オーストラリアと聞くと、美しい自然やコアラ、広大な大地を思い浮かべる方も多いでしょう。でも、その正式名称や由来について考えたことはありますか?実は「Commonwealth of Australia(オーストラリア連邦)」という正式名称には、長い歴史と興味深い背景があるんです。どうしてこの名前がついたのか、どのような意味が込められているのか、一緒に見ていきましょう。
本記事では、オーストラリアの正式名称や英語表記の意味を掘り下げ、日本との違いにも触れながら、その魅力を深く探っていきます。オーストラリアという国をより身近に感じながら、新たな発見につながれば嬉しいです!
オーストラリアの正式名称の由来について
オーストラリアは、ニューサウスウェールズ州(NSW)、ビクトリア州(VIC)、クィーンズランド州(QLD)、西オーストラリア州(WA)、南オーストラリア州(SA)、タスマニア州(TAS)の6州と、首都特別地域(ACT)・北部準州の特別地域で構成されている連邦国家です。そのため、オーストラリアの国名の正式名称は「オーストラリア連邦」となっています。英語表記では”Commonwealth of Australia”となり、カタカナで表記は「コモンウェルス・オブ・オーストラリア」となります。
コモンウェルスとは?
コモンウェルスとは、一般的に「イギリス連邦」を指し、19世紀に世界を支配し、大英帝国を構成していた国家のゆるやかな連合体を意味します。多くの旧イギリス植民地の国家が、このコモンウェルスに加盟しており、オーストラリアもその一つです。コモンウェルスは、現在の欧州連合(EU)のような政治経済での強固な連携はありませんが、伝統的なつながりは保たれ、4年に一度コモンウェルス大会というスポーツ大会も開催されています。オーストラリアの他に、カナダやニュージーランド、シンガポール、マレーシア、インドなど旧大英帝国の国々が加盟しています。
オーストラリアという名前の由来
オーストラリア大陸は、ヨーロッパの人々に古くから存在が知られており、特に南半球に未知の大陸があると信じられていました。そのため、ラテン語で「Terra Australis Incognita(未知なる南の土地)」と呼ばれていました。この「Australis(南の)」という言葉が、現在のオーストラリアという国名の由来となっています。
最初にオーストラリア大陸を発見したのは、オランダ人のウィレム・ヤンスゾーンで、17世紀には「ニューホランド(New Holland)」と名付けられていました。しかし、その後イギリス人の航海者マシュー・フリンダースが探検を進め、ラテン語の「Terra Australis」に基づき、この大陸を「テラ・オーストラリス」と呼ぶようになりました。その後、省略されて現在の「オーストラリア」という名称が一般的になっていきます。
しかし、当初はこの名称がすぐに定着したわけではありません。何度か「テラ・オーストラリス」という古い呼び方に戻された時期もありましたが、最終的には1824年にイギリス海軍本部が正式に「オーストラリア(Australia)」という名称の使用を承認し、現在の国名が確立されました。このようにして、長い歴史を経て「オーストラリア」という名前が正式に定められたのです。
オーストラリアの正式名の英語表記とコモンウェルスについて
英語表記では、Federal Australiaとはならず、”Commonwealth of Australia”と表記されます。カタカナでは「コモンウェルス・オブ・オーストラリア」と呼ばれます。
コモンウェルスとは、19世紀に 世界を支配した大英帝国を構成していた国家のゆるやかな連合体です。多くの旧イギリス植民地国家がコモンウェルスに加盟しており、オーストラリアもその一つです。国旗に ユニオンジャック(イギリスの国旗)が描かれていることからも、イギリス連邦の一員であることがわかります。
オーストラリアが連邦国家となったのは1901年ですが、その10年前にオーストラリアの憲法が制定された際、連邦制の父と呼ばれるヘンリー・パークスが"Commonwealth"という言葉を使うことを提案しました。シドニーでの投票の結果、"Commonwealth"を使用した正式名称 ”Commonwealth of Australia”が過半数の支持を得て正式に決定されました。
"Commonwealth"は、イギリス連邦という意味だけでなく、国民の 「共通の富や財産」(for common good) のための国という意味合いが込められています。 "Common"は 「共通」、 "wealth"は 「富や財産」を意味し、 『国民共通の富や財産のための国』であることを示しています。
オーストラリアにおける共通の富や財産とは、私有財産や既得権益ではなく、 「政府」であると定義されています。したがって、オーストラリアにおいて、 ”Commonwealth”は、国家全体を指す概念として使用されています。また、 ”Commonwealth”は、イギリス連邦の一員ということだけを意味するのではなく、6州からなる連邦制において、オーストラリア共通の財産であるCommonwealthに、各州が根差しているという意味も含まれています。
オーストラリアという国の基本情報
ここでは、オーストラリアの基本情報について説明します。正式名称は、 「オーストラリア連邦(Commonwealth of Australia)」と言い、広大な大陸と多様な自然を持つ国として知られています。オーストラリアの面積は約768万8287平方キロメートル。これは 日本の約20倍の広さで、世界で6番目に広い大陸です。人口は、2024年6月末時点で約2,720万人。
首都のキャンベラは、シドニーから300km、メルボルンから650kmの場所に位置し、 「人が出会う場所」という意味を持つアボリジニの言葉に由来します。立憲君主制で、国家元首はチャールズ三世国王です。国旗にも記されているユニオンジャックは、イギリスとの歴史的なつながりを、南十字星は南半球に位置することを象徴しています。
英語圏の国では、アメリカ、イギリスに次いで留学生が多く、安全面や物価面から留学先として人気を集めています。また、オーストラリアは日本と 「ワーキングホリデー協定」を結んでいるので、ワーキングホリデービザで最長2年間滞在することが可能です。このビザを利用して、就学、アルバイト、インターンシップ、ボランティア活動に参加することもできます。近年では、ワーキングホリデービザでの就労経験が評価され、現地就職につながるケースも増えています。
オーストラリアと日本の比較
オーストラリアと日本は、地理や人口、経済、文化など多くの面で違いがあります。ここでは、オーストラリアと日本の比較について説明します。
人口と人口密度
2025年2月現在、オーストラリアの人口は約2510万人、日本の人口は約1億2500万人です。人口密度は、オーストラリアが1平方キロメートルあたり3人であるのに対し、日本は334人と日本の111分の1です。この違いは、 オーストラリアが広大な国土を持つ一方で、可住地が限られているためです。
国土面積
オーストラリアの面積は約768万8287平方キロメートルで、日本の約37万7973平方キロメートルの約20倍です。この広大な土地で、多様な自然環境を育み、多くの世界遺産を有しています。
移民の割合
オーストラリアは 多文化国家で、2022年6月時点で、オーストラリアの海外生まれの人口は、全人口の29.5%を占めています。さらに、2021年の国勢調査によると、海外で生まれた者または両親のどちらかが海外で生まれた者(移民)は、総人口の51.5%に達しています。オーストラリアは、200以上の国からの移民やその子孫で構成されています。日本の移民比率については、2020年のデータによると2.19%です。
物価
オーストラリアの 物価は日本より全般的に高く、特に大都市では顕著です。コカ・コーラ2Lペットボトルは日本では200円未満、オーストラリアでは3.5~4.5AUD(約336~432円)で、マクドナルドのビッグマックは日本では約450円、オーストラリアでは7.55AUD(約724円)です。また、卵も7.2AUD(約691円)、水は2.1AUD(約202円)と食料品も日本より高いです。
最低賃金
2025年1月時点での、 オーストラリアの最低賃金は時給24.10オーストラリアドル(約2,506円)です。これは、日本の平均的な最低賃金の約1,000円の 約2.5倍です。
親日度
オーストラリアは世界有数の 親日国であり、小学校から日本語を学ぶ学生も多いです。多くの高校や大学が日本の学校と提携しており、姉妹都市も多いです。主要都市には日本食レストランがあり、日本文化が広く受け入れられています。
英語教育
オーストラリアは長年にわたり、多くの移民や留学生に英語教育を施してきた実績があり、そのレベルの高さは世界的に評価されています。 留学生にオーストラリア人と同等の教育を提供することを保証する 国家法(ESOS法)が制定されています。
住みやすさ
治安の良さ、医療技術、公衆衛生は世界でも最高水準を誇り、安心して滞在できる国です。英誌「エコノミスト」の、 「世界で最も住みやすい都市ランキング」で 5年連続1位を獲得。2015年の評価では、 医療・福祉、教育、治安・安全、文化、環境、インフラの分野で100点満点中97.5点という高い評価を得ています。ただし、オーストラリアの医療技術は進んでいますが、医療費は日本と比較すると高額です。
多文化社会
オーストラリアは多文化国家で、 移民の割合が高く、200以上の国からの移民やその子孫で構成されています。 オーストラリアは、日本から最も近い英語圏の先進国で、多国籍国家、高い教育水準、良好な治安、高い医療レベル、清潔さ、日本との時差の少なさ、差別の少なさなど、日本人にとって理想的な留学先です。政治、経済、医療、福祉が発達し、生活水準が高い国です。
まとめ
オーストラリアの正式名称 「Commonwealth of Australia(オーストラリア連邦)」には、国名以上に深い歴史と意味が込められています。本記事では、その由来や英語表記の背景をひも解きながら、オーストラリアの基本情報や日本との違いについてもご紹介しました。
国土の広さや政治体制、文化の違いなど、日本とは異なる魅力がたくさんあります。オーストラリアについて少しでも理解が深まり、より身近に感じていただけたなら嬉しいです。この記事が、新たな興味や発見につながるきっかけになれば幸いです!

◇経歴
・インターナショナルプリスクールでの勤務経験あり
・幼児英会話講師としての勤務経験あり
◇資格
・ケンブリッジ英語検定FCE
・実用英語技能検定2級
・幼保英語検定2級
・児童英語インストラクター資格
◇留学経験
・オーストラリア(1年間)
・イギリス(1か月)
◇海外渡航経験
【旅行】
イタリア、オーストラリア、ハワイ、グアム、プーケット、バリ島、セブ島、台湾
◇自己紹介
英語と旅行に魅了され、学生時代にオーストラリアとイギリスへの留学を経験。
異文化との出会いが人生の大きな転機となる。
幼児英会話講師としての経験を積み、現在は英語や異文化の魅力を発信するWebライターとして活動中。
夢は、娘との親子留学といつかは家族で海外移住。
趣味は、週末プチ農業と地元のグルメ探し。