日本語にも似た意味を持つ言葉がたくさんあるように、英語でも似た単語がたくさんあります。今回ご紹介する「whole」と「entire」も、本当によく似ていますから、「違いがわからない」「うまく使い分けられない」という人も多いでしょう。
この2つの英単語は非常によく似ているのですが、実は和訳した時には気づけない小さなニュアンスの違いがあるので、場合によっては使い分けが必要です。
そこで今回は、whole と entire の違いを例文も用いながら詳しくご説明していきます。Whole と entire に似た言葉である「all」についても触れながら比較していくので、これを参考にすれば、whole も entire も上手に使えるようになるでしょう。
「Whole」「Entire」「All」の意味とは?
まずは英和辞典で「whole」「entire」「all」の意味を確認し、見比べてみましょう。
・Entire:全体の、全部の、無傷の、完全な、まったくの、そっくりそろっている
・All:全体の、全部の、あらゆる、すべての、最大の、みな
こうして和訳を見てみると、この3つの単語にはどれも「全体」「すべて」「全部」といった意味が含まれていることがわかります。しかし、それぞれ微妙に異なる和訳もあることから、ニュアンスや使い方に違いがあることも見てとれますね。
それでは、その違いとは一体何なのでしょうか。
「Whole」「Entire」「All」の使い分け
「Whole」「entire」「all」の3つはとても似た言葉ではありますが、それぞれにニュアンスの違いがあります。
特に「whole」「entire」と「all」を比べると、大きな違いがあるので、しっかり使い分けが必要です。ここからは、この3つの単語の使い分けについてご説明していきます。
Whole, Entire vs All
「Whole」と「entire」はかなり似た意味を持ちますが、「all」だけは、この2つと明確な違いがあるため、まずは「whole」「entire」と「all」の違いについて解説します。
これで、少なくとも「all」については使い方に迷うことはなくなるはずです。
では、以下の例文を見比べてみましょう。
・I ate the whole cake.
・I ate the entire cake.
この文章を見て、まず気づくのは「all」を使った文章は、ケーキの部分が複数形になっているということではないでしょうか。これが、「whole」「entire」と「all」の明確な違いです。
「All」というのは複数ある何か、もしくは不可算名詞であれば一定量ある何かを指して、「それら全て」ということを表す表現です。つまり、上記の文章ではケーキは複数あって、その全てを私が食べたということを言っています。
対して、「whole」と「entire」にくっついているケーキは単数形になっています。この2つの単語は1つの何かを指して、「その全体」「そのすべて」ということを言っているんですね。
これで、「all」は「whole」「entire」などと混乱せずに使い分けることができるでしょう。
WholeとEntireの違いとは?
上記の例文と解説を見ると、「結局 whole と entire は同じ意味なのでは?」と思う人もいるでしょう。
実は、この2つとても意味が似ていて、ほぼ同じ意味を持っています。ネイティブスピーカーでも、意味の違いはあまりないと言うくらいです。
では、もう一度上記の例文を見比べてみましょう。
・I ate the entire cake.
この2つの例文は、どちらも「1つのケーキを丸ごと全部食べた」ということを言っています。
しかし、通常この文章を言うときには「whole」を使うでしょう。1つの理由は、「entire」の方がほんの少しだけ堅い雰囲気があるから。そしてもう1つの理由は、「entire」というのは「どこも欠けていない」というニュアンスがあるからです。
もし、「entire」を使うなら、自分の他に誰も一口も食べなかったのかもしれません。「whole cake」と言っている場合は、誰か他の人が一口くらい味見したとしても「whole cake」と言います。
(言葉の厳密な意味としては上記のような使い分け方をしますが、「I ate the whole cake alone and didn’t give a single bite to anyone.(私はケーキを一人で全部食べてしまい、誰にも一口もあげませんでした)」という文章は有り得ます。)
日本語で表すと難しいのですが、「whole」と「entire」のニュアンスの違いを表すと下記のような感じになります。
・Entire:どの部分も省かれておらず完全であること
ケーキで考えるとちょっとニュアンスの違いがわかりづらいので、もう1つ例文を作ってみました。
・I spent my entire life practicing karate.
(私は一生を費やして空手を練習しました。)
和訳にすると意味が同じになってしまうのですが、「whole」を使った文章では一生をまるっと一塊にして、「生涯の全部」と言っています。
一方、「entire」を使った文章だと、たとえば人の一生は幼少期や思春期、青年期など部分部分で分けることがありますが、そのどれも欠けることなく「生涯の全部」と言っているわけです。
つまり、「whole」と「entire」は和訳すると同じになるほど意味が近いのですが、どこに焦点をあてているのか、何を意識しているかで使い分けることがあるのですね。
「まるごと」という感じなら「whole」、「どのパーツもかけることなく」というニュアンスなら「entire」の方がしっくりくるという風に覚えれば、わかりやすいかもしれません。
まとめ
今回は、「whole」「entire」「all」の違いをご紹介しましたが、まだまだ混乱してしまうという人もいるでしょう。
文中でも繰り返しているとおり、「whole」と「entire」は非常に似ているため、ネイティブでも違いがわからないくらいです。そのため、「whole」と「entire」については、使い分けができなくても、意味さえわかれば問題ありません。
しかし「all」は「whole」「entire」とはニュアンスが違うため、ここの使い分けはしっかりしておきましょう。
ただ、「whole」と「entire」は同じように使えるとは言え、「the entire cake」とはあまり言わないように、どんな場面でどちらをより使うかという傾向はあります。
ですから、たくさん英語を読んだり聞いたりして、その傾向を掴むのがおすすめ。ネイティブキャンプの講師にもお願いして、例文を作ってもらったりすれば、より理解しやすくなるはずです。
上手に使い分けがしたいという人は自習もしつつも、ぜひネイティブキャンプの講師たちのことも頼ってみてくださいね。

◇経歴
・英日翻訳および翻訳校正
・Webライター(ジャンル:英語・留学・旅行など)
・英会話講師
・カスタマーサポート/コールセンター(イギリスおよび日本・英語使用)
・カフェ店員(イギリス)
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇留学経験
・イギリス:約10ヶ月(ロンドン内語学学校)
・グアテマラ:約3ヶ月(アンティグア内語学学校)
◇海外渡航経験
・イギリス:合計5年弱(内1年10ヶ月ワーホリ)
・グアテマラ:合計9ヶ月
合計50カ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で翻訳者兼Webライターとしてフリーランスをしています。これまで手がけた記事は1万記事以上。翻訳経験は通算7年位になります。
21歳の頃語学留学で渡英し、その後ワーホリビザ等を取得し、数年ロンドンで働いていました。
グアテマラへのスペイン語留学経験もあります。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.