英語で「仕事」と言いたい時、何といえばよいでしょうか?真っ先に思いつくのが「work」ではないかと思いますが、「仕事」を表す英単語は、他にも「job」「business」「task」など、様々なものがありますよね。
特に「work」と「task」は、日本語に訳すと同じ「仕事」となりますが、指す内容はかなり違います。
「仕事」を意味する表現は他にもたくさんあるので、場面や状況に応じて適切に使い分けられるようにしましょう。
taskとworkの違い
「task」は「作業」や「業務」と訳すこともでき、割り当てられた具体的な作業を表す言葉です。
それに対して「work」は、働くこと全般を指します。
「work」が「働くこと」を表す、非常に広い意味の単語であるのに対し、「task」は、具体的な業務のみを指す、狭い意味の単語であることを把握しておきましょう。
taskの意味と使い方
「task」は、ラテン語で「税」を意味する言葉に由来する単語です。
そのため、「義務として課された仕事」という意味合いが強く、「割り当てられた具体的な作業」や、「制限期間内に終えるべき作業」を表現する時に使われる単語です。必ずしも「報酬が発生する仕事」を意味するわけではなく、無償の労働に対しても使われる言葉です。
現在たくさんの業務に追われています
この仕事 [業務] は17時までに終わらせる必要があります
風呂掃除が一番嫌いな仕事だと言う若者が多い
「task」は可算名詞であるため、「tasks」と複数形にすることができます。
ちなみに、英語圏では「17時」という言い方より、「午後5時」という言い方の方が一般的なので、併せて覚えておきましょう。
また、taskは名詞だけではなく「課す、酷使する」という意味の動詞として使われることもあります。
罰としてトイレ掃除を課された
workの意味と使い方
「work」は広義の「仕事」で「働くこと全般」を指す単語です。
目標を成し遂げるために、肉体的・精神的に尽力することを表します。「仕事」という意味の名詞としてだけではなく、「働く」という意味の動詞としても有名ですよね。
workも、報酬や賃金の発生する労働・発生しない労働の両方に対して使うことができます。
具体的な例文を見ていきましょう。まず、「仕事」という名詞としては、以下の例文のように使います。
家事は大変な仕事です
夫は失業中です
「task」が可算名詞であるのに対し、「work」は不可算名詞です。「a」をつけたり、複数形にしたりはできないので覚えておきましょう。
ちなみに動詞としてのworkには、以下のような使い方があります。
彼女は教師として働いています
パソコンがちっとも動かないんだ
きっとうまくいくよ!
「職業に就いて働く」という用法を知っている人は多いと思いますが、「機械がうまく動作する、物事がうまくいく」という用法は盲点になりがちです。
特に「It will work!(きっとうまくいくよ)」や、「It works!(うまくいってるよ!)」という表現は、ネイティブスピーカーの会話でよく使われるので、ぜひおさえておいてください。
仕事や職業を表すその他の単語
このセクションでは、「task」や「work」以外の、「仕事」や「職業」を指す表現を紹介します。
job
「job」は、taskやworkと違い、基本的に「報酬が発生する仕事」を指します。
また、workが仕事全般を表す広い意味の単語であるのに対し、jobは具体的な職業を表す時によく使われます。
アルバイトやパートを表す「part-time job」、正社員を表す「full-time job」というフレーズもおさえておきましょう。また、就職活動の場面でもjobがよく使われます。
就職活動の最中なんです
「job search(就職活動、職探し)」は「job hunt」と言い換えることもできます。
「仕事」という意味の名詞としてはほかに、以下のように使います。
彼女は今仕事中です
新しい仕事を見つけることができたよ
career
「task」「work」「job」との違いに注意したいのが「career」です。
日本語でも「キャリアに傷がつく」などという表現でおなじみの単語ですよね。ただ、発音としては [kəríər](キャリーア)というように、カタカナ語と違ってアクセントが後に来る単語なので注意しましょう。
「carrier」は「来歴」・「経歴」、そして「生涯」という意味のある単語なので、特に「一生の仕事」というような意味合いで使われます。
彼は学者という仕事を選んだ
彼女は結婚後も仕事を続けたいと言っている
business
「business」は「ビジネス」というカタカナ語とほぼ同じ意味で、主に営利目的の事業を指し、特に長期に渡る仕事や規模が大きい仕事に対して使われます。
他にも「企業」や「景気」など、ビジネスに関する幅広い内容を指す単語です。具体的には、以下のような例文で使われます。
出張で大阪に行ったよ
彼は新しい事業を始めようとしている
「business trip(出張)」はぜひ覚えておきたいフレーズです。また、新しい事業を始める時に出てくる「launch(ローンチ)」という単語もぜひおさえておきましょう。
また、「business」という単語に関して覚えておきたいのが、「Mind your own business.(余計なお世話だよ / あなたには関係ないでしょ)」というフレーズです。
「business」には「事柄」という意味もあるため、「自分自身のことだけ気にしていればいい」というような意味ですが、かなりイライラしている時にしか使わないので、自分ではあまり多用しないようにしましょう。
occupation / profession
「職業」という意味でよく使われるのが、「occupation」や「profession」という単語です。
フォーマルな場面で「ご職業は何ですか?」と聞くとき、「What is your occupation?」ともいいますし、「What is your profession?」ともいいますよね。どちらもやや堅い言い方だということは分かると思いますが、違いが分かりにくいかもしれません。
「occupation」は、「規則的に従事し、そのための訓練を受けた職業」を指します。
それに対し、「profession」は、「専門職」とも訳され、弁護士・医師・教師などのように、専門的知識を必要とする知的な職業を指す時に使います。
そのため、基本的には以下のように使い分けます。
私の職業は公務員です
彼女の職業は医者です
しかし、どんな職業にも、専門的知識は必要なものです。そのため、知的な職業を表す時も「occupation」を使うこともあります。
彼の仕事は医療分野の研究者です
for a living
「お仕事は何をされてますか?」と聞くときに、「occupation」や「profession」を使った言い方は、少し堅すぎるかもしれません。
日常会話として相手に職業を聞くときは、以下のような表現を使います。
お仕事は何をされてますか?
ただ、日本人には「何をしていますか?」という意味に聞こえてしまう表現です。
そのため、はっきり「職業について聞いている」と明示したい時は、以下のように言うといいでしょう。
お仕事は何をされていますか
直訳すると「生きるために何をしていますか?」となる表現ですが、「生活するために何をしているか」「生きる糧を得るために何をしているか」という意味で、職業について尋ねている表現です。
まとめ
「task」と「work」の違いとしては、「task」は「作業」や「業務」を表す狭い意味の単語であるのに対し、「work」は仕事全般を指す広い意味の単語であるということがいえます。
特に「task」は、義務的な意味が伴う表現です。
「仕事」というと、報酬をもらうことが前提のように考えがちですが、「work」も「task」も、報酬が発生しない労働にも使える単語です。
特にworkは、「目標を達成するために肉体的・精神的に尽力すること」を意味します。
日本語で言う「ライフワーク」は、英語では「 life’s work」といいます。英語も、使わないと忘れていくものなので、英語学習も一生ものといえます。ぜひ英語学習を「your life’s work」にしてほしいと思います。
◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.