ホテルでもない、ゲストハウスでもなく、ユースホステルでもベッド・アンド・ブレックファストでもない、そんな宿泊先がAirbnb(エアビー)です。皆さんは海外へ旅行に行ったときなどにAirbnbを利用したことがありますか?
この記事では民泊Airbnbに関し、起こり得るトラブルの事例紹介、ホスト・ゲストがそれぞれにすべき安全対策、そして利用で万が一トラブルが起こったときに取るべき対応など安全面からみた内容をお届けします。
- Airbnb(エアビー)とは?
- Airbnb(エアビー)は安全?よくあるトラブル事例
- Airbnb(エアビー)のホスト側の安全対策
- Airbnb(エアビー)のゲスト側の安全対策
- Airbnb(エアビー)でトラブルが発生した場合の対応
- まとめ
Airbnb(エアビー)とは?
Airbnbは日本語ではエアビーと読みます。外国の方はそのままエアービーアンドビーと言うことが多い印象があります。さて、そもそもAirbnbとはどのような施設なのでしょうか?
世界最大手の民泊仲介サービス・Airbnb
Airbnbとは民泊を仲介するサービスであり、ネーミングAirbnbはAir Bed and Breakfastを略した形になります。イギリス好きの人であれば朝食付きでリーズナブルに滞在できるBed and Breakfast(B&B)をご存知でしょう。このB&Bに由来してAirbnb(n=and)という呼び名が生まれました。ちなみに、最初にベッドではなくエアマットをホストが用意したという話もあります。
Airbnbのプラットフォームによってホストはサービスを公開し、ゲストは検索・予約して実際に利用できるもので、今では、Airbnbは世界最大手の民泊仲介サービスとなっています。
ちなみに、ロサンゼルスの山火事の際、Airbnbは32,000人以上の避難者と救急隊員に無料で宿泊先を提供しています。
sharing economyのAirbnbビジネス
Airbnbの始まりは2007年。2人のホストがアメリカ・サンフランシスコの自宅に3人のゲストを迎え入れたことでスタートしました。
sharing economyという言葉があります。日本語でもシェアリングエコノミーと言われており、個人が所有する、使っていないあらゆるものをネットを介して個人間で共有する経済活動を言います。Airbnbは空いている物件や部屋を旅行者などに貸して利益を得るシステムですので、sharing economyということになります。
Airbnbの利用システム
Airbnbを利用するには、ホストの側もゲストもウエブサイト上でまずアカウントを作成します。海外を旅行する予定があればぜひ英語でアカウントを作ることをおすすめします。Airbnbの右上にあるsign upからスタートしてください。
さて、アカウント登録が終わったら行きたい目的地、チェックインとチェックアウト日や宿泊人数を入れてサーチします。住所や宿泊費に加え、レートやレビューも見ることができるので、その上で自分にとってベストなAirbnbを探していくことになります。
Airbnbとホテルの違い
ユニークな点ですが、Airbnbではホストとゲスト双方がレビューをし合います。通常ホテルなどでは宿泊をした人がレビューをしますが、ホテルは宿泊者を評価することはありません。Airbnbはプラットフォーム上で予約をしますが、これらのレビュー情報はサイト上であらゆる人に共有、参考にされます。
また、Airbnbは一軒家や集合住宅の部屋を利用するため、レセプション(フロント)はありません。キッチン、リビング、ダイニングや家電などがあり、ここはホテルとは違う点です。そして希望をしない限り、ホストと会うことがないことがあります。カギの受け渡しも事前にメールやメッセージで確認のやり取りをしますし、使用する上でのルールも部屋内に案内があります。例えば、ゴミをどう仕分けるかの方法などまで細かく指示があります。
筆者も過去数度、ゲストとしてAirbnbを利用したことがあります。一回は東京で、数回はパリでした。東京ではカギは所定の場所に置かれていて、ホストに会うことは一度もありませんでした。
ここまでで、Airbnbを利用したことのない方にもどのような滞在になるかお分かりいただけたことでしょう。
ここからは、事前に知りたいAirbnbの安全性についてみていきましょう。
Airbnb(エアビー)は安全?よくあるトラブル事例
Airbnbでは旅先でも自宅にいるようにくつろげたり、外国の家で暮らしているような体験ができるといったメリットがあります。しかしそれもゲスト側・ホスト側双方にとって安全であれば、が前提の話になります。
Airbnbでよくあるトラブル事例
まず、ホスト側にとってのトラブルですが、よくある事例はルールを守らない使い方をされることでしょう。物品の持ち去りに始まり、宿泊を終えてホストが部屋に入ると、散らかっていて片付いていない、キッチンには汚れた食器がそのまま、ゴミの仕分けがされていない状態を発見という事態もあります。そうなると、次のゲストのチェックインに支障をきたす場合もあります。また、深夜にパーティをするゲストたち、グラスなどが割られたまま、大きな音量で音楽を流す、このような場合、隣近所から苦情が入ることがあり対応を迫られます。
このような場合、ホストはゲストに対してネガティブなレビューをすることになりますが、このようなゲストからはホストへも否定的な評価になるケースが多くあります。
一方、ゲスト側もトラブルに見舞われる場合があります。
ホストとなかなかコミュニケーションが取れない、サイト上の写真と違って実際は不潔だった、鍵の受け取りにホストが遅れてきて現地で待たされた、などです。
次からは、ホスト側そしてゲスト側がすべき安全対策を紹介しましょう。
Airbnb(エアビー)のホスト側の安全対策
民泊を提供するリスクを最小限に抑えるため、ホストがすべき対策を挙げていきます。
ホストができる安全対策を紹介
ホストはまず、予約の変更やキャンセルに伴う対応として、キャンセルポリシーの設定をします。この設定によって、悪質な予約を減らすことができるでしょう。
もし、日本で民泊のホストになろうとしている人がいれば、事前のメッセージのやり取りはもちろん、部屋に置く様々なガイドラインは英語および中国語までは用意すべきです。異なる文化を持つゲストにしっかりルールを理解してもらうためです。ホスト側ですべきことをした上で、物品などの破損やルール違反について対処することができます。
なお、日本には日本ホスト保険というホストを保護するプログラムがあります。また、Airbnbからサポートを受けられることもしっかり理解すべきです。これらに関しては、最後にまとめたものを紹介します。
次では、より多くの皆さんが知りたいゲスト側の安全対策を紹介します。
Airbnb(エアビー)のゲスト側の安全対策
滞在先を決める際に決め手となるのはロケーションや値段であるとともに、Airbnbでは利用者のレビューです。しかし、評価には個人差があるため、レビューだけを信用して決めるのではなく、参考にするものだと理解することをおすすめします。
ゲストができる安全対策を紹介
ゲストが安全面で不安になるのは、支払いに関する点ではないでしょうか?オンラインでAirbnbを利用して、クレジットカードでの支払いという流れになりますが、Airbnbでは詐欺を避けるために多くの機能とサイバーセキュリティを導入しています。
一方で、Airbnb正規のサイトから他のリンクに誘導されるケースが報告されています。Airbnbでは、プラットフォーム外の取引・支払いとも禁止していることをゲストは安全対策として知っておくべきでしょう。
また、国によって違いはありますが、Airbnbのホストになるための特別な条件はありません。その分、ホストの良し悪しがあることは避けられません。そこで、安全な利用を考える際にAirbnbに「スーパーホスト」という認定プログラムが存在することを知っておきます。
Airbnbは年に4回のスーパーホストを認定するための実績審査をしています。スーパーホストに認定されるには、高評価レビューの獲得・ゲストへの迅速な対応、キャンセルを避けるといった認定条件があります。そこで、ゲストはスーパーホストから選ぶという方法を活かすことができます。
スーパーホストに関する詳細は、以下のAirbnbページをご参考にしてください。
https://www.airbnb.jp/help/article/828
Airbnb(エアビー)でトラブルが発生した場合の対応
最後に、Airbnb利用でトラブルが発生してしまった際の対応についてまとめます。
Airbnbのサポート
上でも触れましたが、Airbnbからサポートを受けることができ、これらを事前に把握しておくことが重要です。
【Airbnbヘルプセンター】
Airbnbのヘルプセンターは24時間年中無休で利用可能です。ウェブサイト経由で、電話・メール・チャットで問い合わせることができます。なお、問題があった場合は発見してから72時間以内にホストまたはAirbnbに報告する必要があります。
【返金について】
滞在中に問題が起こった際には写真または動画を撮っておくことが大切です。サイトに載っていた情報と異なっていたり、設備の不備・故障などがあれば、ホストにまず連絡して状況を伝えます。そして返金を求めることができます。問題解決が難しい場合にはAirbnbへサポートを依頼します。
【緊急事態が発生した場合】
身の危険を感じるような状況になった場合には、Airbnbを通じて、直ちに緊急通報サービスに電話をかけることができます。
【悪質なレビューの削除サポート】
投稿されたレビューがAirbnbのポリシーに違反している場合、それを報告すると削除のサポートを受けることができます。
サポートに関しては、Airbnbウェブサイトの下方に情報が記載されています。Airbnbを利用したい場合は、ご自分で一通り目を通すことをおすすめします。
まとめ
Airbnbは日本国内だけでなく、英語学習者が海外での滞在先を決めるときに一つの選択肢になります。Airbnbだからと言って安いとは限らない一方、ユニークな宿泊体験を得る可能性は大きくなります。世界中に約770万件もの民泊をリスティングするプラットフォームは、安全性を理解した上で利用しましょう。

◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。