海外に留学している学生の中には、「ボストンキャリアフォーラム(以下:ボスキャリ)」について聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、メリットや参加方法を詳しく知っている人は少ないでしょう。
年に一度ボストンで開催されるボスキャリは、世界中の有名企業が集結し、説明会や面接を行う就職イベントです。この記事では、ボスキャリの特徴や参加方法、選考フローを詳しく解説します。この記事を読めば、すぐにボスキャリ準備を始められますよ。
ボストンキャリアフォーラムとは?
ボスキャリは、日英バイリンガル向けの世界最大級の就職イベント。毎年11月の金曜から日曜にかけての3日間、ボストンのBoston Convention & Exhibition Centerで開催されますよ。ボスキャリにはアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの英語圏から日本人留学生が集まります。日本語と英語の初級レベル以上が最低限の参加資格として必要で、約5,500人の学生と200社以上の企業が参加する大規模なイベントです。
参加企業もさまざまで、伝統的な総合商社やメーカー、日系・外資の金融機関、製薬会社、食品会社、将来性のあるベンチャー企業まで幅広く出展しているのが特徴ですよ。
日本人留学生にとっては、海外で身につけた英語力やスキルを活かせる就職先を見つけるチャンス。多くの企業が一度に集まるため、効率よく面接を進められるという点でも注目されています。
ボストンキャリアフォーラムに参加するメリット
ボストンキャリアフォーラムに参加するメリットはいくつかあります。最短3日で内定獲得ができる
ボスキャリでは、最短3日間で内定獲得が可能です。日本で一般的に行われる選考では、内定まで早くても1ヶ月かかるのに対し、ボスキャリでは関心のある企業ブースに履歴書を持ち込み、その場で選考を進めることができます。会場には企業説明会ブースとエントリー受付ブースの2種類が設置され、エントリー受付ブースでは当日その場でエントリーと面接ができますよ。
企業によっては、当日中に選考結果が判明することもあるため、効率的に就活を進めたい留学生にとっては嬉しいポイントです。
また、ボスキャリでは、日本独自の採用ルールが適用されません。日本国内では就活時期に制約がありますが、ボスキャリでは大学3年生の11月で内定獲得できる場合も十分にあります。
採用担当者との人脈構築ができる
ボスキャリでは人脈構築のチャンスがあります。大学2・3年生など本格的な就活前の学生も参加しており、良い自己PRができれば企業の人事担当者から名刺をもらえることも。人脈をつくっておけば、将来の就活において武器になるでしょう。実際に、ボスキャリで名刺をもらって帰国後に個人的にコンタクトを取り、次年度の内定を獲得した例もあるそうです。就活が本格化する前から企業とのつながりを作れる点は、他の就活イベントにはないメリットですよ。
参加する際は積極的にコミュニケーションを取り、自分をアピールするのが大切です。
世界中の留学生とつながれる
ボスキャリは世界中の留学生と出会える貴重な場です。海外の大学に正規留学している学生や、日本の大学から休学して語学留学している学生など、さまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まるからです。特に、日本の大学に通っている人にとっては、海外の大学で学んでいる留学生と知り合えるチャンスはなかなかありません。ボスキャリでつながりをつくれば、社会人になってからも役立ち、グローバルなキャリアを目指す上での助けになる可能性も。
ボスキャリは就活のためだけでなく、生涯の友人や将来のビジネスパートナーと出会える場でもあるのです。
一流企業200社以上が参加する
ボスキャリには一流企業が多数参加します。伝統的な総合商社やメーカー、日系・外資の金融機関、製薬会社、食品会社など200社以上が集結するのです。5大商社・MBB・コンサルBIG4・メガバンクなどの一流企業も多く参加していますよ。ボスキャリに参加すれば、一流企業の採用担当者に直接アピールできるという貴重な体験ができます。特に、普段日本では関わりを持てない海外拠点の採用担当者とも交流できるのは大きなメリットです。
インターンシップに参加できる
ボスキャリでは本選考だけでなくインターンシップの獲得チャンスもあります。多くの企業が本選考とは別枠でインターンシップ募集を行っているのです。短期(1day・3days)と長期(大学2年生向け翌夏からの長期)の2種類があり、どちらも本選考につながる可能性がありますよ。
ボスキャリでは、日本国内では募集していない特別なインターンシップに参加できるケースも。また、国内では倍率が非常に高いインターンシップへ特別に参加できる場合もあります。
生の情報を得られる
ボスキャリは生の情報を得られる場所でもあります。一般的な就活では、大学生が企業の採用決定権を持つ役職者と直接話せる場面はほとんどないからです。インターネットでは得られないグローバル企業の最新動向や採用ニーズを直接聞けるのはボスキャリだけでしょう。
ボストンキャリアフォーラムの参加資格
ボスキャリの参加資格は以下の通り。日本語・英語力は「少なくとも初級レベル以上」が最低条件とされています。日本以外の大学在学中/卒業者
日本の大学在学中/卒業の留学経験者
海外生活経験が長い方(帰国子女/インターナショナルスクール出身者)
海外勤務や留学経験を持つ社会人
しかし、実際の募集では企業側が独自の追加条件を設けていることが多いです。たとえば、有名企業の多くは「海外大学正規留学生または国内大学からの交換留学生のみ」という条件にしており、5大商社やコンサルBIG4、メガバンクなどはほぼこの基準を採用しているといわれています。
選考も英語で進むことも多いので、海外大学正規留学生または国内大学からの交換留学生レベルの英語力は必要となるでしょう。
ただし、条件に完全に当てはまらなくても諦める必要はありません。他の参加者よりもしっかり準備をすれば、内定を獲得できます。自分のスキルよりも、経験の活かし方や企業への貢献方法を考える方が重要なのです。
ボストンキャリアフォーラムの選考フロー
ボスキャリの選考フローは、「事前応募」と「ウォークイン」の2種類あります。事前応募
ボスキャリの1つ目の選考フローは事前応募です。事前応募とは、ボスキャリに公式サイトから応募する方法のこと。具体的な選考フローは、以下の通りです。エントリーシート提出
Webテスト
事前面接・電話面接
当日面接(ボストン)
ディナー
最終面接
内定
事前応募をすれば、ES提出やWebテストを事前に終えられるため、当日は面接のみに集中できます。
また、内定獲得率はウォークインよりも事前応募の方がかなり高いといわれています。可能であれば事前応募しておくのがおすすめ。事前応募は手間がかかりますが、その分内定獲得へは近づけるでしょう。
ウォークイン
ボスキャリの2つ目の選考フローはウォークイン。ウォークインとは、事前予約なしに当日企業ブースを訪問して応募する方法です。ウォークインの選考フローは以下の通り。書類選考に通過すれば、翌日や当日中に面接が実施される可能性もあります。
当日面接
ディナー
最終面接
内定
ウォークインは、事前応募で落ちた企業にも再チャレンジできるというメリットがありますが、全ての企業がウォークインを受け付けているわけではありません。
ウォークインの内定率は、事前応募よりかなり低め。当日の面接枠は事前応募で既にほとんどが埋まっているため、ウォークインからの面接機会は限られるからです。ウォークインだけに頼るのではなく、事前応募を前提に準備を進めるのが大切でしょう。
ボストンキャリアフォーラムで内定を得るコツ・攻略
最後に、ボスキャリで内定を得るコツや攻略を紹介します。いくつかの強みを用意する
ボスキャリでは、いくつかの強みを用意するのが大切です。英語力が強みと考える人もいるかもしれませんが、英語力は参加者全員が持っているため、差別化できません。企業は「英語ができる人」ではなく「世界で活躍できるグローバル人材」を求めているのです。そのため、複数の自分の強みを企業側のニーズに合わせてアピールしましょう。大事なのは、強みによって企業がどのようなメリットを得られるかも一緒に伝えること。
たとえば、「外国人への接客対応があるという強みから、海外クライアントとの交渉をスムーズに進められます」というように、具体的に説明できると良いでしょう。どの強みがニーズに一致するかを考え、面接ごとにアピールを考えるのが大切です。
キャリアフォーラムを事前に体験しておく
ボスキャリのようなキャリアフォーラムを実際に体験してみるのもコツの1つ。可能であれば大学2年生や大学院進学前の4年生など、就活前のタイミングで1度参加してみることをおすすめします。キャリアフォーラムにて書類提出や選考の体験をすれば、自分に足りないものや面接で良く問われる質問を把握することが可能です。事前に体験してイメージをつかんでおけば、ボスキャリに向けての準備もより効率的に進められるでしょう。
履歴書作成に力を入れる
ボスキャリでは履歴書作成に力を入れましょう。日英両方の履歴書が必要ですが、特に日本語履歴書作成で手を抜く学生が多いといわれています。ボスキャリでは一般的な就職面接と比較すると、面接時間がかなり短いです。個人面接は10分程度、集団面接になると1人あたり5分以下しかありません。
面接では伝えられる情報量に限りがあるため、履歴書にて詳細な自己アピールが求められるのです。履歴書を丁寧に作り込めば、面接官に好印象も与えられますよ。
まとめ
今回はボスキャリについて、特徴や参加方法、選考フローなどを詳しく説明しました。ボスキャリは、グローバルに活躍したい就活生にとっては参加のメリットしかないようなイベントです。ただし、熱量の高い学生が集まっている場でもあるため、事前応募や準備は必要不可欠になるでしょう。
ボスキャリに興味がある方は、キャリアの可能性を広げるためにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

◇経歴(英語を使用した経歴)
2018年 英語科高校卒
2022年 国際系学部卒
◇資格
TOEIC885点
◇留学経験
・2019年~2020年
→アメリカ 7か月 カリフォルニア大学リバーサイド校
・2016年
→オーストラリア 3週間
◇海外渡航経験
イギリス 2年半 在住
海外13カ国に渡航経験
◇自己紹介
英語学習記事を執筆するWebライターです。
オーストラリアとアメリカへの留学経験があります。
ここでは、経験を活かして留学にも興味を持っていただけるような記事づくりをします!
青年時代のイギリス在住をきっかけに英語に目覚め、高校・大学とともに国際系学科へ進学しました。
個人的にイギリス英語が好きで、ネイティブのように話せるよう日々学習中です。
皆さまに分かりやすい!興味深い!と思っていただけるような表現をしていきます。どうぞよろしくお願いします。