海外留学を考えるとき、どこを拠点にするかは重要なポイントです。
現地の一般家庭に滞在し、部屋をひとつ借りて過ごすホームステイも魅力ですね。しかし、最悪の経験をしたという人の体験談を見聞きしませんか?
この記事では、ホームステイをするために知っておきたい事例や最悪な体験を避けるための対策などを紹介します。
事前に調べておくことで、皆さんの留学が充実したものに近づきます。
ホームステイとは?
ホームステイの詳細を知らないことには、良さもわかりません。
そこで、まずホームステイとはどのようなタイプの滞在なのかについて解説をしましょう。
現地の家庭に滞在するホームステイ
ホームステイの英語はhomestayです。
homestayを辞書で調べると、留学生の「家庭滞在」とあります。
ホームステイはこのとおり、海外で勉強をする留学生の滞在先が現地の家庭という滞在方法です。したがって、例えば語学学校などで英語を学ぶとき、朝はホームステイ先から学校へ通い、クラスが終わればその家に帰宅するという、自分の家に住んでいるような生活を送ることになります。
期間限定でホストファミリーの家族の一員として、現地で暮らすのです。
ホームステイのメリット・デメリット
学校に通う以外の時間を現地の家庭で過ごすのがホームステイということが分かりました。
それでは、ホームステイのメリットとデメリットとはどのようなものなのでしょうか?
メリットとデメリットを知った上で、自分の留学準備をすることをおすすめします。
ホームステイのメリット3選
まずはホームステイのメリットから紹介します。
ホームステイを考える方にとってはワクワクするような大きなメリットがあります。
● 英語を使う時間が増える
英語力の上達のため、決心してする留学です。
誰もが最大限に時間を有効利用したいと考えるでしょう。
ホームステイ先には当然、ホストファミリーがいます。学校や大学以外の時間でも、ホストファミリーとの英語のコミュニケーションが当然発生します。
仮に、学生寮やシェアハウスなどに別の日本人がいる場合、ずっと英語でやり取りをすることはかなり難しくなります。
その点、ホームステイであれば、使わせてもらう部屋にいる時間以外は常に英語を使う機会に恵まれますし、加えてホストファミリーの友人たちと一緒におしゃべりをする可能性もあります。
このことから、現地での英語を使う時間を最大にすることに大変役立ちます。
● 現地のリアルな文化を体験できる
海外旅行ではなかなか経験できないことがホームステイではできます。オーストラリアではオーストラリアの、カナダではカナダの、もちろんイギリスではイギリスならではの独自の文化、生活様式のなかで毎日を過ごしますので、異文化体験の連続になります。
例えば、筆者はイングランドに引っ越しをした2006年の夏、イギリスの一般家庭ではバスルームが基本2階にあること、週末にはよくガーデニングに時間を費やすなどなど、さまざまな文化を発見しました。
家事を手伝ったりテレビを一緒に観たり、どこかに出かけたり、一般家庭に滞在するホームステイでは、海外に住むという体験ができるというポイントがメリットです。
● 留学後も続く交流
あっという間に過ぎるのが留学の期間です。
自分にとってスペシャルな時間を一緒に過ごしたホストファミリーとは、別れのときもハグをしながらお互いにウルウルくるほどになるしょう。
しかし、この縁は留学後も続きます。
メッセージなどで近況を伝えあったり、お互いを訪問し合うということ可能性もあり、家族とは自分の本当の家族のようなお付き合いが続くケースがあります。
良い縁に恵まれるのと同時に、英語でのコミュニケーションが継続していくことがホームステイのメリットです。ホストにとっては、あなたの英語がいかに上達をしたかも客観的にみてくれる温かい存在になります。
ホームステイのデメリット
ホームステイを考えているのにデメリットは聞きたくないなどと考えると危険であり、留学するご本人だけでなく、日本のご家族にとっても納得の上で話を進めることが大切ではないでしょうか?
良い面ばかりを考えて現地でガッカリするよりも現実を知ることが大切です。
※受け取り方はあくまでも個人差があることをご了解ください。
● ホストファミリーとの距離感
自分の部屋は提供されるものの、一つ屋根の下で暮らすのがホームステイです。
慣れない海外では、プライベートの線引きが難しく、ファミリーに気を遣ってしまうことがあります。フレンドリーなホストマザーが色々心配して声をかけてくれることが負担になったり、家族に子どもがいれば賑やかさをうるさく感じてしまったりすることもあるかもしれません。
どんなときでもチャンスと捉えられれば良いですが、ホストファミリーとの距離感にときに窮屈を感じてしまうことがあります。
● 通学に不便なロケーション
学生寮は学校に近いことがほとんどですが、ホームステイだとそうではないケースがあります。通学に時間がかかればその分交通費もかかります。
帰宅時間のルールがあれば、留学生同士の交流は少なくなるかもしれません。これらが負担になるとホームステイのデメリットになってしまいます。
● 食文化に馴染めない
毎日の食事はそれぞれの国の文化を大きく表します。
また、海外では朝食はもちろん、夕食もシンプルであったり、和食と違い同じメニューがテーブルに並ぶ日が多くなることがあります。
食費をどれだけかけるかはその家庭によって違いが大きく出る点だからです。家族と同じ食事を毎食とることは、お腹の調子にも影響が出ることがあります。
ホームステイには当たりはずれがある
実は、ホームステイ先には「当たり外れ」があると言われます。その理由をみていきましょう。
海外におけるダイバーシティという環境
外国では、日本にいるよりもダイバーシティを感じることが多々あります。ホストファミリーになる家族は、その国で学ぶ留学生に自宅を提供しますが、提供者には様々なバックグラウンドを持っている人々が存在します。
そこで、ネイティブではなく、外国人がホストファミリーになることがあります。
ホームステイに当たり外れがある理由
例えば、英語本場のイギリスでホームステイをする場合、ネイティブの家族の家に滞在する人、それ以外の外国人宅に住む人とに分かれるのです。
どちらの家庭でも英語を使いますし、留学生を歓迎してくれる点に関してはどちらが良い悪いという話ではありませんが、本場のアクセントやフレーズなどはやはりネイティブと外国人では違ってくることがあります。
せっかく本場での英語上達が目的の留学ですので、この点について当たり外れがあるという受け取りになります。
最悪なホームステイの例
ホームステイをした人からは、体験について両極端な意見が聞こえてきます。
一生涯の思い出となるハッピーなホームステイ体験を得る人たちがいる一方、残念ながら英語留学さえ台無しになってしまうような最悪なストレス体験をしてしまうケースがあります。
最悪ホームステイ事例1
「増していく孤独感」
素晴らしいホームステイを期待したものの、理想と現実のギャップに最悪と感じてしまうことがあります。そのもっとも大きな原因は、一緒に生活をするホストファミリーとの関係です。
初めて会ったときにはとてもフレンドリーだった家族でも、時間とともにそのトーンが落ちていくことがあります。これはある程度自然なことでしょう。
しかし、最悪なのは家族との相性の悪さを感じてしまうケースです。慣れない海外での暮らし、英語のコミュニケーションがなかなかとれないなどの要因と重なれば、これは苦しい環境になってしまいます。
こうなると、家族との交流を避け、自分の部屋に引き篭もってしまう事態になりかねません。ファミリーの一員として過ごすためのホームステイが最悪となる瞬間です。
最悪ホームステイ事例2
「厳しいファミリールール」
日本を離れて、英語を学びながら自由な海外生活を送ろう!とポジティブな気持ちで渡航するものの、思いの外ホームステイ先のルールが厳しいと感じることがあります。
それぞれの受け入れ先にはそれぞれのルールがあります。例えば、夕食や帰宅など時間に関するもの、1日のシャワーの回数などです。
家庭に小さな子どもがいることも多いですが、そうなると夜に音を出さないように言われることもあるでしょう。ホストファミリーに気を遣って疲れてしまう、こんなトラブルもホームステイの最悪ケースとして挙げられます。
事例を2つ紹介しました。
どちらもメンタルに関するものであり、慣れない海外生活では辛い最悪の経験となるでしょう。
最悪なホームステイを避けるための対策
ホームステイに関する悩み事は、斡旋をした業者や学校に相談することになります。
しかし、留学コーディネーターや語学学校は、多種多様であるホームステイ先の品質管理に積極的に関与していないケースがあります。
最悪なホームステイを避けるために、どのようなことができるのでしょう?
積極的なコミュニケーション
あなたの抱える問題は、ホストファミリーに察してもらえるわけではありません。そこで、重要なのが積極的なコミュニケーションです。
そんな英語喋れないし~と言う人がいるかもしれませんが、短いフレーズを使い、相手が言ったことが理解できない際に聞き直す表現なども準備しましょう。
そして大切なのは相手の目を見て、笑顔と大きな声でやり取りをして相互理解をはかるという点です。相手にばかり期待せず自分から行動してみる、という考えでトライしてみましょう。
文化の違いを理解する
海外に行くからには、なんでも日本と比べていると大切な点を見逃します。海外の一般家庭には日本では当たり前のバスタブがないことや、食事が簡素なこともあります。
イギリスでは夏に暑くなっても、一般家庭にエアコンがありません。
心に留めておきたい点ですが、ホームステイ代を支払うからといってあなたはお客様ではありません。ホストの普段の生活がある上でゲストを受け入れていますので、その家庭の一員となって、海外での暮らしを体験するんだというくらいの気持ちを持ちましょう。
文化の違いは確実にある、ここをぜひ押さえてください。
気持ちの持ちようが良い滞在のキーポイント
悪質なホストファミリーに出会ってしまえば話は変わってきますが、気持ち次第であなたのホームステイが大きく違ってくることを意識します。
あれ?と思うことがあっても留学期間中だけだと割り切る、外国人またその生活は日本のものと違って当たり前なんだくらいに考え日本と比べない、食べ物の量が足りなければファミリーに聞いてみる、または自分で買ってきて部屋で食べる、このように考えると楽になりませんか?
海外生活にはストレスはつきものですが、考え次第でそれを減らすことは可能なのです。意識を少し変え、ホームステイをマックスで良いものにしていきましょう。
ホームステイ中に役立つ英語フレーズ
最後に、ホストファミリーとのやり取りに役立つフレーズをみていきます。それぞれのシーンに分けて紹介しましょう。
挨拶フレーズ
Nice to meet you!(初めまして)
I was looking forward to meeting you.(会えることを楽しみにしていました)
初対面ではこれらの表現を言えるようにすることに加え、morning/thank you/sorryなども言わなくてもわかるという考えではなくいつでも表現します。
家では家族に会うたびにHi/Hi, are you ok?なども使っていきましょう。
質問や相談したいときのフレーズ
Can you say that again, please?
もう一度言ってくれますか?
Excuse me, can you tell me what this is?
すみません、これ何ですか?
I would like to talk about XX when you have time.
お時間あるときにXXについてお話ししたいんですが。
Do you mind if I XX?
XXしてもいいですか?
気持ちを伝えるフレーズ
最後に、嬉しい気持ち、感謝の気持ちを相手に伝えるフレーズです。豊かな表情とともに使いましょう。
I’m excited!
ワクワクする~!
My pleasure!
どういたしまして!
I can’t wait!
楽しみでしょうがないです!
I’m over the moon!
すっごく嬉しい!
Thank you, much appreciated.
ありがとうございます。感謝します。
You’re the best!
あなた最高!
I can’t thank you enough.
感謝しきれません。
まとめ
記事では、ホームステイで考えられる最悪のパターンを紹介し、避けるための対策もみてきました。ただでさえ、慣れない環境に順応する必要のある留学で、ホームステイをすることによる体調への影響は軽くみてはいけません。
しかし、英語だけの環境で自分で状況を改善した経験を得れば、絶対にその後の人生にも活かせるはずです。
本記事がお役に立てば嬉しいです。
◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。