今回のコラムで特集していくのは「すねる」という意味を持つ英語表現です。また、「拗ねる」と似た意味を持つ関連表現についても紹介していきたいと思います。
どの言葉にも、さまざまな感情表現の方法がありますね。幸せ、嬉しい、ムカつく、イライラする、悲しい、寂しいなど世界共通の表現もあればある特定の国でよく用いられる表現などもあります。
例えば日本語には「奥ゆかしい」や「切ない」など、風情あふれる日本の文化を背景に出来上がった感情表現があります。
「すねる」は、日本語でも物事が自分の意に沿わず、不機嫌になったりへそを曲げてしまう感情のことを表します。
英語で同じように「すねる」状態を表すには、どのように言えばいいのでしょうか?英語のネイティブスピーカーたちが使用する「すねる」の表現方法やその他の関連表現を具体的な例文と一緒に確認していきましょう!会話の中や文章の中でどのように使用すればいいかも学習できますよ。
「すねる」の英語表現
「すねる」の意味を国語辞典で調べると、「素直に人に従わないで、不平がましい態度を取る」「わざとよそよそしう振る舞う」「自分の思うように行かなくてわざと逆らった態度を取る」などといった説明が出てきます。
このような感情は英語圏でも表現されます。
ここで紹介するのは主に「sulk」と「pout」という2つの表現です。
それぞれの表現の基本的な意味と会話、文章中での使い方を例文とともに確認していきましょう。適切な状況やシチュエーションで使用できるように、両者のニュアンスの違いも説明します。
参考資料:拗ねる (すねる) とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%8B%97%E3%81%AD%E3%82%8B/
sulk
1つ目の表現「sulk」の基本的な意味を英和辞典で調べてみました。「不機嫌になる」「ふくれる」「拗ねる」などの意味があるそうです。
小さい子供が欲しいものを買ってもらえなくて不貞腐れている様子や、勝ちたかった試合でストレート負けをしてしまい不貞腐れる様子を思い浮かべるといいでしょう。
ちなみに、「be in a heavy sulk」で「ものすごく不機嫌になる」という意味で使用されます。
また、「go into sulk」でも「不機嫌な状態になる」という意味で用いられます。
Hey, you don't need to be in such a heavy sulk just because you lost the game.
ゲームに負けたからといって、そんなにひどく不機嫌にならなくったっていいのに。
My sister has been sulking in her room for a couple of hours.
私の妹は数時間もずっと自分の部屋で拗ねている。
Look at him. He is sulking in the corner of the room!
彼をみてよ。部屋の隅っこで不貞腐れているよ!
参考資料:sulkの意味・使い方・読み方 | 英辞郎on the WEB
https://eow.alc.co.jp/search?q=sulk
「すねる (拗ねる)」は英語でなん言う? - ENGLISH JOURNAL
https://ej.alc.co.jp/entry/20231008-sulk
pout
2つ目に紹介する表現は「pout」です。
「pout」には「口を尖らす」「膨れっ面をする」「むっつりする」「拗ねる」という複数の意味があります。
先ほど紹介した「sulk」が「拗ねる」「不機嫌になる」など感情のみを表していたのに対し、「pout」は拗ねていじけたことにより口を尖らせたり膨れっ面をするという行動も意味の中に含まれています。
会話の中では「get pouty」で「膨れっ面になる」「ムッとする」と表現することが多いです。
My cousin's daughter just pouted because I refused to buy her a new toy.
従兄弟の娘は私が新しいおもちゃを買ってあげるのを拒んだので拗ねてしまった。
When I told my boyfriend that I had a chat with my ex, my boyfriend got a little pouty.
元彼と少し喋ったことを伝えると、私の彼は少しむすっとした。
参考資料:poutの意味・使い方・読み方 | 英辞郎on the WEB
https://eow.alc.co.jp/search?q=pout
すねるの関連表現 ~いじける~
ここまで、「拗ねる」と言う意味を持つ代表的な英語表現「sulk」と「pout」の基本的な意味とその使い方を例文とともに紹介してきました。
ここからは、「sulk」と「pout」に関連するその他の英語表現を紹介していきたいと思います。
「すねる」と似たような意味の表現として、「いじける」が挙げられます。
日本語と同じように英語でも「いじける」という意味の英単語は存在しています。ここでは「get discouraged」と「cringe」を紹介します。
get discouraged
「get discouraged」は「やる気を失う」「めげてしまう」と言う意味でよく使われます。
「discourage」には「がっかりする」や「やる気を削ぐ」といった意味があるためです。
「get discouraged from_____ing.」で「_____するやる気を失う」と行った風に使用されることも多いです。
「_____」の部分にもともとやる気だった物事を入れて使います。
I got discouraged from studying in the library because It just started raining so hard.
ちょうど今ひどい雨が降り出したので、図書館で勉強するやる気を失っていじけてるところ。
Please don't get discouraged. You need to work hard on your dream!
がっかりしないで。夢のために努力しないと。
参考資料:Don't get discouraged. : めげないで | YOSHIのネイティブフレーズ
https://native-phrase-blog.com/dont-get-discouraged-%EF%BC%9A%E3%82%81%E3%81%92%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7/
いじけるを英語で教えて! - Hey! Native Camp
https://nativecamp.net/heync/question/11178
cringe
続いて紹介するのは「cringe」という表現です。
英和辞典でその意味を調べてみると、「(恐怖で)身がすくむ・縮み上がる」「卑屈な態度になる」「ドン引きする」「〜にうんざりする」と説明書きがあります。
嫌なことや予想とは異なること、自分の思い通りには行かないことが起きた時に「ちぇっ」といじけたり、その状況にうんざりするような態度のことを表すようです。
実際の会話の中では、「cringe at ____」で「____に対してうんざりする」や
「cringe from _____」で「____ に尻込みする」という風にネイティブスピーカーは使います。
I cringe at the idea of paying too much tax.
税をたくさん払わなければいけないという考え方にうんざりする。
It was really cringey that we lost all the matches but we need to move on.
全ての試合に負けたことには本当にうんざりするよ。でも私たち、前へ進まなきゃ。
be in a bad mood
英語では「be in a bad mood」で「不機嫌である」「機嫌が良くない」などと表現されます。
「be in a bad mood」の文字通り、「悪いムードの中にいる」ということで「不機嫌である」と訳されます。特定の理由が明らかではないのに拗ねたり不機嫌になっている様子を表す際によく使用される印象です。
I think he is in a bad mood today.
今日彼はなんだか不機嫌だよね。
Our teacher is in a bad mood today so we better not tell her about the accident yet.
なんか今日、先生不機嫌だと思う。アクシデントのことはまだ話さないほうがいいかもね。
参考資料:すねるって英語なんて言うの? - DMM英会話なんてuKnow?
https://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/8954/
まとめ
この記事ではここまで、自分の意思とは反することが起きた時や思い通りに物事が進まなかったときに「すねる」という意味を持つ英語表現「sulk」と「pout」を特集してきました。いかがでしたでしょうか?
どちらも「拗ねる」と訳せはするものの、「sulk」は「不機嫌になる」「拗ねる」といった感情表現のみ表すのに対し、
「pout」は「拗ねて口を尖らせる」「不機嫌になって膨れっ面をする」など行動についても意味に含まれていることがわかりました。状況や場面に合わせて、両者を使い分けられるといいですね。
また、「拗ねる」と似た意味の「いじける」と言う意味を持つ英語表現「get discouraged」「cringe」「be in a bad mood」の3つも特集しました。関連表現として、しっかり頭に入れておきましょう。
出身地は静岡県の下田市です。実家の目の前にはエメラルドグリーンのビーチがひろがっています。小さい頃からスキンダイビングやボディーボードをして育ちました! フェリス女学院大学の英文科在学中にニュージーランドへ留学。そこで国際教育の重要さに気づき、横浜国立大学大学院教育学研究科へ進学。小学生の外国語教育の研究に携わる傍ら、アメリカからの留学生のチューター業務も経験。 修士課程修了後は、都内のインターナショナルプリスクールで5歳児クラスの担任を経験。外国人と日本人バイリンガルの2人体制でこどもたちと英語で探究学習を行う。日本語の授業も担当し、母語の大切さも伝えた。 現在は前職を退職し、英語を教えるだけでなく、国際交流•異文化交流の大切さをそだてるニュータイプのオンライン英会話をネイティブ講師とともに小学生に教えている。 ④ 趣味は洋楽をギターやピアノでカバーすること、ビーチでヨガ、サイクリング、ピアノ耳コピ、ダンス、犬と散歩。 夢は、英語をツールにして音楽やダンスや絵、スポーツなどの自分の得意なことを使って自分自身について表現し、世界の人と交流することを楽しいと思ってくれる子供達が増えるような「先生」そして「表現者」になること。 そしてもう一度大好きなニュージーランドにステキな家族、友人達と長期ステイすること!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.