修正・変更・訂正の英語表現……使い分け方がわかりますか?

修正・変更・訂正の英語表現……使い分け方がわかりますか?

「資料のミス、修正しておきました!」
英語ではどのような表現になるのでしょうか?修正は“revise”, ”modify” それとも……?

「ミーティングの時間を変更することは可能でしょうか?」
“change”を使わないで言えますか?

日本語でもそうですが、英語では類型表現による言い換えは必須です。また、似たような言い回しを知っておくこと、そしてそれらを使い分けることが英語上級者への第一歩と言えます。

今回は主にビジネスで用いられる「修正·変更·訂正·改良」の英語表現についてご紹介いたします。

変更の英語表現

まずはじめに「変更」を意味する英語表現を見ていきましょう。

最も一般的な表現は”change”で、様々なシーンで使うことができます。今回はそんなchangeに代わる表現として

·alter
·switch
·reschedule

の3つとその他の類似表現をご紹介いたします。

alter

changeの言い換えとして最も一般的なのは”alter”かもしれません。日本語で言う「変える」と「変更する」のように、alterの方が若干丁寧です。

We’ve had to alter some of our plans.
我々はこれまでにいくつかの変更をしなければなりませんでした。

switch

言われてみれば簡単なものでも、使うとなると難しいのが英語です。

おそらく”switch”という単語はほとんどの人が知っているでしょうが、パッと思いつかない人も多いのではないのでしょうか。

switchは「切り替える」、「(見た目などが)ガラッと変わる」というニュアンスで、文脈によって「変更」という意味で使うことができます。

You can switch the plans whenever you want.
いつでもプラン変更が可能です。

reschedule

次にご紹介するのは”reschedule”です。

一部のビジネスパーソンにとっては「リスケする」でもはや日本語化しているかもしれません。

「スケジューリングし直す」、「予定を再調整する」という意味で、冒頭の「ミーティングの時間を変更することは可能でしょうか?」はこのrescheduleを使うのが最も一般的だと言えます。

Is it possible to reschedule the meeting?
ミーティングの時間を変更することは可能でしょうか?

「何日に」、「何曜日に」などの「に」の部分には”on”ではなく、”for”が使われるため注意が必要です。

Can I reschedule my appointment for Thursday?
予約を木曜日に変更できますか?

その他の表現

直接「変更」を意味するわけではありませんが、特に「スケジュールの変更」に関連があるその他の表現をご紹介いたします。

instead of

上のrescheduleで「AからBに変更した」と言う場合は”instead of”が使えます。

Can I reschedule my appointment for Thursday instead of Friday?
予約を金曜日から木曜日に変更できますか?

postpone, push back

“postpone”と”push back”は「延期する」、「(時期を)後ろ倒しにする」という意味の表現です。postponeの方が若干フォーマルな言い回しです。

The deadline has been pushed back two weeks to 30 May.
締切は2週間伸びています。

bring forward

“bring forward”は”push back”の対義語で「前倒しにする」という意味です。

The deadline has been pushed back by two weeks.
締切は2週間前倒しになっています。

修正·訂正の英語表現

続いてご紹介するのは「修正·訂正」を意味する英語表現です。

この章では

·fix
·modify
·revise
·amend
·correct

の5つの表現について解説しています。

fix

修正を意味する英単語で最も使い勝手がいいのは”fix”ではないでしょうか。

I’ve fixed the document!
資料のミス、修正しておきました!

のように使うことができます。若干カジュアルな言葉なので、相手によっては以下に紹介する”modify”か”revise”を使うとよいでしょう。

modify

“modify”は、厳密には「部分的に修正した」という意味で使われることが多いです。

I would be grateful if you could check the document that I have modified some points you had mentioned the other day.
先日ご指摘いただきました箇所について修正いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。

revise

“revise”も「修正する」を意味する単語の内の一つです。

名詞形”revision”の”vision”という言葉から分かるとおり、「見直す」というイメージがあります。そのため動詞として使う場合は、「見直す」、「見直しを図る」という訳があてはまることも多いです。

We may need to create a revised marketing plan.
マーケティングプランの見直しを図る必要がありそうだ。

modifyとほぼ同じ使い方ができますが、「全面的に見直す」のニュアンスの時はreviseを使うとより正確な場合があります。

I realised that I would have to revise my life plan.
人生プランを見直す必要がありそうだ、ということに気がついた。

また一般的に、
·データ
·価格、値段
·見積もり
·本

などの場合にはreviseを使うことの方が多いです。なお、「見直す」のイメージから「復習、復習する」の意味もあります。

amend

“amend”も「修正する」を意味する単語ですが、使う機会よりも目にする機会が多いかもしれません。

なぜならamendは通常、法律に関わるような文書を修正する場合に使われるからです。

The Diet is to vote to amend the constitution.
憲法改正のための投票が国会で行われる予定です。

※The Diet: (日本の)国会
※the constitution: 憲法

身近な例で使う機会があるとすれば、契約書や規約のようなものかもしれません。

もし、プレゼンで使う資料や配布するレジュメを修正したという場合は、先ほどのfixやmodify、reviseが適切でしょう。ただし、「修正版」を意味する”the amended version”は一般的にもよく使われます。

correct

この章で最後にご紹介する”correct”は「修正」よりも「訂正」に近い意味を持つ言葉です。

「正解/不正解」を英語では”correct/incorrect”と言い、correctを動詞として使う場合は「誤りを正す」=「訂正する」という意味になります。英語学習に関して言えば、

I would like you to correct my sentences/mispronunciation.
添削していただきたいです。/発音を直してほしいです。

のように使うことができます。

ちなみに、「修正液/修正テープ」を英語では”correction fluid/correction tape”と言いますが、誤りを正すという意味では「訂正液/訂正テープ」の方がふさわしいかもしれませんね。

改良の英語表現

最後に「改良·改善」を表す英語表現を4つご紹介いたします。

upgrade

「改良」という日本語に最も適した英語は”upgrade”でしょう。

upgradeの核となるイメージは、
·物理的な変更
·より生産的になる
·実際的な利益
·便利さ

などが挙げられます。したがって、主に機械やテクノロジー、プログラムに関連したものに使われることが多い言葉です。

We’ve made upgrades to the air conditioning system.
冷暖房システムを改良しました。

improve

“Improve”は「改善」を意味する最も一般的な英単語でどのようなシチュエーションでも使うことができます。

I did everything I could to improve the working environment.
職場環境改善のためにできることは全てしました。

get better

フランクな間柄では「改善」の意味で”get better”を使うこともできます。

She's getting much better at pronouncing English words.
彼女の英語の発音はだいぶ良くなってきている。

また、”better”は実は単体で動詞としても使うことができます。ただし、主に「自分の問題点や悩みを改善する」という文脈で使用します。

“How to better yourself”や”How to better your posture”(※posture: 姿勢)など、“How to better ~ “で調べるとあなたの悩みが解決できるかもしれません。

refine

最後にご紹介する「改良·改善」を意味する表現は”refine”です。

refineは既に解説した他の表現と少し異なり、「悪い部分を改めて良いものにする」というよりも「既によい部分をより良くする」というニュアンスがあります。

We are constantly refining the designs of our products.
我々は常に自社製品のデザインに磨きをかけています。

余談ですが、「磨きをかける」で”brush up”という表現を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、brush upは「(錆びついてしまったものを)磨き直す」のようなニュアンスで、以下のように使います。

I thought I'd better brush up (on) my English before joining the company.
入社前に英語力を磨き直した方がいいと思った。

修正·変更·訂正の英語表現まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「修正·変更·訂正·改良」の英語表現についてご紹介いたしました。

冒頭で述べたとおり、類義語での言い換えは一般教養として重要視されます。

仕事でメールを打っていて「同じ表現ばかり使ってしまっている……」と思ったら、類義語を調べてみたり、英会話のレッスンで類型表現を聞いてみたりすることで表現の幅が広がるのではないでしょうか。