ここ数年で「AI (Artificial Intelligence:人工知能)」という言葉を含む商品やサービスを目にする機会が増えました。
受験や成績アップの学習システムしかり。英語学習に特化したAI搭載英語学習アプリも登場しています。
そうした流れの中、Apple Store でも、Google Play でも、2020年11月に教育カテゴリで売り上げランキング1位に輝いたAI英語教材が、abceed (エービーシード),です。
アプリ学習に興味がある!
どんな人に向いた教材なのだろう。
どうやって使うのだろう。
ここでは、そんな疑問に答えていきたいと思います。
1.abceedとは
abceedは、AI教材アプリです。「豊富な人気英語教材の中からあなたに最適な単語や問題をレコメンドし、最短での英語力UPを支援する」英語教材です。
具体的には、200以上の電子化された「市販されている英語学習書籍」がコンテンツとなり、音声の再生や、問題の自動採点といった機能を提供するアプリです。
つまり、これまで「英語を勉強しよう!」と思い立ち、「どの教材がいいかな?」と選定し、本屋さんなりで購入し、付属の音源をスマホに取り込み、本を片手に音源を聴きながら問題を解いて…と、していたことが、このアプリひとつの中で完結します。参考書を持ち歩く必要もありません。
また、従来の紙学習では、それぞれの書籍/教材の世界に慣れる必要がありましたが、abceed内では各テキストがアプリに最適化され、共通のフォーマットで見やすく、整えられた音声で聞きやすくなっているので、教材を跨いだ学習が各段にしやすくなっていると言えるでしょう。
ざっとネット上の情報を見ると「TOEIC対策」が前面に出ているように思えますが、扱っている学習教材には英検対策や会話重視のものもあります。
【補足】
2021年3月のアップデートでAIが英検対策にも対応するようになりました!学習分野として英検の各級(1~5級)を選択できます。また、レベル診断テストやその結果に基づいた問題レコメンド機能も英検に対応しています。
新聞記事も提供されているので、日々英語学習に取り組みたい方、TOEIC/英検に限らず英語力をUPしたい方にもおすすめです。
以下、項目②ではどんな利用プランがあり、どういう人に向いているのか、また、項目③④では各プランのおすすめ機能やその使い方について、解説していきたいと思います。
2.abceedの使い方は大きく分けて2種類
abceedは、「あの人気教材をスマホでも」がコンセプトのアプリなので、AndroidやiPhone/iPadで使うことができます。
また、2020年12月にはWebブラウザバージョンがリリースされたので、現在はPCでも使うことができます。メールアドレスをアカウントに登録していれば、デバイスを跨いで学習データを引き継げます。リスニングはスマホで身軽に、リーディングはPC画面でじっくり、という取り組み方ができるようになりました。
【参考外部リンク】
https://www.globee.io/news/20201216.html
AI英語教材 abceedがWebブラウザ上で利用可能に!
「abceed web」リリースのお知らせ
2020.12.14 プレスリリース
けれども、ここでいう「使い方」はそうしたデバイスの話ではなく、用意されている利用プランについてです。
2-1.無料プラン
abceedには、有料プランと無料プランの2種類があります。
【補足】
以前はもっと細かく課金プランがありましたが、2021年3月現在は、有料 or 無料、の2種類となっています。
無料プランで利用できる主な機能は、以下の3点です。
l 音声データの再生機能
l 自動採点マークシート機能
l 学習時間計測機能
既に教材(書籍)を持っていて、音声をスマホ等のデバイスで再生したい、アプリ上で問題を解いて採点して欲しい、という場合は、この無料プランで十分です。音声を無料でダウンロードできる教材は130タイトル以上あるので、リスニング教材を探している方にもよいですね。
オフィシャルサイト(https://www.abceed.com/)のトップページに教材の表紙が並んでいるので、持っている参考書や気になる教材があるか探してみてください。アプリの場合は、画面下部の「見つける(虫眼鏡マーク)」から教材一覧に行けます。
書籍によっては無料体験で何問か問題を解けるようになっているので、その無料の範囲で学習することが可能です。教材の購入はアプリ内でも、ブラウザのストアからも、可能です。紙版の定価より割引価格になっているものがほとんどで、教材によっては半額以下のものもあります。
既に紙の書籍を持っていて、その電子化データを購入したい場合、書籍の写真を送ることで割引が適用される「紙割」という制度もあります。
つまり、手軽に色々な音声教材を聞きたい人、すでに教材を持っている人、数冊の教材にじっくり取り組みたい人には、この無料プランがおすすめです。
2-2.有料プラン
abceedには、無料プランの他に有料プランがあります。有料プランでは、すべての機能を使うことができる上、すべてのコンテンツへのアクセスが可能です。いわゆるAI学習機能をいかした効率的なアプリ学習を進められるのは、こちらのプランです。
【補足】
2021年3月現在、有料版は月額1400円~、となっています。
すべての教材・機能を3日間無料でお試しできます。
有料プランで利用できる主な機能は、無料プラン対応機能にプラスして、以下のものがあります。
l 教材使い放題
l 予測スコア&問題レコメンド&詳細分析
l ニュース(The Japan Times Alpha)
l SW(スピーキング・ライティング)トレーニング
l MY単語帳、辞書、一括MY単語追加
l TOEICオンライン模試(いつでも・どこでも・何度でも)
【補足】
TOEICの公式問題集については、著作権などの関係で音声データが対応していません。マークシート機能はあるので、デジタルマークシートとして解答&採点、学習時間の記録、などは可能です。
中でも最大の特徴は、AIによる「問題レコメンド」にあります。学習者に最適な問題をAIが選んで出題してくれます。自分に不足しているものは何か、自分に合う教材はどれか、そうした分析&取捨選択をAIに丸投げできるのです。
つまり、abceed有料プランは、短期間で効率的に成果を上げたい人、明確なTOEICの点数目標がある人、決まった級の英検受験対策をしたい人、におすすめです。
3.手軽な英語音声教材としてのabceed
abceedを無料で使いたい、手軽な英語音声教材として使いたい、といった場合におすすめの機能についてご紹介します。
3-1.音声データの再生機能
abceedでは無料プランでも130以上の教材の音声データをダウンロードすることができます。いったん音声をダウンロードすれば、その後はオフライン環境でも使用できます。
それらの再生機能もただ再生する、というだけでなく、倍速にしたり、シャッフル再生したり、区間リピートで再生したり、と学習方法に合わせた再生が可能です。
音声データが無料でダウンロードできる教材の中には、英会話がテーマのものもあるので、TOEICや英検受験の予定はないけれど英会話の力をつけたい、といった方でも活用できると思います。
TOEICや英検を受験予定の方は、自分が持っていない教材のリスニングセクションを聞いて、どのくらい聞き取れるか確認する、といった使い方もできますね。音声のスピードを変えられるので、早め速度で再生して耳慣れしておいて試験本番に備える、といったことも可能です。
3-2.自動採点マークシート機能
書籍紹介ページに「マークシート」ボタンが表示されている場合、その教材でマークシート機能を使うことができます。
イメージとしては、紙の書籍に付属しているマークシートがデジタル化されていてアプリ上で解答&答え合わせができる、という感じです。紙の書籍を持っている方が有効活用できる機能だといえます。
マークシート機能は、自動採点のほか、解答にかかった時間や一般的な受講者の正答率なども出ます。こうしたデータは紙の書籍のみで学習を進める場合には入手できないものなので、アプリならではの利点ですね。
採点結果の詳細画面では音声の再生ができます。各問題に対しての解説も用意されていますが、解説を見るためには電子版テキストの購入が必要となります。
3-3.学習時間計測機能
abceedでは、日々の学習時間を記録してくれる機能が無料で使えます。
アプリで音声を聞いたり、問題に取り組んだりした時間を自動でカウントし、グラフに表示してくれます。
学習時間は日々の統計の他、先週比も表示されますし、教材別の学習分数などもリスト化されるので、学習に対するモチベーション維持に一役買ってくれるのではないでしょうか。
ここで少し余談!
下記記事では、同じくAIを使った英語学習アプリをご紹介しています!対人ではないので安心して勉強できますね♪
4.本格的なAI英語教材としてのabceed
abceedを本格的なAI英語教材として使いたい場合、abceedのコンセプトである「学習量 ✕ 学習効率を最大化する」を堪能したい場合は、有料プラン一択です。
有料プランでは、辞書機能やMY単語帳、SW(スピーキング・ライティング)トレーニングなど、英語学習に欠かせない機能が使えるようになるほか、教材が使い放題になります。
また、学習者の学習状況を分析し、効率的な学習を進められるように解くべき問題をセレクトし、レコメンドしてくれる機能や予測スコアを出してくれる機能は、AIの真骨頂ともいうべきもので、abceed最大の特徴と言ってもよいでしょう。
2021年3月のアップデートでは、英検の予測スコア(合格率)も出るようになりました。
以下では、有料プランで利用可能な機能のうち、おすすめのものを解説します。
4-1.問題レコメンド
英語学習をしていて、問題を解く場合に、その問題が簡単すぎても難しすぎてもやる気はなくなってしまいます。
自分で書籍を選んで学習を進めている場合、自分に合った問題を自分で判断しながらすすめないといけません。そのためには問題を一度は解いてみないといけません。色々な教材を購入して判断することもあるでしょう。それには多大な時間と労力がかかります。
一方、abceedの問題レコメンド機能を使えば、自分にちょうどよいレベルの問題が、複数の教材から、自動的に選ばれて出題されます。ちょうどいいレベルというのは「ギリギリ解けそうな問題」だそうです。具体的には、10問出されたうち7問正解、3問は難しい、そのくらいを狙って出題されるように工夫されています。
また、レコメンドする問題を選ぶ際、学習レベルだけが判断材料になっているわけではないそうです。AIは、日々の学習の積み重ねを見ながら、ベストな復習タイミングで過去に躓いた問題を再出題します。躓いたかどうかは、出題の正誤だけでなく、解答するのにかかった時間なども配慮されています。こうしたAIによる見守りと判断で、abceedは効率的に学習成果の定着をはかれるシステムとなっているのです。
4-2.予測スコアと詳細分析
英語学習が続かない要因のひとつには「継続できない」ということがあるかと思います。
モチベーションが続かない。
先が見えなくて嫌になってしまう。
…そうした心因的な問題解決の一助を担っているのが予測スコアと詳細分析機能です。いわば、問題レコメンド機能と合わせてabceedによるAI学習の両輪であるともいえるでしょう。
予測スコアは、レベル判定テストを受けるだけで算出されます。100万人の解答データを基にしていて、少ないパターンではたった5問に回答するだけでTOEICの予測スコアが出されます。また、レコメンドされた問題を解いていくと、その結果に応じて予測スコアはリアルタイムに更新されていきます。
【補足】
2021年3月に英検の各級についてもレベル判定テストを受けられるようになりました。英検の場合は予測スコアではなく合格率としてその結果が表示されます。
詳細分析では、TOEICのPart別(英検の場合は問題の種類別)に現在の評価、評価の推移、学習履歴などが確認できるので、自分の得意分野と苦手分野(Part)がわかります。
スコアの推移を見れば自分の成長がわかります。自分の成長が可視化されたグラフは、目標達成に向けてさらに一歩進む力を与えてくれるのではないでしょうか。
4-3.ニュース
TOEICや英検の受験予定はないけれど、日々英語に触れたい!英語力をアップしたい!という人におすすめなのがニュース機能です。
学習コンテンツは出版されている教材がベースとなっているので、新しい問題が日々どんどん増える、というわけにはいきません。興味のある分野の英語を中心に学習したい、ということもかないません。
けれどもニュース機能で提供されているのは、英字新聞The Japan Times Alphaのニュースやコラムなので、更新頻度は高く(週次)、また、世界情勢、スポーツ、芸能、サイエンス、ビジネス、と各分野の記事を選んで読むことができます。
そして、さすが音声データのabceedというべきか、全ての記事に音声がついています。学習コンテンツと同様に、再生速度の変更ができますし、SWトレーニング機能もついています。
つまり、旬の話題で、読む、聞く、話す、書く、の4技能をきたえることができるのです。
【補足】
個人的に感動したのは、音声データがアメリカ人・イギリス人の男性・女性の計4種が用意されているところです。日本で英語学習をしているとどうしてもアメリカ英語が中心となるので、イギリス英語が手軽に聞けるなんて!とプチ感動しました。イギリスへ留学や旅行の予定がある方、IELTSを受ける方、イギリスのドラマや映画が好きな方に、おすすめです!
ここでまた少し余談!
下記記事では、英作文能力伸ばせるをアプリご紹介しています!人に見てもらう前に能力を伸ばした方におすすめです♪
5.まとめ
音声インプットをたくさんしたい、効率的な学習をしたい、TOEICの点数を上げたい、英検に合格したい…そういう人々がそれぞれの学習に合わせて色々な使い方ができるアプリ、それがabceedと言えるでしょう。
abceed開発者は「英語はやれば誰でもできる」を信念に、「普通の人が普通に努力して英語ができるようになるサービスを提供したい」「途中で挫折しないよう学習モチベーションを高めるシステムをつくりたい」と、abceedの構想を得たそうです。
AIに背中を押してもらいながら英語学習を続けていきたいですね!
abceedを運営している株式会社Globeeは、noteを使った発信をしています。abceedの推し機能といったテーマの記事も掲載されているので、abceedを使う際の参考になるかと思います。
東京在住、元IT系で今は2児の母業に専念中。パッキング作業が大の苦手なのに数年に1回海外引越する生活が続き、日本に落ち着いた今でもたまに夢の中で荷造りしている。渡った先は欧州、南米、オセアニア…人生通算で一番長く住んだのは英国。中でもロンドンでモノクロフォトグラフィーにはまり暗室にこもっていた頃が一番の思い出。趣味はカメラとミシンと鉱物収集。形から入る派なのでモノが増えがち。ミニマリストな生活が夢。