少し複雑?韓国語で色を表現できるようになろう!

Korean

観光で訪れるだけなら、韓国語で色を言えなくても問題なく過ごせるでしょう。

red,black,blue...基本の色は英語でやり取りできてしまうからです。

しかし、せっかく韓国語を勉強しているのですから、英語に頼らずここはぜひ韓国語で挑戦したいところです。

「この靴の黒が欲しい」「これよりもう少し赤い口紅を下さい」など、自分の希望を韓国語で伝えられるようになればもっと会話が楽しくなりますよ!

韓国語の色の活用

韓国の色の活用は複雑です。

構造を理解しないでただ丸暗記していると、活用した時のパッチムの変化に対応できなくなってしまいます。

まずは一覧表を見てざっくりとどんなものがあるのか把握した後、それぞれ詳しく見ていきましょう。

形容詞名詞連体形~色
〈日本語白の例〉白い白い(+名詞)白色
하얗다(ハヤッタ)하양(ハヤン)하얀(ハヤン)하얀색(ハヤンセㇰ)
까맣다(カマッタ)검정(コムジョン)까만(ッカマン)까만색(ッカマンセㇰ)
빨갛다(パㇽガッタ)빨강(ッパㇽガン)빨간(ッパルガン)빨간색(ッパルガンセㇰ)
파랗다(パラッタ)파랑(パラン)파란(パラン)파란색(パランセㇰ)
노랗다(ノラッタ)노랑(ノラン)노란(ノラン)노란색(ノランセㇰ)
초록(チョロㇰ)초록(색)(チョロㇰ)초록색(チョロㇰセㇰ)
オレンジ주황(チュファン)주황(색)(チュファン)주황색(チュファンセㇰ)
ピンク분홍(プノン)분홍(색)(プノン)분홍색(プノンセㇰ)
보라(ボラ)보라(색)(ボラ)보라색(ボラセㇰ)

形容詞的な色の表現

まず一番左の列の形容詞的な色の表現ですが、これは面白い事に日本語と同じなんです。

何が同じなのかと言いうと、日本語で「黒い」「白い」という形容詞はあるのに「緑い」「紫い」が存在しない様に、韓国語の色の形容詞の有無も同じだという事です。

色を表す形容詞はすべてパッチム「ㅎ」が入っているため、不規則活用をします。

白いを意味する「하얗다」を例に見てみます。

例)

「옷이 너무 하야니 더러워질까 봐 못 입어요.(オシ ノム ハヤニ トロウォジㇽカバ モッイボヨ)」

「服がとても白いから汚れてしまいそうで着れません。」

「머리카락이 하얗게 되버렸어요.(モリカラギ ハヤッケ テボリョッソヨ)」

「髪の毛が白くなってしまいました。」

「얼굴이 하얘서 아픈 사람 같아.(オㇽグリ ハエソ アップン サラㇺ カッタ)」

「顔が白くて病人みたいだ。」

名詞的な色の表現

次は、「白」「黒」という色単体を表現する名詞です。

名詞ですので主語になることができますし、「赤鉛筆」の様に他の名詞に付けて使う事もできます。

表を見ると分かるように、「黒」の「검정」以外は「ㅎ」→「ㅇ」に変更すれば名詞になります。

黒に関しては独特な活用をしますので、後述の「白と黒」の部分で詳しく説明します。

例)

「빨강에다 파랑을 더하면 보라가 된다.(ッパルガンエダ パランウㇽ トハミョン ボラガ テンダ)」

「赤に青を加えれば紫になる。」

連体形

連体形とは、名詞の前についてその名詞を修飾する形です。「赤い靴」の「赤い」がそれに当たります。

日本語では形容詞の基本形と連体形が同じなのでそのまま名詞に付けて使えますが、韓国語では「ㄴ(パッチム有りの場合は은)」を付けて連体形を作ります。

例)

예쁘다(ィエップダ/綺麗だ) → 예쁜 옷(ィエップンオッ/綺麗な服)

작다(チャㇰタ/小さい) → 작은 집(チャグン チプ/小さい家)

これだけでもややこしいのですが、色を表す形容詞にはすべてパッチム「ㅎ」が付いているため不規則活用になり、「ㅎ」が脱落します。

하얗다→「ㅎ」が脱落して하야→連体形の「ㄴ」を付け하얀

では、形容詞が存在しない緑や紫はどのように名詞を修飾するのかというと、これは日本語から考えると分かりやすいと思います。

✖緑い木

〇緑の木(または緑色の木)

✖초록은 나무

〇초록 나무(초록색 나무)

そもそも形容詞が存在しないのですから連体化することもできません。

また、緑の木・緑色の木の「の」を表す「의」は韓国語では省略されます。

「~色」

「~色」と表現する場合には、連体形に色を意味する「색」を付けます。

つまり、「빨간색」は通常「赤色」と訳されますが、正確には「赤い色」という意味なんですね。

白と黒

韓国語では白と黒を表す単語がひとつではありません。

辞書を引くと、白は3つ、黒においては8通りもの表現が存在しました。

しかしその8通りの中には韓国人でも知らないものもあり、日常的に韓国人が使用する物としては実際は4つまで絞られます。

以下は、白と黒の活用を表でまとめたものです。中でも特によく使われるもの、覚えておいた方が良い表現は赤字で表記しています。

〈白〉  
形容詞名詞連体形~色
희다(ヒダ)흰(ヒン)흰색(ヒンセㇰ)
하얗다(ハヤッタ)하양(ハヤン)하얀(ハヤン)하얀색(ハヤンセㇰ)
허옇다(ホヨッタ)허영(ホヨン)허연(ホヨン)허연색(ホヨンセㇰ)

どちらかというと「희다」より「하얗다」の方が混じりけの無い「白」のイメージです。

「허옇다」は純白でない少し濁った白を表すので、あえて真っ白ではない事を伝えたい時にのみ使います。

例)

「피부가 참 하얘요.(ピブガ チャㇺ ハエヨ)」

「肌がとても白いです。」

「옷 색깔이 허옇게 됐네요.(オ セッカリ ホヨッケ テッネヨ)」

「服の白色がくすんでしまったね 。」

〈黒〉    
形容詞名詞連体形~色
검다(コムタ)검은(コムン)검은색(コムンセㇰ)
거멓다(コモッタ)검정(コムジョン)검정(コムジョン)검정색(コムジョンセㇰ)
까맣다(ッカマッタ)깜장(ッカムジャン)까만(ッカマン)까만색(ッカマンセㇰ)
꺼멓다(ッコモッタ)껌정(ッコムジョン)꺼먼(ッコモン)꺼먼색(ッコモンセㇰ)

「검다」は黒の総称的な表現で、「까맣다」は暗い深い黒のイメージです。

「거멓다」はややくすんだ黒で、これを強調したものが「꺼멓다」になります。

名詞化する時には「ㅁ」がパッチムに移動して代わりに「ㅈ」がついて「ㅎ」が脱落し「ㅇ」になる…とハングルが複雑な変化をします。

もうこれは頭で理解できるレベルの変化ではないので、考えるのはやめて黒という名詞は「검정」で覚えましょう。

「連体形」と「~色」の表現は3種類あり、どれもよく使われます。

自分が伝える分にはどれか1つだけ覚えておけば問題ありませんが、聞き取る為にはやはり赤字部分の言い方は覚えておいた方が良いと思います。

例)

「발바닥이 왜 이렇게 까매?(パㇽパダギ ウェ イロッケ カメ?)」

「足の裏がなんでこんなに黒いの?」

「하얀색을 샀는데 역시 검정색으로 바꿔주세요.(ハヤンセグㇽ サンヌンデ ヨㇰシ コムジョンセグロ パックォジュセヨ)」

「白を買ったんですがやっぱり黒に換えて下さい。」


ここで少し余談!下記記事では、韓国に伝わる迷信をご紹介しています!こんな迷信があるの!?とびっくりすると思います!ぜひご覧ください♪♪

nativecamp.net


漢字語として表現される色

日本語には音読みと訓読みがありますよね。

例えば「白」は、

音読み=ハク

訓読み=しろ

となります。

韓国語も同様に「白」には、

韓国固有の読み方=하얀(ハヤン)

漢字由来の読み方=백(ペㇰ)

と2つの表現方法があるんです。

韓国語を構成する単語のうち約6割が漢字由来の読み方をする「漢字語(한자어/ハンチャオ)」ですので、韓国語を勉強する時に常に漢字を思い浮かべる習慣を付けると、理解が早まるのでおススメです。

以下が漢字語として使われる主な色と、その色を使った単語です。

〈흑(フㇰ/黒)〉
흑돼지(フㇰテジ)=黒豚
흑인(フギン)=黒人
흑설탕(フㇰソㇽタン)=黒砂糖
흑맥주(フンメクチュ)=黒ビール ※ㄱ+ㅁの鼻音化で「ㅇ」の発音に

〈백(ペㇰ/白)〉
백곰(ぺッコム)=白クマ
백내장(ペンネジャン)=白内障 ※ㄱ+ㄴの鼻音化で「ㅇ」の発音に
백지도(ペㇰジド)=白地図
백설 공주(ペㇰソㇽ コンジュ)=白雪姫

〈청(チョン/青)〉
청바지(チョンパジ)=ジーンズ ※直訳:青ズボン
청소년(チョンソニョン)=青少年
청개구리(チョンケグリ)=青ガエル ※あまのじゃくを意味することも

〈적(ジョㇰ/赤)〉
적도(ジョㇰド)=赤道
적외선(ジョグェソン)=赤外線
적혈구(ジョギョルグ)=赤血球

「色」に関するフレーズ

さてここでは、観光や日常会話で役に立ちそうな色に関するフレーズをご紹介します。

「이 상품은 다른 색도 있나요?(イ サンプムン タルン セㇰ ド インナヨ?)」

「この商品は他の色もありますか?」

「검은색으로 찾고 있어요.(コムンセグロ チャッコ イッソヨ)」

「黒色で探しています。」

「조금 더 밝은 색 있어요?(チョグㇺ ト パルグン セㇰ イッソヨ?)」

「もう少し明るい色ありますか?」

「어떤 색이 인기가 많나요?(オットン セギ インキガ マナヨ?)」

「何色が人気ですか?」

「무슨 색을 좋아해?(ムスン セグル チョアへ?)」

「何色が好き?」

韓国の五方色

韓国の伝統的な基本色は青・赤・黄・白・黒の五色からなる「五方色」で、これは中国の「陰陽五行説」が元になっています。

自然界のあらゆるものは木・火・土・金・水の5つの要素で成り立っているというもので、5つの要素には色だけでなく、方位や季節、時刻、味覚、など様々なものを象徴しています。

この「五方色」は韓国の伝統衣装チマチョゴリや、寺院や宮殿などの伝統建築物、さらには料理にも取り入れられていて、韓国の文化や暮らしと深く結びついています。
注意深く見ていると色々な所でこの五方色を目にする事ができますよ。

日韓の色の概念

日韓の色に対する一般的な捉え方はとても似ています。

例えば、「黒」には負のイメージが強くお葬式に使われますし、反対に「白」には純や無垢のイメージから結婚式に使われます。

きゅうりや若葉を青々としたという意味で「青」を使って表現する点も日本語と同じです。(ただし青信号に関しては韓国では「초록불(チョロㇰブㇽ)」と緑を使用)

他にも、運命の相手と繋がっているという「빨간실(パルガンシㇽ/赤い糸)」という慣用表現もあります。

そんな中、大きく違うのが日本では「白」の対極に置かれる対象が「赤」なのに対し、韓国では「青」だという点です。

運動会は「백군(ペㇰグン/白軍)」と「청군(チョングン/青軍)」で戦いますし、歌合戦やクイズ大会なども紅白ではなく白チームと青チームに分かれて競います。

似ているけれど違うところもあって、やっぱり韓国語って面白い!

おわりに

一言に「色」と言ってもとても奥が深いですね。

全部を一度に覚えることは不可能ですので、まずは記事の中の身近な色から少しずつ会話に取り入れてみてください。

ここに紹介しきれなかった美しい表現の色が韓国語にはまだまだ沢山あるので、基本の色を習得したらぜひそれらにも興味を持って調べてみて欲しいと思います。