう?」という控えめな提案表現です。
mayよりもmightどちらも使用できますが、日常表現ではmightのほうが好まれる傾向があります。
なんだったらここで待ったら。
駅からタクシーに乗ったら。わたしが迎えに行くより早いだろうから。
B: I think it’s ten o’clock.
A: Uh-huh. We may as well eat in town before it, then.
A: その映画、何時に終わるの。
B: 10時かな。
A: あぁ、それなら映画の前に、食事をしておいたほうがいいね。
注意すべきは、may(might) as well とmay(might)の意味の違いです。
may ( might ):〜かもしれない
例えば、以下の文では「分厚いウォーキング用の靴下が必要かもしれない」と言っていて、「買ったほうが良い」とは言っていないことに注意しましょう。
ハイキングに行く前に、良さそうなブーツを買っておいてね。もしかしたらウォーキング用の靴下も必要になるかもしれないよ。
be supposed to
be supposed to は日常会話で、ネィティブスピーカーが多用する表現です。
意味は、(規則・過去の発言などにより)「〜することになっている」「 〜しなければならない」といったニュアンスです。
誰もその事を話してはいけない。(話さないことになっている)
私は何をすればいいのですか。(何をすることになっているのか)
be supposed toは日本語に訳すのが難しいですが、ニュアンスを知って使いこなせれば一気に英語らしい表現になります。
need to
need toは「〜する必要がある」 「〜しなければならない」という意味ですが、必要性の程度はmustやhave toよりも弱い表現です。
「〜したらいい」と譲歩をしたり、「〜しなきゃ」と主張を強調するときに使われます。
あなたは真実を話せばいいだけだ。
彼に会いに行く必要があるよ。
didn’t need toを使用する場合、口語では強勢の場所によって意味合いが変化することがあります。
私は早起きをする必要はなかった。
needに 強勢がない場合:不必要とわかっていたので、早く起きなかった。
まとめ
「すべき」の英語表現shouldとhad betterの違いは、以下のようになります。
had betterは悪い結果を避けるための、切迫した忠告
had betterはとても強い表現で、ともすると忠告や警告のように取られてしまいます。何かをアドバイスしたくなったらshouldを使うのが無難でしょう。
また、状況に応じて以下の英語表現も取り入れてみましょう。
be supposed to:状況から適当と判断して「〜することになっている(ので、したほうが良い)」
need to:軽い必要性を伝えて「〜する必要がある(ので、したほうが良い)」
相手に「〜した方が良い」と提案やアドバイスをするだけでも、様々な表現があります。可能な限り、伝えたいニュアンスに近い英語表現を選んで英語学習を楽しみましょう!

◇経歴
・四年制大学の英語専科を卒業
・アメリカ通信高校の卒業を目指す生徒のコーチング1年
・都内進学塾にて英語講師(早慶クラス担当)3年
・東京のインターナショナル幼稚園にてスクールマネージャー3年
・公立中学校英語科教諭4年
・小中学校のALT(外国籍英語指導者)の補助、英語通訳(現在)
◇資格
・TOEIC 880点
・英検準1級
◇海外渡航経験
留学経験はありませんが、インターナショナル幼稚園でのスクールマネージャー時代は、同僚の先生はみんなネイティブ。
日本人スタッフも生徒もオールイングリッシュだったため、海外のような環境で勤務していました。
◇自己紹介
こんにちは!ライターの横石あいです。留学経験はありませんが、日常英会話は問題なし!
今まで英語に関わる仕事にかかわりながら、英語力を磨いてきました。
こちらの記事では、30年以上の英語学習歴を活かして「今日から使える英語フレーズ」をわかりやすく解説しています。
ネイティブキャンプさんのような学習ブログやオンライン英会話を利用すれば、ネイティブと会話できるほどの英語力は身に付きますよ!
一緒に英会話力アップを目指しましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.