「it would be」の使い方!「~だといいな」をwishより口語的に

「it would be」の使い方!「~だといいな」をwishより口語的に

今回の記事では、ネイティブスピーカーの日常会話でよく使われる、「it would be」を使った英語表現について紹介します。

友達と会話しているときに、「いつか一緒に旅行できたらいいね」「老後は自然が豊かな場所で住みたいな」などと、具体的に動きだしてないけれど何となく思っている願望を話したりすることはありませんか?そういうときに、例えば「it would be nice to ~」を使って表現することがよくあります。

「〜だといいな」「できたらいいな」という願望を英語で伝える表現として、「I wish〜」や「I hope~」などの表現は知っているものの、「it would be」を使った表現は馴染みがないと思う人や、「would」は「will」の過去形として覚えているけれど、用法がいまいち理解できないという人も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、そんな「it would be~」の使い方や「would」の用法・ニュアンスを、例文を通じてわかりやすくお伝えしていきます。ぜひ例文を音読しながら記事を読み進めてみてください。

「it would be」と「wish」の違いとは?

wouldの用法

中学英語において、「would」は、助動詞「will」の過去形という形で習った人が多いと思いますが、実は、「would」は、過去だけでなく現在について表現する場合もあり、用法は、下記のように多岐にわたります。

「過去の習慣(よく〜したものだった)」
「過去の強い意志(どうしても〜しようとした)」
「丁寧な依頼・勧誘 (〜してくださいませんか・しませんか)」
「控えめな意志(~するつもりがあります)」
「控えめな推量(〜だろう)」
「仮定法(〜であれば~だろう)」など

I would often go swimming in the river with my friends when I was a child.
小さい頃はよく友達と川遊びをしたものだった。 【過去の習慣】



He wouldn’t change his mind even when his reputation was in eclipse.
彼は、評判が地に落ちた時でさえも、考えを変えようとしなかった。)【過去の強い意志】

Would you mind making me cup of coffee?
コーヒーをいただけませんか?)【丁寧な依頼】

I would go there if possible.
可能であれば、そちらへ行くつもりだ。【控えめな意志】

I would like to change my room.
部屋を変えたいです。【控えめな意志】

It would be difficult to accept your request.
ご要望に答えるのは難しいと思われます。【控えめな推量】

If I were you, I would not marry him.
私があなたなら、彼とは結婚しないのに。【仮定法】

I wouldn’t do it.
私だったらそんなことはしない。【仮定法】

「would」は、「will」の過去形としての意味もありますが、時制が過去形になることで、「今(=現実)との距離感」というニュアンスをもち、丁寧で控えめな表現になります。

これは、「shall」や「may」などの他の助動詞も同様で、「should」や「might」という過去形を取ることで、丁寧さや控えめさを表す表現になります。

今回ご紹介した、「would」のたくさんの用法を一気に理解するのはすごく難しいと思いますので、「Would you like to~」は「〜するのはどうですか」を意味するなどというように、まずはフレーズとして様々な意味を覚えていき、その中で様々な用法のニュアンスをつかんで行くのがいいでしょう。

it would be使い方

さっそく、it would beをどう使うのかみていきます。

「it would be」は、「nice」や「great」など、ポジティブに肯定する意味をもつ動詞を伴い、「it would be nice to ~」「it would be great to ~」という形をとることで「〜できたらいいだろうな」という未来に向けた願望を表します。
願望という点で口語で「〜だといいな」を表すことができるのがit would beを使うときの意味ということを覚えましょう。

It would be nice to quit my job and go on a round-the-world trip.
仕事を辞めて世界一周旅行ができたらいいな。

It would be great to have money to burn.
お金が果てしないほどあればいいのになあ。

It would be perfect to take a break here on the way up to the north.
北部方面へのドライブの途中で一休みしたら最高だろう。

ここで、「would」は「〜だろう」という未来における推量を意味し、To以下の内容がもし実現できたら、「素晴らしいだろうな」「良いだろうな」という願望を表現しています。

would beとwill beの違い

ここで、「would be」ではなくて、「will be」を使ってもいいのではないか?と疑問に思う人もいるでしょう。

「would be」と「will be」は、いずれも未来に対する推量を表現しますが、「would」は「will」よりも「控えめな」「弱い」「確信度が低い」推量を表すという違いがあります。

前述の通り、「would」は時制が過去形になることで、「今(=現実)との距離感」というニュアンスを持つため、断定的な表現ではなく、控えめな表現になります。

It will be a pleasure to work with you.
あなたと働くことになって嬉しいです。

It would be a pleasure to work with you.
あなたと働くことができたら幸いです。

「It will be a pleasure to ~」そして「It would be a pleasure to ~」のいずれも「嬉しいだろう」という未来の感情についての推量を表現していますが、上の例文の表現は、すでに「あなた」と働くことになることが決まっているような場合に使うのに対して、下の例文は、「あなた」と働くようになる未来があるかどうかわからないような場合に使います。

このように「will be」は比較的に確からしい未来について表現するのに対して、「would be」 は比較的不確定な未来について推量する表現になります。

「would be」と「will be」の違いをお伝えしましたが、ネイティブスピーカーは、「will」よりも「would」を使うことが多いです。It would be betterの使い方でも、そんなだったからいいんだけどというニュアンスが含まれています。

「would」は丁寧で控えめな表現ですので、特に、接客のシーンやそこまで親しくない間柄の人と話す場合に使われます。

it would be niceとwishの違い

「wish」は、「it would be nice/great ~」と同様に「〜したい」という願望を表します。

「I wish to do ~」という形で「~したい」という、wantに近い意味をフォーマルに表現したり、「I wish I could~」という仮定法の形で叶う可能性が低いあるいはほとんどない願望について表現することもあります。

Click Yes if you wish to confirm.
確認する場合、「はい」ボタンをクリックしてください。

I wish I won the lottery.
宝くじが当たればいいのになあ。

「wish」と「it would be nice/great~」はいずれも、願望を表しますが、「wish」が「~という状態を手に入れたい」というニュアンスの、比較的強めな願望であるのに対して、「it would be nice/great~」は「~という状態が手に入ると嬉しい」というニュアンスの少し控えめな願望になります。

また、「it would be nice/great~」は口語表現でよく使われます。

it would be を使った様々な表現

ここまでで、「it would be nice/great~」を使った願望の表現をお伝えしました。

ここでは、さらにwould beの使い方に慣れていく練習をします。「it would be」を使った、願望以外の、様々な表現をみていきましょう。

「it would be possible 」「〜することは可能であろう」
Would it be possible for you to change the location?
場所を変更してもらうことは可能でしょうか?

「it would be difficult/hard」「〜することは難しいだろう」
It would be difficult/hard for the participants to come on a weekday.
参加者が平日に来場することは難しいだろう。

「it would be best」「〜することは最適であろう」
It would be best to take a look at the website beforehand.
事前にウェブサイトを確認しておくと良いでしょう。

「it would be a good idea 」「~することが良いだろう」
I think it would be a good idea to speak to the manager first.
先にマネージャーに伝えておくのが良いだろう。

it would be nice if ~はより丁寧な表現に

it would be nice if 使い方

「it would be nice if ~」は、仮定法のif節を取ることで「〜だといいな」を意味します。他人に何かを依頼するときに使うなど、「it would be nice to ~」という表現よりも丁寧な表現になります。主語を変えて、That would beにしても意味は同じです。

It would be nice if you could help me.
私を手伝っていただけると嬉しいです。

It would be nice if you could send me the documents by the end of this week.
今週末までに書類を送っていただけると助かります。

It would be nice if there were more opportunities like that in Tokyo, too.
東京にもそのような機会がもっとあったらいいのになあ。

it would be 形容詞 if を使った表現

「it would be nice if」以外の表現もみていきましょう。

「it would be great if ~ 」「〜であると素晴らしい」
It would be great if you could come to Japan.
日本にいらっしゃっていただけると嬉しいです。

「it would be wonderful if ~ 」「~であると素晴らしい」
It would be wonderful if everyone could share.
みんなで配分できたら素晴らしいですね。

「it would be appreciated if ~」「~していただけますと幸いです(=感謝されるだろう)」
It would be greatly appreciated if you could visit my office.
もし私のオフィスに来ていただけますと幸いです。

「it would be helpful if ~ 」「~していただけると助かります」
It would be helpful if you could help me.
手伝っていただけると助かります。

「it would be better if ~ 」「~ するほうがいいでしょう」
It would be better if we discussed this matter again.
この問題について再度話し合えると幸いです。

相手との距離感に応じて使い分けよう

「it would be 形容詞 if ~ 」の表現は、非常に丁寧でフォーマルな表現になります。友達同士で会話しているときに使うのは不自然な表現で、ビジネスなどのかしこまった場で使われます。

ビジネスにおいても、組織内の関係性によっては少し丁寧すぎると受け取られる場合もありますので、相手の使っている言葉遣いや状況を踏まえて使い分けてください。

it would be(〜だといいな)の使い方 まとめ

今回の記事では、「would」の用法やニュアンス、そして「it would be」を使った様々な英語表現を紹介しましたが、参考になりましたか?

「〜だといいな」という願望を表す表現は、「it would be nice~」以外にも多岐に渡ります。ネイティブスピーカーのように、表現ごとのニュアンスの違いを理解し、状況に応じて使い分けができるといいですね。

ニュアンスの違いを体得するには、頭で理屈を理解するよりも、例文をたくさん音読するなど、繰り返しアウトプットすることで感覚的に理解することが重要です。

ぜひオンライン英会話などで、今回紹介した例文を繰り返し活用してみることで、英語表現を自分のものにしましょう!

今回ご紹介した表現に限らず、同じ意味に対して、複数の英語表現を理解しておくことは、スピーキングやライティングにおいて非常に重要です。それにより、微妙な意味のニュアンスを伝えることができますし、また単調でない豊かな表現をすることができます。

普段の英語学習において、似たような表現を関連づけて覚えたり、ニュアンスの違いを調べてみることを意識することで、ネイティブスピーカーの感覚を身につけていきましょう。