
観光地としても人気があり、近年はセブ島を中心に、語学留学先としての人気が高まっているフィリピン。しかし、フィリピンで学ぶ語学留学生の多くは学生寮や提携しているホテルに滞在しており、ホームステイという滞在スタイルを選ぶ学生はごくわずかです。
しかし、ホストファミリーの家で家族の一員として過ごすホームステイでは、より深く現地の人の生活に触れることができ、授業以外でも生の英語に触れることが可能です。語学学校によってはホームステイを提供しているところもあるので、ホームステイを体験してみたいという方は是非参考にしてみてください。
フィリピン留学の滞在スタイル
フィリピンの語学学校は、基本的に授業と宿泊が一緒になったプランを提供しています。滞在スタイルは寮が最も多く、学校と生活環境が一体化し、学生が安心して勉強に集中できる環境が整っています。
一方、ホームステイは、フィリピンの一般家庭に滞在する宿泊スタイルです。ホストファミリーとの暮らしを通じて、その国の習慣や文化、生活様式に触れ、ホストファミリーと日常的なコミュニケーションをはかることで、国際的な感覚を身につける機会となります。フィリピン留学ではホームステイを選べるケースは稀なので、まずはホームステイを提供している学校選びから始めましょう。寮生活では味わえない素晴らしい留学経験となるはずです!
フィリピンの生活事情とホームステイ中の注意点
ホームステイを成功させるためには、ホストファミリーをしてくれているフィリピンの家族への配慮は欠かせません。ここからは、フィリピンでのホームステイにおける生活上の注意点についてご紹介します。ホストファミリーと良い関係を築くためにも、心に留めておきましょう。
生活全般の注意点
ホームステイでは、ホストファミリーの家に個室もしくは留学生同士の相部屋が割り与えられ、自分の部屋として貸してもらうことになります。自分の部屋は自分で整理整頓するのが基本です。個室を与えられていたとしても、自分の家ではなく一室を貸してもらっている立場なので、朝起きて部屋を出るときはベッドメーキングして、常に綺麗にしておきましょう。自分の部屋の掃除ももちろん自分ですべきですが、起床時間や就寝時間など、事前に話し合ってホストファミリーの生活リズムに合わせる努力をしましょう。
また、最近は携帯電話を持ち込むケースが多いと思いますが、家の固定電話を使用する場合は必ず許可を得ましょう。緊急の用件や特別な事情がない限り、食事中や深夜の電話や長電話は避け、ホストファミリーに迷惑がかからないよう気を付けてください。
インターネットを利用する場合も、ホストファミリーの許可を得てください。フィリピンでは日本ほどWi-Fiは普及していませんし、速度も遅いことが多いです。利用可能な通信量に制限が設けられている家も多いので、ホストファミリーの許可なしに動画を視聴したり大容量のデータをダウンロードしたりするのは控えましょう。
食事の注意点
ホームステイの場合、ホストファミリーが食事を用意してくれる形になります。食事の時間も家庭によってさまざまなので、事前に確認しておいた方がいいでしょう。フィリピン料理は日本の料理と比べると脂っこく、肉料理が多いのが特徴です。日本の料理とはかなり味付けが違うので、最初は食べられないものもあるかもしれません。
寮やホテルでの食事は留学生も食べやすい料理が提供されますが、ホームステイでは普段ホストファミリーが食べているのと同じものを食べるのが基本で、留学生用に特別に料理をしてくれるわけではありません。どうしても苦手なものがあれば無理をしてまで食べる必要はありませんが、提供される食事は現地の人々が日常的に食べている料理です。初めて目にする料理でも、異文化体験として是非挑戦してみて下さい。ホストファミリーが料理を作るのを手伝うのも、良い経験でしょう。
食事が終わったら、自分の使った食器は台所へ運び、後片付けの手伝いをしましょう。ホストファミリーと交流を深めるためにも、現地の人達の食事を一緒に楽しみ、食事の準備や食後の後片付けなどのお手伝いも積極的に行ってください。
飲酒や喫煙の注意点
ホームステイ先にお酒を持ち込む場合は、必ずホストファミリーの許可を得てください。部屋で隠れてお酒を飲むことは厳禁です。もちろん深夜に酔って家に帰って迷惑をかけることがないよう気を付けてください。
また、海外では公共の場での喫煙や歩きタバコは厳しく制限されている場合が多いので、喫煙をする場合は場所を確認してください。ホームステイ先で喫煙したい場合は、ホストファミリーに確認して家庭のルールを必ず守りましょう。火の元には十分注意し、吸い殻の後始末も責任を持って行いましょう。海外での飲酒や喫煙に対する罰則は日本に比べると厳格なので、必ず現地の法律や規律を確認し、順守してください。
洗濯の注意点
洗濯の方法はホストファミリーによって異なります。ホストマザーが家族のものと一緒に洗ってくれるケースや、自分の洗濯ものは自分で洗うケースなど、家庭によってやり方が異なります。ホストファミリーに自分の洗濯物をどうするべきか、必ず確認してください。洗濯機は日本の物と異なりますので、デリケートな素材や縮みやすい素材の洋服などは手洗いした方が良い場合もあります。
また、フィリピンには街中にランドリー店が存在します。町のランドリー店を使えば、その日のうちに格安で洗濯して乾燥し、畳んでくれるので、自分で洗濯するよりもランドリーへ持っていく方が楽かもしれません。
シャワーやトイレの注意点
フィリピンの家庭では洗面所、シャワーとトイレがひとつにまとまっているユニットタイプも多いので、誰かが利用している間は他の人は待たなければなりません。シャワーやトイレを使用する際は、ホストファミリーに一声掛けてから使用するようにしましょう。
フィリピンではバスタブが無い家も多く、シャワーを浴びるのみになります。バスタブがある場合でも、日本のようにお湯を張って入ることはありません。インフラが整っていないフィリピンでは、水のシャワーしか出ないところがありますし、断水もよくあります。一般家庭では、沸かしたお湯をタンクに貯めて使用しているので、長時間使用するとお湯が出なくなる可能性もあります。
また、フィリピンではトイレのことをCR(シーアール)と呼びます。ウォシュレットはついていませんし、トイレットペーパーを流すと詰まってしまうので、横のゴミ箱に捨てるのが習慣です。シャワーやトイレの使用はフィリピンの事情に合わせ、生活を共にするホストファミリーへの気遣いも忘れないようにしましょう。
フィリピンでのホームステイ中に気を付けたいこと
宗教について
フィリピンの国教はキリスト教で、90%以上の人が敬虔なキリスト教徒です。そのため、多くの人が日曜日に礼拝に行くのはもちろん、戒律を守りながら生活しています。ショッピングモールなどでも毎日決まった時間にお祈りのために1分間ほどのアナウンスがあり、その間は人々が動きを止めてお祈りします。
キリスト教徒ではない日本人留学生がホストファミリーと一緒に儀式に参加したり、教会に行ったりする必要はありませんが、宗教にかかわる儀式や生活は尊重して、決して邪魔をしないようにしましょう。
水道水について
日本では水道水を当たり前に飲むことができますが、フィリピンの水道水は飲めないので、そのまま飲むのは絶対に避けましょう。必ずペットボトルやウォーターサーバーの水を飲んでください。日本人が水道水を飲んでしまうと、おなかを壊してしまう可能性があります。レストランで提供されるコップの水や、飲み物に入っている氷、歯磨きの時も注意が必要です。水道水で口をゆすぐのではなく、毎回ウォーターサーバーの水かペットボトルの水で口をゆすいでください。シャワーの水でうがいをするのも避けましょう。
楽しい留学生活も、水が原因で体調を壊してしまえば台無しです。水道水に充分注意して生活しましょう。
ホームステイを成功させるために
ホームステイは、一般のフィリピン人家族との生活を通じて、授業とは違う生の英語を学んだり、異文化や現地の習慣を深く理解して、国際性を身につけたりする絶好のチャンスです。普通の海外旅行では得ることのできない体験をするために、以下のことを心がけましょう。
ホストファミリーに積極的に話しかける
ホームステイでは、習慣や価値観の違いなどを理解し合い、自分とホストファミリーの双方が、お互い快適に暮らせるように努力する必要があります。積極的にコミュニケーションを取って、家庭の雰囲気に早く溶け込むように努力しましょう。
英語が上手く話せないからといって黙り込んだり、自室に籠ってしまったりせず、身振り手振りなど体を使ったジェスチャーも取り入れて、ホストファミリーとの積極的な意思疎通を心がけてください。嬉しい時や楽しい時は笑顔で、哀しい時や辛い時も、自分の感情を恥ずかしがらずに言葉にして、正直に自分の気持ちを表現しましょう。積極的なコミュニケーションでホストファミリーとの距離が縮まり、留学生活がより充実するでしょう。
ホストファミリーのルールや習慣を尊重する
ホストファミリーはあなたをお客さんとしてではなく、家族の一員として迎え入れています。外国人である自分を家族の一員として受け入れてもらっているという、感謝の気持ちを忘れずに過ごしましょう。
各家庭の習慣はさまざまで、ホテルのような均一のサービスを提供するものではありません。ホストファミリーというのは、国際理解と相互親善という趣旨のもとに自発的に協力を申し出てくれた善意の家族です。フィリピンでのホームステイ生活の中では、文化や習慣、価値観が日本と異なり、困惑することがあるかもしれませんが、ホストファミリー家庭のルールをしっかり守って、お互いに気持ちよく生活できるように心がけましょう。
英語でのコミュニケーションに行き詰って曖昧な返事をしたり、分からないまま放っておいたりすると、ホストファミリーとの間に誤解が生じ、関係がギクシャクしてしまうこともあります。分からないことはホストファミリーに確認するなど、積極的なコミュニケーションを取ることで、生きた英会話力も身についていきます。ホストファミリーと暮らす中で異文化に対する理解も深まり、より充実した留学生活が送れるでしょう。
まとめ
今回はフィリピンでのホームステイにおける注意点や心がまえをご説明しました。ホームステイでは、自分とホストファミリーの双方が相互に理解しながら快適に暮らせるように、積極的に家族とコミュニケーションを取り、家庭の生活に溶け込むことが重要です。習慣の違いや価値観の違いに戸惑うこともあるでしょう。しかし、フィリピンのホストファミリーとの生活は、生きた英語力を身に付け、異文化を体験をするチャンスでもあります。
フィリピンでの語学留学でホームステイを選べる機会は少ないですが、寮生活とは違った素晴らしい体験ができる絶好のチャンスです。ホームステイという選択肢がある語学学校なら、是非試してみることをおすすめします。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.