「日常英会話はなんとかなるけど、いつも同じ表現ばかり使ってしまう」……そんな風に悩んでいる人は英語の慣用句を覚えれば、悩みが解消するかもしれません。
ですが、そもそも「慣用句ってなに?」と思っている人もいるかもしれませんね。英会話において、慣用句を覚えておくことはとても大事。
そこで今回は、英語の慣用句について、どういったもので、どんな種類のものがあるのかをご紹介していきます。英会話の表現力に悩んでいる人や、慣用句がよくわからない人は、ぜひ参考にしてくださいね。
英語の「慣用句」ってどんなもの?
「慣用句」という言葉を知らない人でも「イディオム」なら聞いたことがあるのではないでしょうか。実は英語の慣用句とは、イディオムのことなんです。
でも、そもそも「慣用句」という言葉が何を指すのかを知らない人のために、まずは日本語で言う「慣用句」がなにかをご説明します。
デジタル大辞泉(小学館)によると、慣用句とは
『二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの。』
だそうです。これだけだと、「それって熟語じゃないの?」と思う人もいるでしょう。
日本語で言う熟語は、2文字以上の漢字が結合して一語になるもので(幸福・勉強など)、慣用句は「頭が固い」「猫の手も借りたい」などのようなものです。
つまり、熟語は使われている漢字見たままの意味になっていますが、慣用句は実際の状況とは異なる表現になっています。
「頭が固い」というのは、物理的に頭が固いということではなく、考え方が狭かったり、物事を受け入れられない人のことを言いますよね。また、「猫の手も借りたい」と言いながら、本当に猫ちゃんの手を借りる人はいないでしょう。
英語には漢字がないので、英熟語は日本語の熟語と少し違いますがイメージは似ています。
たとえば、「get on(乗る)」はよく使われる英熟語の1つですが、バスや電車などに「on(触れている・くっついている)」状態を、get(得る)と考えれば、元々の単語のイメージのまま、熟語として使われていることがわかりますね。
では慣用句の方はどうなのかというと、おそらく初めて見た慣用句は、意味がわからないでしょう。
たとえば “a piece of cake” という表現は、かなりよく使われる慣用句ですから、意味を知っている人も多いかと思います。しかし、もしも何も知らずにこれを見たら「一切れのケーキ」と思うのではないでしょうか。
実際には「簡単」という意味の表現ですから、元々の「一切れのケーキ」とは全く意味が違っていますよね。こういうものを、慣用句というのです。
もっとイメージを掴めるように、いくつかとてもよく知られている英語の慣用句の例を挙げておきます。
▪when pigs fly(あり得ないこと)
▪time flies(時間があっという間に過ぎること)
▪speak of the devil(噂をすれば影)
▪under the weather(気分がよくない)
▪ring a bell(聞き覚えがある)
▪pain in the neck(めんどくさい)※”pain in the ass”と同義語ですが、neckの方が綺麗な表現です
▪cup of tea(好み)※イギリス英語表現
▪cats and dogs(土砂降り)
どれも、直訳するとよく意味がわかりませんよね。
”ring a bell” なんかは、文脈で意味がわかるかもしれませんが、何も知らずに ”when pigs fly” なんて言われても、「豚が飛んだときって???」となる人も多いでしょう。
“Cats and dogs” もなかなか面白い表現ですよね。なぜこれが、土砂降りという意味になるのかとても不思議です。
「イディオム」「熟語」「慣用句」の細かい違いや定義は、ここではあまり気にせず、今回ご紹介する慣用句とは、こういうシンプルな単語が使われているのに、パッと見ても意味がわからない表現のことだと思ってください。
ここで少し余談!
下記記事では、よく混乱される「最近」の英語表現についてまとめています!頻繁に使用する表現なので、幅広く言い表せるようにしましょう♪
日常英会話でどのくらい慣用句が使われるのか
ではこうした慣用句は、日常英会話でどのくらい使われているのでしょうか。
実はネイティブスピーカー同士の会話だと、かなり頻繁に使われています。英語のネイティブスピーカーは慣用表現が好きなのかな?と思うほど、本当にたくさん出てくるんです。
どのくらい使われているかな?と思い、さまざまなYouTube動画や海外ドラマを見て検証したのですが、かなりナチュラルに出てくるので、どのくらいと明確に弾き出すことができませんでした。
このあたりは話者にもよりますが、たとえば3分程度の英語の動画を見ていて、3つか4つ出てきたこともあるほど、自然に使われる表現なんです。
普通の熟語とは違い、使われている単語から意味を予測できないのが、慣用句の面白いところであり、難しいところでもあります。
使えるようになっておけば、ネイティブスピーカーと会話する時にかなりスムーズになりますし「この人は英語を話せるんだな」と思ってもらえるきっかけにもなるでしょう。
また、こうした慣用句が存在していることを知っていれば、英会話中や英語の本を読んでいるときに、1つ1つの単語は全部知っているのに、文章の意味がわからないというとき、「これは慣用句だ!」と気づくことができます。
それに気づければ、意味を辞書などで調べることができますから、ただ気づけるようになることにも価値があるのです。
よく使う慣用句の例文フレーズ集
英語の慣用句がどんなものかは大体わかったでしょう。
もし、もこうした慣用句を見つけたら、辞書などで調べてみるとその意味と使用例がチェックできるはずです。と言っても、一つ一つ調べるのは大変ですし、雰囲気をつかんでいただくために、ここでもいくつか日常会話でよく使われる慣用句を使ったフレーズをご紹介します。
Piece of cake(簡単)
A: You’ve finished your homework already? That was fast.
B: Yep, it was really a piece of cake.
A: もう宿題終わったの?早かったね。
B: うん。本当に簡単だったからね。
Time flies(あっという間に時が過ぎる)
A: I can’t believe your daughter is already 10 years old!
B: Neither can I, but you know, time flies…
A: あなたの娘がもう10歳なんて信じられないわ!
B: 私も信じられないけど、時間ってあっという間ね。
Cup of tea(好み)
A: Did you see Dragon Ball last night?
B: No, Japanese anime isn’t my cup of tea.
A: 昨夜ドラゴンボール見た?
B: ううん。日本のアニメは好みじゃないんだ。
When pigs fly(あり得ないこと)
A: I swear I won’t be late next time!
B: Yeah, yeah, when pigs fly.
A: 次は絶対に遅刻しないって誓うよ。
B: はい、はい。そんなのあり得ないけど。(=またどうせ遅刻するでしょ)
ここでまた少し余談!
下記記事では、「also」と「too」の違いについてご紹介しています!こちらも頻繁に使用する言葉なので、その違いについてよく理解しましょう♪
まとめ
今回は英語の慣用句とはどういうものなのかをご説明しましたが、これをきっかけに、慣用句の勉強を始めてみよう!と思って頂ければ嬉しいです。
余談ですが筆者は英語の慣用句がとても好きです。私は英語を使って仕事をしていますが、未だに英語を聞いたり読んだりしているときに「ん?今のはどういう意味?」となることがあります。そういうものは大抵慣用句なんですね。
ちなみに最近知った慣用句は “butterflies in my stomach” 。これ、どういう意味だと思いますか?
正解は「緊張してそわそわ落ち着かない感じ」です。なんとなくわかるような、わからないような……ですよね。
本当に英語って奥が深いし、慣用句って面白いなと思った瞬間でした。みなさんもそんな英語を楽しみながら学んでくださいね。
慣用句については、やはりネイティブスピーカーの講師に教わるのが一番なので、ネイティブキャンプで慣用句を習いたくなったら、ネイティブ講師を予約してみましょう。
(今回ご紹介したようなよく使われる慣用句なら、ノンネイティブの講師でも十分対応できるかと思います。)
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。