日本語を勉強していて、「日本語の文脈やニュアンスを理解するのが難しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。ただ文章を読むだけでなく、作者の意図や主張、感情などを正確に理解するためには、日本語の『読解力』が必要です。
しかし、「読解力がなかなか身につかない」「どのように勉強すれば良いか分からない」とお悩みの日本語学習者の方も多いはず。そこで今回の記事では、日本語の「読解力」を身につけるためのコツをお伝えしていきます。日本語学習でつまずきやすいポイントや読解力を鍛える方法を具体的に紹介していくので、ぜひ学習の参考にしてみてくださいね。
日本語学習者の推移
読解力について解説する前に、世界には日本語を学んでいる人がどれくらいいるのか、学習者の規模を見ていきましょう。2021年度の調査によると、日本語学習者は世界に約380万人、世界133ヶ国で日本語教育が行われています。学習者の数は40年前と比べると約30倍になっており、世界中で日本語を学ぶ人が増えています。
参考:2021年度 海外日本語教育機関調査
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/survey21.html
「読解力」とは
日本語学習者の多くが「難しい」と感じてしまうのが、今回のテーマである「読解」です。
そもそも「読解力」とは何なのか。まずは「読解力」について理解を深めていきましょう。
読解力=文章を正しく理解する力
読解力とは、文章を正しく理解し、情報を把握する能力のことを指します。ただ文を読むのではなく、文章の登場人物の気持ちを想像したり、筆者の意図を汲み取ったりと、文章に書かれていないことも含めて読み取るスキルが「読解力」です。
読解力を構成する要素
もう少し詳しく、読解力について考えてみましょう。「読解力」は以下の4つの要素で構成されています。
1.語彙力
2.文法知識
3.文脈の理解
4.背景知識
読解力には、まず「語彙力」と「文法知識」が必要です。語彙力とは、単語の意味を理解し、正しく使える能力です。
日本語には同じ音でも異なる意味を持つ単語や類義語が多く、これを理解することで文章の正確な意味を把握することができます。文法知識も同様に重要で、助詞や動詞の活用など文の構造を理解することで、文章の意図を正しく読み取ることができます。
次に、「文脈の理解」です。日本語の文章では、助詞や語順が意味を大きく変えることがあります。例えば、助詞「が」と「は」の使い分けや、省略された部分を文脈から推測するなど。文脈を理解することで、言葉のニュアンスや意図を正しく読み取ることができます。
さらに、「背景知識」も読解力を高める要素です。特定の文化や状況に関する知識があると、文章の内容や意図がより深く理解できるようになります。例えば、日本の歴史や社会問題についての知識があると、それに関連した文章を理解する際に役立ちます。
日本語学習者にとって、読解力を高めることは言語能力を向上させるために不可欠です。語彙や文法の理解に加え、文脈や背景知識を活用することで、より深く文章を理解できるようになります。
日本語学習でつまずくポイント
前項では「読解力」とは何なのかを詳しく解説しました。日本語を正しく理解するために欠かせないスキルですが、多くの学習者が「難しい」と感じてしまう分野でもあります。
ここからは、日本語の読解がなぜ難しいのか、学習者がつまずきやすいポイントをいくつかご紹介します。「日本語学習で難しさを感じている…」と悩んでいる方は、もしかしたらこうした点でつまずいてしまっているかもしれません。ぜひご自身の学習スタイルを振り返りながら、ポイントをチェックしてみてくださいね。
1.文法の複雑さ
読解が難しいと感じてしまう大きな理由のひとつに「文法」が挙げられます。日本語の文法は英語と異なる点が多く、文章を読んだ時に混乱しやすいです。例えば、英語の語順は「SVO」(主語-動詞-目的語)となるのに対し、日本語は「SOV」(主語-目的語-動詞)の語順を持ちます。
また日本語の文では主語が省略される場合も多く、文脈から判断する場合も多いです。前後の流れやニュアンスなどから理解や判断する必要があり、こうした点が日本語読解の難しさに繋がっています。
2.助詞の使い方
次に、「助詞」です。助詞の使われ方によって文章の意味やニュアンスが変わってくるので、慣れていないと「難しい」と感じてしまいます。
また、ひとつの助詞がたくさんの役割を持っているのも混乱しやすいポイントです。日本語の助詞は、上級者であっても使い方を迷ってしまう場合が多く、読解が複雑になってしまいます。
3.漢字
次に漢字です。日本語の漢字には複数の読み方や意味があるため、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。例えば、同じ「生」という漢字でも、「せい」(生命)や「いきる」(生きる)など、文脈によって読み方や意味が異なります。
また、同じ音でも異なる漢字が存在し、例えば「校」と「考」は音が同じでも意味が全く違う場合もあり、こうした漢字の多様性が日本語の読解の難しさの原因のひとつです。
4.言葉のニュアンス
最後に、「言葉のニュアンス」です。日本語では同じ意味を持つ単語でも、使い方や文脈によって微妙なニュアンスが異なります。例えば、「言う」と「述べる」はどちらも「話す」ことを意味しますが、「言う」はカジュアルな表現であり、「述べる」は公式な場や文章で使われることが多いです。
さらに、日本語には多くの類義語があり、それぞれが微妙に異なる感情や印象を与えるため、文脈に応じた適切な言葉選びが求められます。このような言葉の使い分けやニュアンスの違いを理解することが、日本語の読解を難しくしていると言えるでしょう。
読解力を鍛える方法
このように、日本語には英語にはないルールや使われ方があるため、読解が難しいと感じてしまいます。どうすれば日本語の読解力を身につけられるのか、ここからは『日本語の読解力を鍛えるために効果的な勉強法』について具体的に解説していきます。
1.たくさん文章を読む
日本語に限らず、言語を学ぶ際にとても効果的なのが多読トレーニングです。たくさん文章を読むことで、語彙や文法の理解を深めることができます。ポイントは、できるだけ幅広いジャンルの文章を読むこと。ニュースや雑誌、エッセイなど、様々な種類の文章を読んでみることで、日本語を読み解く力を養うことができます。
2.語彙の強化
語彙力を身につけることも、読解力を上げるために効果的です。おすすめなのは、文章を読みながら文脈の中で単語を覚えること。
日本語の単語は文脈によって意味が変化する場合が多いので、文章を読んで「どのような使われ方をしているのか」に着目してみると良いでしょう。本を読んで繰り返し単語に触れることで、表現や言い回しが自然と身についていきます。
3.要約の練習
本を読んだ後に自分で要約をするのも、読解力を鍛える効果的な学習法です。読んだ内容を自分の言葉で要約することで、自分がどれくらい内容を理解できているのかを確認できます。
また、自分で要約してみることで文章の主旨や重要なポイントを整理する力を養うことができ、ただ文章を読むよりも理解を深めることができます。最初は難しいと感じるかもしれませんが、繰り返すことで読解力が身についていくでしょう。
4.テレビや映画を観る
「文章を読むのが苦手…」という方は、日本語のテレビや映画を観てみるのがおすすめです。映像があると感情が読み取りやすいため、文脈やニュアンスが理解しやすくなります。同じ文言でも前後の文脈や話し手の口調によって意味が異なる場合があるので、そうした点に着目して観てみると、日本語の読解力アップに役立ちます。
また、口語的な言い回しなど日常で使う表現なども幅広く学ぶことができるでしょう。
5.日本語レッスンを受講する
「日本語の読解についてしっかり学びたい」という方は、講師から日本語レッスンを受けるのがおすすめです。日本語講師から学べば、日本語の言い回しやニュアンスについて理解を深めることができ、独学よりも早いスピードで読解力を身につけられます。
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まとめ
いかがでしたか?日本語には英語と異なる文法ルールや表現などがあり、「読解が難しい」と感じる方も多いですよね。今回の記事では、そんな日本語学習者の方向けに、『日本語の読解力を上げる方法』について詳しく解説しました。
【読解力を鍛える勉強法】
1.たくさん文章を読む
2.語彙の強化
3.要約の練習
4.テレビや映画を観る
今回紹介した勉強法はどれも読解力アップに効果的なので、ぜひ取り組みやすいものから始めてみてくださいね。
「一人で日本語を学ぶのは難しい」「日本語のオンラインレッスンを受講したい」という方には、ネイティブキャンプの日本語レッスンがおすすめです。まずは無料で体験してみて、レッスンの質や講師との相性などをチェックしてみてください。
その他、ネイティブキャンプブログでは言語学習に役立つ情報を毎日発信中です。日本語学習にまつわる記事も多数ご用意しているので、ぜひ勉強の参考にしてみてくださいね!

◇経歴
英語使用歴:6年
Webライターとして言語学習や海外生活に関する記事を執筆しています。
◇留学経験
メキシコシティでスペイン語留学
◇海外渡航経験
・英語圏含む30ヶ国以上への渡航経験あり
(アメリカ、カナダ、オーストラリアなど)
・海外在住歴:4年
◇自己紹介
海外旅行にハマり英語の必要性を実感したことをきっかけに、一念発起しNativeCampで英語学習をスタート。
オンラインレッスンを繰り返し英会話を身につけました。その後言語学習に興味を持ち、メキシコ国立自治大学が運営する語学学校CEPEでスペイン語を学習。
現在はメキシコシティで英語とスペイン語を使いながら生活しています。