韓国語の間接話法とは?様々なパターンを解説

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他人から伝聞した事を第三者に伝える時や他人の言葉を引用する時に使う、「直接話法」「間接話法」という2つの話法。この単語を聞くとまず、英語のthatやifを思い浮かべるのではないでしょうか。

英語では時制があったり、語順が変わったり頭を悩ませたものですが、韓国語は英語よりずっと簡単なので安心してください!

今回は、これをマスターすると会話力が格段にアップする、韓国語の間接話法について詳しく見ていきたいと思います。

 

間接話法とは?

直接話法とは、文字通り他人の言葉をそのまま伝える話法の事です。

そして、その反対の間接話法とは、他の人から伝聞した事を話し手の立場から間接的に伝える話法を言います。

例)
直接話法:聡は「君が悪い」と言った。
間接話法:聡は僕が悪いと言った。

実は、日本語は直接話法と間接話法の違いがほとんどない言語だと言われています。

一方韓国語はというと間接話法という文法がきちんと存在し、勉強が中級にさしかかった頃に学習することになります。

 

1.伝える文が平叙文 「~だと言っている」

 

まずは基本の平叙文の間接話法です。各品詞によって少しずつ文型が変わりますので例文とともにしっかり確認していきましょう。

 

動詞 「-ㄴ/는 다고 하다」

 

パッチㇺの無い語幹には「-ㄴ」
パッチㇺのある語幹には「-는」

例)
天気予報で雨が降ると言っているので、傘を持っていきなよ。  
(イㇽギエボエソ ピガ オンダゴ ハニッカ ウサヌㇽ チェンギョ。)
일기예보에서 비가 온다고 하니까 우산을 챙겨.

学生の中から一人だけ選ぶんだそうです。
(ハクセン チュンエソ ハン ミョンマン ポンヌンダゴ ヘヨ)
학생 중에서 한 명만 뽑는다고 해요.

形容詞 「-다고 하다」

形容詞はパッチㇺの有無に関係なく、語幹に「-다고 하다」をつけます。

例)
お母さんが足が痛いとおっしゃっています。
(オモニケソ タリガ アプシダゴ ハセヨ)
어머니께서 다리가 아프시다고 하세요.

目上の人が言っていたことを伝える時は、尊敬を意味する「시」をつけます。

 

名詞 「-(이)라고 하다」

 

パッチㇺの無い語幹には「-라고」
パッチㇺのある語幹には「-이라고」

例)
隣の家のおじさんはお医者さんだと聞きました。
(ヨプチプ アジョシヌン ウィサ ソンセンニミラゴ トゥロッソヨ)
옆집 아저씨는 의사 선생님이라고 들었어요.

このように하다部分を듣다(聞く)に変えることも可能です。

「~ではない」という名詞の否定形も一緒に覚えておきましょう。否定には「-이/가 아니다」を使うので、間接話法では「-아니라고 하다」の形になります。

例)
犯人は彼じゃないと言います。
(ボミヌン ク サラミ アニラゴ ヘヨ)
범인은 그 사람이 아니라고 해요.

この「-(이)라고 하다」は、他人から伝聞したことを伝える間接話法以外に自己紹介でも使うことができます。

例)
私の名前はユナと言います。
(チェ イルムン ユナラゴ ハムニダ)
제 이름은 유나라고 합니다.

 

過去形 「-았/었다고 하다」

 

例)
2人は別れたと言うのによく一緒にいますね。
(トゥリ ヘオジョッタゴ ハヌンデ チャジュ カチ インネヨ)
둘이 헤어졌다고 하는데 자주 같이 있네요.

未来形 「-겠다고 하다」

この場合の「겠」は「~だろう」という推測や「~するぞ」という未来への意思を表します。

例)
主人が今日は人が多いだろうと言うので行かない事にしました。
(ナㇺピョニ オヌルン サラミ マンケッタゴ ヘソ アン カギロ ヘッソヨ)
남편이 오늘은 사람이 많겠다고 해서 안 가기로 했어요.

一人でやるんだと言うから任せてみよう。
(ホンジャソ ハゲッタゴ ハニッカ マッキョボジャ)
혼자서 하겠다고 하니까 맡겨보자.

 


ここで少し余談!

下記記事では、韓国語のおススメの勉強法をご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪

 

nativecamp.net

 


 

伝える文が疑問文 「~かと言っている」

 

誰かが尋ねてきた内容を第三者に伝える時や、きちんと聞き取ってもらえずもう一度質問しなおす時に使います。

 

動詞 「-(느)냐고 하다」

 

“으시” “었” “겠” の形の後には「-냐고」「-느냐고」どちらでもOK。
その他の動詞はすべて「-느냐고」

辞書によると上記の様になっていますが、実際の会話では「느」はほぼ略されます。

例)
A:先生が何ておっしゃいましたか?
(ソンセンニミ ムォラゴ ハショッソヨ?)
선생님이 뭐라고 하셨어요?

B:明日誰が参加するのかと質問されました。
(ネイㇽ ヌガ チャㇺソカ(ヌ)ニャゴ チルムン ハショッソヨ)
내일 누가 참석하(느)냐고 질문하셨어요.

A:今何て言いましたか?
(パングㇺ ムォラゴ ヘッソヨ?)
방금 뭐라고 했어요?

B:どこに住んでいるのか尋ねたんですよ。
(オディエ サ(ヌ)ニャゴ ムロッソヨ)
어디에 사(느)냐고 물었어요.
※住む=살다 ㄹの脱落

 

形容詞 「-(으)냐고 하다」

 

ㄹ語幹とパッチㇺの無い語幹には「-냐고」

ㄹを除くパッチㇺのある語幹には「-으냐고」

辞書によると上記の様になっていますが、実際の会話では「으」はほぼ略されます。

A:ミンジュが何だって?
(ミンジュガ ムォラゴ ヘッソ?)
민주가 뭐라고 했어?

B:明日の授業に何が必要かってさ。
(ネイㇽ スオべ ムォガ ピリョハヌニャゴ ㇺロッソ)
내일 수업에 뭐가 필요하냐고 물었어.

A:ウンヒさんが何ですって?
(ウンヒ シガ ムォラゴ ヘッソヨ?)
은희 씨가 뭐라고 했어요?

B:日本の家は東京から遠いのかと聞いてきたんですよ。
(イㇽボン チブン トキョエソ モニャゴ ムンヌンコ ヨッソヨ)
일본 집은 도쿄에서 머냐고 묻는 거 였어요.
※遠い=멀다 ㄹの脱落

 

名詞 「-(이)냐고 하다」

 

パッチㇺの無い語幹には「-냐고」

パッチㇺのある語幹には「-이냐고」

A:今何て言いましたか?
(パングㇺ ムォラゴ ヘッソヨ?)
방금 뭐라고 했어요?

B:これは私のかと言いました。
(イゴスン ネ コニャゴ ヘッソヨ)
이것은 내 거냐고 했어요.

 

過去形 「-았/었 냐고」

 

A:お医者様がなんておっしゃいましたか?

(ウィサ ソンセンニミ ムォラゴ ハショッソヨ?)
의사 선생님이 뭐라고 하셨어요?

B:最後にいつ薬を飲んだのかとおっしゃいました。
(マジマゲ オンジェ ヤグㇽ モゴッニャゴ マㇽハショッソヨ)
마지막에 언제 약을 먹었냐고 말하셨어요.

 

未来形 「-ㄹ 거냐고」

 

A:お客様がなんとおっしゃいましたか?
(ソンニミ ムォラゴ ハショッソヨ?)
손님이 뭐라고 하셨어요?

B:あの商品はいつ入荷するのか尋ねました。
(チョ サンプムン オンジェ トゥロオㇽ コニャゴ ムロッソヨ)
저 상품은 언제 들어올 거냐고 물었어요.

 

その他

 

どうかと=어떻냐고(オットンニャゴ)
どこかと=어디냐고(オディニャゴ)
誰かと = 누구냐고(ヌグニャゴ)
何かと = 뭐냐고(ムォニャゴ)
いつかと=언제냐고(オンジェニャゴ)

 

伝える文が命令文 「~しろと言っている」

 

動詞・現在形のみ 「-라고 하다」

 

例)
お母さんが宿題を全部やってから遊べと言う。
(オンマガ スㇰジェルㇽ タ ハゴ ナン ティ ノㇽラゴ ハショッソ)
엄마가 숙제를 다 하고 난 뒤 놀라고 하셨어.

警備のおじさんがここに駐車するなとおっしゃいました。
(キョンビ アジョシガ ヨギエ チュチャハジ マㇽラゴ ハショッソヨ)
경비 아저씨가 여기에 주차하지 말라고 하셨어요.

 

伝える文が勧誘文 「~しようと言っている」

 

動詞・現在形のみ 「-자고 하다」

 

例)
スミン姉さんが来週集まろうと言っています。
(スミン オンニガ タウㇺ ジュエ モイマジャゴ ヘヨ)
수민 언니가 다음 주에 모임하자고 해요.

先生が、うるさいので窓を開けないようにしようとおっしゃいました。
(ソンセンニミ シクロウニッカ チャンムヌㇽ ヨルジ マㇽジャゴ ハショッソヨ)
선생님이 시끄러우니까 창문을 열지 말자고 하셨어요.

 

「-달라고 하다」と「-주라고 하다」

 

「~してください」という依頼を表す「-주세요(ため口では줘)」。これを間接話法にする際には、주다という動詞を捨て「-달라고 하다」という全く別の形をとります。

では「-주라고 하다」は存在しないのかというと、これは「~してあげてと言う」という別の意味で使うことができるんです。

これは「주다」という動詞が「もらう」の意も「あげる」の意も持っている単語ゆえに起こってしまう現象です。

間違えやすい「-달라고 하다」と「-주라고 하다」の違いを、絵を見てきちんと理解しましょう。

AさんがBさんにボールペンを貸してくれと言っています
(A シガ B シハンテ ボㇽペヌル ピㇽリョプタㇽラゴ ヘヨ)
A 씨가 B 씨한테 볼펜을 빌려달라고 해요.

先生がBさんにボールペンをAさんに貸してあげなさいと言っています
(ソンセンニミ Bシハンテ ボㇽペヌル Aシハンテ ピㇽリョジュラゴ ヘヨ)
선생님이 B 씨한테 볼펜을 A 씨한테 빌려주라고 해요.

  • -달라고 하다=~してほしいと言う
  • -주라고 하다=~してあげてと言う

 

省略形

これまで説明してきた基本の形をマスターしたら、次に一緒に覚えて欲しいのが省略形です。

口語では、ほぼ省略した形が使われますので、聞き取って理解する為にもこの省略形はとても大事です。

〈基本形〉

-다고 해요 -냐고 해요 -라고 해요 -자고 해요

 

〈短縮形〉

-대요 (-냬요) -래요 -재요

 

〈年下や友達に対するタメ口〉

-대 (-냬) -래 -재

※文法上はこの様になっていますが、냬요・냬は口語で使われることはまずありませんので例文は省きます。

例)
ウンヨンさんは明日行けないそうです。
(ウンヨン シヌン ネイㇽ モッ カンダゴ ヘヨ) → (ウンヨン シヌン ネイㇽ モッカンデヨ)
은영 씨는 내일 못 간다고 해요. → 은영 씨는 내일 못 간대요.

お母さんがこのお金で美味しいもの買いなさいって言っています。
(オンマガ イ トヌロ マシヌン コ サラゴ ヘヨ) → (オンマガ イ トヌロ マシヌン コ サレヨ)
엄마가 이 돈으로 맛있는 거 사라고 해요. → 엄마가 이 돈으로 맛있는 거 사래요.

ヨンジンが一緒に映画見に行こうって。
(ヨンジニガ カチ ヨンファ ボロ カジャゴ へ) → (ヨンジニガ カチ ヨンファ ボロ カジェ )
영진이가 같이 영화 보러 가자고 해. →영진이가 같이 영화 보러 c_red가재.

 


ここでまた少し余談!

下記記事では、韓国語初心者がやりがちな間違った勉強法をご紹介しています!正しい勉強法を押さえていきましょう♪

 

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おわりに

 

第三者から聞いた事を話したり、テレビやインターネットで得た情報を伝えたり、間接話法は日常生活の中でごく自然に、そして頻繁に使っているものです。

つまり、間接話法をマスターすればそれだけ会話の幅が広がり、コミュニケーション能力も上がるという事。

中級の要となる間接話法はサラっと流さずに、ぜひゆっくり時間をかけ正しく覚えて欲しいと思います。