韓国語は、英語など日本語と共通点がほとんどない言語に比べると文法的な類似点が多い言語です。そのため、日本人にとっては最も習得がしやすい外国語だと言えます。
また、隣国であるため文化的にも日本と似ている点が多いことも韓国語を理解する上で他国の学習者に比べ有利です。
このように日本人にとっては比較的習得の難易度が低い韓国語ですが、学習を進める上で分からないことがあったり、勉強がうまくいかず悩むといったことは個々に差があるとは言え何かしらある場合が多いと思います。
そして、それらの分からないことや悩みをなかなか解決できずそのままになってしまっていることがないでしょうか。
今回の記事では、韓国語学習者から多く来る質問に対する回答をしていきたいと思います。
- Q1.韓国語はレッスンを受けた方が良いですか。
- Q2.おすすめのテキストはありますか?
- Q3.韓国語の勉強は何から始めれば良いですか?
- Q4.韓国語会話はどのくらいでできるようになりますか?
- Q5.単語を覚えても忘れてしまうのですが、どうやって勉強すれば覚えられますか?
- Q6.ドラマを字幕なしで理解できるようになるにはどうやって勉強すれば良いですか?
- Q7.スピードの早い韓国語を聞き取れないがどうすれば聞き取れるようになりますか?
- Q8.どうすれば自然な韓国語の文を書けるようになりますか?
- Q9.日本にいて韓国語を話す機会がないがどうやって勉強すれば話せるようになりますか?
- Q10.会話レッスンでフリートーキングをしているが話せるようにならないのはなぜですか?
- まとめ
Q1.韓国語はレッスンを受けた方が良いですか。
A1.レッスンは必ずしも受けなくても習得は可能です。受けるかどうかの目安としては、自分でテキスト等の教材を使いまずは勉強をしてみて学習内容を理解できるかどうかです。できる場合は独学でも習得は可能です。
ですが、学習内容を理解ができない場合は、レッスンを受けて講師から学習内容や分からない部分を説明してもらう方が良いでしょう。
ただし、独学できる場合でも読解や聞き取りは自分でもできますが、書き取りや会話など自分から発信するスキルについてはひとりで習得することが難しいこともあります。これらは必要に応じて、レッスンを受けることをおすすめします。
Q2.おすすめのテキストはありますか?
A2.テキストの選択基準は自分がどの程度学びたいかによります。ひとまず韓国語はどんな感じなのかを知りたい程度であれば、内容があまり詳しくない手軽なテキストで学習を始めても良いです。
ですが、しっかりと韓国語を学んでいくつもりであれば、文法や単語をベースにきちんと説明された総合書をまずは一冊使うようにしましょう。
国内のテキストであれば韓国語学校が出しているような初級、中級のようにシリーズになっているものが無難です。
韓国の大学の語学堂が出しているテキストも内容としては一部グループレッスン向きのものがありますが、初級から上級まで揃っていることとしっかり学べる内容になっているためおすすめです。
また、いずれの場合も練習問題がしっかりとあるものを選ぶようにすると良いです。
Q3.韓国語の勉強は何から始めれば良いですか?
A3.全く初めての場合であれば、まずはハングルの発音と書き方を覚えることから始めます。文字がゆっくりでも理解でき、発音のルールも一通り学んだ段階でテキストを使い単語や文法を少しずつ学んで行きます。
初めの段階では発音やイントネーション、読む、書く、聞く、話すのそれぞれのスキルの正確さにこだわる必要はありません。まずは、全体としてバランスよくある程度のレベルでできるようになることが大事です。
その後、自分の学習目的に合わせ、より強化したい部分を集中的に学ぶようにします。例を挙げると、単語や文法などある程度の知識習得をしてから、それらを実際に使って話すことができるようになるために会話練習をするといった具合です。
Q4.韓国語会話はどのくらいでできるようになりますか?
A4.どの程度話せるようになりたいのか、練習をどの程度できるかによります。個人差があるとは言え、全く韓国語が分からない状態で学習を始めて3カ月で韓国人のようにネイティブスピーカーレベルの韓国語を話せるようになるといったことは通常はありません。
韓国語を話せるようになるためにはそのベースをして初級程度の単語力と文法知識が必要になります。日本国内で限られた時間の中で学習時間を取る場合、最低でも6カ月から1年程度はかかります。
それらを学んで行く中で段階ごとに話すことをできるようになっていけば1年くらいで最低でも韓国旅行に行って会話ができる程度、日常会話でも自分のことについては話せるなど限られた範囲内の簡単な会話はできるようになることは見込めます。
Q5.単語を覚えても忘れてしまうのですが、どうやって勉強すれば覚えられますか?
A5.単語は学生時代に英語の単語暗記でしたような単なる暗記だと、記憶に定着しづらく使えるようにもなりません。そのため、まずは単語単体で書いたり発音することをしても良いですが、その後は文の中で実際に使う形で何度も繰り返し読んだり、書いたりしながら、自分でも使うことで記憶できます。
単語は数回程度で覚えられないことは普通で、覚えられなくても記憶力が悪いわけではありません。
そのため、少しやって覚えられなくても気にする必要はなく、覚えるまで繰り返していれば気が付くと覚えた状態になっています。
Q6.ドラマを字幕なしで理解できるようになるにはどうやって勉強すれば良いですか?
A6.まず、多くの人がやりがちなドラマを理解できるようになりたいからといきなりドラマを見たり、ひたすらドラマを見続けても理解できるようにはなりません。韓国人がドラマを見て理解できるのは、韓国語を理解できるからです。つまり、ドラマを理解したいのであればまず韓国語がある程度のレベルで習得できていることが前提だということです。
ドラマを理解できるようになるためには、普段の教材を使った単語と文法をメインとした学習をしっかりして、それを使い文を作る、話すことをやることで韓国語能力を少しずつつけていくことが回り道のようで結局は近道です。
自分が韓国語でしたいことをするためには、いきなりしたいことをするのではなく、そのために必要な韓国語能力を一から積み上げていくことです。
Q7.スピードの早い韓国語を聞き取れないがどうすれば聞き取れるようになりますか?
A7.まず、聞き取りができるようになるためには、自分で発音や音読をすることで音を認識できるようになっている必要があります。自分が認識していない音はいくら聞いても耳がその音を認識することができないからです。
スピードの早い韓国語を聞き取れないこともこれと同様で、自分が聞き取るスピードで自分が読むことができないために、早いスピードに慣れていないから聞き取れないということです。
早いスピードを聞き取れるようになるには、初めはゆっくりから始め、段階的にスピードを上げて自分でも韓国語の文をスラスラと読めるようになることで早いスピードに慣れていくことです。
Q8.どうすれば自然な韓国語の文を書けるようになりますか?
A8.テキストに載っている例文をまずは真似して基礎をしっかりと身に付けることで日本語と韓国語の違う部分を理解することです。日本語と同じ感覚で良い部分はそのままで良いので、間違ったり不自然になることはありません。
不自然になってしまうのは、日本語とは違う韓国語らしい表現を日本語の感覚でしてしまうために起こります。
普段の勉強をする中で常に韓国語と日本語の違いに気づき、自分が文を書く時にそれを活かすことで自然な韓国語の文を書くことができるようになります。
Q9.日本にいて韓国語を話す機会がないがどうやって勉強すれば話せるようになりますか?
A9.韓国語はスキルの習得で、スキルの習得は知識として単語や文法を勉強して覚えるだけでは習得ができません。そのため、単語や文法の勉強をして得た知識を使えるようになるための練習をする必要があります。そしてその練習はスポーツの自主練習と同じで毎日継続して習慣化する必要があります。
会話練習は相手がいないとできないと思う学習者が多くいると思います。そして、そのために相手がいないから練習できないと思い、していない学習者がいるのではないでしょうか。
会話練習は相手がいなくてもすることができます。既に話すことができてより会話に磨きをかける段階であれば相手がいた方が良いです。
ですが、現状、話そうとすると言葉がすぐに口から出てこないとか考えながら言葉がやっと口から出てくるという会話レベルであれば、相手と会話練習するのではなくひとりで練習する段階です。
会話は、元々はひとつの短い文です。そのため、まずは短い簡単な文から自分でスラスラと言えるようになるまで自主練習します。そして、ひとり二役で自分が質問をし、それに対し自分で答えるという会話形式の練習を自主練習でしてある程度できるようになればそれで会話はできるようになります。
会話は相手がいるからできるようになるのではなく、自分が練習するからできるようになるものだと心得てください。
Q10.会話レッスンでフリートーキングをしているが話せるようにならないのはなぜですか?
A10.会話はまず自分がどの程度できるのかを把握し、それに合った練習をする必要があります。Q9の回答でも書いた通り、話そうとすると言葉がすぐに口から出てこないとか考えながら言葉がやっと口から出てくるという会話レベルであれば、相手と会話練習するのではなくひとりで練習する段階です。
フリートーキングは会話の中でも難易度が高いです。なぜかと言うと、フリートーキングとは内容を決めずに好きなように話すということなので、色々な単語や文法を駆使して話す会話スキルが必要になるからです。
既にある程度の会話スキルがあるのであればフリートーキングはできますが、上記のような会話スキルなのであればフリートーキングは難易度が高すぎるためにできない、やっても効果が出づらいです。
まとめ
ここまで、韓国語学習者から多く来る質問に対する回答をしてきました。
韓国語など語学習得は独学でする場合はもちろんレッスンで習う場合でも、習得に関する正しい知識がないとなかなか習得ができません。
韓国語は日本人にとっては学びやすい言語ですが、習得となればやはり最低でも数年、人により5年以上という長い時間を要します。
それらの時間を無駄にせず習得に成功するために、正しい考え方をもとにした正しい勉強や練習を継続し習慣化してください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。