ワンマンカーやワンマン列車などといった単語で見かける「ワンマン」。
日常生活で見かけるけど、どういう意味だろう、と疑問を感じたことはありませんか?
こんな風に、日本語は他の言語をうまく取り込むことに非常に優れているので、もともとの意味を離れて独自の単語に変化してしまうこともよくあります。
そんな和製英語でおなじみの「ワンマン」。その意味や語源、日英での比較対象など、詳しくご紹介します。
- ワンマンってそもそもどんな意味?
- ワンマンを英語で言うと
- 日本と英語、比べて分かる表現の違い
- ワンマンに関する便利な英語フレーズ
- ワンマン〇〇ってどうなの?
- ワンマンに関する表現を無料レッスンで学んでみよう
ワンマンってそもそもどんな意味?
さっそく「ワンマン」を検索してみました。
最初にヒットしたのが、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の項目。
一部引用すると、ワンマンに関する説明は以下の通りです。
・英語の「 one-man」が語源。「1人だけの」ないしは「個人で」という意味。単独のグループ(バンド、コンビ、法人など)を含める場合もある。
・ワンマン運転 - バスや鉄道などの車内業務を一人で行う事(例として運転士が車掌の業務を兼用するなど)。
・上記が転じた「統括者が組織内で独裁的に物事を動かす」という意味(和製英語。ワンマン運転なら運転手が最高責任者で、乗客はその指示に従う義務がある。例:ワンマン社長・ワンマン経営)。
・ワンマンシアター - 個人試写室のこと。
・ワンマンショー - ミュージシャンやアイドルなどが、単独名義でライブや公演などを行うこと。単独のコンビなどグループ又は組織の場合でもワンマンである。
・ワンマンライブ - ミュージシャンやバンドが、単独名義でライブや公演などを行うこと。単独のバンドなどグループ又は組織の場合でもワンマンである。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3
それぞれの内容をまとめると、現代で使われる「ワンマン」には主に3つの意味があることが分かります。
・通常は2人以上で従事していた仕事(主にバスや電車の運行)をひとりで行う
・ひとりまたは単体で行う
・独裁的、思いのままに自分勝手なふるまいをする
もともとは1人で業務を行うという状況説明だったものが、独裁的なリーダーや協調性のないスタイルを指すネガティブな意味が派生したことが推測されます。
個人主義が当たり前の英語圏の人々に比べて、集団行動が基本の日本人は、単独行動を行う人にいい印象を持たなかったり、非難したりすることがよくあります。
その結果、1人でなにかをすることに対してネガティブな見方をしてしまうのでしょう。
このような日本語の「ワンマン」の特徴をふまえて、次は英語での意味を見てみましょう。
ワンマンを英語で言うと
日本語の「ワンマン」につづいて、今度は英語で検索してみました。
ちなみに英語で意味を検索するときのおすすめが「〇〇 define(定義)」や「how to say 〇〇 in English 」という風に入力すること。
知りたい単語の説明がすぐにヒットします。
今回は
「One man define」
「One-man define」
の2通りで検索。すると最初に出てきたのがこちら
参考:https://www.lexico.com/en/definition/one-man
一人の男、という文字が目に飛び込んできました。
続いて上の英文を見てみると、「ワンマンショーに代表されるような、1人だけで、関与、実行、運営すること。」とあります。
1人でなにかを行う、というシンプルな状況説明だと言えるでしょう。
その次に、「One-man」 の関連語として「One-man operation」が出てきました。
One-man operation (OMO), also known as driver-only operation (DOO), one person operation (OPO), single person train operation (SPTO), or one-person train operation (OPTO),similarly to Driver Controlled Operation, is operation of a train, bus, or tram by the engineer or motorman alone, without a conductor.
「One-man operation」とは、運転手のみの運行、単独での運転営業、もしくはひとりでの列車の運行や運転手管理の運行など、車掌がいない運転手のみで列車やバスを運行することを意味する。
これは日本語の「ワンマン運転」の意味と全く同じだと言えるでしょう。
通常2人以上で行う運行を、ひとりのみでやること。このニュアンスもかなり近いです。
それでは、ワンマン経営やワンマンプレーといった、独裁的でわがままな様子を表す英語はどんなものがあるのでしょうか?
このような意味の場合、「ワンマン」という単語は使わず、以下の2つが代表的な英単語です。
authoritative 権威ある、信頼できる、高圧的な、命令的な
1 I am looking for an authoritative book on Japanese literature.
日本文化に関する信頼できる本を探している
2 The president often takes authoritative action.
社長はしばしば高圧的な態度をとる
1の場合は、権威ある確かな情報を掲載した本、という意味で、2だと権威性をふりかざすあまり高圧的な態度になる、と考えられます。
dictatorial 独裁的な、専断な、横柄な、尊大な
1 She has a dictatorial attitude.
彼女は横柄な態度だ
2 Our team leader imposes his dictatorial opinion on us.
チームリーダーは独裁的な意見を私達に押し付ける
Authoritative と比べると、こちらの dictatorial のほうが独裁的でわがままにふるまうという意味合いの「ワンマン」に近いように感じます。
日本と英語、比べて分かる表現の違い
ここまで調べたものをまとめると、英語でワンマン(One man または One-man)というときのイメージは、1人で業務をしている状況を指し示すシンプルなものです。
それが日本語に取り入れられて変化した結果、もともとの意味に独裁や横柄といったネガティブなニュアンスが付け加えられました。
「ワンマン」はもはや和製英語といえるほど、全く別の言葉として成立しています。
私達が普段使っている「ワンマン」という言葉を翻訳して英語で使うときは、場面に応じてほかの言葉で説明するのがいいでしょう。
それでは、今度は日本語の「ワンマン」に関する英語フレーズをご紹介します。
ここで少し余談!
下記記事では、「ケチる」の英語表現についてご紹介しています♪ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
ワンマンに関する便利な英語フレーズ
日本語の「ワンマン」に関する便利な英語フレーズをご紹介します。
普段はなかなか口にすることはなくても、海外のニュース記事やSNSの投稿、英作文の練習などで見かけることがあるかもしれません。
She is an autocratic president
彼女は独裁的な大統領だ
He's management style is too authoritarian recently.
最近、彼の管理スタイルは権威主義的すぎる(権威主義的:権威を絶対的に重視する考え、権威をふるって行動すること)
My concern is her autocratic management.
私の懸念は彼女のワンマン経営だ
That country is controlled by a dictatorial leader.
あの国は独裁的リーダーに支配されている
ワンマン〇〇ってどうなの?
私たちが日常生活で見かける「ワンマン」は、「ワンマン〇〇」という形でいろいろな表現があります。
いくつか例を挙げてみましょう。
・あの会社はワンマン経営らしい
・ワンマン社長で有名な人
・彼はいつもワンマンプレーをしてしまう
これらの表現を使うとき、あまりいい印象はありませんよね。
ネガティブな意味で使われることが多い「ワンマン〇〇」ですが、悪い面ばかりではなく良い面もあります。
ワンマン社長やワンマンプレーは一見すると、周りの意見を聞かない、わがままだ、とネガティブにとられがちです。
ワンマン社長の存在がそのまま会社のイメージを作ることも。
しかし、別の側面から考えればワンマン社長やワンマン経営は意思決定が早く、すぐに次の行動に移すことができるというメリットがあります。
メンバー全員の意志を尊重するあまり、なかなか意見がまとまらない、という場合にはこのメリットが効果を発揮します。
ただしワンマン経営がどんどん進むと、経営者の考えや独断での行動がそのまま会社全体に大きな影響を及ぼします。
その結果、社員全員が経営者に従う「イエスマン」になって、周りの意見が出にくくなり、経営者が孤立していくという懸念もあります。
ここでさらに少し余談!
下記記事では、「便利」の英語表現についてご紹介しています!こちらの記事も参考にしてみて下さい♪♪
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