日本の「忍者」は映画やアニメ、ゲームの世界で今も生き続けています。
日本のサブカルチャーのコンテンツは世界中に発信されており、外国人もそんな日本のメディアを通して「忍者」を知ることができます。
また、海外の小説や映画でも日本の「忍者」についての情報が海外ならではの解釈で表現されてきた経緯もあるため、外国人にとって「忍者」は広く知られており人気があります。
訪日外国人観光客が近年、増加中ですがゲームやアニメ、映画で知った「忍者」を見てみたいと考えている外国人の方も多いのではないでしょうか。
実際に通訳ガイドのお仕事をされている方々からは、そういった外国人の方の話が良く聞かれます。
また、日本人が外国に行った時でも「忍者」に興味を持った外国人から英語で「忍者」について質問されることもあるかもしれません。
しかし、小中学校や高校、大学の英語で「忍者」に関する英語を学んだという人はあまりいませんよね。
そこで、本記事では外国人に興味・関心の高い「忍者」に関する英語表現をご紹介します。
「忍者」の英語表現は、普段あまり使わない特殊な語彙さえ覚えてしまえば、すぐに使えるようになります。
英語で忍者ってどう言えば良いの?
いわゆる日本にいるような「忍者」はアメリカやイギリスに存在していません。
つまり「忍者」は日本固有の存在でした。
英語で忍者を何と言うかというと、そのまま「Ninja」と表現することができます。
また、忍者には「忍(しのび)」という言い方もありますが、そのまま英語でも「Shinobi」です。女性の忍者を「くのいち」と呼ぶこともありますが、こちらもそのまま「Kunoichi」です。
まとめると
忍者:「Ninja」
忍:「Shinobi」
くノ一:「Kunoichi」
です。
そのまま日本語をアルファベットにするだけですので、難しくはありません。
ところで「忍者」に近いイメージで、日本のゲームやアニメに登場する職業「暗殺者(アサシン)」という言葉もあります。
しかし「忍者」の主な仕事は、あくまでも諜報活動です。
忍術を使い暗殺を得意とする「忍者」は、欧米の解釈から一般的になったものだそうです。そのため、今でも「暗殺者(アサシン)」と近いイメージになってしまうようです。
暗殺者(アサシン)は英語で「Assassin」。語源は諸説ありますが11世紀〜13世紀にかけてのイスラム教の一派。
忍者と暗殺者が欧米では近いイメージで表現されたため、「Assassin」が忍者と近いイメージになってしまったようです。
英語で忍者の特徴を説明しよう!
忍者の特徴を英語で説明するために
・そもそも忍者の役割は何なのか?
・忍者はどんなことをするのか?
を一つずつ見ていきましょう。
忍者の仕事は諜報活動!つまり日本版スパイ
英語で忍者の特徴を説明する時、どう表現すれば良いでしょうか。
でも普段から忍者が具体的などんな姿で何をしているかを考えている人は多くないのではないでしょうか。
そこで、忍者の特徴と、その英語表現をまとめました。
忍者は暗殺よりは諜報活動がメインなので
A ninja is a kind of spy.
(忍者はスパイのようなものです。)
A ninja is a Japanese spy.
(忍者は日本版のスパイです。)
また諜報活動員という意味の英語に「covert agent」もあります。
A ninja is a kind of covert agent.
(忍者は諜報活動員のようなものです。)
A ninja is a Japanese covert agent.
(忍者は日本版の諜報活動員です。)
とスパイ(spy)の部分を(covert agent)と代用も可能です。
どちらかといえば暗殺者のAssassinよりも、諜報活動をする「spy」や「covert agent」の方に忍者の実態は近いのです。
また、忍者の雇われ方として特定の君主を持たず一種の傭兵団を形成していたグループもあるため、Mercenary(傭兵)という英単語も併せて知っておくと表現の幅が広がります。
忍者のイメージを英語で表現する
ゲームやアニメ、時代劇などのメディアでは忍者が忍法を使うところが描かれています。
また、黒装束を身につけているイメージも強いのではないでしょうか。
実際には黒装束を身につけながら、忍法で火を噴く(火遁の術)技などを使ったりするのはフィクションの中だけのようですが、忍者を説明する時、忍術や黒装束を英語で表現したい時もありますよね。
そんな時は
Ninja uses a lot of ninjutsu. For example, they breathe fire, which is called Katon.
(忍者は多くの忍術を使います。例えば、彼らは火を吹きます(breathe fire)。それは火遁(katon)と呼ばれます。)
忍術はそのまま(ninjutsu)、火を噴く(bereathe fire)、 火遁(katon)このような表現が可能です。
また、忍術は江戸時代に創作されたフィクションですので
Ninjutsu is fiction which has been handed down to us from the Edo period.
(忍術はフィクションで江戸時代から言い伝えられています。)
言い伝える「hand down」は忍者の不確定な歴史を表現するのに使える表現です。
忍者に関連する英単語
忍者に関連する名詞のボキャブラリーを増やすだけでも、忍者の特徴を英語で表現しやすくなります。
忍者に関連する英単語とよく使う表現
手裏剣
:throwing star
例文
A shuriken is a Japanese concealed weapon that was used as a hidden dagger.
(手裏剣は日本の隠し武器で、隠し短剣として使われます。)
Many shuriken is shaped like a star.
(多くの手裏剣は星のような形をしています。)
まき菱
:Makibishi
例文
Ninjas use Makibishi to scatter on the ground to escape from pursuers when running away.
(忍者は追跡者から逃げる時にまき菱を地面にまきます。)
諜報活動
:espionage
例文
The traditional Japanese method of espionage is sending Ninjas.
(伝統的な日本の諜報活動の方法は忍者を派遣することです。)
黒装束
:Black Clothes
例文
Many people believe Ninjas wear black clothes.
(多くの人は忍者が黒装束を着ていると信じています。)
時代
:Era
例文
Ninjas existed from the Sengoku era to the Edo era.
(忍者は戦国時代から江戸時代までいました。)
忍者が気になる外国人におすすめの忍者スポット
日本に来る訪日観光客の中には忍者が気になる人も多いのではないでしょうか。
もしも忍者に興味のある訪日観光客をアテンドすることになった時に、日本各地に知っておいた方が良い忍者スポットがあります。
三重「伊賀流忍者博物館」
所在地:〒518-0873 三重県伊賀市上野丸之内117
営業時間: 9:00~17:00
※入場受付16:30で終了
休館日:12月29日~1月1日 年末年始
忍者屋敷、忍術体験館、忍者伝承館から構成されています。「現在に活用できる忍術を再現する」ことをコンセプトに、手裏剣を投げる等の忍者の体験アクティビティが用意されています。
また、イベントとしては迫力のある忍者ショーを見ることも可能。忍者にまつわる様々な道具や資料が展示されています。
伊賀は甲賀と並ぶ日本の忍者発祥の地の一つです。忍者の聖地で忍者のことをバランスよく学び、体験できる施設です。
雑誌情報にもよく載っていますので、興味をもつ外国人も多いはずです。
滋賀「甲賀の里忍術村」
所在地:〒520-3405 滋賀県甲賀市甲賀町隠岐394番地
営業時間:10:00~17:00
※入村は16:00まで
休館日:月 祝日の場合は、その翌日
伊賀と並び忍者で有名な土地が甲賀です。忍者屋敷3棟があり、様々な仕掛けがほどこされています。
博物館や手裏剣道場といった様々な忍者にまつわるアトラクションが揃っています。
子供向けの忍者道場もあり大人も子どもも楽しめるところです。
新宿忍者からくり屋敷
所在地:東京都新宿区歌舞伎町2-28-13 第一和幸ビル4階
営業時間:10:00 AM~6:30 PM
※最終入場 6:00 PM
休館日:火曜日・水曜日
伊賀や甲賀が遠くて。なかなか行けない方でも東京観光の時に気軽に訪れることが魅力です。
都会にありながら、自分も忍者になったつもりで手裏剣投げの体験や日本刀に触れたり試し切りをするサービスもあります。
また忍者と記念の写真撮影もできます。3歳以下は無料ですので、お子さん連れでも気軽に楽しめるでしょう。
日光江戸村
所在地:〒321-2524 栃木県日光市柄倉470-2
営業時間:
夏期3月20日〜11月30日 9:00~17:00
冬期12月1日〜3月19日 9:30~16:00
休館日:毎週水曜日は定休日ですが、祝日や春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始の期間は特別営業日が設けられています。
東京から約2時間の江戸時代をテーマにしたテーマパーク。忍者だけではなく、江戸時代の日本を体感できます。
江戸の町並みが再現されており、宿場町、街道、商家街、武家屋敷、忍者の里に分かれています。
忍者をテーマにした忍者怪怪亭は、忍者屋敷をコンセプトにした不思議な家。
忍者の格言が次々に現れる迷路、忍者をテーマにした劇などが開催されています。
忍者レストラン
赤坂、新宿、京都には忍者をコンセプトにしたレストランがあります。
忍者屋敷を再現したレストラン。「忍者が本気でおもてなしをしたらこうなる!」具現化し、イメージしたエンターテイメントレストランです。
和食をベースにした創作料理やステーキなどが楽しめます。
わざわざアトラクションだけのために時間を使うのは抵抗があるという訪日観光客の方をアテンドするにも、おすすめのレストランです。
まとめ
忍者は漫画やゲームなどを通して海外でも広く知られています。
外国人の中には、忍者に関心のある人もいます。英語で忍者の話題を勉強しておくと、喜ばれることもあるかもしれません。
日本人でも忍者のことを詳しく知らない人も多いため、外国人に話す話題の一つとして忍者の概要を改めて知るのも良いのではないでしょうか。
また、本文でも書きましたが、外国人の「忍者」に対するイメージは実際のものと少し違うことがあります。
そんな先入観やイメージの違いに対し「本当はねー・・・。」と、自然な英会話の中で日本文化紹介を話せる場所として、ネイティブキャンプでは5分間ディスカッションレッスンの75番に「Stereotypes」を用意しております。
今回の「忍者」は、講師も興味のある内容かと思いますので、ぜひ講師に「忍者の話がしてみたい!」と依頼してみてくださいね!
石川県出身。明治大学法学部の国際法コースで英米法を専攻。卒業後、日本の小学校教諭を経てタイ王国の首都バンコクの国立大学RMUTRの教養学部・日本語学科にて専任講師。日本語の講義や日本・タイの私立大学の交換留学提携、タイ全土の日本語コンテンストの審査員を経験。帰国後は留学生支援の財団法人・外資系小売業を経てライター職。好きな食べ物はカレー。東京に行く度にカレーの聖地、神保町のカレー屋巡りをしています。