アイルランドへ旅行や留学で行く際、気になるのが治安です。
一般に治安が良いとされているアイルランドですが、実際はどうなのでしょう?
この記事では、アイルランドの基本情報から治安ランキング、注意すべきエリア、被害にあいやすい犯罪などについて詳しく解説します。
防犯対策や万一トラブルに巻き込まれた際の解決策も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
アイルランド基本情報
面積 | 70,282㎢(日本の約1/5) |
人口 | 約459万人 |
言語 | 英語、アイルランド語 |
首都 | ダブリン |
通貨 | ユーロ |
日本との時差 | -9時間(サマータイムは-8時間) |
宗教 | 70%がキリスト教(カトリック系) |
アイルランドの正式国名は「アイルランド共和国(The Republic of Ireland)」で、北大西洋のアイルランド島に位置します。
アイルランド島はイギリスによる植民地時代を経て、イギリス領土である北アイルランドと、現在のアイルランドに分かれました。
アイルランドは別名エメラルド島とも呼ばれるほど緑豊かで、人口の半数は35歳以下の若者が占めます。
親しみやすく陽気な国民性は世界の人々から愛され、旅行や留学先としても高い人気です。
アイルランドの気候は、夏は14~16度、冬は4~7度程度と比較的温暖で、雪もほとんど降りません。
ただし、アイルランドには雨季や乾季がなく年中通して雨が降るので、携帯できる雨具を準備しておきましょう。
アイルランドの治安ランキングと現状
アイルランドの治安は、現在どのような状況なのでしょうか。
ここでは、以下について解説します。
・治安ランキングは世界第2位
・犯罪発生件数が増加傾向にある
では、確認していきましょう。
治安ランキングは世界第2位
以下は、世界平和指数ランキング(Global Peace Index、GPI)で発表された2024年度の治安ランキングです。
アイルランドは第2位の評価となっています。
順位 | 国名 |
1位 | アイスランド |
2位 | アイルランド |
3位 | オーストリア |
4位 | ニュージーランド |
5位 | シンガポール |
6位 | スイス |
7位 | ポルトガル |
8位 | デンマーク |
9位 | スロベニア |
10位 | マレーシア |
11位 | カナダ |
12位 | チェコ |
13位 | フィンランド |
14位 | ハンガリー |
15位 | クロアチア |
16位 | ベルギー |
17位 | 日本 |
18位 | オランダ |
19位 | オーストラリア |
20位 | ドイツ |
日本もかなり治安が良いと言われていますが、17位であることを考えるとアイルランドがいかに治安が良い国として評価されているかがわかりますね。
犯罪発生件数が増加傾向にある
アイルランドでは、凶悪犯罪、窃盗犯罪ともに増加傾向にあります。
2023年にアイルランドで発生した犯罪発生総件数は、約19万5千件と、前年比8.3%の増加。
このうち、窃盗は前年比8千件増の7万4千件に上っており、特に注意が必要です。
以下は、2023年のアイルランドと日本の10万人あたりの犯罪発生率を比較したものです
凶悪犯罪 | 窃盗犯罪 | |
アイルランド | 70.8件 | 850.1件 |
日本 | 51.5件 | 326.5件 |
アイルランドは総合的な治安の良さでは日本よりも上位となっていますが、犯罪発生率は日本より高いことがわかります。
アイルランドで注意するべきエリア
次に、アイルランドで注意が必要なエリアについて解説します。
アイルランドでは以下のエリアや場所で注意が必要です。
・首都ダブリンの繁華街や観光スポット
・夜間のコーク市やリムリック市の飲食街
・バスや電車内
では、順に見ていきましょう。
首都ダブリンの繁華街や観光スポット
アイルランドの首都ダブリンにはたくさんの観光スポットが集中しているため、観光客に高い人気です。
特に注意が必要なのは、グラフトンストリートやテンプルバー地区、オコンネルストリートなどの繁華街で、これらのエリアではスリやひったくり、置き引き、路上強盗などが頻発しています。
たくさんのショップが立ち並び人々が行き交う通りでは、商品に見入ったり地図を確認したりしている観光客が狙われがちです。
財布やスマートフォンはポケットではなくバッグに収納し、荷物はしっかりと抱えて歩きましょう。
夜間のコーク市やリムリック市の飲食街
コーク市は、ダブリンに次いで観光客に人気の高い都市です。
治安は比較的良いとされ観光にもおすすめのエリアですが、昼間は安全でも夜になると犯罪が発生することがあります。
特に注意が必要なのは飲食街周辺で、バーやナイトクラブの近くには酔っ払いがたむろしていることもあるので、近寄らないようにしましょう。
また、リムリック市も観光客に人気が高い地域ですが、夜間には一部エリアで窃盗や暴行事件などが確認されています。
観光は昼間に行い、夜はなるべく出歩かない方が良いといえます。
バスや電車内
バスや電車といった公共交通機関内では、スリやひったくり、置き引きに注意しましょう。
特に混雑している時は、軽犯罪が起こりやすいといえます。
また、首都ダブリンの駅では、夜間に不良少年たちやホームレスが集まっている場合もあるため、危険な雰囲気を察知したらすぐにその場から立ち去りましょう。
アイルランドで被害にあいやすい犯罪は?
治安が良いとされているアイルランドでも、巻き込まれやすい犯罪はいくつかあります。
特に観光客や留学生は狙われがちなので注意が必要です。
アイルランドで被害にあいやすい犯罪は、以下の4種です。
・スリ・ひったくり・置き引き
・車上荒らし・窃盗
・暴力・恐喝
・詐欺行為
では、一つひとつ確認しましょう。
スリ・ひったくり・置き引き
アイルランドの大都市ダブリン周辺では、頻繁にスリやひったくりが起きています。
特に多いのは、人混みで後ろからこっそりと近づいてきて、バッグや財布、スマートフォンなどをひったくられるケースです。
また、飲食店のテーブルや公園のベンチなどに荷物を置いて、目を離した隙に置き引きにあうことも、日常的です。
観光客は旅行用に高価なバッグを持っている場合も多く、また、異国の地で注意力が散漫になっているため、狙われやすいといえます。
車上荒らし・窃盗
車上荒らしや窃盗も、アイルランドの特に観光地で多い犯罪だといえます。
観光スポットやショッピングモールにある駐車場で、車の中に貴重品を置きっぱなしにするのは非常に危険です。
車内が見える状態で荷物を放置していて、窓ガラスを割って中の物を盗まれるケースが多く報告されています。
暴力・恐喝
他国に比較して安全と言われるアイルランドでも、ダブリンなどの都市部では暴力事件が起きることがあります。
昼間は安全な地域も夜になると様子が変わり、不良グループによる恐喝などの事件が起こっているので、くれぐれも注意しましょう。
詐欺行為
偽物の警察官による詐欺事件も、アイルランドでは報告されています。
警察官の制服に似た服装で職務質問を行うふりをして、金品を奪うのがその手口です。
やはり外国人観光客が多く狙われるため、注意が必要です。
防犯対策について
ここまで、アイルランドで多い犯罪についてお話ししてきました。
では次に、防犯対策を解説しましょう。
防犯対策には以下の方法があります。
・夜間に一人で出歩かない
・昼間も油断しない
・怪しい通りは避ける
・不審な人物やグループに近寄らない
・警察官に声を掛けられたら本物かどうか確認
・現金や貴重品は分散して持つ
・車内に貴重品を置かない
では、順に見ていきましょう。
夜間に一人で出歩かない
アイルランドは世界でも有数の治安の良い国ですが、やはり夜は危険だといえます。
昼間は誰もが安心して出歩ける観光スポットも夜になると危険になるため、夜間は1人で出歩かず、移動時には安全な交通手段を利用しましょう。
昼間も油断しない
昼間は夜間に比べると安全ですが、人通りの多いエリアではスリやひったくりにあう可能性があります。
バッグはファスナーや蓋の付いたものを利用し、肩掛けではなく、たすき掛けにします。
さらに、車道とは逆側の方に掛ける方が安全です。
財布やスマホはポケットに入れず、バッグに入れて持ち歩きましょう。
怪しい通りは避ける
怪しい通りを避けて歩くことも大切です。
薄暗い通りや落書きの多い通り、ゴミの多い所は危険な場合が多いといえます。
健全なお店が立ち並ぶ、明るい通りを選んで歩くようにしましょう。
不審な人物やグループに近寄らない
不審な人物やグループを見かけたら、決して近寄ってはいけません。
親し気に話しかけて来て財布などをひったくる手口も多いため、注意を怠ってはいけません。
怪しい雰囲気を察知したらすぐにその場から離れるようにしましょう。
警察官に声を掛けられたら本物かどうか確認
警察官を名乗る人に声を掛けられたら、IDや身分証で本物かどうかを確認しましょう。
現金を要求された場合は断り、正規の手続きが踏まれているかどうかを確認することが大切です。
現金や貴重品は分散して持つ
現金やクレジットカードなどの貴重品は、分散して持つようにしましょう。
分散することで、万一スリやひったくりにあっても最小限の被害で済みます。
車内に貴重品を置かない
貴重品を車内に置いたままにすると、車上荒らしにあう危険性があります。
貴重品は持ち歩くようにした方が安全です。
また、車を離れる際にはドアロックを徹底しましょう。
被害にあってしまった時は?
万全の注意を払っていても、被害にあうことはあります。
万一アイルランドで犯罪の被害にあったら、近くの警察に被害届を出しましょう。
被害届は後の手続きで等に必要になることがあるため、必ず保管しておきます。
下は、アイルランドの緊急連絡先一覧です。
電話番号 | |
警察、消防、救急 | 999 または 112 |
在アイルランド日本国大使館 | +353-(0)1-202-8300 |
外国人犯罪被害者向け支援サービス ※アイルランド国家警察委託組織 |
+353 (0)1 661 0562 |
まとめ
この記事では、アイルランドの治安情報や対策、万一トラブルに巻き込まれた場合の解決策について解説しました。
アイルランドは世界で2番目に治安の良い国としてランキングされていますが、近年は犯罪が増加傾向にあり、やはり注意は必要です。
特に、首都ダブリンを初めとする都市部では気を付けましょう。
本記事がアイルランドに旅行や留学に行く方の参考になれば幸いです。