・明日までに仕事を仕上げてください
・今日の夜までに宿題を仕上げて遊びに行きたい
・この作品を仕上げるのに苦労しました
など日常的にも「仕上げる」という言葉は日本語でよく使われます。
辞書や辞典などを調べると、「仕上げる」の日本語の類義語には終える、完成させる、し終える、成し遂げる等があります。
仕上げる、完成させる、し終えると「やめる」の違いを日本語で説明できるでしょうか。
「仕上げる」は「最後まで目的のある行動をし終える」という意味ですが「やめる」には「今まで続けていたことを、自然の成行や周囲の事情で、もう行わなくする」という意味があります。
最近は外国人が日本にたくさん留学や仕事にくる時代です。
日本語の微妙なニュアンスや違いを外国人に教える機会も少なくないのではないでしょうか。
正しい英語だけでなく、正しい日本語も国際人として使い分けできるようになりたいですよね
そこで今回は、英語で「仕上げる」をちゃんと言えるように、説明していきます!
英語で「仕上げる」は・・・?
では「仕上げる」は英語では何というでしょうか。
finish、end、complete、close、stop、何となく似ている英単語もたくさんありますね。
例えば外国人と仕事や遊びで交流するときに仕上げると、やめるを間違えるとトラブルになりがちです。
英語で仕上げるの意味を正しくおさえましょう。
英語で仕上げるはFinish。Endとの違いは?
まずはfinishとendの使い分けを確認しましょう。
結論からいうと
仕上げる・・・finish
終える・・・end
です。
finishの仕上げるは「労力を伴ったうえで何かを完了する」というニュアンスです。
一方でendは単に「続いていたことを終える」という表現になります。
「仕上げる」は英語でfinish
finishの使い方を確認しましょう。
・He has finished his task.
(彼は仕事を終わらせた。)
・It will take two hours to finish it.
(仕事を仕上げるのに2時間かかります。)
・You don’t have to finish it by next week.
(来週までにそれを仕上げる必要はない。)
また仕上がり・仕上げなどの名詞にもfinishは使えます。
The finish of the work was perfect.
(作品の仕上がりは完璧でした。)
単に「終える」「やめる」のがend
Endは続いていた物事や作業を完成するかどうかは置いておいて、終わらせるというニュアンスが含まれています。
・She will end her homework.
(彼女は宿題を終わらせる。)
・They ended the war in 1945.
(戦争を1945年に終えた。)
・They ended a business relationship last Friday.
(先週の金曜日に取引をやめた。)
Finishに比べるとEndの目的語をとる他動詞の用法は最後まで完成したかどうかに関わらず単に終わらせるという意味になります。
仕事をしっかりと、やり遂げて欲しいと頼む場合は、
Please finish that report by next week at the latest.
(報告書を遅くとも来週までに仕上げてください。)
このようにendよりもfinishを使った方が仕事をしっかり最後まで終わらせるニュアンスが出ます。
finish、end、以外の類似表現
finish、end以外にも仕上げる、終えるに近い類似表現があります。
特にcompleteは仕上げるの丁寧な表現として使いやすいのではないでしょうか。
conclude、close、にも文脈によっては仕上げるととも訳せるような何かを終わらせる意味もあります。
complete
completeはfinishと同様、最後までやり遂げるというニュアンスで使えます。
ただcompleteの方がfinishよりも少しかたい感じの表現に聞こえます。
・I will complete my work by tomorrow.
(私は宿題を明日までに仕上げます。)
・You must complete your task.
(あなたは仕事を「最後まで」仕上げなければなりません。)
・Could you complete that in a pretty way.
(それを綺麗に仕上げていただけますか。)
completeは特にendのように単に終えるだけではなく最後まで完璧にやり遂げるというニュアンスがあります。
conclude
concludeには、決定する、結論づける、推論するなど様々な意味があります。
その中に終える、完了するという意味もあり文脈によって「仕上げる」という意味にとることもできます。
concludeには同じ終えるでも「結果/結論を出して終わらせる」「締めくくる」といったニュアンスがあります。
Before I conclude this lecture, I’d like to mention one thing.
(この講義を終わる前に、一つお伝えしたいことがあります。)
What does he conclude from that?
(彼はそれからどんな結論を下しますか?)
close
closeには閉じる、ふさぐ、接近するなどの意味があります。
その中に終える、終結するという意味もあります。
文脈によってはcloseで日本語の仕上げると訳することも可能です。
例えば
We closed the discussion.
(私達は討議を終えた。)
など終えるの意味もあります。
途中でやめる意味の英語表現
finishとは区別したいのが「stop」です。
finishは最後までやり遂げるという意味があるのに対してstopには中断するという意味があります。
例えば仕事が完全に終わってなくても仕事を切り上げるときにはstopを使うと誤解を防ぐことができます。
例えば
Let’s stop here for today.
(今日はこの辺で終わりにしましょう。)
このように使えば最後までたくさんたまっている仕事を途中でやめて帰るように促せます。
間違えて
Let’s finish here for today.
(今日、仕事を終わらせてしまいましょう。)
としてまうと誤解を与える恐れがあります。
ちなみに Let’s finish up here.ならば
「ひとまずこれで終わりましょう」という意味になります。
またcall it a day でも途中で切り上げるという意味でよく使われます。
Why don’t we call it a day?
(今日はもう終わりにしましょう)
Let’s call it a day.
(今日はお仕舞いにしましょう)
call it a day なら誤解されることなく途中で切り上げるという意味で解釈されます。
よく使う「仕上げる」の英語表現
よく使う「仕上げる」を使った英語表現を覚えましょう。
仕上げるは英語の日常会話やビジネス会話でもよく使う英語表現です。
いつまでに仕上げれば良いですか
「いつまでに仕上げれば良いですか?」留学先や職場でもよく使う表現です。
・When should I finished the homework?
(いつまでに宿題を仕上げればいいですか?)
・When does this need to be completed?
(これはいつまでに仕上げなければいけませんか?)
明日までに仕上げます
「明日までに仕上げます」という表現を覚えれば、「tomorrow」の部分を日付に変えたり、曜日に変えたりするだけで色々な言い方ができます。
・I will finish my homework by tomorrow.
(明日までに宿題を仕上げます。)
・I will complete it by tomorrow.
(それを明日までに仕上げます。)
最後の仕上げ
put the finishing touches on/to で「最後の仕上げ」という意味があります。
例えばこのように使います。
I put the finishing touches to the artwork.
(私は美術作品の最後の仕上げをした。)
「仕上げる」の関連表現を覚えよう
予定を前倒しをするための英語表現
仕事を仕上げて欲しい時に単に仕上げるだけではなく予定を前倒しをするための英語表現も知っておきましょう。
前倒しは英語で move up、move forward です。
例えば
・Move up the schedule.
(スケジュールを前倒しする。)
・Is it possible to move the schedule forward?
(予定を前倒しにすることは可能でしょうか。)
送りの英語表現
時には仕事や宿題を仕上げるときに締切や提出期限に間に合わず先送りにしたいときもあるのではないでしょうか。
そんな時に役立つ表現が先送りの英語表現です。
例えば
put off は「延期する」の意味です。
I have to put off the decision because I don’t have enough time.
(私は十分な時間がなかったため、結論を先延ばしにさせざるを得なかった。)
put~ on a/the back burner 後回しをする、優先順位を下げるという意味の英語もあります。
We put the task on the back burner.
(私達はその仕事を先送りにした。)
burnerはガスバーナーのバーナーです。
つまりキッチンによくあるコンロです。
Put on は置く、backは後ろのという意味なので直訳すると「後ろのバーナーに移す」という意味です。
後ろのコンロは調理をするために腕を伸ばす必要があり、前のコンロに置いた鍋が邪魔になります。
そのためコンロの後ろは長時間かけて調理するときに使うのが主流です。
(急いで料理するには不向き)そこから転じて緊急の用事を後回しにするという意味になります。
postpone は「延期する」という意味で使われます。
ビジネス英会話でよく使われる先のばしの表現です。
フォーマルな場で期限に間にあいそうにないときはpostponeを使ってみてはいかがでしょうか。
I postponed the decision until Monday.
(私は決定を月曜日まで先延ばしにした。)
まとめ
英語で「仕上げる」はFinishです。
Endは「単に終える」というニュアンスになります。
最後まで何かをするときやして欲しいときはFinishを使いましょう。
またComplete、Close、Conclude、などの何かを終わらせる意味のある類義語の意味や使い方を確認し、しっかり理解して使い分けるようにするといいでしょう。
また仕事や宿題を前倒しするmove upなどの表現、先送りするときのput offなどの表現もあわせておさえておくと便利です。
「仕上げる」の使い分けがわかったら、次は実践あるのみです!
ネイティブキャンプの講師に「finishとendの使い分けを勉強したいから、積極的に使っていきたい。」などリクエストして、添削してもらうのがいいでしょう。
最初はあっているかどうか不安になることもあると思いますが、使っていくうちに考えなくても使い分けられるようになりますよ!
石川県出身。明治大学法学部の国際法コースで英米法を専攻。卒業後、日本の小学校教諭を経てタイ王国の首都バンコクの国立大学RMUTRの教養学部・日本語学科にて専任講師。日本語の講義や日本・タイの私立大学の交換留学提携、タイ全土の日本語コンテンストの審査員を経験。帰国後は留学生支援の財団法人・外資系小売業を経てライター職。好きな食べ物はカレー。東京に行く度にカレーの聖地、神保町のカレー屋巡りをしています。