フランスの首都パリは、美しい街並みや豊かな文化、最先端のファッションが集まる魅力的な都市です。
それぞれの分野のトップが集まる世界的な文化の中心地での留学は、一流のプロから直接学び、最先端の技術や感性を磨く絶好のチャンスです。
学ぶ環境も刺激的で、街全体がクリエイティブなインスピレーションを与えてくれます。まさに「本物」に触れながら、高品質な経験を積めるのがパリ留学の魅力です。
そんなパリでの留学は、フランス語を学ぶだけでなく、多くの貴重な経験を得ることができるでしょう。今回は、パリ留学の特徴や魅力、費用の目安、必要なビザ、注意点、そしてどんな人におすすめなのかをご紹介します。
世界トップレベルの教育機関
パリにはパリ大学をはじめ、多くの名門大学や学術機関が集まります。特に、芸術、ファッション、ビジネスの分野では世界的に業界を牽引する名高い教育機関が揃っています。
さらに、芸術や料理やワイン、音楽などの専門学校も充実しており、多様な学びの場が用意されています。
特に、有名な学校として下記が挙げられます。
ソルボンヌ大学(Université Paris-Sorbonne)
1257年創立のフランス最古の大学の一つで、特に人文科学、文学、哲学の分野で有名です。現在は、パリ大学(Université de Paris)の一部として運営されています。
パリ政治学院(Sciences Po Paris)
政治学、国際関係学、経済学の分野で世界的に評価されるエリート校として、フランスをはじめ多くのヨーロッパの政治家や国際機関のリーダーを輩出しています。
エコール・ノルマル・シュペリウール(ENS: École Normale Supérieure)
フランス最高峰のグランゼコールの一つで、哲学、数学、物理学などの分野において優れた研究機関です。ノーベル賞受賞者や著名な哲学者・作家を多数輩出しています。
HECパリ(École des Hautes Études Commerciales de Paris)
世界トップレベルのビジネススクールで、MBAや経営学プログラムが充実しています。フランス企業をはじめとした、トップ企業との強いつながりを持ち、卒業生のネットワークが強いのが特徴です。
パリ工科大学(Institut Polytechnique de Paris)
フランスの理工系グランゼコールが統合して設立された学術機関で、École Polytechnique(エコール・ポリテクニーク)などの名門校が参加しています。
ファッションの中心地
ファッションの名門校
パリは言わずと知れたファッションの都として、多くのデザイナーやブランドが拠点とする場所です。ファッションを専門的に学びたい人にとっては、最新のトレンドを肌で感じることができる最高の環境ともいえるでしょう。
また、ファッションに限らず、アート、建築、音楽、グルメの分野でも、パリには世界トップレベルの教育機関が揃っています。それぞれの分野を代表する学校を紹介します。
エスモード・パリ(ESMOD Paris)
1841年創立、世界最古のファッション専門学校の一つ。ファッションデザイン、パターンメイキング、マーケティングを学ぶことができます。Thierry Mugler、Olivier Rousteingなど数多くの著名デザイナーを輩出しています。
パリ・クチュール工芸学院(École de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)
高級オートクチュール技術を学べる名門校。Dior、Saint Laurentなど一流ブランドのデザイナーも卒業生です。
グルメ・料理の名門校
ル・コルドン・ブルー(Le Cordon Bleu Paris)
世界的に有名な料理・製菓・ワインの専門学校です。クラシックなフレンチ料理から最新のガストロノミーまで幅広く学ぶことができます。卒業生には有名シェフやパティシエが多数(ジュリア・チャイルドなど)。
フェランディ・パリ(FERRANDI Paris)
フランスの一流シェフ養成学校の一つです。実践的なプログラムが充実しており、レストラン経営やフードビジネスも学ぶことができます。卒業生は、ミシュラン星付きレストランへの就職実績が高いことも特徴です。
エコール・リッツ・エスコフィエ(École Ritz Escoffier)
リッツ・パリが運営する料理・製菓学校で、高級フレンチを中心にラグジュアリーな料理技術を学ぶことができます。短期集中プログラムなども充実しており、社会人向けにも人気です。
豊かな芸術と歴史
ルーヴル美術館やオペラ座、エッフェル塔など、歴史的・文化的なスポットが普段の生活圏内に位置し、普段から芸術に触れる機会が多くあります。
また、沢山の美術館や博物館が学生割引の対象となるため、気軽に芸術を楽しむことができます。そんな芸術都市パリでアートを学ぶのにぴったりの名門学校をご紹介します。
美術・アートの名門校
パリ国立高等美術学校(École Nationale Supérieure des Beaux-Arts / ENSBA)
フランス最古の美術学校で、350年以上の歴史を持ちます。ルーヴル美術館の近くにあり、伝統的なアカデミックな美術教育を提供していることで有名です。
絵画、彫刻、版画、写真、建築など幅広い分野を学ぶことができ、卒業生にはモネ、ドガ、マティス、イングレスなど歴史的なアーティストが多数挙げられます。
パリ装飾芸術学校(École nationale supérieure des Arts Décoratifs / ENSAD)
デザイン、工芸、インテリア、映像アートに強い芸術学校で、グラフィックデザイン、アニメーション、ファッションデザインなどを学べます。
理論と実践のバランスが取れたカリキュラムを特徴としており、ルイ・ヴィトンやエルメスなどのブランドとコラボする機会も多いのも特徴です。
デザイン・建築を学ぶ名門校
パリ建築高等学院(École Spéciale d'Architecture / ESA)
建築を専門とする名門校で、革新的なデザイン教育を強みとし、フランス国内外の建築事務所とのコラボレーションが豊富です。近代建築や都市デザインを学びたい人におすすめです。
パリ国立高等建築学校(École Nationale Supérieure d'Architecture de Paris / ENSA)
フランス国内に複数のキャンパスがあり、建築を総合的に学ぶことができます。実務と理論を組み合わせた教育方針で、卒業後のキャリア支援も充実しています。
映像・映画を学ぶ名門校
ル・フレノワ(Le Fresnoy – Studio National des Arts Contemporains)
映像、デジタルアート、現代美術を学べる先進的な学校です。映画制作、メディアアート、写真、VR/ARなどに特化し、著名な映画監督や映像作家が講師を務めることもあります。
ラ・フェミス(La Fémis)
フランスを代表する映画学校で、多くの映画監督・脚本家を輩出しています。映画監督、脚本、撮影、編集、音響など、映画制作のすべてを学ぶことができ、フランス映画界とのコネクションが強く、卒業生の活躍が目立ちます。
演劇・パフォーミングアーツを学ぶ名門校
パリ国立高等演劇学校(Conservatoire National Supérieur d'Art Dramatique / CNSAD)
フランス最高峰の演劇学校で、世界的に評価される名門。俳優、舞台演出、脚本などを学び、演技指導も厳しく行われる。ジャン・レノ、イザベル・アジャーニなどの著名俳優を輩出。
ジャック・ルコック国際演劇学校(École Internationale de Théâtre Jacques Lecoq)
身体表現やパントマイム、即興演技などに特化した演劇学校。フィジカル・シアターや実験的な舞台芸術を学びたい人におすすめ。世界中の舞台俳優・パフォーマーが集まる。
社会人向けプログラムも充実
近年では、社会人向けの短期留学プログラムや、企業との提携によるビジネス関連の講座も増えており、キャリアアップを目指す人にも適しています。
MBAやマーケティング、国際関係などの専門コースもあり、実践的な知識を身につけることができます。
多文化な環境
世界中から留学生が集まる国際的な環境の中で、フランス語を学びながら視野を広げることができます。
さらに、現地のフランス人学生との交流イベントや、インターンシップを通じて、実践的なコミュニケーション能力を養う機会も豊富です。
パリ(フランス)留学の費用目安
パリ留学の費用は、学費や生活費を含めると決して安くはありません。以下、おおよその目安を紹介します。
国公立大学:年間約3,000ユーロ(約50万円)
私立学校や専門学校:年間約10,000〜30,000ユーロ(約160〜500万円)
語学学校:月600〜1,500ユーロ(約10〜25万円)
家賃(学生寮):月500〜800ユーロ(約8〜13万円)
家賃(アパート):月800〜1,500ユーロ(約13〜25万円)
食費:月200〜400ユーロ(約3〜6万円)
交通費:月50〜80ユーロ(約8,000〜13,000円)
その他(通信費、娯楽費など):月100〜300ユーロ(約1.5〜5万円)
これに加えて、渡航費や保険料なども考慮する必要があります。
パリ(フランス)留学に必要なビザ
パリ留学に必要なビザは、滞在期間によって異なります。
短期留学(3か月以内)日本人は90日以内ならビザなしでフランスに滞在できます。そのため、語学学校や短期プログラム(サマースクールなど)ならビザ不要です。 長期留学(3か月以上)
学生ビザ(VLS-TS):一定額の経済証明や、フランスの学校の入学許可証が必要
ワーキングホリデービザ:18歳から30歳対象で一年間滞在が可能。期間中条件付きで就学も可能。
パリ留学の注意点
生活費の高さ
パリは物価が高いため、計画的な資金管理が必要です。特に家賃が高いため、シェアハウスや学生寮を検討するのも一つの方法です。
フランス語の重要性
国際都市のパリは基本的に英語が通じますが、フランス語が話せると一段と生活がスムーズになります。留学前に基本的なフランス語を学んでおくと良いでしょう。
住居探しの難しさ
学生寮は人気があり、早めの手配が必要です。
また、パリは慢性的な貸し手市場で、賃貸を借りるのは相当なチャレンジになるでしょう。それは部屋不足や高い賃料に限らず、保証人問題や大家さんとのコミュニケーションなど様々な要因が考えられます。
文化の違い
フランスならではの習慣(例えば、カフェでのチップ文化、頻繁に発生するストライキ等)に慣れることが大切です。
特に、フランスでは役所など行政の手続きに時間がかかることが多いので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
そのうえで、「日本だったらこうなのに!」といちいちショックを受けないことも大切です。一筋縄ではいかないパリでの生活に一喜一憂せずに、淡々とこなしましょう。
パリ留学をおすすめする人の特徴
パリは、多彩な学びの場が揃う魅力的な都市です。交換留学を考える大学生、フランス語を本格的に学びたい人、ファッションや芸術を追求したい人、キャリアアップを目指す社会人など、幅広い人におすすめできます。
そんな多様な背景を持つ人々が集まることで、パリはさらにダイナミックで刺激的な街になっています。
共通するのは、一筋縄ではいかないパリの生活を楽しめる、前向きなマインドを持っていること。パリならではの挑戦を、学びの一部として受け入れられる人にぴったりの留学先です。
まとめ
パリ留学は、フランス語を学ぶだけでなく、芸術やファッション、ビジネスなどさまざまな分野で貴重な経験を積むことができます。
費用は高めですが、計画的に準備すれば、充実した留学生活を送ることができるでしょう。パリの魅力を存分に味わいながら、学びたい方はぜひ挑戦してみてください!

◇経歴
海外在住5年目
◇資格
英検1級
◇留学経験
イギリスの大学で交換留学
◇海外渡航経験
学生の交換留学から海外現地採用。現在ヨーロッパにて現地就職
◇自己紹介
大学時代の留学を機に、今はご縁がありヨーロッパでOLしています。