フィリピンでのカルチャーショック:留学前に知りたい文化と習慣

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近年、セブ島の語学留学先としての人気が高まっています。フィリピンには、日本人から見ると驚くような文化や習慣がたくさんあります。

今回の記事では、そんなフィリピン独自のカルチャーをご紹介します。実際に訪れた時に驚いてしまうことのないように、フィリピンの文化や習慣を事前にしっかり学んでおきましょう。

公共の場でのカラオケ愛好

意外と知られていませんが、フィリピンの人たちは実は年齢に関係なく大のカラオケ好きです。人との付き合いを大事にするフィリピンでは、男性も女性も常日頃から仲間が集まって、カラオケやダンスを楽しんだりする習慣があります。

カラオケが好きなところは日本人との共通点ですが、その違いはこの集まりが毎日のように開催されていることです。自分の好きな歌を歌いながら、騒がしい雰囲気の中で他の人々と交流して新しい友人を作ったり、ビジネスパートナーと出会ったり、友人や先生、家族と一緒に歌ったりと、カラオケを歌うことで自分を表現して人々との親交を深めるということが、コミュニケーションの手段になっているのです。

そのスタイルもさまざまで、客が順番に歌っていくタイプの飲み屋があったり、職場にレクリエーションとしてカラオケを用意している会社があったり、道端で歌う人がいたり、さらに立ち止まって歌を聴いている人たちで人だかりになっていたりと、公共の場でもお構いなしです。

カラオケセットを自宅に持っている人も多いですし、カラオケコンテストやオーディション番組なども非常に人気が高いです。とにかくカラオケ大好きな国民性なので、一緒に歌えばすぐに仲良くなることが出来ます。

家族との強い絆と家族中心の文化

フィリピン人は、家族との関係を非常に重要視します。頻繁に家族で食事や旅行、観光に行ったり、毎週末実家に帰って家族団欒を楽しむといった具合です。仕事や約束があっても、家族との用事や誕生日などの予定は最優先です。

子どもにもお年寄りにも優しいのが当たり前で、社会人になって結婚すると親戚の生活まで面倒を見て養うことが求められます。もし家族が病気になったりすれば全力でサポートしますし、大家族を養なうために高収入を求めて海外で働きながら現地の家族に送金する人もたくさんいます。

フィリピンのこの家族愛は先住民の時代から受け継がれて来ているもので、長い歴史を経た今もなお、家族を最も大切にするという文化が根付いています。フィリピン人に対してやってはいけないこととしては、家族の悪口を言うことです。大きなトラブルになる恐れがあるので、冗談でも決して言わないようにしましょう。

食文化に関するカルチャーショック

フィリピンの食文化をひと言で言うと「甘い」ということです。暑い国ならではの甘酸っぱくて油っぽい料理が多く、基本的にどの料理にも砂糖を入れます。甘い味付けはフィリピン料理の特徴といってもいいでしょう。

独特なフィリピン料理と甘いスパゲッティー

フィリピン人はスパゲッティーが大好きで、ファーストフード店のみならず、会社や家でパーティーとなれば必ずスパゲッティーが出てきます。

スーパーマーケットへ行くと、さまざまなブランドのものが揃っていて、その種類も充実しています。フィリピン人にとってスパゲッティーは主食ではなく、あくまでおやつという考え方があります。

そんな考え方もあって、フィリピンスタイルのスパゲッティーはトマトソースではなくバナナケチャップが使われていて甘いのです。この甘いスパゲッティーはフィリピーノ・スパゲッティやスイート・スパゲッティと呼ばれていて、第2次世界大戦中にトマトが不足したことで、現地でよく取れるバナナを代替品として使い始めたのが、この料理のはじまりだそうです。

朝食からデザートまで、すべてに甘さを加える習慣

暑い国ではたくさんカロリーを必要とするからかもしれませんが、スパゲッティーのみならずフィリピン人は甘いものが大好きです。

フィリピン料理は、基本的にどの料理にも砂糖が入っていて甘い味付けのものが多く、ソースも甘さが目立ちます。 レストランのデザートや街中の出店で売られているスイーツももちろん甘いのですが、それだけでなく街中のカフェも、人気店になるためにはドリンクが甘いかどうかが重要だと言われています。

外資系のカフェチェーン店でも、人気が長続きする店のドリンクにはフィリピン人の味覚に合わせてドリンクに砂糖が入っています。ブラックコーヒーは砂糖入りミルクなしが標準で、アイスティーも砂糖入り、カフェラテも砂糖入りがスタンダードです。

日本人の味覚とはだいぶ異なるので、最初に飲む時はショックを受けるかもしれません。

ストリートフードとその多様性

ストリートフードというのは、露店で移動販売している食べ物の総称で、フィリピンといえばストリートフードと言えるほど生活に定着しています。

フィリピンでは一日3食に加えて食事の間にメリエンダという間食を挟むのが常識で、一日5食6食食べるのも普通です。小腹を空かせたフィリピン人たちのために、路上ではさまざまな種類のストリートフードが売られていて、朝の通勤時や昼休み、仕事帰りなど、いろいろな時間帯におかずからデザートまでバラエティ豊かなストリートフードを買うフィリピン人をよく見かけます。

例えばストリートフードの代表的なものの1つに、タホという柔らかい豆腐にタピオカと甘いシロップを混ぜたフィリピン人の朝食があります。朝の時間帯に街中に出ると、銀色のバケツを持ったおじさんが大声でタホを売り出しています。フィリピン人にとって定番の朝食で、約10~20ペソ(約20~40円)で買うことができます。

また見た目がバーベキューのようなバナナキューも有名です。サバと呼ばれる調理用の甘くないバナナを切って、砂糖と油で揚げただけのシンプルなおやつです。

また、熟しきっていない緑色で酸味の強いグリーンマンゴーも有名で、1つ約30ペソ(約60円)で購入できます。

テンプラと呼ばれる、魚のすり身を油で揚げて、一口サイズに切ったものを串に刺した料理も有名なストリートフードです。スナック感覚で食べることができて、小腹がすいた時にちょうど良いサイズです。

フィリピンにおける独特の祝祭文化

フィリピンには長らく伝わるさまざまな祝祭日の風習があります。ここではフィリピン独自の特別な日の祝い方をいくつかご紹介します。

誕生日におごる習慣とその意味

フィリピン人はお祭りやパーティーが大好きで、誕生日などのお祝い事にはものすごいエネルギーを注ぎます。普段はのんびりとしているフィリピン人ですが、パーティーの準備となると突然手際がよくなり、お金を借りてまで家族の誕生日会を盛大に開催することもあります。

日本では誕生日を迎えた人がプレゼントをもらったり、お祝いをしてもらうのが通常ですが、フィリピン文化では逆で、誕生日を迎える人が周囲にごちそうするのが通常です。

これは、自分が一年間無事に過ごせたことに対する感謝の気持ちを多くの人と共有したいという考え方から来ています。家で誕生日会を開催する場合、主役は招待した人に対して料理や飲み物などを用意しておもてなしをします。

外食で誕生日会を行う場合でも、主役が支払いを行います。そして誕生日会が進むと、後半では必ずカラオケ大会が始まります。さらにその後は激甘なケーキを食べて祝うのが一般的です。

クリスマスシーズンは9月から本格的に始まる

国民の80%以上がカトリック教徒というフィリピンでは、クリスマスが1年の中で最も重要な宗教的イベントです。クリスマスシーズンは9月から12月までの4ヶ月間と、世界で一番長く続くとも言われています。

フィリピンでは、クリスマスシーズンを「ベル・マンツ」と呼びます。ベルは「ber」、マンツは「month」で、末尾にberの付くSeptember、October、November、Decemberの4ヶ月のことを指します。

毎年9月から、大通りの並木には電飾が付けられ、街には大きなクリスマスツリーが設置され、ショッピングモールにはツリー用のオーナメントや電飾、クリスマス料理用の材料や道具が並びます。クリスマスイベントもあちこちで開催され、国中がお祭りモードに入ります。

11月下旬から12月中旬になると、家族や友人とのクリスマスパーティーが次々と開催されます。たくさんの食事を並べて綺麗に着飾り、楽しいゲームやダンスをしてパーティーを楽しみます。

会社がクリスマスパーティーを開くのが一般的で、フィリピン人従業員はこの年に1度の盛大なパーティーを楽しみにしています。会社から従業員へ1年間の感謝を伝えてモチベーションをあげるための重要な場となっています。

大晦日の全国規模の花火大会

フィリピンの正月の祝賀は12月31日の大晦日から始まります。大晦日に大々的なカウントダウンイベントが各地で開催され、花火やパーティーで1年の締めくくりを祝うのが通常です。

年が明けた瞬間、フィリピンではそこかしこで打ち上げ花火や爆竹、祝砲が上がりお祝いします。大きな音を出すのは悪魔を追い払うという意味があるのですが、毎年爆竹で事故があったり、火事が起きたり、祝砲の流れ弾に当たったりということが発生するので、最近は花火や爆竹の販売に関しての法律が厳しくなっています。

花火や爆竹が終わった後に始まるのは、大音量で響きわたるカラオケ大会です。警察が注意する事もなく、翌朝5~6時までノンストップでパーティーが行われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はフィリピン独自の習慣や風習をご紹介しました。日本とはだいぶ違うところも多いので、最初はカルチャーショックかもしれません。

語学留学などで訪問する機会がある際は、自分からこの文化に飛び込んでいきましょう。親しみやすいフィリピンの方々と、すぐに仲良くなることが出来るでしょう。

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