英語のフレーズ「I don’t mind」と「I don’t care」は、どちらも”いいよ”という意味を持っています。ところが、その意味合いはかなり違い、状況に応じて使い分けに気をつけないと誤解を招く恐れもあるほどです。
この記事では、それぞれの表現の使い方を紹介し、I don’t mindとI don’t care違いを明確にしていきます。使い分けに不安という方はこの機会にぜひクリアにしていきましょう。
- 「I don’t mind」の意味を確認しよう
- 「I don’t care」の意味を確認しよう
- 2つのフレーズの意味合いの違いとは?
- 「I don’t mind」と「I don’t care」の違い
- 「どちらでもいい」と答えたいときは特に使い分けに注意
「I don’t mind」の意味を確認しよう
まずは「I don’t mind」のほうから、使い方をおさらいしていきましょう。相手に何かを頼みたいときのフレーズにはいくつも表現がありますが、そのひとつがDo you mind ~?です。
Do you mind ~?は「~してもいいですか?」「~しても構いませんか?」という意味ですね。文章の作り方としては、Do you mind if 主語+動詞?がメインになります。
ちなみに、mindには心・精神・気持ち・考え方・感じ方・望みといった他に「気に障る・嫌だと思う」の意味があります。
例えば、カフェで座りたいテーブルに椅子が一つ足りなくて、余っていそうなところから借りてきたいことってありますね。すると、こんな会話が聞こえてきます。
mindが使われるこの一つ余っている椅子を私が借りていっても、気に障りませんか?/嫌ではありませんか?というニュアンスだと理解するとわかりやすいでしょうか?
B: No, I don’t. Go ahead.
A: この椅子を借りてもいいですか?
B: いいですよ。どうぞ。
このように問いに答えるときにI don’t mind.が使われます。正確には「No, I don’t mind.」「Yes, I do mind.」ですね。
ところでDo you mind ~?と聞かれたとき、その答えをyesなのかnoにするのか混乱するという話をよく聞きませんか?構わないと言いたいのにno?ちょっと嫌ですねと言うときにyes?この辺が悩めるポイントです。
しかし、上で解説したmind(気に障る・嫌だと思う)が分かっていれば、”構いませんよ=椅子を使っていいですよ”は気にも触らないし嫌でもない、または”友達が来るので譲れない=椅子をどうぞと言えない”のでハイ、ちょっと嫌なんですという答えになることが理解できます。
直訳なので日本語としては不自然ですが、ニュアンスを掴めるでしょうか?この短い会話には、ちょっとした感情が込められているといった感じです。
もう少し、例文をみておきましょう。日常でI don’t mind.を使う場面はけっこうあるものです。
一緒に出かける計画を立てたものの、その後にも予定がある時ってありますね。
B: No, I don’t mind (that you leave early).
A: 早く帰ってもいい?
B: いいよ。
バスや地下鉄に乗っているとき、寒いと感じて近くの人に窓を閉めていいかちょっと聞きたいこともあります。
B: No, I don’t mind (if you close the window).
A: 窓を閉めてもいいですか?
B: いいですよ。
No, I don’t mind.の「いいよ・いいですよ」が「構いませんよ」というニュアンスということが分かりましたね。
この場合、気持ち悪くなってしまうから窓を閉めるのが嫌など、理由があればはっきりとYes, I do mind.(いいえ、やめてください。)と答えます。
ただしネイティブスピーカーの日常生活をみていると、Do you mindと聞かれてNo, I don’t mind.と言わずにYes, I do mind.と答えるケースはかなり少ない印象があります。
「I don’t care」の意味を確認しよう
次は、「I don’t care.」です。このフレーズを理解するときもI don’t mindのmindに注目したように、careをみると分かりやすくなるでしょう。
careは「心配・苦労」「注意・配慮」の他に「気にする・関心がある・構う」という意味を持ちます。I don’t care.の場合、「気にする・関心がある・構う」に注目します。
I don’t care.と否定文なので、この意味は直訳で「気にしません・関心がありません」となります。
B: No thank you, I don’t care or wish to talk about her.
A: 彼女について話してもいい?
B: いや、どうでもいい。
さて、この会話をみていかがですか?直訳の”気にしません・関心がありません”と比べ、ずいぶん不穏な雰囲気でBさんがやけくそになっている感じがあります。話しをするのでもしないのでも、自分にとって興味ないと言っているのです。興味がないと言うわりには、少し攻撃的な印象も。
このイメージこそ、I don’t care.であり、I don’t care!!と”!!”としてもよいくらいです。きっと、Bさんと彼女との関係で何かがあったことが予想されます。
あなたがどう思おうが、ホントにどうでもいいの。
あなたが何を言おうともう決めたよ。
いくら高くてもいいんです。
このように、I don’t care.は興味・関心がないことを表わしつつ、状況によっては「どうでもいい」や「何でもいい」と投げやりになった感じさえ与える表現です。時には、シーンや声のトーンで自暴自棄でキレた感じさえ出せてしまいます。
このことから、例えば大好きな人から、
日曜の晩ご飯なんだけど、ベトナム料理とスペイン料理どっちがいい?
と聞かれ、「どっちでもいいよ」と言うつもりでI don’t care.と答えると、、、
一緒に食べる食事のことを聞かれているのに、この発言ではまったく関心がない、またはどうでもいいと言ってしまったことになり、ちょっとした問題勃発の可能性もあるということです。英語力がないという言い訳が伝わらないケースもあるのでご注意を!
2つのフレーズの意味合いの違いとは?
「I don’t mind」と「I don’t care」の使い方をしっかりと分かったところで、この2つのフレーズが持つ意味合いの違いをまとめていきます。いいですよ / どうぞ
どうでもいい / 何でもいい
改めて並べてみると、フレーズによってだいぶトーンが違うことを感じるのではないでしょうか?その感覚こそが当たりで、I don’t mindとI don’t careにはその意味合いに大きな違いがあるのです。
置き換えられる違うフレーズをみてみるとこの違いをさらに理解できます。
I don’t mindなら、No worry.やThat is ok with me.
I don’t careであれば、I don’t bother.(お構いなく)や、究極はWho cares?(誰がそんなこと気にする?)といった激しい返事になるほどです。
誤用して言い方を間違えると誤解を招く恐れもあると述べたのは、このような違いがあるからなのです。”I don’t care” can be offensiveです。offensiveの意味はぜひ調べてみてくださいね!
この辺をさらに例文で確認していきます。同じ内容で2つのフレーズの違いをみてみましょう。
I don’t mindのケース
Mother: I don’t mind as long as you play safe and come back by 5pm.
Child: Thanks, I will!
子供:公園で友達とサッカーをしに行っていい?たぶん、知らない人とも遊ぶかも。
母親:安全に遊んで5時までに戻るなら、いいわよ。
子供:ありがとう、そうするよ!
I don’t careのケース
Mother: I don’t mind as long as you play safe and come back by 5pm.
Child: I can’t promise to come back by 5pm, I will decide what time I will be back by myself.
Mother: OK, I don’t care anymore because you never listen to me!
子供:公園で友達とサッカーをしに行っていい?たぶん、知らない人とも遊ぶかも。
母親:安全に遊んで5時までに戻るなら、いいわよ。
子供:5時までに帰るって約束できないよ。何時に戻るか自分で決める。
母親:言うこと聞かないわよね、もう好きにしなさい!
あららら、、同じシチュエーションでも話のまとまり方に雲泥の差がでてしまいました。これほど、「I don’t mind」と「I don’t care」には違いがあるということなのです。
「I don’t mind」と「I don’t care」の違い
I don’t care →「どうでもいい」「何でもいい」
「どちらでもいい」と答えたいときは特に使い分けに注意
「I don’t mind」と「I don’t care」ではかなりの違いがあることがクリアになりましたか?
より良きコミュニケーションのためにもI don’t mindは普段づかい、I don’t careはそれほど使うことがないくらいの感覚をもつことがコツだと言えるでしょう。

イギリス人夫とミックスの息子とともに2006年からロンドン在住。日本が大好きな夫と運営する剣道道場のおかみ兼ライター。イギリスに住んでアンティークやヴィンテージに目覚め、散歩がてらのマーケットやチャリティショップ巡りで幸せを感じる。英語学習は主に道場で外国人メンバーとコミュニケーションおよびBBCニュースを毎日読むこと。夢は日本・イギリス完璧2拠点生活です!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.