「want to」の意外な意味と使い方は?ネイティブ感覚の提案法

「want to」の意外な意味と使い方は?ネイティブ感覚の提案法

英語を学習していると、同じ表現でも覚えていたのとは異なる意味や使い方に出くわすことが多々あるでしょう。知らないのが理由で、相手の言ったことを勘違いしてしまったり、理解できなかったりといったこともあるのではないでしょうか?

英語学習者なら誰もが知っている「want to」も、いくつかの異なる意味を持つ表現の1つです。頻出する表現なので、ぜひ覚えておきたいところですよね。

そこで今回は、「want to」の意味や使い方を、例文を混じえて紹介していきたいと思います!

「want to」は「~したい」以外の表現がある

「want to」と聞くと、「~したい」という欲求を伝えるイメージがありますよね?

しかし、ネイティブスピーカーの人たちは「~したい」という意味以外にも日常会話で「want to」を使っています。

この「want to」の別の意味や使い方を知らずに、「~したい」という意味だけで解釈していると、相手が意図していることを理解できなくなってしまいます。

本記事では「~したい」以外の2つの意味と使い方について解説していきますので、しっかり使い方をおさえて、正確に意味を汲み取れるようになりましょう。

「want to」の意味・使い方1:お願い・依頼

1つ目の使い方が、

Do you want to ~?

~してくれない?

とお願いをしたいときです。

Do you want to close the door?

ドアを閉めてくれない?

のように、「can you~?」と同じように使われます。

「want to」を「~したい」と訳してしまうと、「ドアを閉めたいと思いますか?」となってしまいます。「ドアを閉めたいかどうかなんて、なんでわざわざ聞いてくるの?」と、とても違和感がありますよね。

この場合は、したいかどうかを聞いているのではなく、何かしてほしいことがあるときに相手にお願いするという意味で使われます。

なお、相手に依頼をするときには「Would you 〜?」や「Could you 〜?」も使えます。「~していただけませんか?」と丁寧な言い方で、目上の人やフォーマルな場で使うのに適しています。

一方、「Do you want to 〜?」は「~してくれない?」とカジュアルな言い方で、友達など対等な立場の人に使うのに便利です。

(例文)

Do you want to pass me the hammer there? My hands are full now.

今手が離せないからそこに置いてあるハンマーを取ってくれない?

Do you want to talk about this tomorrow? It’s getting late.

もう遅いから話し合いは明日にしてくれない?

Do you want to go buy some chicken at the grocery?

スーパーに行って鶏肉を買ってきてくれない?

Do you want to help me prepare the presentation materials for the meeting? I don’t think I can make it.

間に合いそうにないから会議の資料の準備を手伝ってくれない?

Would you think about this plan with me?

一緒にこのプランについて考えてくれませんか?

Would you check that shop out with me sometime?

今度あのお店の下見に付いてきてもらえませんか?

Could you help me walk? I broke my leg.

足を折ってしまったので、手を貸してもらえませんか?

「want to」の意味・使い方2:提案

2つ目の使い方が、

Do you want to go to a restaurant tonight?

今夜レストランに行かない?

のように、

Do you want to~?

~しない?

と相手に提案をするときにも「want to 〜」が使われます。

同じように相手を誘ったり提案するときに「Would you like to 〜?」が使われますが、「Do you want to〜?」の方がより口語的でカジュアルです。

また、

Do you want me to carry your baggage?

君の荷物を持とうか?

のように、「Do you want」の後に「me」を付けると、自分から相手に「~しようか?」と提案するという意味になります。

「Would you like me to 〜?」や「Shall I」、「Should I 〜?」は「~しましょうか?」という丁寧な表現ですが、「Do you want me to 〜?」はカジュアルな表現になります。

ちなみにネイティブスピーカーは、

You want me to keep your seat?

席を取っておこうか?

のように、最初のDoを省いて「You want me to~?」と表現することもあります。

また、

You want to take a shower after getting in the sea.

海に入った後はシャワーを浴びた方がいいよ。

のように、「You want to ~」で「~した方がいい」と相手に助言をするときにも使われます。

「should」と使い方は似ていますが、「You want to 〜 」は相手にはっきり「~した方がいい」と助言をするというニュアンスがあり、よりカジュアルな表現になります。

加えて、

You may want to use this tool in that case.

その場合はこのツールを使ったらどうでしょう?

のように、「want to」の前に「may」や「might」を付けると「~した方がいいのでは?/~したらどうでしょう?」とやわらかい表現になり、初対面の人などあまり面識のない人や、目上の人にも使うことができます。

(例文)

Do you want to go get some party goods at the shopping mall?

ショッピングモールにパーティーに使うグッズを買い物に行かない?

Do you want me to prepare for tomorrow's event instead of you?

君の代わりに明日のイベントの準備をしておこうか?

Do you want me to get you anything cold to drink at the convenience store?

コンビニに何か冷たい飲み物を買いに行ってこようか?

You want to review it before the exam.

試験の前にもう一度復習をしておいた方がいいよ。

You want to avoid eating sweets because they are not good for your health.

体に悪いから少し甘いものを控えた方がいいよ。

You may want to take a little break because you don’t look well.

顔色が悪いので少し休憩を取ったらどうでしょう?

You may want to bring another bag for the trip.

旅行にはもう1つバッグを持っていったらどうでしょう?

「you don't want to」にも同じような意外な使い方が

「want to」の否定形の「You don’t want to 〜」は、

You don’t want to touch the box.

その箱に触らない方がいいよ。

のように、「~しない方がいい、やめた方がいい」と相手に助言をするときにも使われます。

「want to」のときと同じように「~したくない」と訳してしまうと、「あなたは箱を触りたくない。」となり意味がわからなくなるので、しっかり区別しましょう。

なお、「~しない方がいい」という同じような意味で「should not 〜」や「had better not 〜」も使われるので、ついでに覚えておきましょう。

should not 〜

~するべきでない

「You don’t want to 〜」よりもやや強い表現

had better not

~したらダメだ

「should not 〜」よりもさらに強制感が強まり、それをすると危険が及ぶときに使われる

(例文)

You don’t want to hear the bad rumors about Kate. That’ll make you feel bad.

気分が悪くなるからケイトの悪い噂は聞かない方がいいよ。

You don’t want to go to that shop. It doesn’t have a large selection of items.

あのお店は品揃えが悪いから行かない方がいいよ。

You don’t want to use that product. That’s not effective at all.

あの製品は全然効果がないから使わない方がいいよ。

You don’t want to go to crowded places.

人混みには行かない方がいいよ。

You don’t want to go out late at night.

あまり遅い時間に出歩かない方がいいよ。

You don’t want to bike when it’s snowy. It’s dangerous.

雪の日は危ないから自転車に乗らない方がいいよ。

You shouldn’t be late for work like this.

こんな風に仕事に遅れない方がいいですよ。

You had better not use your smartphone that much.

そんなにたくさんスマートフォンを使ってはいけません。

意外な意味を持つ「want to」を使ってネイティブスピーカー感覚の表現を!

では今回の記事のまとめです!

1つ目:相手にお願いをするときに使うパターン

Do you want to~?
~してくれない?

2つ目:相手に提案するときに使うパターン

(相手を誘うとき)

Do you want to~?
~しない?

(相手に提案するとき)

Do you want me to~?
~しようか?

3つ目:相手に助言をするときに使うパターン

You want to ~
~した方がいい

You don’t want to ~
~しない方がいい

いかがでしたでしょうか?

「want to」は「~したい」と訳すという固定概念があると、相手が言っている意味がわからなくなってしまいます。今回解説した2つの使い方を習得して、柔軟にネイティブスピーカーの人の感覚で使いこなしていきましょう!